「僕がお前を助けてやる───僕の血を吸え。」
概要
タイトル | 傷物語 |
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収録話 | 第零話:こよみヴァンプ |
発売 | 2008年5月 |
キャッチコピー |
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現代日本を舞台に怪異が登場するライトノベル『化物語』の前日譚にして、主人公・阿良々木暦が吸血鬼となった顛末が語られる、全ての《物語》の始まりの原点。
シリーズの一編でありながらも、独立した1つの《怪異譚》として描かれている。
前作で仄めかされていた地獄のような春休みの時期が描かれており、前作では抑え目だったバトルシーンも存分に描かれている。
現代日本に現れた女吸血鬼と出会ったことで人ならざる者になった苦悩や葛藤、同級生・羽川翼との出会いと友情が語られる。
TVシリーズでもあった暦のモノローグは一切なく、前作で出来た数少ない友人達もほとんど登場しない。
『化物語』第1話冒頭で一部が先駆けてアニメ化され、同作のヒットにより全編の映像化が期待されていたが、劇場用作品としてアニメ化が決定。
約5年の時を経て、2016年1月に「Ⅰ 鉄血篇」、同年8月に「Ⅱ 熱血篇」、2017年1月に「Ⅲ 冷血篇」の3部作として公開された。
副題の由来はキスショットの二つ名である「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」から。
2023年9月には三部作を総集編として再構成した『傷物語 -こよみヴァンプ-』の制作が発表され、2024年1月から全国劇場で公開された。
特徴としては以下の2つが挙げられる。
- 劇場版ならではのホラー&シリアスな映像体験
これまで味わうことのなかった緊迫感と無機質な狂気が潜む恐怖、TVシリーズとは異なるダークでスタイリッシュな世界観、3DCGで描かれた不気味な舞台背景と鮮血が舞い散るほどの残酷描写、そして尾石達也監督ならではのビジュアルな演出は多くのファンを魅了した。
8年経った今もなお、海外でも根強い人気を誇っている。
- 伝奇ホラーファンタジーアクションの金字塔
日常が緩やかに壊れていく恐怖、誰もいない街、飛び交う無数のカラス・・・そして、赤と白のコントラスト。
人ならざる存在である《怪異》の本来の恐ろしさや、TVシリーズでは控えめだったバトルパートも、今作では全開に描かれている。
スタイリッシュかつモダンホラーな世界観に引き込まれ、無機質の恐怖にあなたは没頭することになるだろう。
《地獄のような春休み》に相応しい、極上のホラーファンタジーを堪能してほしい。
平穏だった日常が《非日常》に変わり、《怪異》という名の異質な存在に侵食されていく───。
あらすじ
桜が舞う三月二十五日、終業式の日の午後。
直江津高校に通う高校二年生の阿良々木暦は、同じ学校に通う優等生・羽川翼と知り合う。
「この街には吸血鬼がいる」───。
羽川から語られるのは、最近出没するという「金髪の吸血鬼」の噂だった。
人との関わりを避けているものの、気さくな翼のことを想う暦。
そしてその夜───街に出た暦は、誰もいない地下鉄のホームで噂の吸血鬼と遭遇する。
伝説の吸血鬼にして‘‘怪異の王’’、
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとの衝撃的な出会いを果たす。
不死の吸血鬼にして最狂の怪異であるはずの彼女は四肢を切断され、
周囲に血を撒き散らしながら、暦に助けを請う。
求められるままに、キスショットに自分の血を捧げる暦。
次に目覚めた瞬間、彼は彼女の眷属に生まれ変わっていた・・・。
謎の男・忍野メメとの奇妙な出会いの後、
暦は人間に戻るため、三人の吸血鬼ハンターとの過酷な戦いに挑むのだった。
「ようこそ、夜の世界へ───。」
阿良々木暦の《地獄のような春休み》は、この時まだ、始まったばかり───。
登場人物
「僕は───人間に戻れるのか?」
本作の主人公。私立直江津高校に通う高校二年生。
「友達を作ると人間強度が下がる」という理由で孤独を貫いていたが、羽川翼との出会いを経て友達になる。
その後書店から帰る途中、キスショットと出遭ったことで事件に巻き込まれる。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(CV:坂本真綾)
「儂を・・・・・・助けさせてやる。」
怪異の王、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。
何者かに四肢を切断され死に瀕しているところを、暦によって一命を取り留める。
一命を取り留めた後は、十歳程度の姿になっている。
四肢を取り戻すたび、力の増減により姿も変幻する。
「ざーんねん。友達、できちゃったね。」
暦と同じ高校二年生で、優等生の中の優等生。
成績は常にトップで、1年の時も2年の時も委員長をしていた。
羽川のパンツを暦が目撃したことがきっかけで友達になり、以後彼をサポートする。
「───何かいいことでもあったのかい?」
態度も口調も軽薄な怪異の専門家。
常に飄々とした態度を取る、妖怪変化のオーソリティ。
暦と吸血鬼ハンターの対決の約束を取り決める。
吸血鬼ハンター達の攻撃を両手片足だけで止める実力がある。
「二度と手は出さん、命だけは助けてくれ。」
3人の吸血鬼ハンターの1人。
2メートルを超える筋骨隆々の巨漢の男。
高い身長能力で暦を追い詰める。
両腕を2本のフランベルジュに変身させ武器として扱う。
自分も元人間の吸血鬼で同じ境遇の暦を勧誘しようとする。
「後遺症が残らない程度に殺してやるよ。」
3人の吸血鬼ハンターの1人。
巨大な十字架がトレンドマークで、瞬間移動する術を身に付けている。
白い学生服に異様に目つきの鋭い、吸血鬼と人間のハーフ。
口癖は「超ウケる」。
「不愉快ですねぇ。」
3人の吸血鬼ハンターの1人。
ハリネズミのような髪型をしており、3人の中では一番強い。
怪異の存在を否定する宗教団体の大司教。
神父のような身なりで自分を神と同一視している。
使命感から吸血鬼狩りに従事する。
関連イラスト
関連動画
予告篇 其ノ壱(公式配信版)
予告篇 其ノ弐
Ⅰ 鉄血篇
Ⅱ 熱血篇
Ⅲ 冷血篇
こよみヴァンプ 本豫告
日本壱長イCM
まさかのパチスロ化
かかってくるがよい、我が従僕!
長らく今作のパチスロ化は無いと噂されていたが、タイアップ機「パチスロ傷物語-始マリノ刻」が颯爽と登場。
シリーズ最狂、ツラヌキ要素満載の「始マリノSPEC」を搭載しており、AT名は「倖時間」から「鬼血闘」に変更され、劇場版での残酷表現が無くなったものの、ダークな世界観はそのままに、3人の吸血鬼ハンターやキスショットとの激しいバトルを堪能する事が出来る。
さらには「倍倍チャンス」に代わる「解鬼ノ刻」、そして真ノ倍倍チャンス「降臨ノ儀」といった特化ゾーンはユーザー達を熱く虜にしてみせた。
さすがはサミー・・・もうやだこのメディア展開。
「パチスロ傷物語 -始マリノ刻-」テーマソング
Wyo-ya extended 「Repentance Dance」
関連タグ
阿良々木暦 キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード 忍野忍
忍野メメ 羽川翼 ドラマツルギー(物語シリーズ) エピソード ギロチンカッター
シャフトでお馴染みの演出作家。
劇場版三部作、及び総集編『こよみヴァンプ』の脚本・監督を務めた。