概要
×純文学少女歌劇団(ふじゅんぶんがくしょうじょかげきだん、
英: THE FUJUNBUNGAKU GIRL'S MUSICAL REVUE)は、日本のミュージカル&音楽グループ。株式会社TWIN_PLANET/株式会社講談社が企画・運営を務め、
株式会社S-SIZEが舞台制作を行う。
東京都池袋を拠点に、前半は伏線が全編に散りばめられたミステリーストーリーのミュージカル、後半を「BLACK PARADE」という音楽ライブで構成されたステージを行う。また音楽グループとして単独のライブステージも行う。メンバーはゴシック風の衣装やメイクを施し、おとぎ話の主人公などに因んだ設定や役名で歌劇団の活動を行う。
『ステラマリーナ女学園で起きた図書失踪事件や少女失踪事件をきっかけに、純潔な女性であることを求める国や学園、家族などによって抑圧された生徒の不純な自己を表現する場として歌劇団を結成した』という設定。作品内では、表で言えないような個人の心情や不純な事柄を歌劇として演じる。メンバーは物語上の個々人の大きな秘密を、互いに明らかにせず隠し持っている。
2022年、オーディションで選ばれた3名と元ラストアイドルメンバー7名によって結成し、8月11日に旗揚げ公演を発表。
2022年9月にFile No.0000『フェアリーテイルは盗まれた』公演、
2023年5月にFile No.0001『マエストロに背を向けろ』公演を行った。
2024年6月21〜26日にFile No.0002『パラノイドには騙されない』公演を予定している。
『パラノイドには騙されない』公演でも披露される新曲『カレイドスコープ』がドラマ「過保護な若旦那様の甘やかし婚」(毎日放送ほか)のオープニングテーマに決定(ドラマ本編には若草式ジョー役の倉持聖菜女史も出演する)。
あらすじ
File No.0000 『フェアリーテイルは盗まれた』
深い地獄にいる者達こそ、もっとも純粋な声で歌う。(フランツ・カフカ)
今か昔かはたまた未来なのか。とある暗い森の中に佇むステラマリーナ女学園。
規律と清楚と女性らしさを重んじ“女性はいつでも可愛げのある嘘をつかなければならない“と教師たちに教えられる女学生たち。
ここを無事に卒業できれば権威ある殿方との素晴らしい未来が待っている。
厳しい選挙を勝ち抜いた栗捨アガサ生徒会長を筆頭に日々、清く正しく美しく生活しているはずであるが生徒は、とても個性豊か…時々アガサを怒らせている。
そんなある日、ステラマリーナ女学園図書室に緊急招集される図書委員たち。
生徒会長アガサと図書委員長のメリーは張り切ってミステリーの始まりを告げるのだ。
なぜなら、この図書室からほとんどの図書が紛失したからである。
その紛失は、皆が口を噤む少女失踪事件と繋がりがあるのではないか…と胸の奥が熱くなる。
夏休み前に集められた10人の少女はその不穏な空気に怯えるのか。はたまた…楽しむのか。
そして少女一人一人が企む未来には何が待っているのか。
×純文学少女歌劇団のハジマリを描くエピソードゼロの開幕。
File No.0001『マエストロには背を向けよ』
嵐の夜、ステラマリーナ女学園の少女が1名、失踪した。
ほどなくして学園図書室から文学以外の図書が消え生徒会長のアガサと図書委員の少女たちはミステリーを解くべく立ち上がった。
しかし、疑心暗鬼に陥った彼女たちは本音を言い合うことを恐れている。
そこで“嘘か誠かわからない芝居でなら感情をぶつけ合える”と 大人には内緒の歌劇団を結成したのだった。
国は新たな国王陛下が即位するため盛り上がりを見せている。儀式のためのリハーサルが行われる毎日。少女たちもまた由緒正しき女学生として宮殿に跪き花を掲げる練習をしていた。しかし盛り上がりと相反してリハーサルに現れないジョー。
そして歌劇団結成者であるアリスは、姓を迷宮と名乗ることとなった。
放課後に怪しく活動をする歌劇団のもとにジョーの姉であり 卒業生、
元生徒会長である若草式メグもやってきて少女たちの秘密を解き明かそうと薄ら笑う。
突如現れた大人たちは少女を追い詰めてゆく。紛失された図書と失踪した少女を巡り、
真相を追う者と追わせない者の攻防戦がいよいよ開幕。
あの子を操るマエストロは君か―――私か。
File No.0002『パラノイドには騙されない』
可憐で清楚な少女たちが通うハイスクール“ステラマリーナ女学園“
ここで生徒会長になった者には女性として永遠の幸せが訪れると言われており
その座を掴むため女生徒たちは日々躍起になっていた。
しかし規律やマナーに興味のない生徒たちも勿論、在籍している。
そんな1人の生徒が、クリスマスシーズンのある日、失踪した。
さらには図書室から少女文学を残し他全ての本が消えてしまったのだった。
疑心暗鬼になる図書委員の生徒と生徒会長は、本音をぶつけたり聞き出すのが苦手。
そこで、どんな事もお芝居として発言をすれば会話がしやすい!とアリスが提案し
「×純文学少女歌劇団」は結成された。
失われた少女と図書の真実を探るため、彼女たちは重い口を開き始める。
昨年のクリスマスシーズン、失踪したドロシーと彼女たちとの間にあった物語を。
そして彼女たちに近づいてくる大人の影…少女に手を差し伸べるのか。
それとも少女を永遠に鳥籠に捉えるための足音か…。
解決に近づく物語―――――――――貴方は少女の語る真実を信じることが出来ますか?
(公式サイトより引用)
メンバー
迷宮アリス(Mayoimiya Arisu)
演:山本愛梨
イメージカラーはターコイズ。2年花組。編み込みヘアーと白黒のボーダー靴下が特徴。ピュアな性格でリンゴの「王子様が迎えに来てくれる」などのメルヘン話にも彼女は肯定的である(ただしモモは「吐き気がする、本の読み過ぎ!」と言っていた)。図書室に迷い込んだウサギを探すことを名目に、家に帰らず図書室に寝泊まりする。針の止まった時計を持ち歩く。「×純文学少女歌劇団」の結成者。物語開始時点では有栖川アリスだったが『マエストロに背を向けろ』から、両親の離婚で名前を有栖川から母親の旧姓の迷宮に改める。
名前の由来は不思議の国のアリス。
桃園モモ(Momozono Momo)
演:高橋みのり
イメージカラーはピンク。2年星組。学園に転校してきた少女。黒い大きなキャップとネクタイを身につけておりどこか警察官っぽい出で立ちをしている。学園の歪んだ校則に呆れ全てを監視するような素振りを見せる。現実的な思考の持ち主で時間を無駄にすることを極度に嫌っており時間銀行の設立を宣言する。3年生の虹巻ドロシーの行方不明に強い関心を持っている。
名前の由来は時間泥棒を捕まえるというあらすじからミヒャエル・エンデの作品:モモだろう。
白雪リンゴ(Shirayuki Ringo)
演:わだこなつ
イメージカラーは赤。1年雪組。7人の小人と暮らす少女。白い髪飾りと白い手袋をしている。友人と呼ぶ小鳥と話したり運命の王子様が迎えに来ることを願う夢見がちな少女。だが、それはあくまで縛られた姿で時折ダークな性格をのぞかせており、特定の人物を睨むような視線を送っている。
名前の由来は白雪姫。
胡桃沢セイラ(Kurumizawa Seira)
演:奥村優希
イメージカラーは青紫。3年雪組。ほうきを持ち十字架模様のロングスカート姿。被害妄想の塊で悲劇的で可憐な少女を演じ人の注目を集めようとする図書委員。コミカルな姿を多く見せるが、素の性格では乱暴な言動が目立つ(アリスに「もう悲劇ぶらなくても大丈夫」と言われた途端「クソがっ!!」とブチギレ「今クソって言いました?」と聞かれると「言ってない♪」と鬼の切り替えの早さを見せていた。シンプルに怖い)。アンとは親友。名前の由来はおそらく小公女セーラと思われる。
赤家野アン(Akageno An)
演:橘二葉
イメージカラーはオレンジ。3年花組。2つに結んだおさげ髪とショートパンツ姿が特徴の活発で荒々しい言葉を使う図書委員。夢と希望と自信と野望とグロい内臓の詰まったと言ったイチジクパイをつめこんだバスケットと、弓矢をよく持ち歩いている。行方不明のドロシーの親友だった。
名前の由来はそのまま赤毛のアンであろう。
若草式ジョー(Wakakusashiki Jo)
演:倉持聖菜
イメージカラーは緑。3年月組。若草式姉妹の次女。図書委員。生徒会長の候補者だったがアガサに敗北。メグから出来損ないと言われていた。男装を思わせる格好で凛々しさを持つ佇まいだが、姉と妹たちの板挟みや若草式姉妹として演じる個性と女性としての本心の間で苦悩している。『マエストロに背を向けろ』では姉のメグに屋敷に閉じ込められていたため欠席。あだ名はパン粉。×純文学少女歌劇団のリーダーである(リーダーを決める際に発起人であるアリスが辞退、その時にいなかったアンと2択になっていたがアンが先に来たため厳密には勝手にリーダーに任命されたという言い方が正しい)。
名前の由来は若草物語とそれに登場する四姉妹の次女、ジョーから来ている。
若草式ベス(Wakakusashiki Besu)
演:畑美紗起
イメージカラーは黄緑。2年月組。次期生徒会長候補の若草式姉妹の三女。病弱でよく咳き込んでいる。しかしそれは注目を集めようとする演技で実際は元気な夏女と言っている。ジョーを他の姉妹と一緒に軽んじる行動をとる。長女メグの手引でエイミーとともに歌劇団に加入する。名前の由来は若草物語とそれに登場する四姉妹の三女、ベスから来ている。
傘飛空メリー(Kasatobisora Mery)
演:髙橋美海
イメージカラーは赤紫。3年星組。学年トップの成績で教師たちからも評価の高い図書委員長。傘のポリーで空を飛ぶと言っていたがただの日傘と早々に明かし室内でも日傘をさしている(だが、本人曰く「室内でサングラスする男は嫌い」とのこと。乙女心は難しい)。生徒会長のアガサの補佐的役割を担っている。家庭教師のアルバイトをしている。
名前の由来はメリー・ポピンズであろう。
栗捨アガサ(Kurisute Agasa)
演:大森莉緒
イメージカラーは白。3年星組。眼鏡とハットをつけた高圧的で自信家な生徒会長。ミステリーと他人の不幸話が好きというなかなかにいい性格をしている(アリスの両親が離婚した際にも「その話詳しく聴かせて!」と心を躍らせていた。なんでこんな奴が生徒会長になったんだ…)。それゆえか図書紛失事件にワクワクを抑えきれずにいる。×純文学少女歌劇団にはメンバーの監視の名目で加入するが、彼女が歌劇団のキャプテンである。
名前の由来は『オリエント急行殺人事件』や『そして誰もいなくなった』で知られる推理作家アガサ・クリスティからであろう。
メンバー以外の舞台登場人物
若草式メグ
演:藤本結衣
ステラマリーナ女学園の大学部へ主席で入学した高等部前生徒会長。若草式姉妹の長女で独裁主義的な人物でありながら享楽的な一面もある。名前の由来は若草物語とそれに登場する四姉妹の長女メグからだろう。
四ツ印マリア
演:汐月しゅう
ステラマリーナ女学園の音楽教師。厳格で落ち着いた性格の教師だが、キレると言動行動ともに荒々しくなりクラシックの音楽家の肖像画を見せるまで止まらなくなる。悪食家でTwitterでは絵文字だらけの文章を書く。気になった方は本人のTwitterを参照。生徒達からはあんまり好かれていない様子。
虹巻ドロシー
演:涼雅
明るく多くの人から人気のある生徒会長候補だった少女。2つに結んだ赤毛のおさげ髪が特徴。嵐の夜に行方不明になった。名前の由来はオズの魔法使いの主人公、ドロシーだろう。
白雪ミロワール(Shirayuki Miroir)
演:藤岡沙也香
白雪リンゴの義母。名前のミロワールは鏡という意味である。そのダークないでたちと義母という立ち位置からおそらくモデルは白雪姫の女王ではないだろうか。
文通ジュディ(Fumidori Judy)
演:立道梨緒奈
謎組織の女。
ヨハンナ、マルティナ
演:籾山ひめり、相澤瑠香、間島和奏、西村歩乃果、篠原望、長月翠 (ヨハンナ)、松本ももな (マルティナ)
マリアの生徒の音楽部の1年生。Fileナンバー0001の公演ごとにゲストが演じる。
旧メンバー
若草式エイミー(Wakakusashiki Aimy)
演:大場結女
イメージカラーは黄色。1年月組。若草式姉妹の四女。十字架の模様の入った眼帯と2つに高く結んだ髪が特徴。奔放で乱暴な行動や言動が多い。ベスと二人、長女メグへの報告役であることを匂わせている。孤独であることを怖れ、愛されたい願望が強い。名前の由来は若草物語とそれに登場する四姉妹の末っ子、エイミーからだろう。
演者である大場女史が2023年5月31日をもって脱退。今後二代目の若草式エイミーを立てるのか、彼女無しで物語が進むのかは定かではない。
主な用語
ステラマリーナ女学園
とある暗い森の中に佇むアリス達が通う学校。
規律と清楚と女性らしさを重んじ“女性はいつでも可愛げのある嘘をつかなければならない“と教師たちに教えられる。しかし、規律やマナーに興味のない生徒も勿論在籍している。ここで生徒会長になった者には女性として永遠の幸せが訪れると言われておりその座を掴むため女生徒たちは日々躍起になっている。無事に卒業できれば権威ある殿方との素晴らしい未来が待っているとされている。
図書失踪事件
File No.0000 『フェアリーテイルは盗まれた』でステラマリーナ女学園の図書室の本のほとんどが忽然と消えた事件。夏休みの宿題で読書感想文を20冊書かなくてはいけないにもかかわらず図書室の本が消えてしまい図書委員の面々は慌てふためく。しかし、900番台の少女文学の本だけは残っていた。
少女失踪事件
File No.0001『マエストロには背を向けよ』にて語られた事件。物語開始の前年のクリスマスシーズンの嵐の日に生徒会長候補の一人であった虹巻ドロシーが失踪、行方不明となった。一体彼女はどこに消えたのだろうか、そして無事なのだろうか…。
関連動画
File No.0000『フェアリーテイルは盗まれた』
https://www.youtube.com/watch?v=uchZPAnPrmg
『フェアリーテールは盗まれた』 BLACK PARADE(ライブ部分)
https://www.youtube.com/watch?v=0v55lnKmt8Q