セ・リーグ
せりーぐ
NPB(日本プロ野球)に属するプロ野球リーグの1つ。「セントラル・リーグ」とも。
2020年より東京電力・中部電力系列の発電会社「JERA」がタイトルスポンサーとなり、「JERA セ・リーグ」の愛称を使用している。
1950年のセントラル・リーグの創設時には8球団が所属していたが、その内の2球団は他の球団との合併で消滅しており、1953年以降は6球団が残り現在に至っている。
球団名 | 一軍本拠地 | 保護地域 |
---|---|---|
読売ジャイアンツ | 東京ドーム | 東京都 |
東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 | 東京都 |
横浜DeNAベイスターズ | 横浜スタジアム | 神奈川県 |
中日ドラゴンズ | バンテリンドーム ナゴヤ | 愛知県 |
阪神タイガース | 阪神甲子園球場 | 兵庫県 |
広島東洋カープ | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 | 広島県 |
球団名 | 初年度 | リーグ優勝回数 | (1リーグ制時代) | 日本一回数 |
---|---|---|---|---|
巨人 | 1936(※) | 39 | 9 | 22 |
阪神 | 1936 | 6 | 4 | 2 |
中日 | 1936 | 9 | 0 | 2 |
ヤクルト | 1950 | 9 | - | 6 |
DeNA | 1950 | 2 | - | 3 |
広島 | 1950 | 9 | - | 3 |
補足
- 1934年12月に創設、1936年のNPB参加までは海外遠征をしていた。
クライマックス・シリーズが始まった2007年からは以下の順番で順位を決める。
- 勝利数の多い順
- 勝率・勝利数で並んだチーム間の対戦勝率が高い順
- 勝率・勝利数で3チーム以上が並んだ場合、チーム間の対戦勝率の合算が高い順
- 合算した対戦勝率で並んだチーム間の対戦勝率が高い順
- 交流戦を除いたリーグ戦の勝率が高い球団
- 前年度の順位
2015年には、勝率と勝利数で3チーム以上が並んだ場合の順位の決め方が追加された。
2000年以前は勝率の高い順に順位を決め、勝率が最も高いチームが並んだ場合にのみプレーオフで優勝を決める形式だった。
2001年には勝利数が多い順で順位を決めていた。勝利数1位と勝率1位のチームが異なる場合に3戦2勝制のプレーオフで優勝を決める形式だった。
2002年に順位の決め方を勝率の高い順に戻した。勝率3位以内に勝利数1位のチームが複数いた場合に3戦2勝制のプレーオフで優勝を決める形式だった。
ただし上記のルールによるプレーオフは2006年まで一度も行われなかった。
1950~59 リーグ発足と6球団化
日本野球連盟分裂騒動によって誕生したリーグは8球団体制を敷いたが、早くも西日本・広島が経営難に陥っていた。このためこの2チームを整理する構想が浮上した。西日本はパ・リーグの西鉄クリッパース(⇒西鉄ライオンズ、現:埼玉西武ライオンズ)と合併し消滅したが、広島は存続。これにより7球団となり、1952年には同年の勝率3割未満の球団に処罰を下す取り決めが定められた。だがこの年に勝率3割を切ったのは広島ではなく松竹で、松竹は大洋と合併し消滅した。大洋は大洋松竹と名を改め、本拠地を下関から大阪に移転したが、数年後球団名を大洋に戻すとともに本拠地を川崎に移転している。
リーグ自体は当初から巨人が圧倒的に強く、1950年(松竹)、1954年(中日、日本一も達成)以外は全て優勝した。
1960~69 栄光のV9
そんな強い巨人だったが、特に1965~1973年には空前絶後の9連覇(V9)を達成する。リーグのみならず日本シリーズにも全て勝っての9連覇である。同時期にテレビが家庭に普及し、親会社が保有するテレビ局が巨人戦を放映することで知名度も大きく上昇。長嶋茂雄・王貞治といったスーパースターの登場も手伝い、「プロ野球と言えば巨人」の図式がここに完成した。
一方関西圏では巨人のライバルとして存在していた阪神が同様にテレビ中継の波に乗り人気球団になったが、V9期間中は手も足も出ず、1962・1964年に優勝するも日本シリーズにはいずれも敗れている。
なお、1960年に大洋が初優勝・初日本一を果たしている。
1970~79 V9終焉と赤ヘル
1974年に中日が優勝し、巨人の連覇記録が途絶えると、他球団の新勢力が一気に興隆し、1強時代が崩れていった。中でも強力だったのは赤ヘルこと広島で、1975年に初優勝を果たし、1979年には初の日本一に輝いた。低迷続きだったヤクルトも1978年に初優勝・初日本一を達成。これで現行6球団全てのチームが優勝を経験した(日本一は阪神のみ未達成だった)。
一方の巨人は1974年以降1976・1977年と連覇はするものの80年まで日本一になれず、1975年には球団初にして唯一(2022年時点)の最下位に転落した。
なお、1978年に大洋が横浜大洋と名を改め、本拠地を川崎から横浜に移転。これ以降2022年に至るまでセ・リーグ球団が本拠地となる市区町村を移転した事例はない。
1980~89 広島黄金期、阪神の日本一
広島の快進撃は続き、10年間で3度の優勝、2度の日本一を達成。巨人も同様の成績を残した。
そして1985年、日本シリーズはおろかリーグ優勝からも見放されていた阪神が久々に優勝し、悲願の初日本一を達成。ここに現行6球団全てが日本一を達成した。
しかし、時は西武黄金時代。同時期に西武が出場した日本シリーズは6戦中1勝5敗とコテンパンにやられてしまっていた。
なお、この時期ヤクルト・横浜大洋は完全に蚊帳の外に置かれていた。
1990~99 ヤクルト黄金期、阪神暗黒時代
阪神が暗黒時代に突入。同期間に最下位6度、Aクラスは1992年の1度だけ(更に言えば1987年~2001年まで15年間で最下位10度)という見るも無残な成績に終わった。
そんな中、阪神以外の5チームは同期間に1度はリーグ優勝を果たしており、中でもヤクルトは優勝4度、日本一3度という大躍進を見せた。同期間に巨人は優勝こそ3度達成するものの日本一には1度しかなれなかった。横浜大洋から改名した横浜も上位争いに加わるようになり、1998年には久々の優勝および日本一を達成した。
なお、阪神の陰に隠れたが広島も後期には成績が低迷していった。
2000~09 巨・神・中の争い、横浜暗黒時代
初頭こそ巨人・ヤクルト・横浜の争いだったが、2003年に阪神が暗黒時代を脱出し優勝すると、以降巨人・阪神・中日による熾烈なペナントレースが繰り広げられた。1位と2位の差が僅か1・2勝という年もあったほどである。
クライマックスシリーズが導入され、2007年の中日が初めて2位から日本シリーズに出場し、そのまま日本一も達成した。
一方横浜は阪神以上とも言われる絶望の暗黒時代に突入。2002年に最下位に転落すると以降7度の最下位(暗黒時代は2015年まで続き、14年間で最下位10度)を記録。唯一3位を記録した2005年すら負け越しており、1度も勝ち越しできないままに終わった。
2010~19 赤ヘル黄金期再来、リーグ苦杯の時代
後期に広島が完全復活を果たし、球団初のリーグ3連覇を達成。巨人以外でセ・リーグ3連覇以上を達成したのは広島が初である。その巨人も2012~14年に3連覇を果たしている。
一方ヤクルトは10年間で最下位4度を記録した……が、2015年には一転優勝を果たしている。また中日も2012年を最後に優勝争いに絡めず、下位に甘んじるようになってしまった。
そして時はソフトバンク黄金期。この10年間で日本シリーズに勝てたのは2012年の巨人のみで、クライマックスシリーズのおかげで全球団が1度は日本シリーズに出場できたものの、2013年以降全て敗退という、屈辱的な結果に終わってしまった。おまけに交流戦も負け越しが多く、2015年にはリーグの全球団が借金状態という前代未聞の事態に見舞われた。
2020~ パンデミックと村神様降臨
2020年にはCOVID-19の流行による開幕延期や無観客試合と、過去に例を見ない混乱に陥った。観客人数制限は2021年まで続いた。この間2021年はBクラスとAクラスを3年周期で行き来していたヤクルトが優勝し、オリックスとの日本シリーズを制して久しぶりにセ・リーグチームが日本一になった。2022年は令和初、そして史上最年少の三冠王「村神様」こと村上宗隆の活躍もあってヤクルトがリーグ連覇を果たしたものの、日本シリーズでは敗れている。
応援に関する制限が解除された2023年には、「虎の村神様」こと村上頌樹擁する阪神が久々にリーグ優勝・日本一を達成。2024年は巨人がリーグ優勝したが、DeNAが3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり下剋上で日本一を達成。複数球団で日本一ブランクが埋まった。
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