概要
500年前に降臨し世界の理を歪めた、8人の《ユグドラシル》プレイヤー。男性7人と女性1人で構成されている。
当時の竜王(ドラゴンロード)達がこぞって戦いを仕掛けたが、最終的に竜王側の敗北に終わる。
その後八欲王は圧倒的な力で世界を支配したが、仲間割れを引き起こし全滅した。
人間よりも優れた身体能力や文明を持つ種族が存在するにも拘わらず彼等が大陸を支配していないのは、500年前に大陸を支配しようと動いた八欲王との抗争で種としての力が落ちたためである。
また八欲王はある意味人間種を優遇する傾向があったため、亜人種や異形種を狩り殺した事も理由の1つ。
書籍版16巻では、メンバーの内の1人が森妖精(エルフ)の王国の国王、デケム・ホウガンの父親だという事が判明している。
おとぎ話としての伝承
「500年前、空よりも高い身長を持つとも、竜のようだとも言われる八欲王という存在が現れた。彼らは瞬く間に国を滅ぼし、圧倒的な力を背景に世界を支配していった。だが、彼らは欲深く互いのものを欲して争い、最後は皆死んでしまった」
…という内容の物語となっている。内容が内容なだけにおとぎ話としての人気は非常に低いが、ある程度の知識を持つ人間なら知っているだけの知名度はある。
八欲王と魔法
元々世界には位階魔法が存在せず、魔法と言えば竜(ドラゴン)達の使う『始原の魔法(ワイルド・マジック)』のみであった。
現在の位階魔法は八欲王が世界の理を歪めて作り出したものであり、その代わりに『始原の魔法』が失われてしまう事となった。
今までは一部のモンスターも、種族的に位階魔法を習得して生まれてくる様になっている。
現在この世界に流れている魔法の大半は、八欲王が作り上げた国の首都(後述を参照)から流れてきており、そしてそれを元に様々な所で新しい魔法が開発されている。
エリュンエンティウ
エ・ランテルより遥か南の砂漠の真ん中に存在する、八欲王が作り出したとされる浮遊都市。
都市の上に浮遊した城があり、その城から無限の水が流れ込んでいる。しかも都市全域が魔法的結界に包まれており、砂漠の真ん中とは思えない程。
かつて八欲王が作り上げた国の首都にして最後にたった1つ残った都市であり、桁の違う魔法の武具を装着した『三十人の都市守護者』なる人物達が守っている(八欲王がプレイヤーだという事を踏まえると、正体は彼等が創造したNPCである可能性が高い)。
この都市には八欲王の残した超級のマジックアイテムがあり、唯一十三英雄のみが幾つか持ち出す事を許可されたという。
なお前述のアイテムの中にあるかは定かではないが、八欲王が持っていた無数の強力なアイテムの中で最も力を持つとされる物として、『無銘なる呪文書(ネームレス・スペルブック)』と呼ばれる魔法書が存在する。
この書物には新たに生み出された魔法も自動的に書き込まれていき、あらゆる魔法が全て記載されているという。しかし強固な魔法の守りがあるため、正当な所有者以外は触れる事すら出来ないらしい。
『エリュンエンティウ』という名前については、その都市がある辺りの古語で『世界の中心にある大樹』という意味らしいが、これは北欧神話における『ユグドラシル』の概要と一致している。
アインズはこの都市を最も警戒すべき対象として挙げており、相手の戦力が分かるまでは笑顔で接するべきと考えている。