概要
東京、渋谷を中心に活動している「ギャル」(コギャルを含む)、ギャル男によって使われている独特の言葉遣いのこと。
首都圏方言(東京弁)が元となっているため、たとえば首都圏以外のギャルでも、彼女・彼らが住む地域の方言に混ざる形で使われている。
渋谷が「ギャルの聖地」と呼ばれるだけあって、ギャルの多い渋谷周辺で生まれた一種の「方言」であるとして、渋谷弁(しぶやべん)と呼ぶ学者も僅かに存在するとされる。
ここでは、ギャル語だけでなく若者言葉全般についても触れながら、語例を示しつつ説明する。
特徴
略語が特徴の一つに挙げられる。「意味不明」→「イミフ」のように単純に略したものや、「〜する」という動作を短縮したものがあり、例えば「タピオカミルクティーを店で購入して飲む」は、「タピオカする」と略され、さらに「タピる」と略されるようになっていた。
「KY」(Kuuki Yomenai=空気読めない)のように、ローマ字にしたときの頭文字を取って略すパターンも挙げられる。例えば広末涼子の楽曲『MajiでKoiする5秒前』は、当時の若者の間で使われていた「MK5」(Majide Kireru 5byoumae=マジでキレる5秒前)をもじったものである。
また、インターネットの若年層への普及以降は2ちゃんねる用語などのネットスラングに影響を受けたものも見られる。例として、「てへぺろ(・ω<)」は、もともと声優日笠陽子が使っていたものを彼女のファンやアニメオタクが影響されて使うようになり、元AKB48のメンバー渡辺麻友(※アニメオタクとして知られ、インターネット文化にも詳しい)が使ったことで芸能界やアニメに詳しくない芸能人のファンなどにも広まり、「ギャル語」としても認知されるようになったというのが挙げられる。
このほか、「尊い」、「〜は正義」→「優勝」「〜しか勝たん」、「好(ハオ)」なども、元々はアニメ・アイドルオタクを中心に用いられていた語であり、ギャル(主にアイドルオタクを中心に「ギャルかつオタク)という層も含まれると考えられる)の間でも使われることがある。
ギャル層と掲示板ユーザーやSNSにおけるオタク層などの間には文化的な隔絶があるためか、もともとの話者の間で流行・定着してからギャルによって使われるようになるまで、多少のタイムラグが生じることもしばしばある。2022年ギャル流行語大賞では「ゆるぼ」が8位にランクインしているが、古くは2010年頃からTwitterを中心に使われている用語である。
ギャル自身が利用するSNSでの流行が反映されることも多い。2010年代後半以降はTikTokで話題になった動画や楽曲のフレーズ、例えばギャル文化とも親和性が高いHIPHOPやクラブミュージック、アイドルソングから引用したフレーズがギャル語化する例も複数ある。「やりらふぃー」のようにその楽曲を好むような層を総合的に指す表現となるものや、「話題のギャルならうちらだし」などギャル本人がギャル文化を表現したものなどがある。
元々ある地方の方言だったものが取り入れられることも多い。これは、テレビやインターネットでその地方の出身者が用いている方言や、各地方のギャルたちが用いている方言から着想を得て使われることなどが考えられる。
例として、「なまら」(北海道の若者言葉)や「ばり」(西日本の若者言葉)のように、もともとその地方で使われていた若者言葉からきているものもあれば(※先の二例はいずれも「とても、すごく」などの意味)、「よか(いい)」(九州弁)「〜してもろうて(〜してもらって)」(関西弁)を、その地方出身ではないギャルが用いる場合などが挙げられる。
ギャル語に限らず若者言葉には英語を取り入れたものも多く、「デコる(decoration+する)」で「携帯電話などを私物を飾り付ける」、「チキる(chicken+する)」で「チキン=臆病な人」にかけて「(極端に)怯える・怖がる」などが挙げられる。
ギャル語は若者言葉ということで入れ替わりが早く、たった1年で使われなくなる言葉も少なくない。古くは「チョベリグ」/「チョベリバ」などが挙げられる。
近年では、「2019年ギャル流行語大賞」で第一位となった「KP」(KanPai)=乾杯(する)などは、少なくともギャル当事者と推測されるInstagramやTwitterのアカウントにおいては2021年1月の時点ではあまり用いられておらず、「K-POP」や「King&Prince」などを略した表現として用いられることの方が多くなっている。
「バイブス」のように、たまにリバイバルすることもある。
関連タグ
外部リンク
- ギャル語(Wikipedia)