概要
『虚無戦記』とは、石川賢が過去に描いた作品群を一つの世界に纏め上げ、”儒生歴”という架空の年号を使って再構成した戦史である。それぞれ独立した作品に大幅な加筆を加えたうえで単行本化された。
「虚無戦史MIROKU」を元にした『美勒王編』、「5000光年の虎」を元にした『虎空王編』、「邪鬼王爆裂」を元にした『羅王編』の3つのストーリーを主軸に、様々な短編作品を組み込んだ多層構造的なストーリーとなっている。
石川賢特有の驚天動地の世界観が楽しめる内容となっているが、作品のスケールが度を超して壮大であることと、ストーリー構成が複雑化していることがネックとなって若干読みにくくなっており、氏の代表作『ゲッターロボサーガ』に比べると読者を選ぶ作品でもある。
最終的に物語のスケールが巨大になりすぎて石川賢の手にすら余るようになってしまい、「俺たちの戦いはこれからだ!!」という形で無理矢理終わってしまった。それ以降賢ちゃんが作品を打ち切りENDにする様をファンからは「虚無る」と称されるようになり、おおいにイジられることとなった。
ストーリー
宇宙を股にかけ、銀河の星々の命運をかけた戦いが悠久の時の中で行われている。数多の宇宙を支配し、宇宙で肉体を構成するラ=グースに連なる”神の軍勢”と、彼らによる破壊と虐殺を食い止めるべく奔走する”仏の軍団”による戦争は数万年の時を超えてなお続いている。
戦国時代の忍びに生まれ、やがて日本全土を巻き込んだ虚無の戦に身を投じる美勒
遙かな銀河の果てで悲劇に見舞われ、神の軍団に復讐を誓った虎
世紀末の世界にて己の運命を知ることとなる戦士爆烈
生まれも育ちも住む時代も違う彼らの共通点はただ一つ。そう、ラ=グース達と命をかけて戦うことだ!!
数多の戦士達がつどいし戦いは、時も空間も超えて果てしなく広がっていく!
これは、虚無のような戦いに身を置く者達の、壮絶な物語である・・・・。
集約された作品
・新羅生門
・ドグラ戦記