CV:行成とあ
概要
リ・エスティーゼ王国に巣食う犯罪組織・『八本指』の幹部の1人で、麻薬部門の長。元高級娼婦。
言動・醸し出す雰囲気とは裏腹に、高級娼婦から犯罪組織のリーダーにまで成り上がったやり手で、他の部門長からも一目置かれている。
…しかしアインズが保護を明言したツアレに、同じ八本指の警備部門が手を出して壊滅させられた事を切っ掛けに、組織の掌握を目論んだナザリック勢に他の部門長共々拉致され『洗礼』という名の壮絶な拷問を受け屈服、以降はその支配下に入った。
その後は、他の部門長らと協力しながらナザリックが王国を裏から支配出来る様に八本指を動かし、自身は『大虐殺』の影響で次男三男から当主に成り上がった馬鹿貴族らのリーダー格、フィリップ・ディドン・リイル・モチャラスを傀儡として擁立・利用し影響力を強めている。
人物像
概要の通り遊びまくっていそうな見た目や言動からは想像も付かない有能なやり手で、「動くべき時に動けない者は他者の餌食となって終わる」という信念の元、作中では自分の館に家督を継ぐ前の貴族を呼んでコネクション作りに励んだりしている。
常識に囚われず人より優れると自負する己の直感と、相手の心理を声の抑揚や表情、癖などから読み取る観察眼(男に対してはより機能する)を頼りに裏社会を渡り歩き成り上がった苦労人。
また、強かで多少追い詰められた程度では動じないほど腹も据わっており、ラナー王女の政策のせいで奴隷部門を筆頭にやや斜陽気味だった八本指各部門において逆行する様に業績を上げて発言力を高め、その経歴が伊達ではない事を窺わせる活躍をしている。
容姿
娼婦を引退しても自慢の体を維持するよう心がけているだけあり、今も尚若々しい外見と抜群のプロポーションを保っている美熟女。
紫色のアイシャドウと口紅をし、どこか退廃的な印象を与える。
作中の動向
ナザリックに降ってからは『洗礼』のショックとトラウマから固形物を食べられなくなってしまい、幽鬼の様に瘦せ衰え、かつての美貌は見る影もない(しかしアニメ四期では、多少やつれている位で容姿に目立った変化は無かった)。
またフィリップの想定を超える馬鹿っぷりに、ナザリックの面々を怒らせてしまわないかと戦々恐々としており、胃痛にまで悩まされる様になってしまった。
そして書籍版14巻において、フィリップが聖王国へ食料を運ぶ途中の魔導国の馬車を襲撃するという、誰もが予想だにしなかった愚の極みをやらかしてしまう。
証人として呼ばれた際はアインズ達の前で見事な土下座を披露しての必死な謝罪と弁明を行うが、その姿を見たアインズが会社員時代を思い出した事で「部下の失態は上の者の責任だと言うのなら、シュグネウスの管理を担当していたアルベドの主人である自分に、最終的な責任はある(意訳)」、「彼女(ヒルマ)は彼女なりに努力していた」とフォローされ、助け船を出される。
結果として、ヒルマはアインズの慈悲深く寛大な処置により九死に一生を得、今回の罰も複数の再発防止の提出という軽微なもので済んだ。
仲間達の元へ戻った後は、アインズの寛大な処置に対する喜びと感動に身を震わせながら、上述の優れた観察眼と直感力でアインズを「一言で言えば度量が大きい。しっかりとした自分の考えと判断を持ち、部下の意見も良ければ取り入れる柔軟性を感じる。公正さと寛容さを併せ持っており、冷酷であっても残虐では無い」と評した。
そしてそれと同時に、直属の上司のアルベドの方は人間をおもちゃとしか見ていない事にも極限の状況下で働いた異様な直感で気付いたため、正当に働きを評価してくれるアインズの直属になる事を仲間達と共に決意する。
今の自分が過去に何人も見てきた、そうして男に入れ込んで破滅していった夜の蝶と同じ有様なのだと頭では理解しながらも、彼女もまたアインズに深く心酔していくのだった。
強さ
彼女自身は戦闘力を持たないが、『毒蛇の刺青(タトゥー・オブ・ヴァイパー)』という名のマジックアイテムを所有している。
発動させると刺青の蛇が立体化し、強力な神経毒を用いて相手を即座に痙攣させ、死に至らしめる。
作中ではマーレに使おうとしたが、その前に殴り飛ばされ骨折させられた(しかも、そのまま髪を引っ張られながら拉致された)。
MASS FOR THE DEAD
《罅》の出現後、王国貴族が力を失った事で活動休止となった『八本指』に見切りをつけ、離脱する。
その後エ・ランテルの薬師組合に身を置き、リイジーと共に薬草人工栽培の研究を行い、何と真面目に働いている。しかも幹部にまで出世している。
ラキュースからは「『八本指』といまだ通じているのでは」と疑われているが、どうやら本当にきっぱり手を切ったらしい。
彼女が抜けた『八本指』は現在消息不明だが、ワーカーとなりカジットと組んだ『六腕』のその後を見るに、やはり書版籍同様彼女の危機察知能力はかなり高い模様。
関連タグ
- ゼロ以外の八本指部門長
同僚幹部。かつては勢力争いを繰り広げるライバルだったが、ナザリックに降って以降、同じ地獄を分かち合う掛け替えのない仲間になる。
自身を捕えた存在。なお、何気に本来の性別をほぼ一目で見破った。
ちなみに原作刊行10周年記念特別番組にて、ヒルマがマーレの性別を見破ったシーンがクイズコーナーで取り上げられたのだが、「相当ショタに造詣が深い」とネタにされている。
直接の上司。絶対に怒らせたくない。
利用している傀儡。「バカ」「カス」「無能」と心底から蔑視している。
寛大で温厚、かつ冷酷さを併せ持った方。強烈な求心力の持ち主。