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大阪北部地震

おおさかほくぶじしん

大阪北部地震とは、2018年に大阪府北部を震源として発生した内陸直下型地震。
目次 [非表示]

※この地震の公式の名前は基準に達していないため、命名されていない。

大阪府北部の地震・大阪北部地震・大阪地震」と呼ばれたりする。

概要

地震の概要
  • 2018年6月18日に発生した大阪府北部を震源とするM6.1の地震が発生。大阪府北部で震度6弱を観測した。

気象庁は「1923年(大正12年)に観測を開始して以来、大阪府で震度6弱以上の揺れを観測したのは初めて」としたが、震度階級が改正されるきっかけとなった兵庫県南部地震では、大阪府の一部地域(大阪市西淀川区・豊中市・池田市)が震度6であったと判定されている。


本震

発生日2018年6月18日
発生時刻7時58分頃
震央(震源地)大阪府北部(北緯34度50.6分・135度37.3分)
震源の深さ13km
地震の規模Mj6.1・Mw5.5
最大震度6弱
地震の種類内陸地殻内地震

2018年(平成30年)6月18日7時58分頃、深さ13kmの地震の規模はMj(気象庁マグニチュード)6.1/Mw(モーメントマグニチュード)5.5の地震。大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱、西は九州地方、東は関東地方まで震度1以上を観測した。

震度都道府県市区町村(観測点)
6弱大阪府大阪北区茶屋町 高槻市立第2中学校 枚方市大垣内 茨木市東中条町 箕面市粟生外院
5強大阪府大阪都島区島本通 大阪東淀川区北江口 大阪旭区大宮 大阪淀川区木川東 豊中市曽根南町 豊中市役所 吹田市内本町 高槻市桃園町 高槻市消防本部 寝屋川市役所 箕面市箕面 摂津市三島 交野市私部 島本町若山台
京都府京都中京区河原町御池 京都伏見区向島 京都伏見区久我 京都西京区大枝 亀岡市余部町 長岡京市開田 八幡市八幡 大山崎町円明寺 久御山町田井
5弱大阪府大阪福島区福島 大阪此花区春日出北 大阪港区築港 大阪西淀川区千舟 大阪東淀川区柴島 大阪生野区舎利寺 大阪国際空港 池田市城南 守口市 大東市新町 四條畷市中野 豊能町余野 能勢町役場
京都府京都伏見区竹田 京都伏見区醍醐 京都伏見区淀 京都西京区樫原 宇治市宇治琵琶 宇治市折居台 亀岡市安町 城陽市寺田 向日市寺戸町 京田辺市田辺 井手町井手 精華町南稲八妻 南丹市八木町八木
滋賀県大津市南郷
兵庫県尼崎市昭和通 西宮市宮前町 西宮市平木 伊丹市千僧 川西市中央町
奈良県大和郡山市北郡山町 御所市役所 高取町観覚寺 広陵町南郷

※震度4以下は省略

※緊急地震速報「マグニチュード6.1 最大震度6弱」と予測し、発表しています。


(youtubeの「BSC24 自然災害情報共有放送局」より)


長周期地震動階級

最大で階級2を近畿地方で観測した。

階級地方地域
2近畿大阪府北部 兵庫県南東部 奈良県
1近畿滋賀県北部 滋賀県南部 京都府南部 大阪府南部
中国・四国鳥取県西部 徳島県北部

(出典:気象庁ホームページ長周期地震動階級より)


地震活動

余震

M3~4クラスの余震で震度3~4を観測する地震もたびたび発生。現時点では、余震活動は収まりつつある。現時点の最大余震は、同年6月19日00時31分頃に大阪府北部を震源とするM4.1の地震で最大震度4を京都で観測。


その後も体に感じない地震(無感地震)が相次いで発生している状態が続き、有感地震を度々観測し徐々に収束した。しかし、周辺では地震活動が活発化している。


周辺の地震活動

大阪北部地震の震源地周辺(大阪府~京都府)では2022年3月以降、地震活動が活発化し始め、1か月間でM4クラスの地震が計4回(震度3以上だけに絞っても計5回)発生しており、過去50年でも例がない状況になっていたが、収束した。なお、周辺には三峠・京都西山断層帯が存在し、この断層帯で地震が発生すれば最大でM7.5程度になるとされている。


その他

余震が収束し復興しつつあった最中、被災地に平成30年台風第21号が襲来し追い討ちをかける事態になっている。


南海トラフ巨大地震との関連性

南海トラフ巨大地震との直接的な関連性は認められないが、西南日本では静穏期と活動期が存在し、南海トラフ巨大地震の発生が切迫するにつれて西南日本の内陸では地震活動が活発化しやすくなり、M6~7前後の大地震が静穏期のおよそ4倍の頻度で発生するという研究もあるため、この地震も南海トラフ巨大地震の先行的な現象として発生した可能性がある。


実際に、近畿地方で発生した1995年兵庫県南部地震の一つ前に発生したM6以上の内陸地殻内地震は、1936年に発生したM6.4の河内大和地震(そのおよそ7年後にM7.9~8.2の昭和東南海地震が発生)で、それを最後におよそ60年間しばらく静穏な状態が続いていた。

しかし、現在の近畿地方では「1995年兵庫県南部地震(M7.3)」「2013年淡路島付近の地震(M6.3)」、そして今回の「2018年大阪北部地震(M6.1)」と活発化している状態が続いている。このことからも、既に次の南海トラフ巨大地震の準備段階に突入していると言える。


西南日本の活動期についての詳細は『南海トラフ巨大地震』の記事を参照。


地震のメカニズム

本震は西北西~東南東を圧縮面とする逆断層型の内陸直下型地震である。震源断層は南北2つに分けられ、北側で東傾斜の逆断層型、南側で南東傾斜の右横ずれ断層型であったと推定される。


震源の周辺には有馬~高槻断層帯、生駒断層帯、上町断層帯、さらに阪神・淡路大震災を引き起こした六甲~淡路島断層帯など複数の断層帯が存在する。


被害や影響

2019年4月1日時点で死者数は6人、負傷者数462人。1人は死亡推定時刻が地震発生前で病死と記載されていたため4人となっていたが、7月26日に地震発生直後に持病が悪化したことが原因で亡くなったとされ、関連死と認定された。もう1人は、地震発生の約2週間後に大阪市東淀川区の住宅で遺体で見つかった50代の男性が、地震による圧死と認定されたと明らかになった。

都道府県死者数負傷者数住宅損傷・損壊床上・床下浸水非住宅被害
三重県2人
滋賀県3人5棟
京都府25人3433棟43棟
大阪府6人384人5万8077棟6棟725棟
兵庫県42人227棟39棟
奈良県5人28棟9棟
徳島県1人

(出典:大阪府北部を震源とする地震による被害及び消防機関等の対応状況 第32報より)

地震保険の支払額は10月11日時点で946億円を超え、東日本大震災平成28年熊本地震に次いで第3位になった。


近年の大規模震災よりはやや小さめだが、内陸部で発生した直下型地震ともあり震源に近い地域の損害は決して軽くはなく、ガスや水道が止まって不自由な生活を強いられている被災者も続出した。

すでに阪神・淡路大震災から20年以上経過して若年層や新規転入者には当時を知らないものも多く、恐怖を与えた。

しかし阪神淡路大震災後に建物の耐震工事などが進んでいたこともあり規模の割に被害範囲は狭く、鉄道の復旧も当日中に進んだところも多くJR大阪駅そばのヨドバシカメラのような大規模店舗も当日中に営業を再開している。なお、大阪モノレールについては終日運休にまで追い込まれてしまった。試運転を経て区間で少しずつ復旧し23日には全線で運転を再開したが、車両の点検を行ったところ、部品が落下する可能性があると懸念された問題が発生して翌24日より終日運転を見合せとなった。が、現在は安全が確認され、6月25日より全線で運転を再開し、6月29日の11時より通常ダイヤでの運転に戻った。


震源に近い高槻市近辺では被害が多く、大阪大学では研究機材の破損が相次ぎ教員のtwitterアカウントでは本棚から書類が崩れおちた様子が多数アップされた。

死者のうち2人(一人が小学生の少女、一人が高齢者)は学校のブロック塀倒壊に巻き込まれて亡くなっているが、このブロック塀は学校のプールの覗き被害防止のために、ある時期に高く積み増しされていたが、筋や控え壁などが十分設置されていなかったことが発覚。

現在の建築基準法に違反状態が長らく続いていたことが判明し「人災ではないか」と高槻市側が非難され、全国各地でも同様のブロック塀が問題視されており、各地の公共施設でブロック塀が撤去され、金網や軽合金などのプレートに置き換えられる事態になった。



関連項目

地震 災害 西日本の直下地震 震度


兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災):1995年(平成7年)1月17日5時46分頃に淡路島付近を震源として発生した地震。『20世紀に発生した戦後最悪の震災』となり、観測史上初の震度7を記録した。死者・行方不明者数は6437人

南海トラフ巨大地震:東海・東南海・南海・日向灘を震源として繰り返し発生している巨大地震。歴代の地震の中には東北地方太平洋沖地震の規模を上回る規模の地震も発生している。 今後、発生が懸念されている。

山形県沖地震:発生からちょうど1年後に発生。


外部リンク

大阪府北部地震(内閣府) 大阪府北部の地震活動の最大震度別地震回数表 3.5mの塀倒れ、9歳女児犠牲…情報に大阪府庁舎緊迫(朝日新聞)

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