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南海トラフ巨大地震

なんかいとらふきょだいじしん

南海トラフ沿いが震源域とされる巨大地震。
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南海トラフ巨大地震の特徴

南海トラフの地震は、過去に90~150(中世以前は200)年の周期で発生している。この地震にはいくつか発生パターンが存在し、東海地震東南海地震南海地震の震源域で3つ同時に連動するか、そのいづれかの震源域で発生し、もう片方がタイムスパンで連動して発生するものと考えられている。もし、発生したら最悪の場合は東日本大震災を上回る被害が出る可能性も否定できない。

専門家の中には南海トラフ巨大地震が発生する40~50年前から西日本で直下型地震が発生しやすくなる特徴があると指摘する者もいる。しかし、南海トラフと西日本の直下型地震の因果関係は分かっていないのが現状だ。

過去の地震

過去に発生した地震はM(マグニチュード)8クラスを超える巨大地震が多く発生し、揺れや津波による被害が広範囲で発生。死者も多数出している。中には最大のものでMw(モーメントマグニチュード)9クラスの超巨大地震を引き起こしたのではないかという研究者も存在する。ここでは最近の地震を取り上げる。

宝永地震

  • 発生日と時刻 1707年10月28日の13時45分前後と推測
  • 震央 東海道・南海道沖の北緯33度12分0秒・東経135度54分0秒と推測
  • 規模 M 8.4 ~8.6, Mw 8.7 ~9.3と推測 
  • 最大震度 震度7:静岡県(遠江袋井)、愛知県(三河野田)、大阪府(河内布施)、高知県(土佐室津・宿毛大島)と推測

南海トラフのほぼ全域にわたってプレート間の断層破壊が発生したと推定され、記録に残る日本最大級の地震とされている。死傷者数は5千~2万人と推定され、津波の高さは25mを超えたところもあったと推測されている。地震の震動時間は現在の高知県で30分から1時間も揺れが継続したような表現がある。もちろん、それは余震も含めた時間とされるが、大地震の恐怖感からきた誇張的な表現という見方もある。

この地震の49日後に富士山の側面が大爆発(宝永大噴火)したという記録が残っている。

安政東海地震

  • 発生日と時刻 1854年12月23日の9時15分頃と推測
  • 震央  東海道沖の北緯34度0分0秒・東経137度48分0秒と推測
  • 規模 M 8.4 , Mw 8.4~8.6と推測 
  • 最大震度 震度7:山梨県(甲斐甲西)、静岡県(駿河相良・遠江袋井)と推測

南海トラフ巨大地震の一つとされ、安政南海地震とともに安政大地震とも呼ばれている。死傷者数は2千~3千人と推定され、津波の高さは20mを超えたところもあったと推測されている。被害は関東地方から近畿地方におよんだという記録がある。また、サンフランシスコまで津波が到達したという記録も。この約半年前には伊賀上野地震(M 7.1~7.4)が発生している。

安政南海地震

  • 発生日と時刻 1854年12月24日の16時半頃と推測
  • 震央 南海道沖の北緯33度0分0秒・東経135度0分0秒と推測
  • 規模 M 8.4 , Mw 8.5~8.7と推測 
  • 最大震度 震度6:和歌山県(紀伊新宮)、高知県(土佐中村)と推測

この地震は、安政東海地震の約32時間後に発生した南海トラフ巨大地震の一つ。死傷者数は数千人と推定され、津波の高さは15mを超えるところもあったと推測される。被害は中部地方から九州地方へ及び、2つの巨大地震が重なった近畿地方では東海地震における被害と明確に区別ができない。この40時間後に豊予海峡地震(M 7.4)が発生している。

昭和東南海地震

  • 発生日と時刻 1944年12月7日の13時35頃
  • 震源 熊野灘沖の北緯33度34分12秒・東経136度10分42秒で深さ40km
  • 規模 Mj(気象庁マグニチュード)7.9, Ms(表面波マグニチュード)8.0, Mw8.1~8.2 
  • 最大震度 震度6:静岡県(御前崎)、三重県(津)

1945年前後にかけて4年連続で1000名を超える死者を出した4大地震(鳥取地震、三河地震、南海地震)の一つ。死者・行方不明者数は1223名とされ、津波の高さは8~10mとされている。戦時中のため地震のことはあまり触れずに被害の隠蔽をした。この地震の約1年前に鳥取地震が発生している。

昭和南海地震

  • 発生日と時刻 1946年12月21日の4時19頃
  • 震源 紀伊半島沖の北緯32度56分06秒・東経135度50分54秒で深さ24km
  • 規模 Mj 8.0, Ms 8.2, Mw 8.1~8.4
  • 最大震度 震度6:岡山県(西大寺)三重県(五郷)兵庫県(郡家)香川県(津田・下高瀬)高知県(野根・母島)

昭和東南海地震の約2年後に発生した地震。南西日本一帯では地震動、津波による甚大な被害が発生したが、他の年代に発生した南海地震と比較して、被害の規模は小さかったと考えられている。死者数は1330人とされ、津波の高さは4~6mとされている。

他にも684年には白鳳地震、887年に仁和地震、1096年には永長地震などが発生している。また、1605年の慶長地震は南海トラフを震源とする地震と考える研究者もいれば、南海トラフではなく遠地(小笠原近海など)の地震と考える研究者もいる。未だに謎の部分は存在している。

警戒態勢

気象庁は東海地震の警戒体制を改めて、南海トラフ地震に関連する情報の運用を2017年11月1日に始めた。

想定と津波

東南海、南海地震等に関する専門調査会

今後発生が予測される南海トラフの地震のうち最大のものはマグニチュード8.7、破壊領域は長さ700km程度の宝永地震レベルとされていた。しかし、2011年東北地方太平洋沖地震発生後、この想定は見直されることなり、中間報告では、南海トラフ連動型の最大クラスの地震・津波の想定がなされ、M9.0との暫定値が発表された。日本の地震学者の阿部勝征は、想定の地震が起きれば巨大西日本地震となると述べている。2012年8月に10mメッシュによる津波の高さと浸水域などの推計結果による被害想定が発表され、冬季の深夜にマグニチュード9クラスの超巨大地震が発生、駿河湾から紀伊半島沖を中心に大津波が発生した場合、関東以西の30都府県で最悪32万3000人の死者が出る可能性があるとした。

中には南海トラフと琉球海溝が連動した超巨大地震が起きる恐れがあると指摘する専門家も少なからず存在する。

地方自治体など

  • 三重県

2011年の報告によるとM9連動地震の想定では、津波は熊野市二木島で高さ19mとなり、防潮堤が機能すれば130㎢が高さ2mで浸水、防潮堤が機能しない場合は機能したときの面積よりも約2.5倍で浸水する。防潮堤点検結果によると、空洞化している部分が少なくとも138カ所あるため対策が急がれている。熊野市・尾鷲市・紀宝町などでは、地震から津波の到達まで3~4分しかなく、避難時間確保のためにも防潮堤の復旧が大事だ。

2011年の報告によると浸水面積は従来の想定の73㎢から2倍以上に拡大し、美波町阿部漁港奥から海陽町宍喰海岸で約20mの津波の高さとなっている。内陸部の徳島市富田地区(高さ1~2m)や北島町などが新しく津波浸水地域に指定された。20cmの津波の到達時間は、牟岐町牟岐漁港湾口で3分、徳島市のマリンピア沖洲東端で32分とされ、最大の高さの津波が来る時間は30分から90分後となっている。
  • 高知県
2012年の報告によると黒潮町で30m以上の津波が予想されている。高知空港全域も浸水し、最大7m以上になる

2018年3月、永松伸吾関西大学教授と宮崎毅九州大学准教授は、発生後5年間の国と自治体の復興費用を162兆円と見積もっている。

地震予知は可能?

ネット上では、「南海トラフ地震が20××年の〇月〇日に発生する」など予言している者が多く存在。しかし、地震予知をできた者は誰もいないのが現状である。
詳しくは→こちら

スロースリップについて

スロースリップとは普通の地震によるプレートのすべりよりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象のこと。別名ゆっくり地震などと呼ばれることもある。

東海地域

2000年から2004年にかけて浜名湖付近で年間1cm程度の速度で発生していることが判明。銭洲海嶺の影響で高間隙水圧帯ができ、そのため、スロースリップを起こす部分の幅が通常よりも広くなり、スロースリップの規模が大きくなっている。

東南海地域

2006年1月に、紀伊半島から愛知県にかけての地域で、短期的なスロースリップが発生した。

日向灘

  • 1996年に日向灘で10月19日と12月3日にそれぞれM6.6の地震が発生
  • 1997年に豊後水道付近でスロースリップを観測。


プレスリップについて

大きな地震が発生する際に、震源となる断層破壊を誘導する微小な割れ目を形成する地震のこと。前兆すべりともいう。気象庁は東海地震をこれをもとに予知していた。


過去の地震の前兆現象について

過去に発生した地震にも前兆現象があったらしい。前兆現象が実際に起きたからといって必ずしも地震が発生するというわけではない。実際は科学的な根拠がないのが現状。しかし、油断もできない

宝永地震

  • この地震が発生する21年前に遠江・三河地震(M 6.5~7 )の内陸地震が発生
  • 名古屋において10月3日に発光現象
  • 前震と思われる地震の記録が9月25、26、28日に見られる


安政東海地震

  • 前年の小田原地震によって袖師町(現・静岡市清水区)では海岸が遠浅となり隆起を示唆する記録
  • 御前崎付近では地震前に浜が次第に壊されていくなど沈降と思われる現象が発生
  • 周辺では数年前から中規模地震が続発し、特に半年前からは紀伊半島から伊豆半島にかけて地震活動が高まっていた


安政南海地震

  • この地震の約1か月前の10月1日頃には干潟が広がり異常な干潮を観測
  • この地震の3~5日前には海底の鳴動、地鳴り、遠音、が見られた
  • ミミズが地中より這い出し死
  • 井戸水が枯れたり濁る


昭和東南海地震

  • 本震発生前の約20年間のユーラシア大陸東部地域(北東中国から西南日本)の浅い地震活動が活発であった
  • 地震の発生直前に、静岡県掛川市において、プレスリップと見られる現象を観測


昭和南海地震に関しては終戦混乱期であったため、データ不足が多くあまり断定できるデータがない。また、この前兆現象と地震との因果関係については不明な点が多く存在している。


外部リンク

東海・東南海・南海地震

関連タグ

地震 災害 防災 宏観異常現象

海溝型地震

東日本大震災 関東大震災

西日本の直下型地震

平成28年熊本地震 阪神淡路大震災 鳥取地震 大阪府北部地震など

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