概要
人間が古来より「鬼」と呼んで恐れていた、角を持つ亜人によって構成された軍事国家。
科学要塞島を根拠地とし、恐竜帝国滅亡後、代わって世界征服に乗り出す。
ほとんどの者は生まれながらに角を持っていた、いわばミュータントであるが、誘拐した人間に角を移植し、強制的に鬼に改造された者も少なからず存在する。
帝国の中でも百鬼百人衆と呼ばれるエリート兵士は、自分の名前を冠した百鬼メカを与えられ、ゲッターチームと激戦を繰り広げた。
鬼兵士や百鬼メカの増産に必要なゲッター線増幅装置を狙って早乙女研究所を集中的に攻撃した。
最期は根拠地である科学要塞島をゲッタードラゴンのシャインスパークで破壊されて滅亡した。
漫画版
アニメとは違い無敵戦艦ダイが登場しないため、帝王ゴールの死は百鬼帝国の手による。
人類と恐竜帝国の戦いの最中に暗躍し、洗脳した群衆を操ってメカザウルスを破壊するという形で帝王ゴールの前に姿を現し地上侵攻から手を引くように警告。その後ゲッターロボGに追い詰められ最後の抵抗とばかりに特攻をかけたゴールを脱出艇もろとも殺害した。
ゴールの死後本格的な侵攻を開始。あらゆる手で早乙女研究所とゲッターチームの抹殺を狙う。この時の作戦の一つにパーティーを開催して政府筋の要請で出席させた早乙女博士を他の客もろとも殺害する計画があり、人間社会の中枢にまで鬼を潜伏させていた事が窺える。
アトランティス大陸の超兵器ウザーラの奪取に失敗するもののゲッターチームの不在に乗じて総攻撃を仕掛け日本を占領する。しかし圧倒的な力を持つウザーラを味方に付けたゲッターの前に追い込まれ、反重力光線で要塞島を宇宙まで引き上げられる。最期は太陽から生じるゲッター線を浴びたドラゴンのシャインスパークを受け帝国は滅亡した。
連載当時は深く語られることはなかったが、90年代のゲッターロボサーガ組み込みにおいて本拠である「百鬼帝国」(アニメ版の科学要塞島相当)は、北極で発掘された時空転移してきた宇宙船が原型であるとされており、ゲッターロボを倒すのが帝国の目的。
こちらは角を取り付けるのは改造手術により、(ブライ大帝は宇宙船のコアユニットから能力と角を直に移植されている)百鬼メカに相当する百鬼獣はもともとの艦載メカを修復したもの。
なお、元の時空で戦っていたのはかのゲッターエンペラーのようだ。
科学要塞島が消し飛び帝国が壊滅した後も一部残党はひそかに活動を続けており、『ゲッターロボアーク』において宇宙船を送り込んできた未来の異星人勢力『アンドロメダ流国』と結託していた。
というよりもむしろ『アンドロメダ流国』こそが本隊であり百鬼帝国はあくまで先遣隊にすぎなかったのである。
その他の作品
OVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』
百鬼帝国は登場しない。
恐竜帝国が南極で発掘したオーパーツ(巨大円盤)のデザインが前掲の宇宙船に酷似しているが、関連は不明。
ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズ
基本的にTVアニメ版のみ登場しており漫画(サーガ)版の百鬼帝国が登場したことは無い。
『スーパーロボット大戦IMPACT』では恐竜帝国のプラントを使いメカザウルスも戦力にしている。
ゲーム『ゲッターロボ大決戦!』
漫画版と同じように恐竜帝国がゲッターロボに敗北し、追い詰められたゴールを始末した(ただし武蔵は生きている)。
主な構成員
帝王
幹部
各媒体共通
TVアニメ版
- ジライ将軍:軍神と称えられるほどの人物だったが自身の地位を危ぶんだヒドラーによって反逆罪を着せられ処刑された。
漫画版
- 十方鬼:「百鬼帝国最高の鬼」と呼ばれる。超巨大百鬼獣・巨獣鬼が偽装した高層ビルで行われるパーティーに早乙女博士を招待し暗殺を企む。サンデー掲載時にはブライの息子という設定だったが単行本では修正されている。
百鬼百人衆
作戦遂行を担当する指揮官。
TVアニメ版
- 一角鬼
- 独眼鬼
- 牛面鬼
- 白髪鬼
- 暗黒鬼
- 小竜鬼
- 三頭鬼
- 白骨鬼
- 飛竜鬼
- 海王鬼
- 自雷鬼:ジライ将軍の息子。
- 邪角鬼
- 紫電鬼
- 地虫鬼
- 胡蝶鬼
- 鉄甲鬼
- 闇竜鬼
- 妖剣鬼
- 金剛鬼
- 大輪鬼
- 半月鬼
- 獣王鬼
- 剣王鬼
- 百足鬼
- 大角鬼
- 暴竜鬼:ハヤトの友人イサムが鬼となった。
- 新宿支部長(名称不明):暴竜鬼の前任者。交通事故で死亡。
- 白蛇鬼
- 蛇王鬼
- 天魔鬼
- 鉄丸鬼
- 恐角鬼
- 角面鬼三兄弟
- 牛剣鬼
- 電光鬼
- 闇虫鬼
- 輪魔鬼
- 百鬼メカは登場するが本人は未確認
漫画版
その他
幹部や百人衆以外の帝国関係者、帝国に利用される外部の人間、続編に登場する残党など様々な人物がいる。
TVアニメ版
- 坂崎:ハヤトの姉・神明日香の婚約者。小竜鬼により鬼に改造される。
- リサ:百鬼兵訓練所の訓練生。白骨鬼の娘。
- 鬼丸:百鬼兵訓練所の教官。
- 自雷一族:ジライ将軍の一族。ヒドラーの策略により将軍が処刑されたことで長きにわたり冷遇されてきた。
- 牛餓鬼:百鬼帝国軍の新兵。牛剣鬼の息子。
漫画版
- Y市の住人たち:グラー博士によって密かに鬼に改造された一般市民。
- 竜二:ハヤトの従兄弟で学生運動時代の仲間。改造され魔王鬼の部品となる。
- 特殊部隊ミノビ:ウザーラ奪取の為に三餓鬼に続き送り込まれた忍者部隊。
ゲッターロボアーク
- カーター・マクドナル:表向きはアメリカ特務機関の工作員。正体はアンドロメダ流国に協力する帝国の残党。流拓馬の母りょうを殺害した。アニメでは「マクドナルド」と名前が微妙に変わっている。
保有メカ・兵器・技術
各媒体共通
- 科学要塞島
百鬼帝国の本拠地たる超巨大要塞で、コンビナートや工業プラントを彷彿とさせる無数の巨大建造物で構成された外観が特徴的である。
漫画版ではブライを鬼に改造した宇宙船が基になっている。また、「百鬼帝国」をこの要塞の呼称とする場面も見られる。
- 角
百鬼帝国の鬼の証となる角。頭部に1本ないし2本の角を備えている者が大半だが、中には3本以上の角を持つ者もいる。
TVアニメ版の設定では生まれながらに角を持つミュータントと手術で角を取り付けられた元人間が混在している。漫画版の設定ではブライ含む全員が改造人間であり、その原型は宇宙船の制御装置を頭部に移植したもの。
メカや手下の鬼を操る脳波を送信するためのアンテナ、破壊光線や催眠光線を放射する武器としての機能を持っている。
TVアニメでは角の破損が原因で死亡した描写が何度か見られた。
TVアニメ版
百人衆が駆る戦闘ロボット。それぞれパイロットに合わせ「メカ〇〇鬼」と呼称される。
前作のメカザウルスと異なりほとんどが人型である。
- 百鬼戦闘機
帝国の一般兵である百鬼兵が操縦する航空機。
- 水爆地雷
第5話に登場。強奪した濃縮ウランから作った核兵器。
メカ暗黒鬼による遠隔爆破も可能。
- 偽早乙女研究所
第9話に登場。早乙女研究所に偽装した施設。
本物の研究所を襲撃するため、ゲッターチームをおびき出して足止めする事が目的。
- ダイヤモンドレーザー銃
第12話に登場。邪角鬼率いる強盗団が強奪したダイヤモンドを利用して開発したレーザー銃。
ライフル程度の大きさだが小さな山なら一撃で吹っ飛ばす威力を誇る。
- こうもり爆弾&メカこうもり
第13話に登場。超小型爆弾を仕込んだコウモリとそれを誘導するためのコウモリ型ロボット。
- メカ要塞鬼
第20~21話に登場。ヒドラー専用の空中要塞型百鬼メカ。
両翼に2体の百鬼メカ、胴体部には200機の戦闘機と100機の爆撃機を搭載している。
新早乙女研究所を半壊状態に追い込み東京も壊滅させたが、ゲッタードラゴンの新兵器シャインスパークに破壊された。
- クレイジービーム
第33話に登場。メカ恐角鬼に搭載された光学兵器。人間の脳神経を破壊して狂人に変えてしまう。
ゲッター合金を含むあらゆる金属を透過するが、唯一バリウムのみこれを防ぐことができる。
残存する6体の百鬼メカのうちメカ輪魔鬼、メカ闇虫鬼、メカ甲角鬼、メカ電獣鬼、メカ十方鬼を合体させたもの。5体のメカが合体したことにより強大なパワーを誇る。
残る1体のメカ雷電鬼も合体させる予定だったが改造前にゲッターによって倒された。
漫画版
- 百鬼獣
漫画版における百鬼帝国の戦闘ロボット。百鬼メカよりも人型から外れたデザインのものが多い。
元々は大破した宇宙船内にあったロボットの残骸を修理・改造したもの。
本来に比べ大幅に劣化しているとのことだが、それでもゴールが海底に待機させていたメカザウルス海軍を1機で全滅させるほどの性能を誇る。
- ジェット要塞ジェロニガン
ヒドラー元帥が乗る翼竜のような外観の飛行要塞。
- Y市総合病院
とある地方都市に存在する病院。実態はグラー博士が院長を務める人間改造施設。
表向きは貧しい者でも治療を受けられる良心的な病院を装い街の人間を鬼に変えていた。
メカザウルス・モバとの戦いで重傷を負い記憶喪失となった竜馬もここに収容されていた。
- 巨大円盤
書下ろしエピソードにて登場。科学要塞島の基になったものと同型の宇宙船。
中枢部分である脳髄と脳波を同調させたブライのコントロール下に置かれる。
ブライは脳と融合して更なる力を得ようと目論むが、脳は船内に侵入したゲッターに破壊され円盤も自爆した。
- 細菌兵器
ミノビ部隊が対アトランティス人用に使用したBC兵器。
現代人相手には何の効果もない微弱な細菌だが、病気への抵抗力を持たないアトランティス人にとっては致命的。
- 百鬼羅王鬼
終盤の加筆ページにて登場。要塞島の最奥に眠っていたロボットであり宇宙船の自爆装置。
グラー博士が乗り込みゲッターGを道連れに自爆を図る。
- 巨大鬼
『真ゲッターロボ』に登場。ブライを核とする鬼型の巨大要塞。
口からは山も消し飛ばす光線を吐き、全身から無数の百鬼獣(ただしデザインはTV版の百鬼メカが大半)を生み出す。
帝国崩壊後、宇宙をさまよっていたブライをアンドロメダ流国のギィムバグ軍曹が回収・改造し地球に送り込んだもの。
その他
巨大な竜の背から人型の上半身が生えた外見のロボット。初出は漫画版。
古代アトランティスの科学の粋を集めて作られた超兵器で、百鬼帝国が奪取しようとしたが失敗に終わり、最終的に百鬼帝国にトドメを刺す結果となった。
ゲーム『ゲッターロボ大決戦!』では百鬼帝国最強の兵器として登場した。
アニメ版『ゲッターロボアーク』では百鬼帝国の母体であるアンドロメダ流国に鹵獲され魔獣ウザーラへと改造され、マクドナルド率いる帝国残党が乗り込み拓馬の前に立ち塞がる。百鬼獣となったことを示すように頭部に一本の角が追加されている。
そのパワーは凄まじく、ゲッターアークよりも強力な未来のゲッターロボをも破壊するほどだったが、アーク版のシャインスパーク「アークシャインボンバー」に敗れた。
関連タグ
新ゲッターロボ:百鬼帝国ではないが鬼が敵として登場する。
スーパーロボット大戦における他作品勢力との関係
鉄甲龍:スーパーロボット大戦MXでは直接対決は無いがお互い反目敵対している。
堕天翅族:スーパーロボット大戦Zではお互いに敵対している。
ボアザン星人:角の生えた帝国繋がり。スーパーロボット大戦Aでは角繫がりで同盟を結んでいる。
その他
稲田徹:『スーパーロボット大戦Z』でモブ百鬼衆を演じている。後に本当に鬼になったりしているが。
幻影帝国:当初は地球人だけの帝国と思われていたが、地球と主役サイドに害意を持つ異星の存在が黒幕だと明らかになった敵組織繋がり。そして国名が漢字四文字繋がりでもある。