概要
五段以外の動詞の可能形で、「起き-られる・逃げ-られる」のように語幹に続く場合「られる」となるが、「ら」が省かれて「起き-れる・逃げ-れる」となったもの。
このら抜き言葉、日本語の乱れの一つとして否定的な意見もあれば、受身・尊敬の「られる」と区別できるとして文法的には誤っていないとする見解もある。
それでもなぜか「考える」を「考えれる」とはあまり言わなかったりする。実態は「行かれる(ikareru)」⇒「行ける(ikeru)」となったような「ar」抜き言葉だとする意見もある。
話し言葉では昭和初期から現れ、戦後に一般化した。いずれにせよ口語的であるとされ、書籍やマスメディアなどでは稚拙な表現とされて校正の対象となる。ワープロソフトのWordでら抜きは校正対象になるが、[くだけた文]を選択すると校正対象外となる。
ピクシブ百科事典の解説にも時々ら抜き言葉が見受けられるが、幼稚な文章に見えるので、くだけた話し言葉風を意図しているのでなければ使わない方がいいだろう。
派生表現
いずれも文法的には破格。
さ入れ言葉
①五段・サ変動詞の未然形につく使役形で、本来「ーせる」を用いるべきなのを「ーさせる」としたもの。「買わーせる・読まーせてもらう・参加さーせていただく」に対する「買わーさせる・読まーさせてもらう・参加さーさせていただく」。
②助動詞「ない」に「すぎる・そうだ」を続ける場合、「な」に直接つけるべきなのを「さ」を介して「ーなさそうだ・ーなさすぎる」としたもの。「つまらーなそうだ・知らーなすぎる」に対する「つまらーなさそうだ・知らーなさすぎる」。
れ足す言葉
五段動詞の可能形で、さらに可能の助動詞の「れる」を重ねたもの。「行ける・使える」に対する「行けれる・使えれる」。また、そもそも可能の動詞である「できる」を「できれる・できれたら」と使う例もみられる。
関連タグ
い抜き言葉…こちらも口語としてはほぼ完全に定着しているが、文語では問題とされる表現。