《ゲッターエンペラーチェンジだ!!》
宇宙を震撼させるその声(ボイス)はまさしく
流 竜馬のものだった
皇帝の名を戴くゲッターロボ
初出は漫画版『真ゲッターロボ』で、流竜馬の夢の中や敵が見せるイメージ映像に登場し、物語終盤では時空を越えた真ゲッターロボと一時的に邂逅する。
未完作品『ゲッターロボアーク』においても登場し、悠久の戦いを続けていた。
ゲッターロボDEVOLUTIONではゲッターエンペラー由来とおぼしき物質『皇帝の欠片』が物語に影響を与えてる他、意外な形で登場している。
石川賢の創作哲学である「強いものはデカい。デカいんだから強い」をそのまんま体現した存在である。
存在の原点
このゲッターロボの根源となった存在は二代目ゲッターロボたるゲッターロボGであった。
そのゲッターロボGが悠久の年月で進化を重ね、更に過去に火星で化石化していた真ゲッターロボと融合進化を敢行した結果、生まれたのが本機である。
従って真ゲッターロボの特徴を残しつつ、ゲッターロボGの特徴も持つのが本機である。
皇帝(エンペラー)の力
皇帝(エンペラー)の称号に相応しい規格外な存在である。
桁違いのサイズ
戦いを支配するたびに進化し巨大になっていく存在であり、未だ進化の途上で、どんどん巨大化し続けている。
『真』の時点でもゲットマシン1個の大きさが最低でも地球=一万二千kmを上回り『アーク』時点で太陽系ぐらいのデカさである。石川賢氏も生前「最終的には太陽系がすっぽり入るくらいのサイズまでは大きくなる」と明言していた。
あまりにデカすぎて、『ゲッターロボ全書』では「腕を動かすだけで、地球時間では100年くらいかかる」とまで言われている。
規格外の強さ
- ゲッターロボ形態なら惑星一つを片手で握り潰せる
- ゲットマシン形態でもゲッタービームで惑星サイズの月を破壊できる
- ワームホールを物理的に握り潰す
- 合体するだけでビッグバンを引き起こすレベルを更に遥かに超えたエネルギーが発生する
- ゲッター線バリヤーはこの世のどんな攻撃も跳ね返す
- 無数の巨大なゲッター・ゲットマシンから成る「ゲッター艦隊」を引き連れている。しかも一つ一つが惑星を破壊できるレベルの強さ
- 時間と空間のシステムを解明しており、時空を越えて未来・過去などに干渉できる
……こういったいろいろと規格外な設定から、あらゆるスーパーロボットの中でも最強なのではとの声もある。
『天元突破グレンラガン』に登場する超天元突破グレンラガンもゲッターエンペラーからインスパイアされた存在。
ただし、あちらは多次元宇宙空間で戦っていたのに対し、ゲッターエンペラーは実際の宇宙空間でこれらの所業を行っているのだから余計にたちが悪い。
なお、ゲッターエンペラーは素でマジンガーZEROの抑止力となり得る存在であり、状況次第ではZEROと共に敵となる可能性も否定出来ない。
だがこれだけ恐ろしいのに、石川賢の他作品に登場するラ=グースや時天空などは成長途中のエンペラーでも相手にできないほど強い。
ただし、アニメ版では「ゲッターエンペラーはその場に存在するだけで閉じた宇宙を作り出し、特異点となる」という、空間支配能力の保有をほのめかす発言が飛び出した。
(あくまで「空間支配能力」と言う単語が口にされたわけではないので注意)
また、石川賢正史ではないあくまで他作家によるアンソロジーコミックの他作家による外伝の一つではあるが、さらに成長した姿となってラ・グースと数百万光年規模での戦闘を繰り広げていた(そのやり取りも互いに軽い手合わせ程度のものである)。
極論してしまえば創作上の強弱など執筆者のペン先一つで自在に操作できるとはいえ、ゲッターエンペラーという存在はロボットアニメというものに視聴者・読者が求める「強い」「大きい」「正義」というものを極限まで突き詰めた「相互確証破壊」という制止なき概念の化身、破滅への進化の極限とも言える。
ゲッターロボアークのアニメ版では、その所業を見たアークのパイロット達から最終的に「人の制御を受け付けずに暴走している排除すべき敵」と見做されたらしく、最終進化を起こす前の中間形態と思われる存在にアークチームが戦いを挑むシーンで幕を下ろしている。
(バグは解放されたゲッタードラゴンだったものに倒されアークが生き残ったという展開だと思われる)
だが、本機には誕生時点においてとんでもない設定が既に存在している。『ゲッターエンペラーが目の前に現れた時点で、たとえ、どんな存在が過去で何をしようとも、エンペラーが誕生する運命そのものは覆せない』というもの。たとえ、アニメ版「アーク」の世界のアークチームがゲッター天を倒そうが、ゲッターアークをゲッター天が取り込むか、ゲッター聖ドラゴンが火星に現れれば、ゲッターエンペラーは生まれるのである。
アニメ版アークにおける本機は従来のトリコロールカラーではなく、量産型ゲッタードラゴンのように簡略化された単色のカラーリングであるため、「新」での巨大ドラゴン(ゲッター聖ドラゴン)と同じように、根本的な進化に行き詰まってしまった存在としてのゲッターでは?という疑惑もあるが。
更に拓馬と獏がエンペラーの中で邂逅した龍馬とメシアはゲッターに抗う二人を笑って消えている。その為、ゲッターエンペラーは人類が自分の狂信者となって一方的な虐殺を繰り返す現状を変えたいと思い、過去から彼らを招いたのではないかという説もある。確実にゲッター線の意思の元に送り出されたであろう真ゲッターロボタラクとその搭乗者である一文字號の行動、言動を見てもゲッターエンペラーはアークチームにただアンドロメダ流国を潰させたいだけではないのは想像に難くない。
いずれにせよ、ゲッター天に挑むゲッターアークが問題なく動いているという事は、それはゲッター線の意思にとって都合が悪いことではない証左と言える。
この様に石川賢ならではのムチャクチャ設定の一つの権化とも言うべきゲッターエンペラーだが、一つだけ欠点がある。
それは上記の設定を逆手に解釈すれば、
確かに一度出て仕舞えばどうしようもないが、
逆にゲッターエンペラーが空想上の存在である限り、又現れることは無いと言う事である。
つまるところ、我々の現実世界等、ゲッターエンペラーが絵の中、或いはレプリカ、フィギュアのみしか存在しない場合、ゲッターエンペラーがあちら側から来ない限り少なくとも現れる事は無いのだ。
ただし、誰かが下手にゲッターロボを我々の世界で造らない限りは…
ゲットマシン
エンペラーイーグル号
赤を基調とするエンペラー用ゲットマシンの1号機。
ゲッターエンペラー1の頭胸部と両腕を構成する。
アニメ『アーク』ではエンペラー壱號艦という名称。
映像作品に最初に登場した。
エンペラージャガー号
青を基調とするエンペラー用ゲットマシンの2号機。
ゲッターエンペラー1の胴体および背面の翼を構成する。
ゲッターエンペラーの商品化時に新たにデザインが描き起こされた。
アニメ『アーク』ではエンペラー弐號艦という名称。
エンペラーベアー号
黄を基調とするエンペラー用ゲットマシンの3号機。
ゲッターエンペラー1の腰部と両脚を構成する。
ゲッターエンペラーの商品化時に新たにデザインが描き起こされた。
アニメ『アーク』ではエンペラー参號艦という名称。
ゲッターエンペラー各形態
ゲッターエンペラー1
《チェーンジ! ゲッターエンペラー1!!》
ゲッターエンペラーの第1形態。
合体後のデザインが判明している唯一の形態でもあるため、『ゲッターエンペラー』といえばこの形態である。
ゲッターエンペラー2
ゲッターエンペラーの第2形態。
全体的なデザインは不明だが、アニメ版のお疲れ様本にて上半身が書き下ろされた。あくまで落書きなので、今後公式化するかどうかは全く不明なことに注意。
エンペラージャガー号の頭部デザインはゲッター2やゲッターライガーを合成したようなものとなっている。
ゲッターエンペラー3
ゲッターエンペラーの第3形態。
全体的なデザインは不明だが、エンペラーベアー号の機首デザインはゲッター3や真ゲッター3の頭部を、大きな胸部装甲に半分埋もれさせたようなデザインとなっており、また漫画、アニメ版ゲッターロボアーク、立体物で、頭部の左右にゲッターミサイルのような、先端が丸みを帯びた突起物が装備されている事がわかる。
またこれはあくまでもファンの間での推察だが、エンペラージャガー号の虫の翅のような櫛状のパーツがあるが、これはジャガー号がゲッターエンペラー3で下半身となった際クモの足のように多脚の構造に変形するのではないかと言われている。
以上のことを踏まえると、ゲッターエンペラー3は*真ゲッター、ゲッター3に近い頭部*を持ち、*ゲッターミサイルを装備*し、*下半身はキャタピラーの代わりにクモのような多脚を備えた*デザインだということが推察できる。
外部出演
OVA「真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」の終盤で登場。ゲッター艦隊を率い何者かと戦うエンペラーイーグル号らしきものが登場し、そのCICのような部屋に1人佇む謎の人物は竜馬・隼人・弁慶らを「待っていた」と述べ、それに応じた3人は號達を元の世界へと送り返す。
ゲーム『ゲッターロボ大決戦!』には単なる宇宙船として登場するが、それでも必殺武器のエンペラービームは全機体中最大クラスの威力を持つ。
あまりのスケールのデカさ故に、スパロボには参戦していないが、あらゆる点が規格外な怪物っぷりから『ゲッターロボサーガ(アーク)』そのものが未だ参戦していなかった(アニメ『ゲッターロボアーク』が後に『スパロボDD』にて参戦を果たすことになる)にもかかわらず人気自体は高く、真ゲッターロボの必殺技でのカットインなどに度々出演していた。
……だが、なんと『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄編』では、これでもかと言うほどハッキリ描かれたゲッペラー様が登場する。
更に『スーパーロボット大戦V』では一枚絵とはいえ闇の帝王の前であのマジンガーZEROとのツーショットを披露した。闇の帝王はそれを見て、因果の彼方で待ち受ける最終にして原初の魔神と無限に成長を続けるゲッターの皇帝に勝てるわけがないと絶望して爆散した…
↑上記の状況を如実に表したイラスト。敵からしたら絶望以外の何者でもないだろう……。
ちなみにこれらの出演は全てゲットマシン(エンペラーイーグル号)状態であり、合体した完全な姿での出演は未だ果たされていない。
祝・立体化
ゲッターエンペラーは規格外の存在であるにもかかわらず、長らくフィギュア化には恵まれなかった。
しかし、平成最後の年である2019年、遂にゲッターエンペラーがバンダイの名門ブランドたる超合金シリーズでリリースが決定された。
内容も3機のゲットマシンが合体して第1形態であるゲッターエンペラー1にチェンジする機構を完全再現するという凄まじいモノになっている。
遊ぶたびにビッグバンを引き起こすほどのゲッター線を放出する代物になりそうである。
関連イラスト
関連項目
ゲッターロボ ゲッター線 石川賢 ドワオ 君は完璧で究極のゲッター
超天元突破グレンラガン:天元突破グレンラガンに登場する全長約1500億光年という規格外のメカ。無論オマージュ元はこの機体である。...ただしゲッターエンペラーは永遠の戦という果てしなき混沌をもたらすもの、グレンラガンは戦をおわらせ日常という中庸を取り戻すもの、と作品にパッケージされた概念が違う。
マジンガーZERO:一見同様にみえるが、こちらは自己が最強であるゆえの行き過ぎた秩序による滅亡をもたらすものと、ゲッターエンペラーとは概念的に対になる存在といえる。