概要
ゲッター聖ドラゴンとはゲッターロボサーガに登場する謎のゲッターロボである。
聖は「セイント」と読む。
漫画版『真ゲッターロボ』でメルトダウンを起こしたゲッタードラゴンが、まるで自らの意思を持つかのように自力でエネルギー体のような繭を形成し、地底でゲッター核分裂を起こしながら進化したゲッターロボGの真ゲッタードラゴンに次ぐ第二の進化形態とも、あるいはゲッタードラゴンからの直接進化形態ともされる。
進化前のゲッターロボG・真ゲッタードラゴンや進化後（と推測される）ゲッターエンペラー等と比較すると、生物を思わせる有機的なデザインが特徴。サイズは頭部だけでも真ゲッター1より遥かに大きく、表皮には取り込まれたと思しき無数のゲッターロボが埋め込まれている。原作では頭部しか描かれていなかった為、メディアミックス作品では体の部分がそれぞれアレンジされている。なお、ドラゴン系統の明確な進化形態であることから、メディア露出も多い。
「聖」の名に似つかわぬその禍々しい姿や所業から、一部作品では「誤った進化」の象徴と見做される事もあるが、石川賢御大によれば、あくまでも、ゲッタードラゴンがゲッターエンペラーに至るまでのドラゴンの変化の一つであるという。
作中での活躍
漫画版『真ゲッターロボ』
初出は本作のAct.3「未知との遭遇」。真ゲッター1のテストフライトの最中、機体が暴走して意識不明に陥った流竜馬はゲッター線による汚染で荒廃した未来と思しき世界で目を覚ます。
この世界の人類はゲッターロボと同化した悍ましい姿で生き延びており、地上でパーツやエネルギーを奪い合った末に、空に待つ「聖獣ドラゴン」ことゲッター聖ドラゴンと謁見し、この星を脱出する事を目的としているという。しかし、力の及ばぬ者達は聖ドラゴンに触れることすらなく落雷に撃ち落とされていた。
このような惨状に陥った原因を知る為に接近を試みた竜馬だが、聖ドラゴンは「リョウマ、何故ここへ来た？」「お前が私と会うのは遥か未来、帰れ、帰らぬか！」「帰れ！」と一喝。結局竜馬は現代で目を覚まし、自分が意識を失っていたのが僅か1秒程度だったという事実を知るのだった。
なお、ゲッタードラゴンがメルトダウンを起こしたのは2話後の事である。
OVA『新ゲッターロボ』
9話「地獄変」で上記「未知との遭遇」が映像化された。ストーリーの流れは殆ど同じだが、聖ドラゴンの造ったと思しき「胸糞の悪い世界」に激怒した竜馬がゲッタートマホークを叩きつけると、聖ドラゴンの外装が剥がれ落ち、中から恐ろしい顔で哄笑する巨大な竜馬が現れたという点が大きく異なる。
最終話「竜馬がいく」では、浅間山地下から繋がる「ゲッターに満ちた宇宙」での戦闘で、四天王・多聞天に勝利したゲッターチームの前に出現。既に瀕死の多聞天を容赦なく握り潰して殺害した。同時に今まで謎だった首から下の形状が、有機的なゲッターエンペラーを思わせる人型だった事が発覚する。
この聖ドラゴンを倒す為に竜馬はイーグル号単独での特攻を決断。死を覚悟した彼は「これはゲッターの行き着く一つの姿に過ぎない。後はお前が……」という（別世界の竜馬自身の声と思しき）謎のメッセージを聴きながら、聖ドラゴンが口から放つゲッタービームの中に消えていった。そして…
テレビアニメ版『ゲッターロボアーク』
バグの攻撃で半壊したゲッターアークを護るようにゲッタードラゴンが出現するという結末自体は原作漫画と同じだが、出現したゲッタードラゴンは地下に眠っていた時のエネルギー体ではなく、ゲッター聖ドラゴンに極めて近い、実体を持つ姿（メイン画像）に変異していた。一部配信サイトでは最終話のサブタイトルが「果てしなき戦い」ではなく「聖なる竜」と表記されており、この事からも聖ドラゴンとして描かれている事が分かる。
ちなみに前話に現れたゲッター曼荼羅では外周左下に位置していた。
デザインは『新ゲッターロボ』版のような人型ではなく、発光するゲッター線収集アンテナを翼のように広げ、腕が無く脚も存在しないという怪物めいた姿となっている。また、肩や胸部から牙のような突起が伸びている点も特徴。出現時に閉じていた顔が花弁のように開く描写も印象的である。このデザインの初出は設定資料集『真！ゲッターロボ 世界最後の日MAX』に収録されたゲッタードラゴン（真ドラゴン）の没デザインと思われる。
本作ではバグによる攻撃で地球環境が壊滅しており、人類が火星に進出した未来においても環境が回復していないことが窺えることから、視聴者からは「竜馬が見た未来が壊滅していたのはバグのせいで、聖ドラゴンは地球に残った人類が生きられるようゲッターと同化させたのではないか」「ゲッタードラゴンがバグを取り込んで聖ドラゴンに進化したのではないか」「火星で眠っていた真ゲッターロボが聖ドラゴンを取り込んだ姿がゲッター天、あるいは聖ドラゴンとゲッター天が出会う事でエンペラーへの進化が始まるのではないか」と考察されている。
関連イラスト
関連タグ
ゲッターロボサーガ 真ゲッターロボ 新ゲッターロボ ゲッターロボアーク
セイントドラゴン：名前が似ているロボットであるが、こちらは文字通りドラゴンの姿をしている。
