概要
中高年の男性（おじさん）に見られるという文体の一種で、カジュアルな場のテキストベースのやり取りにおいて、若者目線に合わせて不自然に明るく振舞っているような文章を指す。
やたらと多い句読点や、絵文字・顔文字を乱用しているのが主な特徴で、他にも「相手の名前にちゃん（チャン）付け」「文章が長い上に要領を得ない」「語尾を片仮名にする」などの特徴が挙げられる。
おじさん側が、相手に対する親しみを持っていることのアピールとしてこのような文体になると考えられるが、ともすると馴れ馴れしく上から目線な表現も多く、特に若い女性に対して下心を見せたり（例えば「愚痴を聞いてあげるから食事に行こう」など）、少しでも気に障るとくどくどと説教してきたりといった文体以外の問題も大きい。
セクハラ・パワハラと受け止められるような発言に対して「ナンチャッテ」や「嘘だよ(笑)」というように、あくまで冗談であると言い逃れできるような予防線を張る、もしくはあとから茶化すような傾向も見られる。
おじさん構文という名前が広まったのは2017年頃だが、厳密には構文と呼べる程に決まった作りにはなっていない。おじさんに見られる文体という説明の通り、本来ならばおじさん構文ではなく「おじさん文体」と呼ぶのが正しかったりする。
手渡しでの手紙や、ガラケー時代におけるEメールでのコミュニケーションの流れを汲むとも推測されている。
絵文字・顔文字や砕けた表現等、無理して若者らしさを演出してはいるものの、方向性が明らかにずれており、当の若者目線では痛々しい文章にしか見えない。
本人は面白いと思って書いているのも、痛さの助長に一役買っている。
しかし、おじさん＝年上という都合上、また立場が上であることが多いことから、公にそれを指摘しにくい、もしくはできないという事情があり、是正は困難を極める。
カジュアルなやり取りが少ない職場内や家庭内のメッセージというよりは、おじさん個人のSNSにおけるやり取りや、キャバ嬢や風俗嬢、コンカフェキャスト、パパ活をしている相手に向けたメッセージにおいて使われることが多いとされ、上から目線なセクハラ発言は「客だから」「そういう仕事を好きでしているんだから」という心象も少なからず込められていると考えられる。
なお、中高年の女性（おばさん）が書く特有の文体の場合は「おばさん構文」と呼ばれている。傾向は類似するも、語尾が「〜だわ」「〜よ（ん）」というように女性語となっていたり、ギャル語のように小文字を多用したり、といった違いがある。また、誤字脱字が目立つ、生活や体調への気遣い・心配を見せるなど、おじさんとはまた違った形でスマホ社会に不慣れな中高年らしさが出ているという見解がある。
例文
- 〇〇ちゃん、会社を、サボるなんて、、悪い子だ、なぁ、😍😃✋😃☀ 💕(^з<)😃♥ ﾅﾝﾁｬｯﾃ（笑）(^o^)😘😃♥ (^_^)今日は、もう寝ちゃった、のか、な、😪🤑(＃￣З￣)😤そろそろご飯行こう、よ、💗😄ご要望とか、は、あるの、カナ😃☀ (^o^)😃✋😜⁉️🤔
- ○○、おっは、〜💕😃☀ 😘❗(^_^)おじさんは、さっきお風呂入った、よ、😃✋😄❗(^o^)(^з<)😃♥ 💗😆○○と、お風呂いきた、イナー💗ﾅﾝﾁｬｯﾃ😘(^з<)😃♥ 😚❗😃(^_^)(^o^)
- ○○ちゃんの、お目々、キラキラ😃✋（笑）😚💗(^_^)😄😃☀ (^o^)して、ルネ💗こんなに可愛く😃😆😄😘なっちゃったら、お姫様みたいで、俺困っちゃうよ、(◎ ＿◎;)😰(￣Д￣；；(T_T)😱💦(^_^;
- ○○ﾁｬﾝ、ヤッホー😘😄😃♥ 😚😃何してるのかい、（￣ー￣?）オレ明日も、仕事だ、けど、なかなか寝れない、よ、〜(T_T)早く○○ﾁｬﾝに、会いたい、ヨ、💔💦(-_-;)^^;(・_・;なんちゃって、💕（笑）😃☀ (^_^)
- 😘😃✋😃♥ (^з<)土曜日、会社が、お休みに、なった、よ、💕😃✋❗○○ﾁｬﾝは、都合どうか、な、✋❓❓🤔😜⁉️⁉❓🤔✋❓ドライブ🚗どウ😃♥ (^з<)😃☀ 💗😘なんちゃって、😄💕(^з<)(^o^)😃♥
- ○○ﾁｬﾝ、久しぶり💗😘😃✋😄❗💕😍今日は、静岡28度だ、よ、(-_-;)(￣Д￣；；💔💦(^▽^;)暑いよ、😰(◎ ＿◎;)(・_・;(T_T)(￣Д￣；；^^;ヤケドしない、ように、気を、つけない、と、ネ、😆
- ｵｼﾞｻﾝは、○○ちゃん一筋だ、よ、✋💤😎🙂寒いけど、、頑張って、ネ、😎
余談
2019年にパナソニック子会社の新入社員が人事担当者から社内SNSで受けたパワハラにより自殺するという問題が起きた。
翌年、遺族の提訴により表面化した際、問題となった人事担当者の書き込みが「おじさん構文で気持ち悪い」と話題になった。特に「なめるなよ、54のおっさんを！」はTwitterなどでおじさん構文の面白さと有害性の拡散に一役買うこととなった。（この人物が「伝説の人事」と自称していたこともポイントであった）
