概要
真ゲッターロボは『ゲッターロボサーガ』の中の漫画作品。同時に、その主役を務めるスーパーロボットである。
ゲッターロボサーガ第4部は『真ゲッターロボ』というタイトルだが、別にこれが『世界最後の日』など後年製作されたアニメの原作と言うわけではない。
初登場したのはサーガ第3部『ゲッターロボ號』だったが、真ゲッター2が上半身のみの登場、真ゲッター3に至っては未登場だった。このためこれらの公式デザインは『第4次スーパーロボット大戦』(1995年)において書き下ろされるまで存在していなかった。
そのせいかゲッター2の下半身、ゲッター3は作品によってデザインと配色が違う。
外見上最大の特徴として、目に瞳があることが上げられる。しかし(アニメ版アーク含む)『サーガ』及び『真対ネオ』では、その力をフルに発動している、もしくは発動可能な時のみ描かれる傾向にある(例外的に『世界最後の日』では常時瞳がある)。
ちなみに関係の深いマジンガーでは、瞳のある機体は21世紀まで待たれることになる。
機体性能
※ここではサーガ版について記す。他のバージョンも大半の設定がこれに準拠している。
真ゲッターロボはゲッターロボGの後継機種にして、早乙女博士が直接手がけたゲッターロボでは最後発に位置する第三世代型ゲッターロボである。同時に、戦闘用途が主用途のゲッターロボとしては第二世代型にあたる。
基本武装は歴代共通のゲッタートマホークとゲッタービーム。ゲッターGから受け継がれた機能としては、膨大なゲッターエネルギーを掌で光球へ圧縮し、一気に打ち放つストナーサンシャインをシャインスパーク的な必殺技としている。
しかし、本機のキモは新開発された次世代型ゲッター炉心である。この炉心は従来のゲッターロボのモノと比べものにならない(ゲッタードラゴンの『ゲッター線増幅炉』がちゃちな玩具に見えるほど)ほどの出力をはじき出す代物であり、完成当初は出力が十分の一に押さえられていたにもかかわらず、前任機であるゲッターロボGと比べ十倍もの力を発揮した。すなわち真ゲッターの実態は、歴代のゲッターロボの中でも怪物と言える強大さを秘めたモンスターマシンなのである。
だが、この炉心はゲッター線の力を最大限にまで引き出すため、それに伴うゲッター線の未知の領域をも限界まで表出する、危険な代物であった。それ故に真ゲッターは劇中で様々な超常現象を引き起こし、最終的には溢れるゲッター線の力で機体そのものが変容。周囲のエネルギーや生物、しまいにはパイロットすら同化吸収する怪物と化してしまった。
要するに、強大な力と引き替えにいつ暴走するか分からない、その癖、ゲッタードラゴン(を改造した増幅器)の暴発寸前までエネルギーを増幅してチャージしてさえ、フルパワーには程遠いエネルギーゲインを持つ。総合的に言えば、極めて不安定で、しかも乗り手を選ぶバケモノ的な機体で言えよう。本機のプロトタイプにして後発となるゲッターロボアークは、この点を改良された上で、本機レベルの戦闘能力を持つ機体として生まれている(アークに瞳があるのは真ゲッターの血統故とされる)。
サーガ版
著者の石川賢が「全てに終止符を打つ存在」と定義しただけあって、神にも等しい性能を発揮。
- ゲッタービーム一発で山を一つ削り飛ばす
- UFOのような軌道で亜光速飛行
- 必殺技のストナーサンシャインは無数の敵を消滅させる
- 同化吸収能力で敵のエネルギーはおろか物理的に核ミサイルや恐竜帝国の最終兵器までも喰らい尽くす
などなど、もはや敵側が可哀想になってくるレベルである。それどころか味方側すら真ゲッターの存在を恐れており、戦闘の余波で多くの民間人の命を奪うという悲劇も起こっていたため、終始「本当に出撃させていいのか」「ゲッターこそが破滅を齎すのではないか」と危惧されていた。
- ゲッターロボ號(漫画版真ゲッターロボの発表は「號」のあと)
初登場作品。プロフェッサー・ランドゥとの戦いで大破したゲッターロボ號からバトンタッチする形で登場。過去に暴走し、チェルノブイリを彷彿とさせる多大な被害を撒き散らしたことから、朽ち果てた早乙女研究所の奥深くに封印されていた。
研究所でほこりを被っていた間もゲッターエネルギーを蓄え続けていたため、起動してからは神にも等しいパワーを発揮。最後は恐竜帝国の最終兵器「デビラ・ムウ」やパイロット(一文字號、メシア・タイール、流竜馬)を含む戦場の全てを取り込んだ巨大なエネルギー体となって昇天し、死の星だった火星に新たな生命の種子を実らせた。機体はその反動で風化し、石像のような形で火星の大地に眠ることになる。
- 真ゲッターロボ
早乙女博士が百鬼帝国の滅亡から数年後の頃に、ゲッタードラゴンに積まれている『ゲッター線増幅器』に続く、さらなるゲッターエネルギーの実験のため、ゲッターGから更に設計を刷新した次世代機として開発していた事が語られる。ゲッタードラゴンの後を継いで、早乙女研究所の主力となる三世代目のゲッターロボとして活動していた時期が舞台である。出力を押さえた状態であっても、前任のゲッターロボGを遥かに凌ぐパワーを発揮するなど、規格外の力を見せつけた。なおこの時点で危険な可能性を秘めた機体である事実は早乙女博士も承知していたらしく、この時期には真ゲッターロボの発揮する高次元の戦闘能力をできるだけ維持しつつ、ゲッターロボGまでと同等にまで安定性を高めるための研究を神隼人へ託していた模様。数十年後、その研究は隼人の手で結実することとなる。
OVA
デザインや武装、設定は作品ごとに微妙に違うが、真ゲッター1が持つ斧槍型(ポールアックス或いはバルディッシュ)のゲッタートマホーク、そして旧来のゲッターロボを上回る圧倒的な性能は概ね共通している。
真ゲッターロボ 世界最後の日
初めてアニメに登場した作品で、真ドラゴンの護衛機として建造。早乙女博士によって開発された新型機であり、漫画版ほどでは無いが、それまでのゲッターより規格外な強さを有している。
作中では度々パイロットを変えながら三形態や各ゲットマシンも描かれるなど最終局面まで活躍し続け、最終的に真ドラゴンと連携してファイナルゲッタートマホークを発動。ゲッター線の太陽と化した木星、及びその衛星ごとコーウェン&スティンガーを両断した。
最終的には真ドラゴンを残して、異次元で無数のインベーダーと戦うゲッターエンペラーの元へと旅立つことになる。
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ
今回はゲッターロボからの直接的な後継機種(ゲッターロボGが何らかの理由で存在しない世界であるので、本機がそのポジションにあった)として開発されていたが、起動に何故か失敗した。その上、初代ゲッターロボが恐竜帝国との戦いで自爆、ニューヨークを消し飛ばした上に大量のゲッター線を撒き散らしたためゲッターロボの開発そのものが凍結、早乙女研究所に封印されていた。結局、大破したネオゲッターロボと交代する形で登場、幹部をメカザウルスごと撃破したが、帝王ゴールとの戦いでは大苦戦を強いられる。
しかし、ゲッターロボの真骨頂である自己進化能力が土壇場になって発動し、例によって(一時的ながら)パイロットを取り込み神ゲッターロボにパワーアップ。武装を一切使わないままゴールを瞬殺して物語を終わらせてしまった。
この作品では、本機固有の必殺技であるストナーサンシャインを披露していないが、設定上はこの世界でも機能として実装されている模様である。実際小説版では使用しているが、ゲッター線制御技術がほかの世界より未熟なためか、思うように撃てないという弱点を持つ。
最終決戦後にどうなったのかは明らかになっていないが、小説版では再び封印された(今度は早乙女博士も手が出せないようにされてしまった)。
なかなか起動することができず、一度目は武蔵が自爆しようとしているときに起動しかけ、二度目のネオゲッターロボ大破時にやっと起動に成功したという経緯を持つ。さらに小説版ではそのまま早乙女博士らの制御を受け付けずに無人のまま出撃して、大破したネオゲッターロボの元へと飛んでいった。
また、珍しく地球から旅立たない真ゲッターでもある。
アニメ版アーク
アニメ版『ゲッターロボアーク』では過去の回想にて登場。漫画『真ゲッターロボ』準拠であり、ほぼ同じ活躍をしている。本作では断片ながら劇中のターニングポイントとなった名エピソード「ファースト・コンタクト」がアニメ化されている。ゲッターロボアークが元々、真ゲッターロボの開発過程で設計されたプロトタイプであるという扱いなので、回想での出番も多め。
とはいえ過去の存在なので原作同様本編に登場することはない…と考えられていた。
だが第6話にて早乙女研究所の危機に、次元を超えて謎の影が出現。
これこそが新たなる真ゲッター、「真ゲッターロボ・タラク」である。
ただし劇中では名称は判明せず終始「黒い真ゲッター」「真ゲッター」などと呼ばれていた。
また、ファンからも「ブラック真ゲッター」「真ブラックゲッター」などとよばれたり。
そして最終話、原作最終面の後を描いたオリジナルパートにて、風石化から復活、あるいはゲッタードラゴンと融合したと思わしき真ゲッターが、火星の大地に立ち上がる。詳細はゲッター天の項へ。
未来を自分たちの手で切り拓く決断をしたアークチームがゲッターアークと共にこのゲッターに挑んでいく一枚絵で、アニメは幕を下ろした。
各形態
ゲットマシン
真ゲッター1
基本スタイル。空中専用のモードである。……はずなのだが、地上で格闘戦をこなすこともしばしば。真ゲッターの神にも等しいスーパーパワーは全てこの形態で発揮している。
主な武装はお馴染み「ゲッタートマホーク」や「ゲッタービーム」。
必殺技は上記項目にも記載されているストナーサンシャインと、機体に全エネルギーを纏って突撃して相手をブチ抜く真・シャインスパーク、そして世界最後の日版限定でファイナルゲッタートマホーク。
真ゲッター2
地上戦やスピードに特化した形態。とはいえ、背中の(真ベアー号由来の)ブースターで飛行も可能。
ゲッター2の象徴たるゲッタードリルは更に巨大化しており、ドリルを空回転させることで生み出す竜巻「プラズマドリルハリケーン」(ドリルテンペスト)や、その超スピードを利用して四方八方からドリルで貫く「ドリルハリケーン」(真ゲッタービジョン)、ドリルから虹色のレーザーを拡散させて相手を貫く「ミラージュドリル」が必殺技。
初出の「ゲッターロボ號」においては真ゲッター1の腹部から上半身が生えた状態から変形していくという衝撃デビューを果たした。
スパロボ参戦まで下半身のデザインが無かったのは、出番がこれだけだったからである。
真ゲッター3
お馴染み水中戦及びパワーバトル用のモード。真ゲッターがスパロボ参戦するまでデザインされてすらいなかった不憫な子である。このため作品によるデザインの変遷が最も激しい(特に色は黄色だったり水色だったりする)。
フラストレーションを爆発させたのか「世界最後の日」ではとかく派手に暴れ回っており、「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」では遂に水中戦を行った。
主武装は「ゲッターミサイル」だが、弾幕が張れるほど大量にぶっ放すことが出来る。
さらにパイロットによっては、もはや投げ技の域を逸脱した竜巻のような大雪山おろしを披露してくれる。
スパロボ
『スーパーロボット大戦』シリーズにおいては、攻撃力の高さからボス戦の切り札(ボスキラー)として使われることが多い。
ゲッターロボG止まりで本機は未登場だったり、そもそもゲッター自体が欠席なことがあるものの、外連味やボスキラー的な立ち位置のためインパクトが強い。
初代+Gから『世界最後の日』に世代交代してからは、安定して参戦している。
登場する経緯としては、ゲッターロボが高出力のゲッター線を浴びて変化したゲッターの異端児、ゲッターロボGの純粋な後継機など、作品によって異なる。
なお、初登場した『第4次スーパーロボット大戦』ではゲットマシン分離合体ではなく、モーフィングによって変形というものだった。おそらくこれは先述の真ゲッター2の変態変形が元だと思われる。しかし、後にゲットマシンの分離合体が『α』で採用された。設定では分離無しでも変形可能。
『スパロボDD』においてはイベント「クロッシング・パイロットR」にてアスカをメインにシンジとレイが真ゲッター1に搭乗する。新劇場版と世界最後の日とのクロスオーバーで、真ゲッター1はシートを子供用のものに変え、ゲッタービーム発射口を大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲との接続コネクタに変更する改造を施されている。武装はゲッタートマホークは使用可能だが前述の改造の為にゲッタービームが使用できなくくなったので代わりにエヴァ用の装備を使用しており、2号機型のプログレッシブナイフとパレットライフル、自走陽電子砲を使用。シナリオにおいては第8の使徒迎撃のために出撃し、インベーダーや早乙女博士の妨害もあったが3人の心が一つになった事で出力上昇、ストナーサンシャイン以上のエネルギーを陽電子砲につぎ込んで迎撃を成功させている。
変形合体による立体化
3体のゲットマシンが合体するアクションモデル。
- スタジオハーフアイにて、「完全変形 真ゲッター1」、「完全変形 真ゲッター2」を発売。
- グッドスマイルカンパニーにて「ダイナミックチェンジ 真ゲッターロボ」を発売。唯一真ゲッター3の変形を再現可能。他のダイナミックチェンジシリーズとは違い、SDではなくリアル頭身となる。また、フィギュア王限定アイテムとしてブラックバージョンも販売。
余談
初代ゲッターチームである竜馬、隼人、弁慶の3人が真ゲッターロボに搭乗する作品はスパロボを除けば意外にもチェンゲ一作のみである。
これは登場作品のうち、漫画版では真ゲッターロボの完成前後に弁慶が帰らぬ人になっており(一応生前に機体は出来上がっていたが弁慶自身が負傷していた)、ネオゲでは弁慶の出番が無い上に竜馬と隼人の二人もゲッターロボに乗らないため。
なお、武蔵は真ゲッターロボが登場する前に死んでおり、スパロボなどの生き残るifであってもゲッターチームからは外れるので真ゲッター3に乗ったことは一度しかない。
漫画版ではゲッターチームの3人が綺麗に揃って乗り込む機会に乏しく、乗れるやつ3人がとりあえず乗るという場面が多い。
関連イラスト
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マジンカイザー:対を成す存在。