ゲッター2(ジャガー号)、ゲッターライガー(ライガー号)、真ゲッター2、新ゲッター2のパイロット。(臨時でネオゲッター1に搭乗したことがある。)
他の『ゲッターロボ』のキャラクター共々、媒体毎に設定(主に性格面)が異なるが、やたら頭が良いこと、基本的に美男子扱いの演出であること、パイロット引退後は早乙女博士の後にゲッター線の研究者になっている他、指揮官になっていること等が共通している。
TVアニメ版
CV:山田俊司(現・キートン山田)
TVアニメ版では主にハヤトと表記される。
浅間学園に通う17歳。
ニヒルな一匹狼で、素直に感情を示さない皮肉屋。
第1話で登場するなりサッカーボールをコート外から蹴り飛ばしてゴールネットを突き破り、巴武蔵の大雪山おろしで体育館の2階近くまで放り投げられても何食わぬ顔で着地して見せるなど、凄まじい身体能力の持ち主で「キック力だけでも超高校級」と称される。
本人は部活動に一切の興味を示さず、体育会系クラブからの勧誘は冷徹にあしらっている。
一方で趣味が登山であり同好者とのエピソード、山岳の地形を詳細に記憶しているがゆえに陰謀を見破る等のエピソードも描かれた。『ゲッターロボG』では流竜馬のサッカー部で共に汗を流している場面もある。
肌身離さず所持している十字架のネックレスには母の遺影が仕込まれている。
早乙女ミチルには亡き母の面影を見出しており、危機に陥った彼女を助けるためにゲッターチームに参加するが、理由を問われた際に「俺はボインちゃんが大好きでな」と照れ隠しのようなセリフを吐いている。
実は「神重工株式会社」の御曹司であり、父親は母を見殺しにしたとして疎遠になっておりゲッターロボGに和解するまで関係は冷えきっていた。目上と話す際には「俺」から「僕」に切り替える毛並みの良さも見せる。
漫画版
CV:キートン山田(新スーパーロボット大戦)/内田直哉(ゲッターロボアーク)
連載より少し前に全国的であった学生運動を初期造形に取り入れられた。
結果、「本当に問題のあった」学校側を屈服させ、運動を成功させたレアなリーダーであり、IQ300と体操で鍛えた天才肌だが、組織の名を売るために大臣暗殺を計画するなど、過激化しつつあった設定で登場。であるから、当時の学生闘争的な右翼左翼は一切関係ない。
インテリ設定ゆえに、後年の関連作品においても、ゲッターに関わった歴代メンバーの中では唯一政府との橋渡しなど責任を負わされる胃の痛そうな責任者役を押し付けられるに至ったが、毎回有能である模様で異様なスピード出世を果たしている。
ちなみにこんな設定だが初期の頃は早乙女博士に対して一人称を「僕」に切り替えていた。
百鬼帝国編時点で既に竜馬をくってしまうレベルの活躍と、登場時とは別人級のイケメン顔を見せ、イシカワ作品主役系とははっきり違う人相ゆえに、『スーパーロボットマガジン』掲載分等ではウソだろうというぐらいの耽美系美形に描かれたコマさえある。
『號』終盤からの突然の「ゲッター(線)に意志が」のターン開始により、他のゲッター乗り達のような生物的本能等と異なる強い探求欲の持ち主ゆえに、割を食った最大の被害者でもある。
ゲッター線に恐怖ではなく可能性を見出しつついつも一人生き残ることから「むしろゲッター線になにこのヤンデレこわいと避けられている」などとネタにされているが、真面目な話としては、彼は「仲間達の死に意味を持たせたい」がゆえに研究所に残り、竜馬とも円満に別れたことになっている
小学生雑誌版でさえ既に自身に対しても非情な選択を速やかに下し、死を選ぼうとしていたものの、むしろ次々と後を託されては仲間達に先立たれており、のちにこれをしてネタとして置いてきぼり要員扱いを受けることにもなったが、別に彼が特にひとり「ゲッターと共に死にたい」と目立つわけではなく、地リュウ編で一人抜けがけで特攻をしようとする竜馬、それをいち早く悟る隼人、「死ぬときは一緒で行こうや」と追ってくる武蔵という構図などがあった
(実際のところ、號世代になろうとゲッター乗り達はほぼ全員特攻を選択するケースが多い)。
初代・G
旧校舎を根城にする学生運動のリーダー。知能指数300の天才児。
大臣暗殺計画を練る、裏切り者の目と耳と鼻を素手で削ぎ落とすなど狂気をはらんだ人物として登場した。
体操で鍛えた身体は野獣のように軽く、戦闘力も竜馬に引けを取らない(しかし初めてハ虫人類に襲われた時には恐怖で失禁していた)。
武蔵の自爆の以降は一部読者により、「ゲッターとともに死にたい」という病んだ人格として認識拡散されるに至っているが、生前の石川賢氏によれば『真のラストまでずっと正気』との念押しがあったほどである。
Gでは親戚であり学生運動時代の仲間の神竜二と対決することになり、涙するなど、このころには研究所にもなじみ性格が丸くなっていたが、共に事件に巻き込まれた早乙女博士のガードの際には、一般人の犠牲をもいとわず状況を見極める苛烈な部分も見せていた。(ブライ帝王怒る編等)
なお、展開はハードながら、彼らの関係は一度仲間になればごく初期から最後まで極めて良好であるのが後年のOVAとの大きな違いである
真
注:時間軸的には真→號だが、連載期間は真が後であり、號ありきでの設定が多々存在する。
隼人が白衣に身を包み、司令官をも兼任するようになった時期でもある。
本来はスーパーロボットマガジンへの読み切り短編が描かれていたのだが、ギャグ回と見せかけたエピソードでいきなり弁慶が死んだりした恐ろしいシリーズにして、いわゆる捕逸編。
そして、號にもあった「ゲッター(線)自体に意志が」という展開に伴い
「すごい あまりにもすごすぎる世界」
「見てみたい!! ゲッターがどこから来てどこへゆくのか!」
IQ300の知識欲は刺激されてしまった。
ゲッターエンペラーを見てゲッター線に魅せられ、それがきっかけで竜馬とは思想を違えることになる。これは、自分が宇宙規模のジェノサイドの加害者側になる未来をも目にしてしまっていた模様の竜馬との差でもあった。
が、最終的には「俺たちは根本的に違うから面白い」との竜馬の台詞と双方の笑顔で別れた
以降、隼人がゲッター線で動くロボットを作らず、戦況が逼迫するまで早乙女研究所にも手を付けなかったのは『號』の展開で明らかである
ちなみにこの時点で後のゲッターロボ號の試作機と思われる機体(もちろんゲッター線未使用)は製作済みで、終盤はそれに乗り込んで戦う場面もある。
號
「私の名は神…神隼人!これから先きさまに地獄を見せる男だ!!」
「この程度のコトで死ぬのなら今死なせてやった方が親切だ」
かつてのゲッターチーム中唯一当初より本編に絡んでいる重要キャラだが、真ゲッターロボ後に遭遇した事件の負傷(アニメ版『ゲッターG』最終回(ラスボス級相手に一人で戦って甚大な被害を与える)をイシカワ的シリアスに描いたらこんなのだろう的な隼人無双エピソード)により、かつてのようなゲッターチェンジ時の衝撃に耐える事が出来ない体になってしまっている。戦闘で興奮すると、当時受けた古傷が浮かび上がる。
一文字號、橘翔、大道剴を見出し新たに開発した新型ゲッターのパイロットに任命し、北極基地を拠点とするランドウ一味に戦いを挑むが、その中で婚約者や仲間を失い、最終的には竜馬や號とも別れていく。
號、竜馬、その他モブらも含め、彼らは「あいつはおれたちと違ってこの後必要な人間だ」との言葉をそれぞれ異なる場面で口にして、率先して戦場に赴いている。つまり隼人は残りの連中が生き残るために必要とされているのである。ゆえに既に彼が自らの死に覚悟完了している描写は多々あるのに、毎回その死を取り上げられ続けるという構図は静かな悲劇である。
「バカな!!またおれを生き残らせるつもりか~~」
橘翔は同じ状況をして、「(自分達を)残してくれたのかもしれない」と一種の祝福とも受け取ったのだが。
アーク
「ケガを見てるんじゃない お前の体に流れている血を見てるんだよ」
「流竜馬の血を!!」
顎髭を蓄えた白衣の50代。
早乙女研究所の所長を継ぎ、司令官としてアンドロメダ流国との戦いを指揮する。
そんな中竜馬の息子・流拓馬と出会うことになるが…。
老境手前ながらその眼光と研ぎ澄まされた精神、白兵戦における超人的な戦闘力は健在である。
一方で若者を死地に送り出すどころか、その死地にたどり着くかすら怪しい作戦に投入したことに「こんな無力感の漂う戦いは初めてだ」と弱音を漏らすシーンもある。
未完作品ゆえに拓馬達が知った恐ろしい未来の真実に触れられないままに終わった。
アニメ版
「早乙女研究所へ、ようこそ」
「この時のために俺は『残った』のかもしれないな」
基本同じだが、頭髪は白髪に変更。
ただアニメ版では『真』と『號』の戦いが「19年前の戦い」と統合されているため、おそらく漫画版の彼よりも若いと思われる。
夜更にウィスキーをオンザロックで嗜みつつ、過去の戦いを回想し、内罰的になるシーンが挿入されている。
鬼のごとき決断を下すシーンも多々見せるが、描写やオリジナルシーンはかなりマイルド化し、人間味が強い。上述の『真』におけるゲッター線への強い探求心の台詞さえ、いささかメンタルがおかしくなっている巴武蔵が担当することになった。(原作アニメ共通。)
最終話では年齢を感じさせない身体能力と幾つもの修羅場をくぐり抜けてきた来た歴戦の猛者の凄みを見せ、人間を上回る身体能力を持つチリュウ族3人を1人で葬り去り、ハーフのカムイともステゴロで殴り合った末にゲッター線の影響による消耗を読み切った上で持久戦に勝利した(一度は武装解除させ、再び襲い掛かった際には瞬殺するという慈悲心と容赦なさを同時に見せた)。
作中ではゲッターに関わり続けた彼自身の心境が語られており、故人となった石川賢氏の原作漫画シーンが流れるアークEDは、最終話のみゲッターロボサーガにおける隼人一人の遍歴に焦点を当てた物になっていた。
なお、作画ムラがかなりあった当作品で、作画が恐らく一番崩れにくかった人。
OVA版
CV:内田直哉(3作共通)
真ゲッターロボ 世界最後の日(全13話)
「かつて、この雷だけが愛しい死者に再び命の灯火を与える事のできる、唯一のものと信じられていた。勿論、物語の中だけの世界…そう言った方がよろしいですかな?」
28歳→41歳。タワーの司令官。
過去に早乙女博士を殺害し、その罪を竜馬になすりつけて逃亡したため、竜馬から恨まれている。
その実はインベーダーの陰謀に早乙女博士の次に気付きやむを得ず行った事であった。(第3話で休戦、第10話で和解)
ストーリーに回収されない穴が多数ある作品であるため、早乙女殺害後にUFOで逃走するなどという無茶も見せた。
『號』における古傷が常時顔に現れているため、作画と相まって人相がかなり変わって見えることも。
ミチルに思いを寄せており、インベーダーの幻影にかかりそうになることもあった。ミチルが十字架のペンダント(上述)を架けているので、テレビ版『G』の展開(超ゆるいカップル化)を引き継いでいた模様。
他のゲッター乗り同様、永劫の戦いに行くことになる隼人でもある。
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ(全4話)
「私は神…神隼人!これから先、貴様に地獄を見せる男だ!」
「聞くな!」
ゲッターチームの指揮官でありネオゲッターロボの開発者。
5年前に恐竜帝国との決戦を迎えたようなので20代前半くらい。
冷徹な性格だが、今作自体のタッチとして他作品ほどの苛烈さは見せない。
ネオゲッター1にも搭乗したが恐竜帝国との戦いで負った古傷が疼くので長くは乗れず、ゲッターチェンジの衝撃で吐血していた。ただし、合体の衝撃以外は平気らしく、最終話では早乙女博士、竜馬らを同乗させ、ネオイーグル号を操縦しつつ指示を出していたが、特に何も起きなかった。
なお、竜馬のツッコミはスルーに徹するらしい傾向。
誰も永劫の戦いに行ったりしない平和エンド。
新ゲッターロボ(全13話)
「パスワードを教えてくれないかぁ~~?秘密兵器の管理データのなぁ?」
「ただのエネルギーがヒトガタの入れ物を持ったことで何かが生まれた……俺はその答えをずっと探してる」
「知らん!」
漫画版に近いが、学生よりも年齢が上がったことで元革命軍のリーダーと言う設定に。
即ち正真正銘モノホンのテロリストである。
お馴染みの顔剥ぎなど、作中で早乙女博士に並ぶ屈指の狂人シーンを披露する。
ゲッター線に興味をもち、早乙女研究所を襲撃するが、何時も通りゲッターロボのパイロットにされてしまう。OVA過去二作の後、「隼人は気が〇いました」と要約しすぎた説明を監督から受けたという内田氏の怪演から始まる隼人は極めて好演。
登場時は初陣後に(すんなりと冷静さを取り戻して、何事も無くゲッターチームに加わった漫画版とは違い)「コレは俺の力だァ〜!」と狂喜乱舞してゲッター2を暴走させたり、研究所の地下に拘束服着用で放り込まれるほどの狂暴さだったが、4話以降は落ち着き始め、その頭脳やテロリスト時代の技術を平安時代でも駆使して、あろうことかダイナマイトを作成したりもする。弁慶相手にシリアスなギャグを披露するシーンもあり。前回に続きスルー体質にもなった模様。
ゲッター線に対して探求欲が強く、今作オリジナルの展開として中盤で竜馬が見たゲッター地獄変ではゲッターのすべてを掴むために竜馬に襲い掛かる、終盤では「なぜ、お前なんだ……?」と、同じくオリジナル展開でゲッター線に「選ばれた」竜馬に嫉妬する描写を見せている。
なお、「テロリスト」なる言葉は辞書的な意味で適切に使われるかが非常に怪しい言葉であり、時の為政者に不都合な存在に対して一方的な「危険人物・死刑相当の存在」というレッテル貼りとして用いられることも多い。(2024年現在のパレスチナ問題を待つまでもなく、南アフリカのネルソン・マンデラ等も「テロリスト」扱いであった)
それゆえか、ダイナミックプロ監修書籍である『ゲッターロボアーカイブ』(2023)において既に、隼人のこの設定は『革命組織のリーダー』のみに表記が削除変更されている
その他
ゲッターロボ大決戦!
CV:増谷康紀
初登場時こそ漫画版の怪人物っぷりを再現しているが、ゲッターチームが大所帯になるにつれクールで物分かりの良いキャラクターとなり、リーダー的役割に落ち着いていった。
アニメ版の十字架の設定(上記)も盛り込まれている模様。
ロボットガールズZ
CV:竹本英史
ゲッちゃんのお付きの執事3人衆の一人として登場。容姿は執事服を着たTV版の「ハヤト」そのまま。
「Z+」開始前(つまりチームG再編時)に暇を出されてしまいその報復として自分の出身地である瀬戸内海から3人を選出し「チーム號」としてチームGと対決させる。
ボインちゃん好きを通りこしてかなりのスケベであり
親戚の翔ちゃんをボインちゃん呼びしてかわいがったり
きわどい服装を他のキャラに着せたりいろいろな事をやらかしている。
ゲッターロボDEVOLUTION
大学生。今回は株式の操作によって世界に革命を起こそうとする。
そして例によって例のごとく早乙女博士にスカウトされる。
漫画版のような切り出し方だが博士たちに仲間(達人)を撃たれて怒るなど性格は比較的マイルド。
だが全体的に見れば、新ゲッターロボの彼を極めて悪く解釈したかのような人格となっている。
余談
アニメ・マンガ問わずそのワイルドさとクールさを併せ持った強烈なキャラゆえに、東映動画(現:東映アニメーション)の吉田竜也プロデューサーも初代主人公のリョウを差し置いてアニメ『號』中盤に登場予定であった、と双葉社の「ゲッターロボ大全G」のインタビューで公言している。
ところが、キートン山田氏がフジテレビの国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』のナレーション収録とスケジュールが重なってしまう事態になってしまった。
どうしてもキートン氏に演じてほしかったのか、「オリジナル・キャストでなくなってしまうとうま味が減ってしまうんじゃないか?」と危惧した吉田Pはキャラに見合った代役キャストを拒否。結局、ハヤトは未登場。この煽りを受けたのか不明だが旧キャラも一切登場せず、新旧ゲッターチームの共演は水の泡となってしまった。
……大道剴と中の人が同じリョウ、ベンケイ、ミチルさん、成長した元気はどうでもよかったのか?とツッコんではいけない。
関連タグ
世界最後の日 真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ 新ゲッターロボ
目だ!耳だ!鼻!! 隼人の校しゃ 俺はボインちゃんが大好きでな
ゲキ・ガンガー3:『機動戦艦ナデシコ』の劇中劇では、クールでニヒルな二番手キャラ・海燕ジョーが登場する。モデルはいわずとしれたハヤト。
70年代風ロボットアニメゲッP-X:今は亡きアローマのSTGにも、ハヤトポジの放出仁が登場する。
八神庵:カップ焼きそば現象で性格は漫画版の隼人のような残虐さを秘めている。彼の十八番とも言える必殺技は漫画版の初期に隼人が部下を処罰する際の行動とも似ている。