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平成28年熊本地震

へいせいにじゅうはちねんくまもとじしん

平成28年熊本地震とは、平成28年(2016年)4月14日(木)に発生した烈震。明治22年(1889年)7月28日に発生した熊本地震と区別した呼称。
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概要

平成28年(2016年)4月14日21時26分(日本時間)に発生した、熊本県を震源とした地震。
震源の深さは11km、マグニチュードは6.5(モーメントマグニチュードではMw6.2)。
布田川・日奈久断層帯の活動が原因でないかと推察されている。

震源地近くの益城町および熊本市の同町に隣接する地域では特に被害がひどく、最大震度7(の揺れで建物の崩壊が発生し9人が死亡、1,000人以上が負傷した。

その他にも、熊本県内や九州各地で震度5弱〜3までの地震が発生し、徐行中の九州新幹線が脱線、九州道や国道が各地で寸断されたことにより、高速流通網にも大きな打撃を受けることとなった。

また余震が大変多いという特徴があり、発生直後から震度5弱以上の強い余震が頻繁に発生し、また震度7~6弱以上の強い余震が起きるのではないかと危ぶまれている。

一方で内陸部が震源であることから、津波や広範囲に渡る大規模火災といった災害は発生しなかったものの、熊本城阿蘇神社などの重要文化財、国道57号線、阿蘇大橋や俵山トンネル(2016年12月24日復旧)、熊本県東北部の幹線道・菊池・阿蘇スカイライン(2016年12月22日、対面通行を行うことにより仮復旧)などの交通の要衝の破砕・崩落が続いた。その結果、熊本城、国道57号線、阿蘇大橋はいまだ復旧のめどは立っておらず、また、住宅の崩壊による圧死や避難所における住環境の劣悪さに人的被害が熊本県内で増加の一途をたどりつつある。

さらに4月16日の午前1時25分ごろに再び大きな地震が起きた。この時のマグニチュードは7.3(Mwでは7.0)と14日のものより大きく、14日のものが前震・16日のものが本震とみられたが、前例のない2度の大地震が相次いで起こったことに、これら一連の地震活動を合わせて「熊本地震」とする見方が現在では有力となっている。
震度は当初6強と考えられていたが後の分析で益城町の一部では局所的に再び震度7だったことが判明し、短期間に震度7に2回襲われるという、観測史上例をみない震災となった。
さらに本来一週間程度で収まるはずの余震は勢いを衰えさせることなく震度5弱を超える余震が散発的に起き、大分県でも余震とそれに伴う土砂崩れが起きて被害が拡大している。

震源自体も断層に沿って熊本県北西部、大分県側と熊本県南西部へと移動したとみられ、そのため前日に被害の大きかった益城町に加え阿蘇地域に被害が拡大。特に南阿蘇村は火山地帯であることによる土壌の弱さも一因となって地滑りや地割れなど甚大な被害を被った。この結果、東海大学農学部の阿蘇キャンパス周辺に住んでいた学生に犠牲者3名が出たばかりでなく、熊本市と大分市を結んでいた同地区の国道57号線が土砂崩れにより破壊、国道57号線と南阿蘇村以南を結ぶ阿蘇大橋も崩落したことにより、併設するJR豊肥線・南阿蘇鉄道も壊滅的打撃を受けることとなった。また阿蘇地域で盛んな農業や畜産業にも打撃を与えた。
益城町や熊本市東区・南区は地盤の弱い川沿いのエリアに特に甚大な被害が発生、熊本市民病院は使用不能となり建て直しを余儀なくされ、南区では液状化現象が発生。
また、さらに幅広い断水停電も発生し、元々老朽化で立て替えの話が出ていた人吉市役所や宇土市役所も崩壊。
熊本県高校野球のメッカ・熊本県営藤崎台球場も、一時は「夏の高校野球選手権大会」の開催が危ぶまれ、県外の開催も検討されていたが、急ピッチの復旧作業により無事開催することができた。

その後も余震が続き、熊本市内・益城町内のみならず、熊本県の広範囲に及んでおり熊本県立劇場や熊本県立美術館(5月28日復旧)が損害を受け使用不能、同月19日には八代市でも震度5弱~5強に2回見舞われて老朽化していた同市役所や八代市立病院が使用不能となった。
さらに29日には大分県由布市で震度5の地震が発生。
これらの震災の直接被害で合計49人が亡くなり、行方不明となっていた大学生も、8月14日、死亡が確認され、大分県も含めて避難生活での持病悪化などで震災関連死の認定を受けた人は200人を超えるに至った。深夜の本震発生や余震の恐怖から車中泊をして体調を崩した者が特に急増。8月14日時点で避難所14ヶ所で約1800人が生活していたが10月までに仮設住宅やみなし仮設住宅の整備が進み避難所はほとんどが閉鎖された。

また「九州は地震が少ない」との今までのイメージから古い一般家屋の耐震化工事が遅れがちだったこともあり、農業地帯の古い日本家屋を中心に多くの被害が発生し、1,2万棟を越える家屋が損壊。
中でも西原村・益城町・南阿蘇村の被害は大きく、益城町では町内半分の家屋が半壊以上〜全壊の被害を被っている。

一方で津波や大規模火災の発生が無かったことや原子力関連施設から遠く離れていたこと、熊本市中枢の都市機能は致命的打撃を受けていなかったため、全国から復旧のための技術者が派遣され、被害が比較的軽かった地域の復旧が早い面もある。
同年5月後半以降はさすがに余震の回数自体は減少し規模も縮小してはきたが完全には止んではおらず、たまに震度3〜4のやや強い地震が起こっており、特に宇土市や宇城市、熊本市西区では執拗な余震の被害に遭っている。度重なる地震で地盤が緩んでいた最中の同年6月末には数日にわたって梅雨前線の影響で強い雨が降って土砂崩れなどが発生、6人が死亡した。同年8月30日には「警戒態勢」を「復興段階」に引き下げたが、その翌日の8月31日午後7時46分、M5.2、震度5弱の地震が発生、いまだ油断がならないことを改めて示した。

救助などで自衛隊が地元の部隊のみならず全国各地の部隊から災害派遣され、米軍も最新鋭輸送機・オブスレイを物資輸送用に派遣した。また全国各地の自治体からも職員が応援に派遣された。東日本大震災の被災地からも多数の職員が派遣され、災害時の対応を伝授した。

観光・畜産業・農業への打撃

一方で観光・畜産業・農業への打撃は計り知れない。これは上記にあるように余震がいまだ収まっておらず、熊本・大分両県を縦断する国道57号線、JR豊肥線、阿蘇大橋、地域の足であると同時に観光鉄道としての一面のある南阿蘇鉄道が遮断され、復旧のめどが立っていないことが大きい。これらの道路・鉄道は観光はもちろん、物流・農産物の流通に利用することが一層大きいからである。また、地割れによる田畑、水路の損壊により、田植えが不可能になったり地中の給水設備が損壊したところもあり、それらの復旧にも多くの時間を要するものと見られている。
中でも阿蘇大橋は復旧に数年以上を要するとみられている。
また、九州有数の温泉地である熊本県北西部にある阿蘇地域、由布院を中心とする大分県中部に余震が多く続いているのみならず、今回の震災で熊本の象徴である熊本城の石垣・櫓が多く崩落したほか、阿蘇神社の楼門・社殿が崩壊、本妙寺の石灯籠が倒壊、さらに地下水の水脈が移動したことにより水前寺成趣園(水前寺公園)の湧水が激減して池が干上がる(後に幾分回復)、阿蘇市の内牧温泉の温泉が地盤のズレにより出なくなり掘り直しを余儀なくされるなど、観光地・熊本により大きな打撃となっている。
被害が軽微だった黒川温泉などの観光地でも、道路の寸断や風評被害で客足が激減するなどの被害を被っている。
また、熊本県内の映画館は熊本市中央区にある「電気館」、熊本県中南部の「TОHОシネマズ宇城」を除いて再開されていなかったが、9月13日に熊本県中北部の「TOHOシネマズ光の森」、11月23日に熊本市中央区の「ユナイテッド・シネマ熊本(旧シネプレックス熊本)」が復旧、唯一残されていた熊本市南区の「TОHОシネマズはません」も2017年3月16日復旧の運びとなった。
民間企業だけでなく熊本大学も震度6に2回見舞われて研究用の機材や建物が多数損壊し、中でもiPS細胞の研究を行っていた熊本大学発生医学研究所の機材損壊と2ヶ月半に及ぶ研究の停滞は山中伸弥ら学会の大物達が危機感を表明する会見を行うほどの影響があった。
畜産の研究を行って来た東海大阿蘇キャンパスも損害が大きく2年以上の休止を余儀なくされており、農学部は熊本市内の東海大キャンパスに移動することとなり、2017年1月24日、校舎の再建を断念、農業実習のみ南阿蘇で行うこととなった。


注意

現在進行形の震災につき、デマや煽り、便乗等も多いため注意
また「ボランティアに行きたい」「寄付をしたい」という人はまず落ち着き、被害地の実情がわかってから動こう。
「ボランティアは近隣住民に限る」「ボランティア・支援物資受付不可」という状態のところもあり、「行ってみたら受付が終わっていた」というケースがある一方、ある地域では「人手が足りない」というケースもある。リアルタイムの状況は被害対象地域にある自治体およびその首長などの公式アカウントで随時告知されているためこまめにチェックしよう。

あと、過去の大震災の時にあったような「古着・不要物・千羽鶴を送る」という行為はやめよう。なぜかと言えば、現地の人の手を煩わせてしまうことになり、例え善意で行なったとしても、結果的には迷惑行為になりかねないのだ。詳しくは下記のイラストを参照。

防災の知識


古着以外の迷惑が少ないと思われる物資でも、今回の震災は物流が何かと滞りがちであるため、被災地の各自治体は支援物資の新たな受け入れができないところ、個人での支援物資送付を断らざるを得ないところがある。
まず、「何かを送りたい」と思うときは各自治体の公式サイト・SNS公式アカウントの最新情報を熟読してほしい。

また、原発反対を主張する者の中には九州電力や官邸に執拗な電話をかけたりそれを推奨する行為をSNSで拡散する者もいる。
日奈久断層帯は八代海から鹿児島県の薩摩川内市沿岸を経て東シナ海へと沈み込んでいくことから不安もわからないではないが、今回の被害地は鹿児島県の川内原発とは120kmも離れており、被害地域の停電復旧作業にあたっている九州電力にとっては作業妨害以外の何者でもなく、今原発を停止しても燃料が内部にあるうちはリスクはほとんど変わらず、むしろ停止作業に多大な手間とリスクがかかる。

また執拗な抗議電話は貴重な電話回線を無駄に占有する行為でもある。関係官庁や企業は復旧・救助作業のため頻繁な連絡が必要な時期であるため、九州電力をはじめ関係各所・官庁への不要不急な電話はいかなる用事であってもやめよう悪質である場合、「公務執行妨害」として逮捕となる可能性がある

これとは別に「誤った情報」をネットやSNS(特にツイッター)で流布する者もいる。もちろん「誤った情報」を鵜呑みにして悪意もなく広めた人々が多いと思われるが、中には「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などという、明らかな悪意をもって「誤った情報」を広めようとする者がいる。熊本に住むものとして、それはやめていただきたい。情報を得るのに四苦八苦している被災者がいる現実を、その人は知るべきである。
さらには崩落寸前の神社や八代市役所に心ない落書きをするものまで現れた。書かれていたのはありがちな人工地震陰謀論であり、落書きの主は逮捕された。
また、震災直後に「熊本市動植物園からライオンが逃亡した」とのデマを、海外ニュース画像を加工したコラ画像とともにツイートした神奈川県在住の20歳会社員が同年7月に偽計業務妨害容疑で逮捕されている。

著名人の支援活動

震災直後から多くの県出身有名人および有名人が寄付や炊き出しなどの支援活動を行った。
避難所への慰問や炊き出しに止まらず、多くのチャリティ活動が行われた。
県出身者では、水前寺清子が自身の代表曲「365歩のマーチ」の新バージョンを歌い、コロッケらも参加。
尾田栄一郎も出身地の熊本市東区に隣接する益城町ふるさと納税返礼品用としてONEPIECEの描き下しグッズ絵を提供され、一部運行を再開した南阿蘇鉄道、人吉温泉~湯前間を運行するくま川鉄道にもラッピング列車が期間限定で登場、11月27日にはルフィ役の声優田中真弓が高森駅(南阿蘇村)を訪れ運行開始を祝った。

何か支援をしたい方に

上記のように、現在でも余震などで不透明な状況であり、交通網がある程度復活してきたとはいえ県外からのアクセスはまだすんなりとはいかない。迷惑をかけず支援する方法はやはり「間違いのない先への現金もしくはそれに准ずるものでの寄付」「被害地域企業の製品購入」に限る。
大手航空会社では日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)がマイルでの寄付を受け付けているため、マイレージ加入済みの人にはこちらがおすすめ。
また、プロ野球やJリーグなどでも試合会場で義援金を受け付けている。

また、日本赤十字社および熊本県庁・熊本市宇城市西原村大津町嘉島町宇土市南阿蘇村菊陽町産山村益城町においても寄付を受付けているため「どこの団体が信用できるかわからないが何かしたい」という方はそちらが勧められる。

なお、受付期間が限定されているものもあるため、リンク先を熟読の事。


外部リンク



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平成23年東北地方太平洋沖地震 (過去に震度7を観測したMw9.0の地震)

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