注意
下記は偉人伝でよく知られた生涯だが、自伝によっている部分が多く、現在ではシュリーマンの功名心による創作とみなされている部分が多い。例えば、「発掘調査に必要な費用が用意できたので事業をたたんだ」と称しているが、実際には事業をたたんでから遺跡発掘を思いついたのである。
このほか、発掘物に手を加えたり捏造を働くなどの問題行為も指摘され、これらは現在に至っても考古学者による再発掘・再考証を難しい物にしている。
人物
プロイセン生まれ。後にロシア国籍を取得。
幼少期に聞かされたギリシャ神話の伝説の都市・トロイアが実在するものと思い込み、トロイアの発掘を志した。貧困のさなか、財産を蓄えるため、食品会社の徒弟から始まり、オランダの貿易商社に入社して事業家になる。また、各国で商売をするために、その国の言葉をわずかな時間を盗んで体で覚えたという。
また、清国・日本を訪問しており、その時の体験を書籍にした旅行記を残しており、後に日本においても書籍化され、現在も『シュリーマン旅行記 清国・日本』(訳:石井和子 出:講談社学術文庫)のタイトルで出版されている。
トロイア発掘のための財産も貯まり、ようやく落ち着いたところで事業をたたみ、本格的に発掘を開始する。その結果、トロイアが実在したものであることを証明した。
最期は旅行先のナポリで急死。自宅のあったアテネに埋葬された。
語学習得法
シュリーマンの語学力は凄まじいものであり、自身は15か国語をマスターしたと称している(岩波文庫『古代への情熱』より)。その語学習得の秘訣は、
- (その国の言葉・文章を)非常に多く音読すること。
- (自身の母国語に)決して翻訳しないこと。
- 毎日一時間を当てること。
- つねに興味ある対象について作文を書くこと。
- これを(その国の言語を話す)教師の指導によって訂正すること。
- 前日直されたものを暗記して、次の時間に暗誦すること。
である。
シュリーマンの母国語はドイツ語。習得した(と称する)言語は、英語、フランス語、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語、スウェーデン語、ポーランド語、イタリア語、ギリシャ語、ヘブライ語、ラテン語、ロシア語、アラビア語、トルコ語。
創作でのシュリーマン
シュリーマンを題材にした人物、またはモチーフにしたキャラクターが登場する作品。
- 『ラヴヘブン』
乙女パズルゲームの攻略キャラクター。→H・シュリーマン(ラヴヘブン)
伝説の都市トロイア実在を提言していた、ドイツの考古学者。巨万の富を得たと言われる。(ゲーム内プロフィールより)
異世界の危機を救うため、主人公により召喚された。
関連タグ
藤村新一...発掘現場で捏造を働き歴史を書き換えた日本のアマチュア考古学者。シュリーマンとは異なり彼の業績は全否定され黒歴史化されている。