概要
ゲッターロボを構成する3機のゲットマシンのうちベアー号を操縦するパイロット。
作品により詳細設定は異なっている(後述)が、基本は『気は優しくて力持ち』を地で行くデブキャラである。
当時のアニメや特撮等のヒーロー物ではお約束であった「デブ・おバカ・怪力自慢(・食いしん坊)=三枚目のコメディリリーフ」というテンプレに忠実なキャラ付けがされている。
熱血漢のリョウ、クールなハヤト、そして人間味あふれるムサシのトリオのバランスは絶妙であり、後の各ゲッターチームにもこの構成が(一部変更されながらも)受け継がれている。
後任のベンケイとの兼ね合いで、ほとんどの作品で何かしらの形で戦死するという役割を背負っており、その死がもたらすドラマ性も彼の人気を押し上げている。
TVアニメシリーズや漫画版では後任の車弁慶と直接対面した事は無い。
TVアニメ版
CV:西尾徳
友人である流竜馬と同じく浅間学園に通い、柔道部の主将を務める。
当初は爬虫類及びメカが苦手で、ゲッターパイロットにはおおよそ向かない男であったが、努力と根性でそれを乗り越えてゆく。
主将を務めるだけあって柔道の腕は天下一品であり、自らの必殺技『大雪山おろし』をゲッター3で放つことも多かった。
戦闘服は既存のものではなく工事現場用のヘルメットと剣道の赤胴、それに黄色いマントを着用。
更に下着は白の六尺褌、背中には真剣を提げる気合の入れよう。…おそらく耐G性能ゼロのこの格好でゲッターに乗れるのは流石主将といったところか。
見た目にそぐわず初代アニメ放送当時から人気は高く、それを示すかのように主役を務めるエピソードが多かった。
最終回で自身のミスで全ゲットマシンを破損させてしまったことに責任を感じ、ミチルの代わりにミサイルを積んだコマンドマシンで単身無敵戦艦ダイに突入。
そのままダイを爆破して生きて帰るはずだったが、迎撃によるエンジントラブルによりやむなく特攻、恐竜帝国の最期と引き換えに壮絶な死を遂げた。
遺体が残っていなかったため、葬儀では代わりにゲッターロボが火葬された。
パラレル設定の劇場版の『グレートマジンガー対ゲッターロボG空中大激突』では、早乙女研究所を狙うグランゲンがジャガー号から狙いを変えた後、ベアー号とぶつかったため戦死したことになっている。
漫画版
「貴様らの先祖は光線で死んでいったのだ、ここでもう一度ゲッター光線で滅ぶんだ、ト、トカゲ野郎」
「隼人 戦闘開始だ 早くゲッターに乗れ」
北海道で柔道修行の山籠りをしていた少年。麓で起きた恐竜帝国によって人々が原人に変えられてしまう事件を知らぬ間に逃れていた。
ワイルドな性格にアレンジされたキャラが多い漫画版において、武蔵はアニメ版と比べ一番性格に変更が少ない。
ちなみにただの脳筋キャラでは無く、(変わった車だと思い込んでいたが)まともな整備施設も無い状態で故障したイーグル号を修理している。
ただしその最期は大幅に改変されており、単身ゲッター1で出撃してゲッターエネルギー・タンクを自ら取り出し恐竜帝国を道連れに自爆する。
暴走するゲッター線の奔流の中でドロドロに溶けながら恐竜帝国への呪詛を吐くシーンは未だファンの語り草となっており、後にOVA『真対ネオ』で再現されることとなった。
柔道が得意なことはアニメと共通しているが、実は後年加筆がなされるまで漫画ではゲッター3を操縦するシーンがなかった(とは言え、学年誌版シリーズの方ではしっかりゲッター3で活躍できていたが)。
ただし短編書き下ろし漫画『ガンバレ!武蔵』では武蔵を除く早乙女研究所のメンバーがゲッターチーム含めて食中毒でまともに戦える状態でなかったため武蔵がゲッター3を操縦した。…その際、「無人なのも寂しいから」という理由でコクピットに犬やジャンボマシンダーを乗せて出撃した結果メチャクチャな合体変形になってしまい…恐竜帝国の裏をかけたので結果オーライだったが。ちなみに残ったメンバーは全員漏らしていたという締まらない状態に。研究所の掃除が大変だったことだろう…
その後のゲッターロボサーガにおいては、ゲッター線に取り込まれてその使者となり数奇な運命を辿ることとなる。
OVA版
真ゲッターロボ 世界最後の日
「もうそのくらいでいいでしょう、博士!これ以上は、本当に取り返しのつかないことになりますぜ!」
「弁慶、元気を頼んだぞ!」
CV:辻親八
1~3話に登場。
ゲッターチームの解散後、日本軍に少佐として所属しており、姉と父を失った早乙女元気の保護者となっていた。
弁慶とともに謎の積荷を運ぶ途中インベーダーの襲撃に遭い、弁慶に元気を託して戦闘に参加し竜馬と合流した。
早乙女研究所での戦闘で早乙女博士を発見、保護するも、ゲッター3の動きを封じられ、パンチでコクピットを破壊され、あえなく戦死。擁護するなら、その際には90万馬力のゲッター3の履帯がスリップさせられていることに動揺してしまった上に防御態勢も取れず、直前にはカメラアイを破損させられ、インベーダーにコックピットへ侵入され、万事休すの状態であった。
作中の乗機はゲッター3(一人乗り)。竜馬・隼人も一人乗りのゲッター1とゲッター2に搭乗していたため、三人でのチェンジゲッターは果たせなかった。ただし、非常に稀なケースであるが、この世界では、愛機であるゲッター3の後継機種であるゲッターポセイドンへの搭乗が叶っている。ドラマCD『月面十年戦争~戦慄の予感』でその様子が描かれており、こ作品の巴武蔵は世にも珍しい『ゲッターロボGへの搭乗が叶った』武蔵と言える。
本作では弁慶の先輩であると設定され、後に弁慶が『武蔵先輩直伝の』大雪山おろしを使うシーンが存在する。
また、11話で弁慶に見せた幻影とのちに本人が少し登場している。
ちなみに、ゲッターロボアークでのCVは「世界最後の日」で武蔵を担当した辻親八が引き続き担当している(ネオゲで武蔵を担当した梁田清之は車弁慶を担当している)。
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ
「大雪山おろしィィィ!!!」
「熱い血潮も、涙も流さねえ冷血野郎のトカゲ共!てめえらなんぞに、この地球は渡さん!!」
「貴様等の祖先を絶滅させた、エネルギーの源だ!もう一度滅びやがれぇぇぇ!!」
CV:梁田清之
既に故人であり、5年前の恐竜帝国との最終決戦において壮絶な自爆を遂げたことになっている。
上記漫画版での最期を彷彿とさせる壮絶な最終決戦の様子が第1話冒頭で再現され、彼の死とともに物語は始まる。(ゲッター3、ゲッター2での戦闘及びゲッター1の合体シーンは本作オリジナルである。)
小説版ではやや展開に違いがあるものの、武蔵の壮絶な最期に変わりはない。
ゲッターロボアーク(テレビアニメ)
「これは聖戦なのだ、宇宙にはびこる悪を一掃する聖戦なのだ!」
「お待たせ!!前任の俺の間違いは二度とせぬ!!」
(CV-辻親八)
第10話にて登場。異世界で司令を務めている。年老いてなく実は作中では故人で、ゲッターエンペラーに記憶されていた純粋な人間遺伝子を受け継いだ人造人間(クローンとは異なる)。万が一死んでもすぐに次の「武蔵」が前任者の記憶を引き継いで起動する。
侵略者が相手とはいえ一話の間に捕虜虐殺、一億人の暮らす都市破壊、惑星を腐らせて死の星にするなど非人道的行為を平然と行う。ゲッターザウルスのパイロットらにも冷たい様子が目立ったが、ゲッター線に取り込まれた云々を抜きにしてもオリジナルの武蔵は前述の通り恐竜帝国=ハチュウ人類に挑んで戦死したため、その子孫に対する姿勢と考えればむしろ自然である(実際「所詮パチモンか」と蔑みつつもザウルスの修理は行わせるなど公私の区別はしている)。
既に人類自身というよりはゲッターの意思の代弁者・代行者化しており、ゲッターを信じ共に行動する事が果たして人類にとって幸せなのか・正しい進化の姿なのかについて拓馬達に疑念を抱かせる事になる。
なお、公式サイトではゲッター軍団に蹂躙されるアンドロメダ流国の側になって、降ってくる武蔵をひたすら(インベーダーゲームのように)撃ち落とすゲーム「MUSASHI NEVER DIES」がプレイできる。しかし途中から物量が半端なくなってくる上に終わりがないというスタッフがゲッター線をキメすぎたような内容になっている。
「わはは どんどん撃ってこい」
「その攻撃がつきたときが 貴様らの最後のときだ」
「虫けらは一匹残らず焼き尽くす。それだけだ」
その他
ゲッターロボ大決戦!
CV:川津泰彦
性格は漫画版と変わらないが、早乙女研究所へ直接パイロットとして志願してきたことになっている。他のどのメディアとも異なり、激戦を重ねても全く戦死する気配がない。
スーパーロボット烈伝
ゲッターチームとして隕石獣と戦うが、破壊神バロンの攻撃を受けて負傷し戦線離脱した。つまり生存している。
ロボットガールズZ
CV:川津泰彦
ゲッちゃんのお付きの執事3人衆の一人として登場。容姿は執事服を着たムサシと言うイメージだが両目ゴーグル付きの安全帽をかぶっているのは同じ。
「Z+」2話において新生チームGのピンチを救いにリョウと共にベアー号デザインの車で突撃してくるが同乗していたリョウは車から放り出されムサシは車と一緒に空魔少女グランゲンと激突し車は大破、その下敷きになる。要するに「死んではいない」のだが流れで戦死扱いにされてしまう(ちなみにハヤトはいなかった。何故なら…)。
のちの話では包帯ぐるぐる巻きという姿で仲間たちとゲっちゃんを応援していた。
ゲッターロボDEVOLUTION
漫画やアニメのように柔道部の高校生として登場。
性格などはほぼ変わっていないのだが、
・世間では既に死亡扱いになっている。
・他二人に比べ己のゲッターとの境遇を理解している。
・非常にナーバスにして心優しく頻繁に泣き、竜馬は彼にだけ心を開く
…など、意味深な立ち位置になっている………
スーパーロボット大戦シリーズ
ほとんどの作品で途中退場、あるいは本編開始前に死亡している設定となっており、武蔵を使える作品は少ない。作品によっては1人乗りのゲッター1に乗ることもある。
第2次、α、第2次Z破界篇のようにシリーズ物の初登場作では窮地を脱して作品の最後まで生存できるケースも少なくないが、その場合は悉く続編で(一部ルート次第で)不可避の死亡イベントが入る、もしくは死亡展開が正史となってしまうため、実は現状で武蔵がパイロットとして味方になった上で最後まで生存させたまま完全に物語の幕を下ろせる作品はAだけだったりする(条件つきで、生存させるには竜馬の撃墜数を稼ぐ必要がある)。ヒドラー元帥の不意打ちで負傷し、条件を満たせなければそのまま死亡してしまうが、条件を満たすと重傷なのは見た目だけで実際は命に別状はなかったことになる。武蔵を診たレイン曰わく、どうやらガンダムファイター並みに頑丈だったらしい。
ちなみにこのステージではもう一人の隠しキャラを加入させることができるのだが、その際の隼人の台詞も武蔵が生きていると少しだけ変化する。
能力面ではゲットマシンで空を飛んでいるにもかかわらず空中戦の適正値が低く設定されている作品が多く、ゲッター3では問題にならないが一人乗りの場合は地面に降ろして戦った方が安全。宇宙開発用のロボットでゲッターロボサーガでは宇宙で戦っているのに、宇宙の適正値もそれほど高くない。また、自爆を覚える作品も実は案外少なかったりする。
なお、正式なパイロットとして登場しない作品でも基本的には強制イベントや前日談的な扱いで戦死が語られるなどして結局死亡することが大半であるが、30では久しぶりに最後まで生存している。出番こそ恒常サブミッションの会話シーンのみというごく限られたものとなったものの、設定上彼は自分の部隊を率いて拠点防衛に務めているという軍人として真っ当な役職と任務に就いての登場であり、しかも今回隼人と弁慶が序盤は負傷離脱するが武蔵は最初から最後まで元気に自分の役目を全うしているため、ある意味優遇されているとも言えるかもしれない。
小説スーパーロボット大戦では、死亡した彼の頭のみが闇の帝王によって回収、クローンが量産されてゲッターロボ、ゲッターロボ號、真ゲッターロボのパイロットとして竜馬達を苦しめた。
関連タグ
ララァ・スン:武蔵と同じくスパロボ御三家のシリーズ元祖作品の重要人物であり、スパロボシリーズにおいても大概死亡してしまうキャラ。加えてスパロボで初めて戦死描写が入ったのが第3次であることや、Aでは共に隠しキャラとして最後まで生存させることが可能であること、死後も霊体(?)となって度々生者に語り掛ける場面があることなど、意外と共通点が多い。
リュウ・ホセイ:上記のララァと同じ作品に登場する、特攻で死亡した大柄な味方キャラ。