概要
1943年9月10日17時37分、突如、マグニチュード7.2の激震が鳥取を襲った。震度6を記録した鳥取市を中心に被害は甚大で、死者1083人、全半壊家屋1万3500余(全壊7485戸)であった。
ただ、第二次世界大戦中に発生した大地震であるため、詳細は不明な点も多い。1945年の終戦前後に相次いで発生した東南海地震(1944年)や三河地震(1945年)、南海地震(1946年)などとともに、死者が1000人を超えた大規模な震災のひとつ。
また、この地震により「鹿野断層」および「吉岡断層」が出現した。
地震の前兆
前震
鳥取地震が発生した鳥取県東部では、半年前の3月にマグニチュード6前後の地震が2回ほど発生して軽微な被害を出していた。これは広い意味での前震(前駆地震)であったと考えられている。
傾斜計による異常の観測
震源から60キロメートル離れた生野銀山(兵庫県)の傾斜計では、地震が発生する6時間ほど前から異常な変動が記録されていた。これも地震の前触れであったと考えられている。
鳥取県で起きたその他の地震
鳥取県では、1943年鳥取地震のほかにも、2000年の鳥取県西部地震や2016年の鳥取県中部地震など、大地震が繰り返し発生している。鳥取地震は県東部で発生したため、同県では県を東部・中部・西部の3地域に分割したとき、それら全ての地域で震度6以上の大地震が発生した歴史がある。