サンディエゴ・パドレス
さんでぃえごぱどれす
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴを本拠地とする球団。
チーム名は神父に由来するもので、現在のパドレスが創られる前年まではパシフィックコーストリーグで同地を本拠地としていた球団が使用していた。
創設以来、現在に至るまでナショナルリーグ西地区に所属。
2004年シーズンからペトコ・パークをホーム球場としている。
1990年代から2010年代の約30年間、チームカラーはサンディエゴの海や砂浜をイメージした紺色とベージュを使用していたが、2020年からは創設時に使っていた茶色と黄色(正確にはゴールド)にチームカラーを戻した。1980年代に採用されていた黄色と茶色のユニフォームは、アストロズの“レインボーカラー”のユニフォームやホワイトソックスの半ズボンユニフォームと並んでMLB史上に残る“変なデザイン”の定番ネタとなっている。
本拠地サンディエゴがメキシコとの国境に接しているため、メキシコのファンに向けたファンサービスも行っている。
またサンディエゴが海軍の基地や軍港を構える土地柄から、軍人への感謝をささげるイベントが行われる。MLBで初めてユニフォームにカモフラージュ柄を取り入れたのもパドレスであり、メモリアル・デー(戦没者追悼記念日)仕様のユニフォームをMLB全体で着用するようになるよりも早かった。2023年は『ミリタリーサンデー』と称して、日曜日の試合が本拠地で開催される時は迷彩柄のユニフォームを着用する。
1969年に、カンザスシティ・ロイヤルズ、モントリオール・エクスポズ(現在のワシントン・ナショナルズ)、シアトル・パイロッツ(現在のミルウォーキー・ブルワーズ)と共に創設されたエクスパンションチームである。
1974年シーズン開幕前には球団の売却に絡んでワシントンD.C.への移転・流出の可能性が発生したが、元マクドナルドCEOのレイ・クロックが球団を買収してサンディエゴに留めた。クロックはこの功績を讃えられて死後にイニシャルが永久欠番扱いとなっている。
1998年には千葉ロッテマリーンズとのトレードで伊良部秀輝の獲得を狙ったが、伊良部側がゴネ倒した為に契約できず(伊良部はヤンキースと契約)。この一件を契機として、NPBからMLBへの移籍手段としてポスティングシステムが作られることになった。
現在のナ・リーグ西地区ではドジャースやダイヤモンドバックスと並ぶ強豪球団で、特にドジャースとは同じカリフォルニア州に属することもあってか(同じくカリフォルニア州に属するジャイアンツが近年低迷していることもあってか)強いライバル関係にあることで知られている(ちなみに、これはあくまでMLBのチーム同士の話であり、ロサンゼルス市とサンディエゴ市自体はそこまで険悪な関係にあるわけではない)。
2023年までに地区優勝は5回、リーグ優勝は2回。しかしワールドシリーズには進出したことこそあるものの制覇はなく、試合単位でみると目下のところ7連敗中である。
2010年代後半からは毎年のように大型補強を行なっていたが、地区最下位争いからなかなか抜け出せず、2006年の地区優勝以来、2019年まで13年連続でポストシーズン進出を逃していた(COVID-19の影響によるシーズン短縮とポストシーズン進出枠拡大の恩恵もあったのだが、2020年のパドレスは通常のシーズンでもワイルドカードを取れた成績ではあった)。
2023年シーズン終了後の11月には大型戦力補強を推進していたオーナーのピーター・サイドラーが63歳で死去(そのため、シーズン中はサイドラー氏への哀悼の意を込めてチームのユニフォームに「PS」と書かれたワッペンが刺繍される措置が取られている)。その直前には資金繰りの悪化から5000万ドルの借り入れを報じられており戦力の低下が危惧されていた。
しかし、いざ2024年シーズンが始まると、オールスターゲーム明けの後半戦でめきめきと勝ち星を積み重ねていき、大方の予想に反してワイルドカード枠でのポストシーズン進出を果たすこととなった。さらに、首位を走っていたドジャースが野戦病院化して戦力が不安定化していたこともあって、最後の最後まで熾烈な地区優勝争いを繰り広げることとなった。最終的にドジャースとの最後の直接対決で負け越したために地区優勝こそ逃し、ポストシーズンも地区シリーズでまたしてもドジャースに2勝3敗の僅差で敗れたために、総合結果で6位(同シリーズで敗れた全チーム中の勝率換算上)となったものの、同シーズンの通算成績ではドジャースに大きく勝ち越すこととなり、日本のファンからは「ドジャース戦でのみ異様なまでにバフがかかるチーム」と恐れられた。
ちなみに、パドレスとの地区シリーズ第5戦目は、当時、大谷選手やダルビッシュ投手をはじめ日本人選手が数多く出場する試合ということもあって、海の向こうの日本でも20.3%という驚異的な視聴率をマークしたという。
永久欠番
番号 | 人物名 | ポジション |
---|---|---|
6 | スティーヴ・ガーヴィー | 一塁手 |
19 | トニー・グウィン | 右翼手 |
31 | デイヴ・ウィンフィールド | 右翼手 |
35 | ランディ・ジョーンズ | 投手 |
42 | ジャッキー・ロビンソン | MLB全体の永久欠番 |
51 | トレヴァー・ホフマン | 投手(クローザー) |
☆ | ジェリー・コールマン | 監督、球団専属アナウンサー |
RAK | レイ・クロック | オーナー |
※コールマンの星のアイコンは、彼が実況で多用したフレーズ「Oh Doctor! You can hang a star on that baby!」に由来している。