新ゲッターロボ
それは、とある3人の男と邪悪なる生命体「鬼」との死闘
また、1人の男がゲッター線に導かれていく壮大な物語....
概要
新ゲッターロボは2004年から発売されたゲッターロボOVAシリーズ第3弾。
全13話。
歴代OVAゲッターの中でも、特に漫画版ゲッターロボの雰囲気を残しており、劇中の登場人物の大半もかなり過激で野蛮な性格をしている。
後述の『ヒーローにして兇悪顔』というタグからも本作の登場人物の容赦の無さや過激さが窺える。
キャラクターデザインも石川賢氏の画風を取り入れたワイルドなモノになっており、本作の男臭さに拍車をかけている。
ストーリーはゲッターロボサーガをモチーフにしつつも、随所に石川賢作品のテイストが盛り込まれており、氏の代表作である「虚無戦記」や山田風太郎原作のSF時代劇である「柳生十兵衛死す」等の世界観が挿入されているのが特徴である。
従来のゲッターロボと少し異なるのは、流竜馬の目線で物語が進んでいきゲッター線とは何か、鬼とは何かという点を軸にしたミステリーやホラーテイストが入っていることが挙げられる。
余談ではあるが、本作で使われたBGMはJAM_Projectが手がけた主題歌に負けず劣らずの熱血さを誇る名曲揃いであり、今でも度々バラエティ番組等で燃える曲として使用されている。
ストーリー
太古の昔より語られてきた異形:鬼は実在した。奴らの狙いは浅間山にそびえる早乙女研究所だ!。ゲッター線を動力源にしたスーパーロボット:ゲッターロボの威力で辛くも鬼を撃退してきた早乙女研究所だったが、未だにゲッターは試作機の域を出ておらず、何よりそのパワーを御せるパイロットが見つかっていなかった。
ゲッターの生みの親である早乙女博士はゲッターに乗れる人材を捜し続け、3人の若者を見いだした。野獣の様な空手家の流竜馬、反国家過激派テロリストの神隼人、破戒坊主の武蔵坊弁慶の3人が揃った時、ゲッターロボは、覚醒する!
登場人物
CV:石川英郎
鬼神の様な男
本作の主人公。新ゲッター1のパイロット。
新宿歌舞伎町で空手道場を営んでいたが、その身体能力と精神力を欲した早乙女博士によって無理矢理、早乙女研究所に引き抜かれ新ゲッターロボのパイロットに選ばれた青年。
性格はとにかく好戦的で、怖いおじさんだろうと鬼だろうと誰であろうとお構い無しに戦いを挑む生粋の戦士。しかし、自ら襲いかかると言うよりは相手側から危害を加えようとする者に対してなので見境無く攻撃するわけでは無い。
おそらく歴代のアニメ竜馬で一番の無学且つ天然。その一方で彼なりの義理人情も持ち合わせている熱血バカ。
声優は、過去のOVA作品から引き続き石川氏が演じるとなった。
CV:内田直哉
竜馬の次にスカウトされた(と言うより寧ろ拉致に近い)ゲッター2のパイロット。
野獣の如き身体能力と天才的な頭脳を兼ね備えた反国家テロリストであり、残虐非道な狂人であった。竜馬と同じく無理矢理ゲッターのパイロットに選ばれるも、ゲッターロボの力にのめり込み、以降はテロリスト時代のリーダーとしての能力を活かし冷静沈着なブレーンとしてゲッターチームを支えるようになった。
そして、ゲッター線への探求心・好奇心が人一倍大きい人物でもある。
作中、初登場と次回で雰囲気が変わっているのが特徴。何かあったとしか思えない。
声優は、過去のOVA作品から引き続き内田氏が演じるとなった。
鬼子と呼ばれた男
CV:梁田清之
最後に選ばれたゲッター3のパイロット。かつては呑む、食う、女を寝取り犯すとやりたい放題の限りを尽くした悪童で村人からは「鬼の子」と呼ばれる程恐れられていた大男。
ある日人生の師となる和尚と出会い仏道に帰依したが、寺を鬼が襲撃した事で和尚と兄弟弟子を一度に失い、復讐の為に(偶然ではあるが)ゲッターに乗り込む事になった。この時、偶然所持していた大太刀が今作の鍵となるアイテムであった。
強欲な破戒坊主だが、どこか憎めないコメディリリーフ。本作のオリジナルキャラクターだが、巴武蔵と車弁慶、ゲッターロボアークに登場する山岸獏の要素を掛け合わせて生み出されたゲッター3パイロットの申し子のような存在。
劇中では車弁慶よろしく単に「ベンケイ」と呼ばれている。
声優は「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」で巴武蔵を演じていた梁田氏が演じる事となった。
CV:有本欽隆
早乙女研究所の所長にしてゲッターロボの開発者。自身の目的の為なら手段をさらさら選ばない硬骨漢であり、荒くれ揃いのゲッターチームを束ねる鬼司令官。時空を越えて侵略してくる”鬼”に対抗するために新ゲッターロボを開発したが、次第にゲッター線の未知の領域に取り憑かれ正気を失っていく事になる。
CV:山野井仁
プロトゲッター部隊を率いるパイロット。早乙女博士の息子であり、鬼と戦い続けた歴戦の勇者である。
研究所を襲撃してきた鬼に噛まれた事で鬼化してしまうも、不屈の闘志で自我を取り戻し、自らの命と引き替えに竜馬と早乙女博士の命を救った。
CV:本田貴子
鬼を研究している早乙女研究所の女性科学者。本作の(一応の)ヒロインその1。
早乙女博士の娘だが、家族を顧みず研究に没頭する博士の事を嫌っている。血は争えないのか、博士に分けず劣らずの精神力の持ち主である。
協力勢
イラスト左側の人物
CV:朴璐美
清明と対峙し平安京を守る女将軍。何故かTSFしておりデカい。
本作の(一応)のヒロインその2。
トンデモ兵器と多数の部下を率いて、鬼の親玉である晴明を打倒するべく、日夜鬼退治に明け暮れる女傑である。時空を越えてやって来た竜馬を鬼の仲間と勘違いするも後に和解し、共に打倒晴明を目指す事になる。
竜馬に負けず劣らずの戦闘力の持ち主。
敵勢力
CV:子安武人
鬼を統率する平安の陰陽師。過去の世界から時空を超越して鬼軍団をけしかけ、ゲッターロボと早乙女研究所を襲わせている。鬼の都”黒平安京”に身を潜めており、後に時空を越えて乗り込んできたゲッターチームと対決する事になった。ゲッターロボと戦う事を何よりも楽しんでいる戦闘狂である。また容赦なく他者を殺す事も躊躇わない性格の持ち主。
人程の大きい個体や一回り大きい個体と様々。頭部に一本の角があり、目は生気が無く唾液が口から垂れてただ唸り声をあげ、人を襲う生命体。対象を噛む事で自身と同じ「鬼」を増やす事が出来る厄介な存在。
鬼が危機迫った時に、呼び寄せる謎の巨大な鬼。呼び寄せた鬼を食べるで同化し、その個体の記憶等を受け取る特性を持つ。塩基配列は通常の鬼や地球上の生命体と違う特徴が現れている。完全な生物タイプ・半機械タイプ・植物タイプ・昆虫タイプ等様々な種類が新ゲッターロボに襲い掛かる。
四天王
終盤に登場した、仏。声からして強い事がうかがえる。
- 多聞天(たもんてん)
CV:玄田哲章
早乙女研究所の上空から現われた四天王のリーダー格。
鬼や晴明等を差し向けた全ての元凶で、人類からすると神に当たる存在。差し向けた目的として、新ゲッターロボは世界を滅ぼす汚点として粛清する為であった。様々な神通力を持ち、ゲッター炉心を新型換装した上で竜馬が乗ったゲッターロボですら太刀打ちできなかった。
- 広目天(こうもくてん)
CV:郷里大輔
絵巻や竜巻を用いた戦法を得意である。また口から酸のような液を吐いたり、業火を用いた技も使う。
- 持国天(じこくてん)
CV:銀河万丈
口から剣を出したり、左腕を新ゲッター2と同じドリルアームに変化させる事が出来る。デザインモデルは『5000光年』の虎から。
- 増長天(ぞうちょうてん)
CV:屋良有作
現われたと同時に、ゲッター線の暴走で研究所地下から這い出てきたプロトゲッター軍団を1人で相手をし、全滅まで追い込んだ程の実力を持つ。
その他
- 荒くれもの
早乙女博士が竜馬を品定めする為に嗾けた狂人達。大柄な者や常に笑っている者、ドスを持った者等が登場し、竜馬に襲い掛かるものの返り討ちにあう。
- カルロス
竜馬の空手道場の近所に住むメキシコ人。
「アミーゴ、リョーマ。相変わらず貧乏くさネー」「うるせェ!カルロスてめぇにだけは言われたくねェ!とっととメキシコに帰れ!」「オー、グラジオラス」
メカニック
- ゲッターロボ
デザインは「(チェンジ!)真ゲッターロボー世界最後の日ー」に登場するゲッターロボに酷似しているが、あくまで本作では試験的に作られたプロトゲッターの一体と言う事になっている。
ゲッターロボの完成体。劇中では普通に「ゲッターロボ」と呼ばれているが、ゲッターファンからは区別のため「新ゲッター」と呼ばれている。物語後半にゲッター炉心を新型に換えてからは真ゲッターロボのような力を発揮した。
終盤で登場した巨大なゲッターロボ。
詳細はリンク先参照。ネタバレ注意。
その他
初のスパロボ出演はスーパーロボット大戦NEOである。
参戦作品を見ればわかるが、大半が小学生を主人公とした作品である為、本作の参戦がアナウンスされた際は、冗談交じりながら「なんでこっちのゲッターを参戦させた・・・」と言われた事もあった。
因みに『NEO』劇中では本作の登場人物の狂気性は大分薄められており、話も安倍晴明討伐までで終わってしまった。
立体化
2006年から現在まで発売されている海洋堂の可動フィギュアシリーズであるリボルテックの第一号に新ゲッター1が選ばれており、その後に新ゲッター2と新ゲッター3もフィギュア化されている。
グッドスマイルカンパニーにて『ダイナミックチェンジ 新ゲッターロボ』を発売。SDによるデフォルメで再現。
新イーグル号・新ジャガー号・新ベアー号の3体のゲットマシンが合体、新ゲッター1・新ゲッター2・新ゲッター3の変形を実現。
関連イラスト
関連タグ
鬼滅のゲッター:鬼滅の刃が元ネタ。同じ「鬼」を退治する漫画及びアニメ作品。鬼滅の刃が「日本一慈しい鬼退治」と言われているが、新ゲッターロボは「日本一無慈悲な鬼退治」と行った所か。
桃太郎:同じ鬼退治が主題。ただし多媒体においては桃太郎側が狂人として描かれる事がある。
石川賢氏もバイオレンスな短編として描いた事があり、正に桃太郎側が狂人として描かれている。
ネタバレ注意リンク