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概要

ゲッターロボサーガ」「虚無戦記」「極道兵器」と並ぶ石川賢の代表作の一つ。『週刊少年アクション』(双葉社)の1975年9月8日号(創刊号)から1976年9月20日号(休刊号)まで連載された。

永井豪の「デビルマン」から大きく影響を受け、また本作も多くのクリエイターに多大な影響を与えた。

(例を挙げると、漫画家の秋恭摩はかつて自身のペンネームとしてこの漫画の主人公の名前をそのまま使っていた。『新世紀エヴァンゲリオン』にも、主人公の母親から超常的存在を生み出す展開や父と息子の確執といった要素に本作からの影響を指摘する意見がある)

「吸収」「進化」「復讐」「神」といったテーマやモチーフはこれ以降の石川漫画にも多く見られるものである。

漫画本編以外の展開では正統続編『真説 魔獣戦線』がある。OVAとテレビアニメも作られたが、どちらも黒歴史気味。

あらすじ

来留間源三博士をリーダーとする科学者グループ「13使徒」は、「神の目覚め」のために新人間「ニューマン」を作り出そうとし、その実験のモルモットとして来留間博士の息子・慎一を使った。

しかし、慎一はまだ子供すぎた。手術の重みに体が耐えられなかったのだ。実験が失敗と分かった使徒達は新たな材料として来留間博士の妻である静江を使う。

果たして手術は成功し、静江は鷹・ヘビ・ライオン・熊などの動物と融合した新人間となったのだった。

目覚めた慎一は自分と母の人生をめちゃくちゃにした父に激しく怒る。それに対し、来留間博士は非情にも「自分の人間性を断ち切るため」と言って、慎一を殺そうとする。

ところが、新人間となった静江が突如狂ったように暴れ、周辺を破壊しはじめた。激しい戦闘の末、シャフト博士がニードルガンで静江の頭部を撃ち抜き、直後の落雷によって研究所は爆発。13使徒は脱出したものの慎一と静江の行方は分からず、そのまま死んでしまったものと思われた。

それから5年、使徒らは行方をくらませ、慎一を見たものもいなかったが……。

OVA版

1990年に全3巻が同時発売された。内容は比較的原作に忠実に描かれているが、元々未完作品ということもあり、2巻終盤以降は完全にオリジナルな展開を見せる。

アニメーション制作はアニメイトフィルムJ.C.STAFF

変更点は以下の通り。

第1巻「魔獣、来たる」

  • 最初に対決する魔獣が「魔獣ハンター」という人造人間に変更。
  • 原作ではかろうじて生きていたバルビア博士が明確にとどめを刺される。

第2巻「引き裂かれた翼」

  • 原作ではシャフト博士が単独で行っていた研究が複数人に分担されている。
  • ユダ博士が慎一に殺される。
  • シャフト博士が独断行動をしたことで源三に粛清される。
  • 最後は慎一が源三に魔獣の力を奪われた上に真理阿まで捕らえられてしまう。

第3巻「永遠なる炎」(完全オリジナルエピソード)

  • 3年の間、眠っているのをいいことに散々利用された挙句下半身四足の魔獣に改造されてしまった真理阿。
    • しかし中盤の覚醒で自力で元に戻る。
  • 慎一がほとんどの13使徒を倒したことになっている。
  • 源三が真理阿を殺害。これが原因で残りの13使徒が神の怒りで全滅する。
  • 慎一は真理阿のおかげで魔獣の力を奪還。源三と因縁の対決の末に止めを刺す。
  • 虚無END。

当然だが『真説』とは繋がらない。

魔獣戦線 THE APOCALYPSE

2003年2月23日から同年5月18日まで、AT-Xで全13話が放映された。アニメーション制作はマジックバス

一応、無印の数年後を舞台にした後日談ということになっているが、作風が石川テイストではない上に慎一がらしくない行動を取るなど一部のファンからは黒歴史として扱われている。

序盤の敵もどちらかと言うと盟友・豪ちゃんの代表作であるデビルマンに出てきそうなキャラだった。

主題歌

オープニングテーマ「戒厳令の夜」

作詞・唄:03(avex trax)/作曲・編曲:03、SATORU HIRAIDE

エンディングテーマ「空白の時」

作詞:政谷剛史/作曲:政谷剛史、前田和彦/編曲:前田和彦、小東義典/唄:長谷川恵里(COMPOSITION)

真説 魔獣戦線

チャンピオンRED』(秋田書店)2002年10月号(創刊号)から2004年8月号まで連載された、無印の10年後を舞台にした続編。

旧作の設定がなかったことにされたり、動物や人間を吸収しまくったせいで慎一の魔獣形態がゴリラのような筋肉モリモリマッチョマンに見えてカッコよさが落ちたと言われたりしているが石川先生の画力が上がったことで迫力が増している。

登場キャラクター

キャストはOVA版、『APOCALYPSE』の順。

検索の障害

近年登場したスマホゲーム『Fate/GrandOrder』の第7章『絶対魔獣戦線バビロニア』の方が知名度が高いため、本作の画像を検索しようとすると高確率でこちらの画像が優先的に表示されるようになってしまっている。

そのため、検索には「魔獣戦線 石川賢」と打ち込んだ方が良い(ただし、それでも割り込んでくる)。

関連タグ

石川賢

時天空(魔獣戦線):「真説」終盤で存在が示唆された敵

世界最後の日コーウェン&スティンガーを始め、実は本作から頂いた要素が多い

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