遺跡やそこに残された遺物を通じて、人類の活動とその変化(つまり歴史)を研究する学問。文献資料を用いる歴史学を補完する役割を持つ。
まとまった文字史料の存在しない時代(日本では旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代)の研究は考古学の独壇場であるが、文字資料の残る古代・中世でも、そこから得られる知見は断片的であり、たとえば庶民層の生活などは描かれることは少ない。考古学によって得られた知見を文献資料と突き合わせることで、多くの事実が明らかになる。
大量の文献資料が残る近世・近代でも、考古学による遺跡調査で文献で見過ごされていた事実が判明することがある。
よく恐竜などの古生物の研究も考古学だと誤解されるが、それは古生物学の領分であり、全く別の学問である。
上述の通り考古学は『人類』の活動とその変化を研究する学問なので、少なくとも人類誕生前に生息していた恐竜は全く関係が無い。
ただしマンモスのように人類と同じ時代に生息し、時には食料となった生物なら、遺跡から食べ残しや骨が見つかることもあるため、考古学と古生物学の両面から分析・研究する場合もある。
また、対象とする時代が違うだけで古生物学と考古学では、同様の地質学的手法が用いられることが多く、考古学者は地質学にも精通することが求められる。加えて出土品の解読や現地人との交流のための語学も必須であるし、歴史学や文化人類学にも造詣があることが必須となる場合も多い。