注意!
この記事にはキャラクターとゲームのストーリーに関するネタバレが含まれています!
概要
クロックタワーシリーズにおいて登場する、恐怖の殺人鬼。
作品によってその正体は異なるが、巨大なハサミを凶器として使用する(3はかなり特殊)、主人公をどこまでも追跡する、人間を超越しており不死身、という共通点がある。
各作品におけるシザーマン
クロックタワー
時計塔屋敷で主人公ジェニファーに襲い掛かる殺人鬼。
子供のような小さな体躯だが残虐性は計り知れず、多くの人間や動物を殺してきた。
文字通りの神出鬼没であり、稀に瞬間移動と思しき先回りを見せる事も。そのため、予想だにしない方向から襲ってくる厄介な相手である。
狡猾で殺害方法も多彩。様々な方法でプレイヤーを恐怖のどん底に突き落としてくる。
しかし、主人公がちょっと隠れただけで見つけられずに立ち去るなど、どこか幼稚な面も持っている。
リメイク版以降では、条件を満たすと踊りだすコミカルな一面が追加された。
巨大なハサミを軽々と扱う腕力と不死身の肉体を備えながら、何故か少女である主人公相手に簡単に力負けしたりする。
彼の正体は、館の持ち主である『サイモン・バロウズ』の息子でバロウズ家の次男、『ボビィ・バロウズ』である。年齢は9歳。
バロウズ一族が代々信仰してきた邪教により、異形の者として生を受けた存在であったが、本来ならば器官の未発達のせいで3日と持たない命であった。その後、彼の存在を愛おしく思った母親がバロウズ屋敷の時計塔を停止させ時の流れを止めたことによって生きながらえている。
最期は時計塔が再起動した事により再び時の流れが蘇り、それによって苦しみながら時計塔から落下し死亡した。
余談だが、次回作の『クロックタワー2』では、マスメディアでの主人公の証言を元にホラーショップ等で彼の顔を模ったゴムマスクが販売され、これが悪用される事になる。
クロックタワー2
前作から2年後のノルウェー・オスロ市において再び現れた殺人鬼。
相変わらず子供のように小柄だが残虐性は十二分であり、前回のおよそ3倍に上る犠牲者を出している。
主人公のメンタルケアを担当していたバートン教授の研究室に保管されていた「ボビィのハサミ」のレプリカを盗み出し、それを凶器に主人公を付け狙う。そして主人公の関係者、キーアイテム「魔像」やバロウズ一族の秘密を探ろうとする者を次々と惨殺していく。
狡猾性も高い上に超能力まで駆使し、停電にもかかわらずパソコンの画面に脅迫文を映したり、同じく電源の切れたファックスで予告状を送り付ける、家具を浮遊させ相手にぶつけ殺害する、犬を操って飼い主を殺したりと、プレイヤーを怖がらせるテクに関しては一級品。
人心掌握にも長けており、事件に強い関心を抱いていたバートン教授やジェニファーに執着していたハリスらをそそのかして犯行に加担させて一連の事件を引き起こした。
子供ゆえかやはり幼稚な部分も持っており、追跡の最中にもかかわらずロッキングチェアーで寛ぎながらテレビアニメを観ていたりする事もある。
その正体は前作のシザーマンであるボビィの双子の兄ダン・バロウズ。
強力な念動力と透視能力を持ち、前作の屋敷内で発生していた怪奇現象はこの能力を使って彼が引き起こしていたもの。
小説版『クロックタワー2』で明かされた設定によると、この双子の兄弟は、かつて不死を願うが余りに邪教崇拝と数々の虐殺を犯し、領民たちから「人喰いバロウズ」と畏怖されていた初代バロウズ家当主「セオドール・バロウズ」以降の代に時折生まれ落ちる「偉大なる父の使徒」である。
「偉大なる父の使徒」として生を受けたものは、生まれながらにして凶暴な性質を持ち、強力な超能力と不老不死という特性を備えた肉体を授けられる。そして、生後10年近くを「サナギ」と呼ばれる巨大な嬰児の姿(下のイラスト参照)で過ごした後、「羽化」して成体となる。
前作のダンの姿はこの「サナギ」の状態であり、弟のボビィは「羽化」するのが早過ぎた未成長の不完全体だった。ボビィは母親の庇護の下、時計塔を停止させられることで生きながらえた後、屋敷内で人間や動物を殺害しまくる日々を送り、ダンは星の下のゆりかご(=バロウズ家の地下洞窟にある寝床)で孵化が訪れるその日まで人目を避けるようにして育てられていたのだ。
地下洞窟に入り込んだジェニファーを殺そうと追っていた際、崖をよじ登っていたジェニファーが偶然転げ落とした灯油缶の爆発により、炎に包まれたが焼け死んではおらず、この際の熱によって「羽化」が促進され(この設定は「2」の発売後に発売されたSFC版のPC版及びPS移植版に伏線として反映されている)完全体として復活。記憶を失った生存者を装い救助され仮の名として与えられた「エドワード」と名乗り、後の事件を引き起こす事になる。
バロウズ一族の故郷である「バロウズ城」での最終局面にて、自らの正体を明かし主人公に襲い掛かるが、「偉大なる父の使徒」に反逆した13代目バロウズ家当主「クェンティン・バロウズ」が遺した「次元の扉」が魔像の力によって開放され、ダンはその中へと吸い込まれていった。
ただし、小説版では、偉大なる父の使途は人間とは異なる次元に存在しているため存在そのものが消滅することなく、次元の扉の向こうで魂だけの存在となってうごめいているという。そして、一時的にシザーマンの脅威の去ったバロウズ家に再び災いとなって襲い掛かったように、いずれまた、この世に生まれ出でるときが来るであろうことが示唆されている。
また、シザーマンはバロウズ家の女の腹に生じた次元の扉を通じて産み落とされると言われている・・・。
なお、ゲーム中では案外、反撃を食らって簡単に倒れたりしてしまうシーンが多いが、小説版での描写を合わせて考えると、これはおそらくダンの演技である。
小説版では大の大人の男一人を念動力で吹っ飛ばした挙句に腕をへし折ったり、時計塔屋敷の事件でジェニファーをテレパシーで操って自殺させようと仕向けたりもしたという旨の描写があるところからして、その気になれば人一人など赤子の手をひねるよりも簡単に殺せてしまうであろうことは想像に難くない。
それをしないのは、「殺人は遊び=あっさり殺したらつまらない」という、人々に死と恐怖をまき散らす邪悪な存在らしい考え方ゆえ。(殺すことそのものが彼自身の快楽につながっている)
つまり、反撃を受けて簡単にあっさり倒れてみせるのも、相手に十分な恐怖を与えるための余地を残すという目的の上での気まぐれからくる演技と考えるのが自然だろう。
また、バロウズ城ではシザーマンのミイラの入った棺が安置されているが、これは恐らく、ボビィと同様に不完全な形で生まれ落ち、死を迎えた個体だと思われる。
クロックタワーGH
GH本編にシザーマンと名付けられた人物は登場していないが、そのポジションに当たるキャラは登場している。なお、PSメモリーカードの管理画面で本作のセーブデータを観覧すると……?
主人公が暮らす事になった一家の次女。
ある日、自宅の納屋に仕舞われていた「黄金像」を見つけ、それを持ち出して遊んでいたところ突如豹変。不気味な形相と恐ろしく甲高い笑い声を上げながら、包丁片手に自宅内の人間へと襲い掛かる。包丁を投げつけてくるという衝撃の初登場が印象的。明確な描写は無いが、超常現象も引き起こしている。
豹変の度合いは凄まじく、銃で撃とうが刃物で刺そうが絶対に死なない。
またピエロの化粧レベルと言って良い、人間なのかを疑うほど異様な肌の白さも特徴。
最後は正気を取り戻し、その折に重傷を負うものの一命を取り留めた。
鷹野雅春
(※画像はイメージ)
鷹野一家の長男。
「黄金像」を持ち出した妹の千夏と遊んであげていた折に、突如千夏が発狂。恐れをなして自宅に飾られていた鎧武者の中に隠れていた。しかし、鎧の中にも幻覚剤が仕込まれていたため発狂し、鎧姿のまま自宅内を徘徊しつつ主人公に襲い掛かる。
シナリオの進行によっては、千夏に殺された鎧を脱いだ状態の彼を発見出来る。また、その展開で最終舞台の研究所へ向かうと……。
謎の研究所で襲い掛かる殺人鬼。CVは大塚明夫氏。
血まみれの白衣に般若の面、手にはレッドピラミッドシングが持ちそうな巨大な鉈というとても恐ろしい風貌。ある場所の扉を開けたらご対面する事になる。
最早理性は存在しないようで、うわ言のように「全ての……人間に……死を……」と繰り返している。
クロックタワー3
これまでのシザーマンとは一線を画している、道化師のような姿をした男女二人組。
男性側はシザーマン、女性側はシザーウーマンと呼ばれている。両者共に残虐非道な性格を持つ快楽殺人者で、幼稚かつ奇抜な行動や奇声を上げる事が多い。
刃物が大好きで、特に両手でそれぞれ持ち分けられる特殊な形状のハサミが得意武器。二刀流の剣のように扱うが、勿論ハサミとしても使用する。追跡中は、どちらも主に斬りつけ攻撃を多用する。
なお、二周目のハードモードでは武器が変更され、シザーマンは日本刀、シザーウーマンはレイピアをそれぞれハサミとして用いる。
……お前らはいったい何なんだ。
ボス戦においてシザーマンは斬りつけるだけでなく、ハサミから地走り型の衝撃波、ほぼ回避不能の強力な全方位かまいたち攻撃を放つ。
シザーウーマンは体力こそ非常に低いものの、自動照準が利かない特性を持つ。また、
斬りつけ攻撃以外にパワーを集中しないとこちらの攻撃が突破出来ない竜巻攻撃を駆使する。
彼らの本名は、シザーマンはルディ、シザーウーマンはジャニスと言い、アジア系の孤児だった兄妹である。幼い頃に「ダン・D・バロウズ公爵」(これまでのバロウズ一族、2に登場したダン・バロウズとは無関係)に戦火の中で拾われ、以後は彼の従者として仕えていた。
バロウズ公爵の悪しき野望に協力し、生贄となる領民を様々な残酷な方法で殺しては楽しんでいた。
バロウズ公爵と共に領民に殺されたが、この邪悪な魂は消滅せず、以降は生前と同じくバロウズ公爵に仕え、「魔のモノの配下」として殺戮を繰り返していた。
作中ではバロウズ城(こちらも2とは別物)で主人公を追い回す。兄妹の絆は深いらしく、ボス戦でジャニスが死亡した際、兄のルディは逆上してすぐさま主人公に挑み掛かるなど、殺人鬼ながら唯一の人間らしさを見せた。最終的に両者共に倒され、兄妹揃って狂笑を響かせながら消滅した。
関連タグ
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ある国民的人気漫画に登場し、2020年10月に公開され空前の大ヒットとなった劇場映画版で更に有名になった、あるキャラクターがシザーマン(?)となった姿(しかも本家と違って興奮すると稲妻の如き速さで高速移動してくる)。
大鋏(刈り込み鋏)を持つ姿がシザーマンを彷彿させるのか映画の地上波放送に合わせてTwitterにてトレンド入りした。
アニメ1話11:00~12:30頃(原作の漫画では2話6~8ページ)にて『大変だー!時計塔の方で、巨大なハサミを持った姫が…何故かマント狩りを』というシザーマンを連想させるセリフが存在する