キースウッド
きーすうっど
(※)CVはドラマCD、演は舞台版での配役。
偏屈で皮肉屋な一面を持つが、根は忠義に篤く誠実な青年。
シオンから兄弟同然の信頼を受ける一方、彼から無茶振りをされる事も多い。
王宮の味気ない料理に不満だったシオンのために、度々夜食を作っていた習慣があったことから、料理にも造詣が深い。
本編の時間軸では、事あるごとにシオンやミーアに振り回されるため気苦労が絶えない。またキノコに目がないミーアに毒キノコの危険性を説くものの(本人が理解している「つもり」になっているため)なかなか聞き入れてもらえない。
元々は戦災孤児で、現国王のエイブラムに引き取られて実子同然に育てられた。そのため、シオンとは兄弟同然に育った仲で、時折主従関係を越えてフランクに接する。
最初の時間軸
セントノエル学園で勃発した、ティオーナ監禁事件に遭遇し、シオンと共にこれを解決。ここでミーアの自国の民に対する管理意識に対してシオンもろとも疑義を持つ事になり、その後の学園における度重なるミーアの不遜な態度より彼女に対して「王族として失格」の烙印を押し、白鴉(混沌の蛇に乗っ取られ済み)が行っていたティアムーン帝国の瓦解工作を現場レベルで積極的に支援。
ティオーナが表向きの立役者となったティアムーン革命においても彼女とシオンのために諜報活動を行っていた。
ミーア自身は感知していなかったが、実質ミーアをギロチンに送った人間のひとりである。
しかしティアムーン革命の結末はティオーナとシオンの破局を生み出し、そしてシオンは「正義と公正のための無情の王」という覇王(孤独の王、公正という結果を製造する「王という装置」)への道を歩み出し「いかなる些細な過ちをも赦さぬ断罪の王」となってしまう。
この事に苦しんだキースウッドはシオンに「人に戻って欲しい」思いからシオンの弟であるエシャールの起こした反乱に加担した。しかしこれは失敗に終わり(あるいは失敗に終わる事を見越しての加担だったかもしれないが)シオンの前に引きずり出される。
キースウッドは断罪王シオンを前に人としての情を取り戻して欲しいと涙の諫言をするが、既に「公正の王という装置」になってしまったシオンには、その言葉は欠片も届かなかった。
そしてキースウッドは、かつて自身が断頭台に送った愚かではあれども自らの責任から決して逃げなかった皇女のように、自らもまた断罪の露と消えたのだった。
それは、まるでかつて自らが、かの皇女に行った事が自らに還ってきたかのように……。
本編の時間軸
ミーアがアンヌの期待に無理矢理推されてティオーナを庇った現場をシオンと共に目撃。主同様ミーアに思わず感心。
さらにティオーナの監禁事件をアンヌと共に解決に導いた縁でミーアと接点ができ、以後シオンと同様にミーアとかかわりを持つようになる。また、セントノエル学園に随伴した従者の中でも、身分の低い者同士ということもあり、アンヌやリオラとの親交も深めるきっかけともなった。
ミーア主導による剣術大会の弁当作りにおいて、残念な姫君らを見かねて指南役を買って出たことで、王子らの健康面を人知れず死守するというファインプレーを見せた。またこの時ミーアから貴族の常識に囚われない直接の感謝の意思を受けたことで、ミーアの裁定者としての素質に興味を持つことに(実際のところ、ミーアとしては前世ないしは前時間軸での恨みから「シオンに礼を言うぐらいなら、従者であるキースウッドに直接礼を言う方がマシ」と考えていただけなのだが)。
……同時にこれが、彼の苦労人伝説の幕開けとなったことは言うまでもない。以降、事ある毎に同様の騒動に巻き込まれる事となる。
レムノ王国での革命騒動においてはモニカ・ブエンディアより報を受け、白鴉たちの暴走を止めて革命の沈静化に動く事に。
第二部においてシオンが生徒会役員となった事で自身も役員の仕事に携わる事となり、同様に役員となったサフィアス・エトワ・ブルームーンと既知を得る。
サフィアスの事は生徒会メンバーの中ではあまり評価をしていなかったが、彼も婚約者のメシマズに悩まされていた事から料理イベントにおけるキースウッドの苦労を即座に看破。悲劇回避のための共同戦線を取ったことで事実上の戦友となり、立場を超えた友情を交わす事となった。この時キースウッドは負け戦に友軍が駆けつけたような感動を覚えている。