概要
『ゲッターロボサーガ』第2章こと石川賢漫画版『ゲッターロボG』(冒険王掲載)の最終回「ゲッター最後の戦い!」に登場する超古代兵器。
太古の昔に滅んだアトランティス大陸の遺産であり、考古学の権威マキシム教授の調査団が大西洋沿岸で発見した古代遺跡内部から発掘された。
当初は地下神殿から人型の上半身のみが神像として発見されたため、人型だと思われていたが、実際には巨大な蛇(手足の無い龍)の背中から人間の上半身が生えた異形の姿であり、ゲッターロボGの10倍近い体躯を誇る。
さらに調査団と共にしていた現地の案内人の正体が百鬼帝国の一員だったため、その後帝国の手で遺跡は制圧されてしまう。マキシム調査団は首のみを奪還し、日本の早乙女研究所に運ぶ。ウザーラがアトランティスを沈めた張本人だと推定した調査団は一刻も早くウザーラを百鬼帝国から奪い、破壊してほしいとゲッターチームに懇願する。
百鬼帝国との戦いで早乙女研究所のバリアが破られたことにより首部分は本体を遠隔操作し、とうとう浅間山上空で合体を遂げてしまう。完成体となったウザーラはたちまち百鬼メカを一蹴し、ゲッタードラゴンを圧倒的なパワーで叩きのめす。ボロボロになりながらも立ち向かってくるゲッタードラゴンに対し、ウザーラ内部で眠っていた科学者たちは興味を示し、気絶したゲッターチームを攫う。
「ウザーラはあくまで専守防衛の為の機械であり、自衛のためにしか戦わない」ことを悟ったブライ大帝は、ウザーラをカンカンにしてしまえば世界など容易く滅ぼせると気付き、全軍を率いて日本を総攻撃。卑劣な手段を講じて日本を支配した百鬼帝国は、さらにアトランティス人の弱点を見抜いたブライの命令でウザーラ内部に特殊部隊ミノビを送り込み、彼らの手によりアトランティス人は追い詰められあわやウザーラを掌握されかける。だが運の無いことにその行為によりアトランティス人に捕らえられていたゲッターチームは難を脱する。
アトランティスよりウザーラを託されたゲッターチームは、修復を受けたゲッタードラゴンと共にウザーラを起動させ、百鬼帝国に挑む。ちなみに、再起動後のウザーラには人間の上半身部分が無くなっており、作画ミスではなくどうやら本当に消失したようだ(破壊されたとしても、その残骸や描写は無かった。体内に収納されたのかもしれないが、詳細は不明)。
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弁慶「1分5秒ほどで百鬼獣7機撃墜! 歯ごたえありませんな~」
隼人「他のロボットにならこの程度の百鬼獣でいいだろうが…このゲッターには…そうはいかねえぜ」
竜馬「ブライめ…待っていろよ…いま日本国民が味わっている恐怖感を…貴様にも味わわせてやる…」
竜馬「ゲッターの恐ろしさをな~!!」
(余談:この場面の再現・パロディーに際して「味あわせてやる」という誤記が多い。スパロボなどでもやらかしてるが、そのまま覚えないよう注意されたし)
次々と百鬼メカが粉砕されていくのに怖気づいたブライは人質を1万人持っていることを宣告する(死亡フラグ)も、ゲッターライガーにより人質は救助され、ウザーラの重力遮断装置で百鬼島が丸ごと宇宙に吸い寄せられてしまう。当然地上に取り残された百鬼兵らはどうすればいいかまともに行動もできず、ゲッターチームの「みんな戦え!戦うんだ!」の激励の声によって一斉に決起し、瓦礫などを手に集団で彼らに挑みかかり(それでも百鬼兵はたじろぎながらもマシンガンで応戦するが)すぐさま数の暴力もあって撲殺という末路となる(何の因果か意趣返しか、百鬼帝国が表舞台に本格的に出る兆候に裏で暗躍じみた事をしていた、それも初代ゲッターと恐竜帝国が戦っていた時期に、ある町の病院で大勢の人間を善良な院長らを装って鬼に改造し、すぐ近くに出現したメカザウルスに対してその患者だった市民らが人間の状態から額などから鬼の角を生やしながら段々と豹変し、凄まじい数でメカザウルスに襲い掛かってはやがて犠牲を出しながらも撃破してしまうのと、重なるものがある)。
宇宙空間でゲッタードラゴンはシャインスパークを放って百鬼島を爆砕し、残った残骸はウザーラによって宇宙の彼方へと遺棄された。
ちなみに90年代になって復刻した際の加筆修正版(双葉社より発行)では、両者が宇宙にまで出た際にすぐさまゲッタードラゴンが要塞内部へ突入・殴り込みをかけ、派手に暴れまわっている。しかもこの際に怯みながらもマシンガンで応戦してくるも効果がない事を目の当たりにする百鬼兵2人を、ドラゴンの手で圧殺するという、2022年の10月にアニメ放送開始したガンダム作品の主人公のような事をやってのけている。…まあ、サーガ版準拠とかのゲッターでは寧ろ平常運転や日常茶飯事かもしれないか。ちなみにこの時応戦から圧殺されるまでに至った百鬼兵2人は終始ギャグ顔であった。
戦闘力
高い。首だけで百鬼メカを破壊してしまうほどであり、本体と合体した際にはゲッターロボGがまるで相手にならなかった。移動速度は長く見積もって1時間ほど、ヘタすれば数分で大西洋沿岸から日本に到達するという頭がおかしい速さである。
人間部分の頭部から発射するビーム。要するに鋼鉄ジーグのジーグビームみたいな非常用の技であるが、これだけでメカ二本鬼を粉砕している。
噛みつき
龍の顎で相手を噛み砕く。メカ一本鬼をクッキーのように砕いた。
熱光線
龍の眼から放つ光線。ゲッタードラゴンの表面を溶かす熱量。
重力遮断装置
ウザーラの最大の武器。キングギドラの反重力光線のような稲妻を無数に放ち、周囲の重力を遮断してしまう。
直接この稲妻をぶつけても百鬼獣数機が粉々になるほどの威力がある。
アトランティス文明
ウザーラを作り出した文明。現代の地上より遥かに進んだ文明を有していたが、落ちてきた隕石からもたらされた未知の病原菌により疫病が蔓延し、破滅の危機に陥る。科学者たちはウザーラを作り出して国民を内部に避難させ、人工冬眠させて病原菌が死滅した未来の世界で目覚めることを提案。そして、もはや安住の地ではなくなった大陸を人工的な地殻変動により沈め、病原菌の生きていけない海底で深い眠りについたのだという。
結果的に、希望への箱舟であるウザーラを掘りだしてしまったのはマキシム調査団に他ならず、彼らからしてみたら迷惑以外の何物でもなかった……と身の上を聞かされた竜馬も同情しているのだが、科学者たちは現代人が病気に強い耐性を有しているのを知ると態度を一変させ、「現代人を攫って肉体にアトランティス人の脳を挿げ替えよう」という暴挙に出る。既に彼らの肉体は限界が近づいていたのである。
科学者たちはゲッターチームを攫い、「ウザーラ相手にケンカ売ってきたり(ゲッターチーム)、あまつさえその力で他人を苦しめようとしたりする(百鬼帝国)蛮族なんか地球に必要ない(意訳)」と言い切り、手始めに神隼人の頭を切り裂き脳を取り出そうとする。だが、そこに百鬼帝国の暗殺兵たる特殊部隊ミノビが現れ、現代人には何ら効果を与えないほど弱い細菌をばらまいた。既に病に侵されていたアトランティス人たちはこれによりトドメを刺されてしまい、百鬼帝国の仕掛けた時限爆弾により数万もの民が絶命、アトランティス人は絶滅した。
これにより難を逃れたゲッターチームは暗殺者たちを蹴散らし、余命幾ばくもない指導者は修復したゲッタードラゴンの下にゲッターチームを案内して「我々アトランティス人の仇を討ってくれ」と申し出て、事切れた。
魔獣ウザーラ
アニメ版『ゲッターロボアーク』第11話「宿願」に登場。アンドロメダ流国の兵器として、元百鬼帝国のカーター・マクドナルドが操縦。
カムイ・ショウが搭乗しておらず本調子ではなかったとはいえゲッターアークのトマホークを受け付けず逆に刃こぼれさせるほどの強靭な装甲を持つ。アニメ公式サイトの説明によるとオリハルコン製。
劇中では人間部分が直剣二刀流でアークと斬り合うシーンもある。
未来ゲッター軍団すら一瞬で全滅させる重力遮断装置を使って流拓馬と山岸獏の乗るゲッターアークを圧倒。しかし最後は拓馬と獏が気合を込めて放ったアーク版のシャインスパークであるアークシャインボンバーを受けて破壊された。
なお漫画版でのウザーラは前述の通り百鬼帝国の残骸を宇宙へと運んでいった為、彼らの本隊であるアンドロメダ流国にそのまま鹵獲されて改造されたのだと思われる(一部視聴者からは、マクドナルドたち同様に過去の存在であったため、未来ゲッター軍団ではなくアークでなければ倒せなかった、と考察されている)。
人型部の額に巨大な一本角が付いているが、これは百鬼獣を作っていた百鬼帝国の生き残りであるマクドナルドの拘りなのかもしれない。
余談
再起動したウザーラの頭部にゲッタードラゴンが腕組みをして仁王立ちするシーンはとくに有名であり、後の「ガイナ立ち」のモデルになっている。
また、『真ゲッターロボ 世界最後の日』に登場する真ドラゴンはウザーラがモチーフ。
『ゲキ・ガンガー3』劇場版に登場するウラーガは本機体がモデルと思われる。