ワシントン・ナショナルズ
わしんとんなしょなるず
ナショナルリーグ東地区に所属する球団。
元々はカナダのケベック州モントリオールに本拠地を置くモントリオール・エクスポズだったが、2005年にアメリカ合衆国ワシントンD.C.に移転したことによって誕生した。
移転初年度は、81勝81敗で勝率5割ながらナショナルリーグ東地区の最下位に沈んだが、観客動員数が269万2123人を記録。これはエクスポズ・ナショナルズを通じて、年間観客動員数の球団史上最多記録となっている(2020年シーズン終了時点)。
2008年、2009年と2シーズン続けて年間100敗以上を記録してしまうが、これで得たドラフト会議の全体1位指名権を活かしてスティーヴン・ストラスバーグ、ブライス・ハーパーを指名して契約。彼らがメジャーに定着するとチーム成績も向上し、2012年シーズンにはワシントンD.C.移転後初、エクスポズ時代から通算すると実に31年ぶりなる地区優勝を果たす。ここから2017年シーズンまでの6年間で4度の地区優勝を飾るも、ことごとくディヴィジョンシリーズで敗退。ワイルドカードでポストシーズンへ進出した2019年に5度目の挑戦で初めてディヴィジョンシリーズを勝ち抜け、その勢いで初出場となったワールドシリーズを制覇した。この年のワールドシリーズの4勝は全て敵地で挙げたものであり、本拠地ではワールドシリーズ未勝利である(この形の星取りはワールドシリーズどころか北米4大スポーツ初である。日本シリーズでも記録がない)。
エクスポズとして創設された1969年からワールドシリーズ初出場までに51年かかっており、最も年数を要した球団である(未だ進出したことがないマリナーズを除く)。
エクスポズ時代にはアメリカ領プエルトリコのサンファンで頻繁に海外公式戦を行っていた。長らくエクスポズは減球団候補に挙げられるなど苦しい経営状況が続いおり、プエルトリコでの試合開催は、本拠地であるモントリオールと比べて観客動員が多く見込めるうえにチケット価格も高いなど経営上のメリットが大きかったことがその理由とされる。しかし、所属選手からは遠征移動の長さによる負担への不満が大きく、本拠地をワシントンD.C.に移転してからは経営状態が幾分改善されたことや、経営方針の転換もあってか海外公式戦に一切参加しなくなった。
※ 大家はエクスポズ時代から在籍していた。