震度
しんど
震度は国によって表記のしかたに違いがある。私たちが普段見聞きしている震度は気象庁が定めた「気象庁震度階級」であり、日本独自の震度階級である。いっぽう海外では「改正メルカリ震度階級」(MM震度階級)や「メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級」(MSK震度階級)など12段階で表現される震度階級を用いている国が多い。また、台湾では「中央気象局震度階級」という階級を使用しており、基本的に「気象庁震度階級」と似た階級となっている。
日本の震度階級は、1854年に地震・火山学者の関谷清景の『地震報告心得』によって定められ、当時は「微震」「弱震」「強震」「烈震」の4段階だった。1898年には微震の前に「微震(感ナシ)」、微震と弱震の間に「弱震(弱キ方)」、弱震と強震の間に「強震(弱キ方)」が新たに加えられた。1908年には震度0〜6の7段階が明文化された。1936年には微震(感ナシ)が「無感」、弱震(弱キ方)が「軽震」、強震(弱キ方)は「中震」に改称された。
1949年には地震観測法が改正され、前年に発生した福井地震の被害を受け、新たに震度7を設けて「無感」「微震」「軽震」「弱震」「中震」「強震」「烈震」「激震」の8段階になった。その後1996年には前年の阪神・淡路大震災を受け、さらに細分化し震度5と震度6をそれぞれ強弱に分けて10段階とし、「無感」~「激震」の表現を廃止した。また、震度の観測はこれまで気象台の職員の体感と建物の被害状況から判断していたが、阪神・淡路大震災で震度6と震度7の判断が困難だったことから同年4月からは震度計による観測に変更された。
階級表
日本における震度は「気象庁震度階級」として、以下の10等級と決められている。
震度 | 人の行動・体感 | 状況 | その他 |
---|---|---|---|
0 | 人は揺れを感じない。 | ||
1 | 屋内で静かにしている人には地震を感じる人もいる。 | ||
2 | 屋内で静かにしている人の大半は地震に気付く。 | 吊り下げ物がわずかに揺れる。 | |
3 | 屋内で静かにしている人のほとんどが地震に気付く | 棚にある食器類が音を立てることがある。電線が少し揺れる | |
4 | 眠っている人や歩いている人も含めてほとんどの人が驚く。 | 吊り下げ物が大きく揺れる。電灯が揺れる。不安定な置物が倒れることがある。 | 高度利用者向けの緊急地震速報を発表する最低震度。 |
5弱 | 多くの人が恐怖を覚える。 | 吊り下げ物は激しく揺れる。固定していない家具が動く。窓ガラスが割れて落ちることがある。道路に被害が生じることがある | 一般向けの緊急地震速報を発表する最低震度。 |
5強 | 物につかまらないと歩きにくいなど行動に支障が出る。 | 食器などが落ちる。家具が倒れる。 | |
6弱 | 立つのが困難になる。 | 家具のほとんどが倒れたり動く。ドアが開かなくなることがある。窓ガラスなどが破損することがある。 | NHKでは最大震度6弱以上を観測すると緊急警報放送のチャイム音がなる。 |
6強 | 這わないと動けない。 | 地割れが生じる。家具のほとんどが倒れる。補強されていないブロック塀も崩れる。 | |
7 | 「震度6強」と同様のことが起こり、場合によって人は飛ばされることがある。 | 建築物が壊れたりひび割れたりする。固定していない家具は移動して倒れたりする。場合によって固定していない家具が飛ぶことがあり、耐震性の高い建物も傾くことがある。 |
(出典:気象庁震度階級関連解説表より)
同じ地域でも、状況(地盤の強弱など)により震度(と被害)は変わる。
震度階級と計測震度
震度は昔、目視で判断していたが、現在は計測震度計を用いて判断している。計測震度とは、地震の揺れの加速度や周期をもとに複雑な計算式を用いて、小数点以下まで算出される値のこと。地震情報として発表する際に四捨五入され「震度」として発表される。
震度 | 計測震度 |
---|---|
0 | 0.5未満 |
1 | 0.5以上1.5未満 |
2 | 1.5以上2.5未満 |
3 | 2.5以上3.5未満 |
4 | 3.5以上4.5未満 |
5弱 | 4.5以上5.0未満 |
5強 | 5.0以上5.5未満 |
6弱 | 5.5以上6.0未満 |
6強 | 6.0以上6.5未満 |
7 | 6.5以上 |
ライフラインなどへの影響
震度 | 起こること |
---|---|
4 | 鉄道、高速道路などで、安全確認のため、運転見合わせ、速度規制、通行規制が、各事業者の判断によって行われる。 |
5弱 |
|
5強 | |
6弱 | 通信事業者により災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板などの提供が行われる。 |
6強 | 広い地域で、ガス、水道、電気の供給が停止することがある。 |
7 |
(出典:気象庁震度階級関連解説表より)
※あくまでも参考です。