概要
漢字では瑞典語と書き、稀に瑞語と略される事がある(「瑞」と略する国は他にスイスがあるが、「スイス語」はドイツ語のスイス方言として扱われており、外国人の学習に値する公用語としての地位を有しないので言語名での混乱のおそれはない)。
名前の通りスウェーデンの公用語であり、また1809年まで約650年間スウェーデンの統治下にあったフィンランドでもフィンランド語とともに公用語に指定されており、人口の約6%に当たるスウェーデン系フィンランド人がスウェーデン語を使っている。
同じ北ゲルマン語群に属するデンマーク語やノルウェー語(の2つの標準語のうち「ブークモール」と呼ばれるデンマーク語に近いタイプのもの)とは互いに通訳なしである程度会話が通じる程に似ている。ただし使用している文字はこれら2言語と違い、合字(ÆやØ)の代わりにドイツ語のようなウムラウト記号付き文字(ÄやÖ)を用いている。
話者数の割には方言差が大きく、北部のウメオや中部のストックホルム、南部のマルメではそれぞれ発音が異なっている。特にマルメ周辺は海峡を挟んですぐ対岸がコペンハーゲンという事もあり、非常にデンマーク語の影響が強い。
言語学的にはノルウェー語やデンマーク語、アイスランド語などもスウェーデン語の方言であり、スウェーデン語はこれらの方言でもある。例えるなら、日本において首都圏と関西と北九州がそれぞれ別の国であり、それぞれの国が山手弁と京言葉と博多弁をそれぞれ独自に標準語として設定しているような状況に相当する。
これらを同一言語とみなす場合には政治的正しさの観点からノルド語と呼ばれ、スウェーデン語はノルド語のスウェーデン方言である(同様にデンマーク語はノルド語デンマーク方言、ノルウェー語はノルド語ノルウェー方言となる)。
古い綴りを使い続けた結果綴りと発音の関係性が複雑化しているデンマーク語と比べてスウェーデン語の発音はシンプルだが、母音の種類に応じて発音が2通り存在する子音が幾つかあり(特にg、k、j、rの4文字が絡む綴りは例外的な読みになる事がある)、その辺りは若干複雑である(といっても英語に比べればまだ単純な方)。例えばスウェーデン第二の都市Göteborgはローマ字読みすれば「ゴーテボルグ」になりそうなところだが、実際には「ヨーテボーリ」のような発音である。
デンマーク語やノルウェー語にも言える事だが、文法的には同じゲルマン語である英語とドイツ語のだいたい中間くらいといった感じであり、名詞の性(ただし男性・女性の区別は衰退し2種類となっている)や形容詞の変化はドイツ語に近く、動詞の人称変化がない点は英語に似ている。そして定冠詞(英語のtheやドイツ語のder/die/das)の使い方はどちらとも異なる。スウェーデン語にも定冠詞はあるのだが、これは名詞の前に形容詞が来る時くらいにしか使わず、基本的には定冠詞の有無にかかわらず名詞の語尾を変えて定・不定の区別がなされる(分かり易い例を挙げるならば、スウェーデン系フィンランド人のトーベ・ヤンソンが執筆した『ムーミン』シリーズのキャラクター、ヘムレン(Hemulen)の名前は、ヘムル族(Hemul)の中の特定の一人ということで種族名に冠詞代わりの語尾-enを付けた形と言える)。
またこれもドイツ語に近い特徴だが、スウェーデン語も複数の単語をくっつけた合成語が多く、
- surströmming = sur + strömming (酸っぱい + ニシン)
- skönhetssalong = skön + -het + -s + salong (美しい + こと + の + サロン = 美容院)
関連タグ
スウェーデン フィンランド
言語 インド・ヨーロッパ語族
デンマーク語 ノルウェー語 英語 ドイツ語 オランダ語
caramelldansen(通称ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)):ネット上で(主に空耳方面で)有名なスウェーデン語歌曲
SEX:スウェーデン語では「6」を意味する数詞である。