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バハルス帝国

ばはるすていこく

バハルス帝国とは、丸山くがね著のライトノベル『オーバーロード』に登場する国家。
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概要編集

ナザリック近隣三ヶ国の1つ。ナザリックから見て北東の位置に存在する。


リ・エスティーゼ王国同様、建国から200年程の比較的新しい国家。

スレイン法国の庇護を受けた事で得た対外戦争での勝利や農業に適した肥沃の大地、何よりアベリオン丘陵と隣合わせであるローブル聖王国の様に、人間種に対して敵対的な亜人戦力が周囲にいなかった事で、急速に国力を増大させた王国ほどの発展は見せなかったものの、代々有能な君主を輩出して着実に勢力を広げた。


その後は王国同様力をつけ過ぎた貴族らによる専横が問題となり、緩やかな衰退を迎える運命にあったが、それを危惧した先々代と先代が暴走を始めた貴族らを排除するべく、水面下でその下準備に奔走する。

しかし、計画の中途でそれに感づいた反皇帝派の貴族らが密かに派閥の一員として取り込んでいた先代の皇后によって、前皇帝が毒殺されるというアクシデントが起こり危うく改革が頓挫しかけるが、祖父と父親の計画と理念を引き継いだジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスがその報復として、父と自分を裏切った母親とその血族を筆頭に他の皇族を一掃し、新たな帝位に就く。


大粛清と大改革の果てに、反皇帝派に属する有力貴族達を次々と叩き潰し、更に有能な者は経歴や身分の貴賤を問わず取り立てるという大胆な人事により、帝国を強固な中央集権国家に生まれ変わらせた。


ジルクニフによる数々の改革の成功は、帝国をこれまで以上に発展させる事に繋がり、その文明・技術レベルは王国を圧倒的に凌駕している

また元々大魔法使いフールーダ・パラダインの存在もあって、王国より遥かに先進的だった魔法詠唱者(マジック・キャスター)の養成・優遇政策を新たに、帝国魔法学院を設立する事を始め更に発展した形で推し進め、帝国を強力な魔導国家にせしめた。


ただ残された課題として、神殿勢力を取り込めていないせいで魔法に関する教育は魔力系に偏ってしまっている事や、何より問題なのは帝国のほぼ全国民の健康を司っているせいで、絶対的な権限を持つジルクニフと言えど迂闊に神殿勢力の機嫌を損ねる様な事は出来ない事であり、そのため新しい国策として極秘裏に計画している、アンデッドを用いた公共事業などが思う様に進められないといった悩みを抱えている。

また王国よりも以前から人間の奴隷は禁止されていたものの、森妖精(エルフ)の奴隷に関してはこの限りではなく、主にスレイン法国との戦争で捕虜となった森妖精の王国の住民や兵士らが売られて来ており、国内のエルフ系住民からは快く思われていなかったりする。


帝国繁栄の最たる象徴である帝都『アーウィンタール』は、王都と比べ規模こそ劣るものの石畳が敷かれるなど、社会インフラの整備が高度に進められた計画都市として発展している。


軍事力編集

ジルクニフが改革の一環として兵農分離を行って軍備を再編、王国より数こそ少ないが、一兵一兵が銀(シルバー)級冒険者とも渡り合える専業騎士のみで構成された精鋭の軍団を創設し、練度・展開速度の面で王国軍を圧倒している


また、現在は飛竜や魔法詠唱者などを積極的に戦力として転用・養成する事に取り組んでおり、まだその配備は精鋭部隊にのみ限られるものの、これらも非常に強力な戦力となっている。


『個』の戦力においても、王国におけるガゼフ・ストロノーフの様なアダマンタイト級冒険者に匹敵する戦士や騎士の英雄はいないが、その英雄をも凌駕する逸脱者にして帝国全軍と互角とされる大魔法使いフールーダを筆頭に、単身ではガゼフの域に及ばずとも1人1人がオリハルコン級冒険者に匹敵する戦闘力を有する『帝国四騎士』と、それに匹敵するとされる白銀近衛の隊長と金(ゴールド)級冒険者に匹敵するその配下の約80人に及ぶ近衛達、フールーダの高弟である『選ばれし三十人』という第四位階魔法を行使出来る魔法詠唱者達を抱えている。


教育編集

帝都アーウィンタールには、様々な勢力を纏め上げて前々皇帝がフールーダに協力を仰いで作り上げた、帝国における最大の高等教育機関『帝国魔法学院』が存在する。

書籍版では名前が出てきたのみであるが、物語が分岐したWEB版では『学院編』(書籍版優先により、2014/12/24以降更新停止中)でその内情が詳しく明かされている。


一般的に学問を学ぶための手段として、裕福な者は家庭教師を雇い、対して平民は知識を持つ者が開く私塾に通う。

しかし、そんな教育手段では優秀な子供が教育を受けられずに地に伏せたままで終わる可能性があるという致命的な問題がある。そんな不利益を解消し、将来帝国の柱を背負って立つ人物、帝国の技術を上げる者達を排出するのを目的として創立された。


『魔法学院』という名前が付いているが別に魔法使いだけがいる訳ではなく、所属する生徒の大半は魔法が使えない者達である。『魔法』と名付けられている理由は、150年近く帝国主席魔法使いの地位にいたフールーダが創立に大きく関わったという点もあるが、それ以上に魔法というのがこの世界、もとい人間社会における大きな役割を果たしているからである。

この学院の存在は、元々私塾や家庭教師、独学などしか学ぶ方法が無かった帝国に新たな風を生む事となった。


入試に関しては、厳しい試験を突破しその者が優秀であると評価されたのであれば無償で入学出来る。

その一方で、普通に金銭を支払う事である程度は簡単な試験を受けられ、それの結果でも入学を許可される。


主な関連人物編集

ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス編集

バハルス帝国当代皇帝。他の皇族を宮廷闘争の果てに一掃して帝位に就いたため、“鮮血帝”の異名で恐れられている。

帝国を一代にして一大先進・軍事国家に育て上げた賢君で、民からは慕われている一方、有力貴族を筆頭に多くの支配層を粛清の末に根絶やしにしたため、アルシェの実家であるフルト家を始め生き残った貴族や元貴族達からは、表面上従いつつも憎悪と叛心を向けられている。



フールーダ・パラダイン編集

帝国の主席宮廷魔法使い。転移後の世界では唯一第六位階まで到達した、最強の大魔法詠唱者

既に200年以上の時を生き、六代の皇帝に仕えて帝国の勃興と共に生きて来た『生ける伝説』とも言うべき人物で、ジルクニフからも全幅の信頼と敬愛を寄せられている。しかし…。



バジウッド・ペシュメル編集

『帝国四騎士』の1人。“雷光”の異名を持つ。主人のジルクニフに対してさもあらば無礼とも言える態度で接するが、忠誠心は四騎士の中で一番強い。また、ジルクニフが本音で話せる人物の1人でもある。



レイナース・ロックブルズ編集

『帝国四騎士』の1人。“重爆”の異名を持つ。四騎士の紅一点で、見目麗しい女性。自身の事情により、ジルクニフととある契約を交わしている。



ニンブル・アーク・デイル・アノック編集

『帝国四騎士』の1人。“激風”の異名を持つ。元は貴族の出身で、顔立ちや雰囲気に高貴さが滲み出ている好青年。そして彼もまたバジウッドと同様、ジルクニフが本音で話せる人物の1人



ナザミ・エネック編集

『帝国四騎士』の1人。“不動”の異名を持つ。四騎士最強の防御を誇る、“最硬の騎士”と呼ばれた大男。両手に盾を持って戦う。

アウラマーレナザリック地下大墳墓の使者として竜に乗って突如帝国に現れた際、近衛兵達と共に対峙するが、マーレの魔法によって発生した地割れに近衛兵共々巻き込まれ、何の見せ場もなくあっさり死亡した(しかも、アニメ及び漫画版では台詞も無かった)。なお、WEB版では生存している。



ロウネ・ヴァミリネン編集

ジルクニフに仕える秘書官。一見すると頼りなさげに見えるが、ジルクニフから重用されている程の優秀さを誇る。



ゴ・ギン編集

“武王”の異名を持つ、帝国最強のトロールの戦士。凶暴なトロールにしては非常に珍しい、武人肌な性格の持ち主。



銀糸鳥編集

他では見られない変わったチーム構成が特色のアダマンタイト級冒険者チーム。

引き際も一級で、ジルクニフと法国の会談に危険を嗅ぎ取りカルサナス都市国家連合へ移籍し、ジルクニフの胃と毛根に追い打ちをかけた


ワーカー編集

概要編集

冒険者組合を追放された違反者組合に縛られる事を嫌った離脱組何らかの事情で裏社会に身を隠さざるを得なくなった”訳あり”などの、言わばドロップアウト組である(要は前科者や犯罪者、はみ出し者など叩けばホコリが出そうな者が多数在籍していると見られる)。危険ではあるが実力次第で冒険者よりも高収入も望める反面、相応に危険の大きい業種でもある。

常備軍の充実で治安維持が十全に機能している帝国では、治安維持の多くを冒険者に依存している王国に比して仕事が少ない上に制限も多く、肩身の狭い立場を強いられている。

そのため、冒険者組合の後ろ盾や仲介無しに依頼者から直接仕事を請け負う『請負人(ワーカー)』と呼ばれる冒険者崩れが他国よりも数多く存在し、様々な仕事を請け負っている。


業態編集

作中の一般的な冒険者を現実で言うところの派遣労働者と例えるなら、依頼人から直接仕事を請け負うワーカーは、自営業者と言える。

組合からの仲介料などの中抜きが無いために一度の仕事で得られる収入が多く、また仕事内容も自分達で好きに選ぶ事が出来るため、ハイリターンかつ圧倒的に自由度が高い。

しかし、それは同時に本来組合がやってくれる筈の仕事の危険度や依頼者の信頼性の見極め、適法性などの精査選別を全て自分達で行わなければならないという事でもあり、リスクも非常に大きい

また、公式の保護が無いために表立って活動できる場所が限られており、名声以外に身分を保証するものも無いため、依頼者にしてみれば捨て駒にするには丁度良かったりする


そのため、危険度や死亡率・未帰還率は一般の冒険者の比ではなく見極めを間違えて依頼者に利用され、人知れず非業の死を遂げた者達も非常に多いとされる。


主なワーカーチーム編集

リーダーのヘッケラン・ターマイト率いる、4人組のワーカーチーム。


  • ヘビーマッシャー

リーダーのグリンガム率いるワーカーチーム。総勢14名(WEB版では9人)という、ワーカーの中では大所帯のチーム。


  • 竜狩り(ドラゴンハント)

リーダーのパルパトラ・オグリオン率いるワーカーチーム。原作ではチーム名は不明だったが、アニメ版にて明かされた。


  • 天武

リーダーのエルヤー・ウズルス率いるワーカーチーム。しかし実際は、エルヤーが3人の奴隷女エルフ暴力と恫喝で従わせているだけに過ぎない、名ばかりのチーム。


関連タグ編集

オーバーロード(アニメ) オーバーロード(WEB)

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