もしかして→KGDR
概要
初登場は『三大怪獣 地球最大の決戦』(東宝:1964)。
金星の文明を僅か3日で滅ぼしたという東宝怪獣初の惑星を壊滅させた宇宙超怪獣。金色の体に3本の首、電子音の様な鳴き声が宇宙怪獣という特性を表している。
『宇宙超怪獣』・『超ドラゴン怪獣』・『恐怖の大魔王』・『千年竜王』・『黄金の終焉』・『生きた絶滅現象』等、様々な異名を持つ。
ゴジラ、モスラに次ぐ登場回数を誇り、幾度となく地球怪獣を苦しめた。
ゴジラシリーズのみならず平成モスラシリーズにおいてもモスラ最大の敵として登場しており、東宝特撮全体におけるラスボスである事が窺える。
名前の英語表記、発音は『King Ghidrah(キングギードゥラ)』または『King Ghidorah(キングギドーラ)』。
由来
元ネタはソ連映画『豪勇イリヤ 巨竜と魔王征服』に登場した多頭竜のズメイだとされる。新東宝がこの作品を日本で配給していた事、またその際の(徳間コミュニケーションによる)紹介名が「キング・ドラゴン」な事も印象深い。ちなみにズメイにはババヤガとの関連性もある(キングギドラの登場の際のアニメーションも、ロシアのアニメをモデルにしている)。
また、アルブレヒト・デューラーの造形にも共通点を見てとれる。
また、「ギドラ」とはロシア語においてヒュドラを意味し、ロシア語圏の文化という部分からも上記のズメイとも関連性がある。
ヒュドラといえばレイ・ハリーハウゼンが特撮を担当した『アルゴ探検隊の大冒険』に出てきたものが有名。
ヤマタノオロチを基に、西洋のドラゴンの要素を取り入れたとも言われる。
特徴
黄金の鱗に覆われた体、腕の代わりに巨大な1対の翼、2本の尾、そして3本の首を持つ。細部の違いは多々あるが、3つ首の竜を思わせる姿がキングギドラ各個体に共通して見られる。
キングギドラは引力や重力を自在に操る重力制御能力を持っており、この能力を利用した三つの口から吐く引力光線がある。
ちなみに当初はこんな色になる予定だったが、
余談の項にもある通り、映画制作の途中で金色に変更したという逸話がある。
昭和版
『三大怪獣 地球最大の決戦』から登場。かつて金星に存在した高度な文明を3日間で滅ぼし、その後に地球へと飛来した。
最初は隕石に擬態していたが、やがてその隕石が割れてそこから吹き出した炎がギドラの形となって現れるという出現方法を披露し、視聴者に大きな衝撃を与えた。以降の作品では炎の吹き出す描写が爆発へと差し替えられているが、炎がギドラの形となっていくという演出は継承されている。
同作ではゴジラ・ラドン・モスラ達と戦い最後は宇宙へ撤退するものの、以降度々ゴジラ達の前に宿敵として現れる。
身長100mと既に50mのゴジラやラドンの2倍もあり、当時の東宝怪獣の中では2番目に大きい怪獣であった(ちなみにゴジラと共演した怪獣の中で1番大きいのは全長150m(当時)のマンダである)。
データ
戦歴
三大怪獣地球最大の決戦
初登場。黒部谷に落下した隕石から登場し、日本を飛び回って東京を壊滅状態にした。富士山の裾野で単身挑んできたモスラ幼虫を追い詰めるも、その姿を見たゴジラとラドンが加勢。さすがに3対1の戦いには勝てず、追い詰められて宇宙に逃亡。
怪獣大戦争
「怪物0」としてX星で暴れていた所、地球から運ばれたゴジラとラドンの前に追いやられる。しかしこれは既にキングギドラを制御下に置いたX星人の罠であり、彼と同様に操られるゴジラとラドンと共に地球で暴れまわる。が、人類側の活躍もあってコントロールから解放された後はゴジラとラドンのコンビを相手にするハメになり、敵わず再び宇宙に逃走。
怪獣総進撃
地球の怪獣を操っていたキラアク星人が全ての怪獣を奪い返されたために切り札として出撃させられ、10体もの地球怪獣達(と言っても実質は『ゴジラ、アンギラス、ゴロザウルス』の3体だが)を相手に立ち向かう。
最初こそ飛び道具の無いアンギラスとゴロザウルスを光線で寄せ付けずゴジラの羽交締めも受け付けず圧倒していたが、隙を狙ったアンギラスが右の首に食らいつき負傷。なんとかアンギラスを振り解き体制を立て直そうとするもゴジラに地上に引きずり下ろされる。そこに背後からゴロザウルスのカンガルーキックを食らい大地にノサれ、ゴジラに左首を踏み殺される。右首もアンギラスの追い討ちにあい死亡、中央の首は散々痛めつけられた挙句ミニラの放射熱線が首に巻き付いて、窒息してしまったのか完全に絶命。亡骸はキラアク基地崩壊と共に発生した地割れに飲み込まれていった。
さしものキングギドラも体型の劣らない3体のパワーの前には屈するしかなかったと言える。
地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
新怪獣ガイガンの相棒として登場。
ガイガンと共に破壊活動を展開した後、ゴジラ&アンギラス相手に戦い、今回は2対2だったおかげか善戦したが、あと一歩まで追い詰めた所で人類の奇策により主人のM宇宙ハンター星雲人達が全滅。それでもなお奮闘するもゴジラに体当たりをかわされぶつかってきたガイガンに引力光線を誤射。ガイガンと内輪揉めを起こした所をゴジラ&アンギラスの連携で逆襲されてしまう。羽交い絞めにされて、アンギラスの甲羅体当たりとゴジラの背負い投げを何度も喰らい、ガイガン共々戦意喪失。宇宙に逃げ帰っていった。
ゴジラ怪獣超図鑑によるとこの作品に出てくるギドラは2代目らしく、初代と身長・体重と能力こそは同じだが戦闘力は劣るとのこと。
流星人間ゾーン
ゾーンファイターの宿敵ガロガバラン星人が、ブルーグリーン装置破壊のために送り込んだ宇宙超恐獣として登場する。地球に飛来した際に行き掛けの駄賃とばかりに迎撃に来た軍の戦闘機部隊を撃墜している。
太陽光線を遮断する「ダークプリズム作戦」と並行してゾーンファイターを2度も倒し、ゾーングレートのボルトサンダーで倒された。
続いて自身に有利な場所である金星でゾーンファイターと戦ったが、ギドラ自身の技を利用するといったバリアで引力光線が強力な事が裏目に出てしまい跳ね返されダウンしてしまう。全ての首をへし折られた上に流星ミサイルマイトで大ダメージを受け、退散していった。死亡こそしなかったが、「もう立ち直れない」と評されている。
書籍によっては上述したゴジラ対ガイガンの個体と同一とするものもある。
総評
このように、昭和ギドラはほとんど1対複数という劣勢っぷりであり、ライバルであるはずのゴジラとサシの勝負をすることはほとんど無かった。
それでも裏を返せばゴジラでさえタイマンでは勝つことは難しい強敵だという事でもある。
X星人、キラアク星人、M宇宙ハンター星雲人によって各々の目的に利用されてきたが昭和という怪獣自体が操られやすい時代背景、ということもあってか過去に幾度かコントロールされてきた(ゴジラやラドン、モスラ達も地球人やX星人に操られる事も多々あったため真に操られやすい怪獣かは不明)。
平成版
データ
別名 | 超ドラゴン怪獣 |
---|---|
身長 | 140メートル |
体高 | 50メートル |
体重 | 7万トン |
飛行速度 | マッハ4 |
戦歴
ゴジラVSキングギドラ
3匹のドラットがマーシャル諸島のビキニ環礁核実験の放射能の影響により合体、巨大化して誕生した怪獣で、宇宙由来ではないせいか肩書が変わっている。
昭和版と同様3つの頭から放たれる引力光線は水爆をもものともしないゴジラを悶絶させる程の威力を誇り、フィジカル面もゴジラに巻きついては失神させ、窒息させる程のパワーを有する。空中からのキックや長い首での締め付けも行うなど、相応の格闘能力も持ち合わせている。
しなやかかつ強靭な翼は両翼を合わせて身を守ることによってゴジラの熱線を完全に弾くことも可能。
また歴代最速のマッハ4(大気圏外を除いたVSゴジラ怪獣の中では最速)で飛行することができ、その際には衝撃波で周囲を吹き飛ばす。そのスピードはF-15Jイーグルの乗組員からも「速度が違う!」と言わしめる程。
未来人からもその実力はゴジラ以上の怪獣と評されている。
ベーリング海の核で強化されたゴジラの熱線を翼で防ぎ、得意の引力光線と格闘能力で一方的に撃破寸前まで追い込むなど基本スペックは凄まじく、ゴジラをも凌ぐ実力を誇る。(グレンチコや土橋竜三までもゴジラの敗北を確信した)
上述の様にゴジラを上回る程のスペックを誇るが、誕生経緯がドラット由来のためかオリジナルのキングギドラと比べると破壊意欲は劣り、無理矢理合体させたためコントロールが切れると混乱し、首同士の統率も取れてないと言える。
鳴き声はラドンのものを甲高く加工したものを使用しており(この怪獣に近い)、宇宙怪獣である昭和版とは大きく違うものとなっているため、生き物らしさが出ていた。
2017年発売のゲームソフト『巨影都市』にはこのキングギドラが登場している。
強国と化した未来日本の強権に苦しめられる世界を改変するため、現在日本の国力低下を目論む未来人(というのは方便で、実は未来世界の覇権を握るため過激派が暗躍しており、キングギドラでの工作も彼らの発案だった)の歴史操作によってゴジラが消滅した際、入れ替わるように太平洋上に現れ、福岡を皮切りにそして日本各地を攻撃した。しかし、ゴジラが復活したことを未来人が知ると自身達の支配の邪魔になると考えた未来人の指示で北海道へ移動し、ゴジラと戦う。
引力光線や衝撃波、空中からの肉弾攻撃などでゴジラとの戦いを有利に進めダウンした所を後一歩まで追い詰めるもその途中でタイムマシンの中枢コンピューターが破壊され、未来人のコントロールが失われた事で混乱し地面に倒れこむ。
その隙を突いたゴジラに尾をつかまれ、何度も地面に叩きつけられる。それでも長い首を使った締め上げを敢行してゴジラを窒息させるも、カウンター体内放射を浴びる事となり、ダウンした所を熱線で中央の首を刎ね飛ばされてしまう。
そこにテレポートさせられてきた未来人のUFOにゴジラが気を取られた隙に逃走を図るが、翼や胴体をすかさず熱線によって撃ち抜かれ、力尽きて海中に沈没する。
しかし、北海道の海の底で212年間仮死状態で存命しており、2204年の地球連邦機関が回収して23世紀の技術で改造し、メカキングギドラとして復活を果たす。
ノベライズ版では宇宙超怪獣としてのキングギドラが過去に幾度か出現していたことが語られており、ゴジラが消滅した際現れたキングギドラを当初は宇宙怪獣である個体が再来したと誤認されていた。
ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
本作では地球由来の怪獣魏怒羅として設定され、なおかつ日本を守る守護神として定義されているというこれまでのシリーズの個体とは対照的な存在として描かれている。
富士山麓に眠っていた大和の「クニ」を護る護国三聖獣の1つで、空の守護を司る。ヤマタノオロチのモデルになったとされるが、実際はロケーション的にも本栖湖の龍神に近い。
休眠が不十分だった為目覚めた当初は翼を広げられないなど不完全な状態だったが、残りの2体のパワーを受け継ぐことでゴジラに唯一対抗できうる地、空、海を支配する最強の怪獣"千年竜王"として覚醒。
覚醒後は戦いを有利に進め海中でも互角に近い戦いを繰り広げるが人類が放ったD削岩弾に被弾してしまい負傷。その隙を突かれゴジラにやられてしまうが再度復活。しかし光線でゴジラを怯ませるものの足を掴まれ至近距離から自身の光線を吸収された熱線をくらい敗れてしまう。
令和版
フェス・ゴジラシリーズ
第4作『オペレーションジェットジャガー』のクライマックスでサプライズ登場を果たす。
使用されている着ぐるみは後述する丸紅のCM撮影の際に補修された魏怒羅の着ぐるみと同一である。
ただ、『怪獣大決戦』によると「我が国に伝わる魏怒羅なる怪獣と酷似しているが生態や攻撃性がまるで違う」とのことで、あくまでも魏怒羅によく似た宇宙怪獣としてのキングギドラである様子。
また、怪獣大決戦では更に着ぐるみを改修したらしく、眼は白目となってより不気味な雰囲気を漂わせている。
オペレーションジェットジャガー
ゴジラがジェットジャガーに止めを刺そうとした瞬間に突如出現し、引力光線でこれを妨害、既にジェットジャガーとの戦闘で満身創痍の状態だったとはいえ、一撃でゴジラをダウンさせるという相変わらずの強敵ぶりを見せつけた。
その後、一時休戦してタッグを組んだゴジラとジェットジャガーと相見えたところでストーリーは終了する。
キングギドラの参戦は事前に一切告知されていなかったこともあり、初見で突然キングギドラが登場したことに度肝を抜かれた視聴者は多かった様子(一応、メイキング映像ではクライマックスで何かしらの隠し要素があることは示唆されていたが)。
監督を務めた中川和博氏によると、「最終的にゴジラとジェットジャガーが仲間になるという展開は最初から決まっていた」「そのような展開に説得力を持たせるためには強大な敵役が必要であり、それに相応しいのはキングギドラしかいなかった」とのことで、たまたま『大怪獣総攻撃』で使われた魏怒羅のスーツが現存していたこともあり、キングギドラをチョイスしたとのこと(他にはガイガンも候補に上がっていたが、前年で既に登場させていたため不採用となった。また、事前にゴジラ・フェスのサイトではあらすじに『そして待ち受ける衝撃の展開とは…?』と書かれており、ファンの間では「ガイガンが出るのでは?」という予想が広がっているのを受けて中川監督は「しめしめと思った」と語っている。)。
出番は短いながらも、「爆炎と共に現れる昭和の出現シーンの完全再現(しかも、映像技術の進歩もあり、過去作と比べて遥かに美麗でカッコいい仕上がりになっている)」「鳥居越しに仁王立ちする『三大怪獣地球最大の決戦』へのオマージュ」等、中々にニクい演出が目白押しであり、ギドラファンなら必見の内容となっている。
怪獣大決戦
ゴジラ&ジェットジャガーのコンビとの激闘が描かれる。
ゴジラの放射熱線をバリアのような物で弾き、放射熱線と引力光線の撃ち合いでも押し勝ち、ジェットジャガーも引力光線で吹っ飛ばして窮地に追いやる。
見兼ねた防衛軍は、新装備Gクローを投入し、これを装備したジェットジャガーと息を吹き返したゴジラの反撃を受けて一度は倒れるものの、なおもしぶとく立ち上がり抵抗、重力を操る新技「ギドラ・グラビティ」でゴジラを追い詰める。
しかし、ジェットジャガーが投擲した片方のGクローが腹部に突き刺さったことで隙が生まれ、そこへゴジラの熱線を纏って切れ味が上がったもう片方のGクローに真ん中の首を斬り飛ばされたことで一気に弱体化。
最後は左右の首をジェットジャガーに抑え込まれて動けなくなったところをゴジラの熱線をジェットジャガー諸共受けて爆散した。
今回披露した新技の「ギドラ・グラビティ」は、3つの首それぞれが白、赤、青と異なる色の引力光線を吐いているが、これは『ゴジラVSキングギドラ』で生賴範義氏が描いた劇場公開用ポスターのキングギドラが吐いている引力光線の色が元ネタになっており、更にジェットジャガーによって斬り落とされた首も真ん中の首と、VSシリーズへのキングギドラのオマージュも見られる(タイトルシーンも対峙するギドラとゴジラ・ジェットジャガーをバックにするというVSキングギドラへのオマージュになっている)。
なお、当初はギドラの首を切断するシーンを挿入することに難色を示されたが、中川監督が「VSキングギドラと同様、傷口から金粉を飛ばすので問題はないはず」と説得したことで許可が出たとのこと。
使用された魏怒羅の着ぐるみは左右の首を操演の他スーツアクターが手で操作することも可能なタイプであり、対戦相手のゴジラも動きやすいFWゴジラの着ぐるみということもありタイマンのアクションには力が入れられた。
派生怪獣
平成モスラ三部作にてエリアス三姉妹の二女・モルが「ギドラ族」と発言していることから同シリーズの世界には複数の「~ギドラ」と呼称される宇宙怪獣が存在しているものと思われる。
また、ミレニアムシリーズ最終作の『ゴジラ FINAL WARS』にはモンスターXの本来の姿という設定で「カイザーギドラ」が登場しており、VSシリーズ以降の東宝作品にはギドラの派生怪獣が多いといえる。
以下は現時点での派生怪獣の一覧である。
ガイガン
デビュー作である『ゴジラ対ガイガン』を含むゴジラシリーズ3作に登場するサイボーグ怪獣。
身体に金色の鱗があることから、一部のファンの間ではキングギドラの別種とも言われているが公式からの言及は無い。
登場回数は少ないが、人気の高い怪獣である。
ドラット
『ゴジラVSキングギドラ』に登場したギドラの幼体の様なもの。
23世紀のペットと未来人は紹介したが、漫画版では金星に眠る宇宙怪獣キングギドラの体組織から再生した生物で、核エネルギーを摂取して合体し、「超ドラゴン怪獣」キングギドラへと成長するよう遺伝子的にプログラミングされている。
メカキングギドラ
23世紀の科学によって強化再生されたキングギドラ。
吹き飛ばされた次郎の首や、翼、胴体、膝をメカ化されている。エミー・カノーによる有人操縦なのだが、なんと(正面、且つ身体の中央故に一番熱線が被弾することが予想されたはずの)胸上部分にコックピットがあるといういささか不安な仕様だった。
ギドラとしては初めて人類の味方になった怪獣でもある。
デスギドラ
平成モスラ1作目に登場した怪獣。
同シリーズに登場するギドラ族とは厳密には違う生物で、ギドラ族など多種の生物の優れた形質を模倣した宇宙アメーバ生物である。
死という概念が持たない負の生命体であり、封印する以外に倒す術がない。
前足を持つギドラというデザインは後のカイザーギドラのモデルとなっている。
ヤングギドラ / グランドギドラ
平成モスラ3作目に登場したキングギドラ。
これまで多くの星々で大量絶滅を引き起こしてきたというギドラ族の1匹。エリアス族からは「恐怖の大魔王」と恐れられている。年齢はなんと2億歳。身長はたったの60mとギドラ族にしては小さい方だが、その身長に似合わず体重はなんと5万トンと非常に重い。
1億3千万年前に翼の小さい状態で地球に飛来し、後に完全体へと進化する。
千切れた尻尾から再生・復活を遂げバリアー、反重力光線を駆使しモスラを圧倒する様はまさに最強のキングギドラとも言える。
カイザーギドラ
2足歩行の怪人のような姿をしたモンスターXから変貌して誕生する、ギドラ族最強たる上位種。
体色に黒が混ざっている事と4足歩行である事以外はキングギドラと似ている。
派生作品での扱い
GODZILLA -星を喰う者-
地球のある宇宙とは別の時空に棲む高次元生命体。絶対的優位を以てしてゴジラを追い詰める真の意味での『宇宙超怪獣』。
具体的な解説はアニメ映画版を参照。
GODZILLA: King of the Monsters
南極の氷の中に封印されていた『モンスター・ゼロ』のコードネームで呼ばれる超古代の怪獣。
具体的な解説はKINGGHIDORAH(モンスターバース)を参照。
ゴジラアイランド
X星人が操る怪獣として登場。
ゴジラアイランドの怪獣達を凶暴化させていた凶暴電波が破壊されゴジラが正気に戻るとザグレスの宇宙船から出撃。ゴジラ、ラドン、子モスラと戦い海に落下したが、怪獣を元気にすることのできる滋養強壮赤マンダドリンク光線を浴びて3倍にパワーアップ。ゴジラを追い詰めたが、トレマが放ったミラクル念力で押され、宇宙へ逃げていった。
後にランデスに引き連れられ登場。Gガードの基地を襲撃しモゲラを撃退し閉じ等を苦しめたが、ミサトにダスグロビンを吸わされダンスを踊らされてしまい、再び宇宙へ逃げていった。
ゴジラ対エヴァンゲリオン
ユニバーサルスタジオジャパンの期間限定アトラクション『ユニバーサルクールジャパン2019』の一つ、“ゴジラvsエヴァ4-D”にてまさかの電撃参戦。
『シン・ゴジラ』に登場したゴジラと戦ったことから、海外ではシン・ギドラという呼称が使われている。
デザインはこのアトラクション限定のものであり、シン・ゴジラを上回る巨体(このゴジラは作中の葛城ミサトのセリフによると身長120m)を誇り、顔つきもまた歴代と比較してかなり凶悪な代物になっている。
そして特徴的なのはその体勢。二股の尻尾がこれまでのキングギドラよりもかなり大型化されており、さながらカイザーギドラの様に二本の脚と二股の尻尾とで四足歩行に見立てたスタイルで、全体的には三大怪獣地球最大の決戦のデザイン画をリファインしたようなデザインとなっている。
MAGIの分析によると、使徒ではなく宇宙から飛来した生物である事が示唆されているが、詳細は不明。
大阪に上陸したゴジラと三機のエヴァンゲリオンが交戦中の所に乱入、空間の歪みから放出された粒子が集まる形でその姿を現した。
ゴジラの放射線流を七つの方向に分散して無力化する強力な重力制御能力と単にダメージを与えるだけでなく建造物を操って飛ばせる引力光線を武器にゴジラをものともしない暴れっぷりを見せつけ、ネルフ本部も作戦を“ゴジラ撃退”から“ゴジラと共闘、キングギドラ撃退を最優先”に切り替えたためゴジラとエヴァ三機を相手にすることとなるがそれでも彼らを圧倒、ゴジラ渾身の体内放射を浴びて傷ついた所をエヴァ3機の一斉攻撃を受けて倒されたかと思いきや即座に復活するが、最終的には再起したゴジラとの光線の撃ち合いの果てに滅ぼされた。
尚、このUSJ限定デザインのオリジナルキングギドラはフィギュア化されており、造形もかなり良い。しかし今現在はUSJ内でしか販売されておらず、通販等の予定も一切未定である。
しかしその後、『Pゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~』にて新たな設定で登場。
何と、今度は一転して「使徒の王」という立ち位置となる。
外見は「胸部に使徒のコアを宿した平成シリーズのギドラ」という姿となっており、当然ながらATフィールドも展開可能。
丸紅CM|できないことは、みんなでやろう。「紅丸」篇
大手総合商社・丸紅が2023年9月8日より公開した新テレビCM「できないことは、みんなでやろう。「紅丸」篇 」においてまさかの登場。撮影に当たっては東宝の全面協力の下2日間かけて国内で撮影がなされている(なおそれ以外のシーンは堺が主演を務めるドラマ『VIVANT』でロケ地となったモンゴルの大草原でも撮影された)。
劇中ではゾンビの大群との戦いで劣勢に立たされていた紅丸(堺雅人)とならず者たちの前に突如として出現し、飛行しながら引力光線で攻撃を開始。それを見た紅丸たちとゾンビは和解し、共にキングギドラに立ち向かう...のだが、なんとここで隕石が地球に向け落下しており、それを見たキングギドラと紅丸たちは和解し、隕石を防ぐべく向かっていった。
撮影には『大怪獣総攻撃』時に使用された魏怒羅の着ぐるみを使用。倉庫に保管されていたものの経年劣化でかなりボロボロの状態だったが(メイキング映像によると外皮はおろか首の内部まで朽ちていたほどの劣化ぶりだった)、大規模修繕が施されてカムバックを果たし、操演チームによって22年ぶりに飛行するキングギドラが忠実に再現された。
鳴き声や引力光線の発射音はいずれも昭和版のものを使用している。
着ぐるみは前述の『フェス・ゴジラ』でも引き続き使用された。
登場作品一覧
1964年 三大怪獣 地球最大の決戦(ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦)
1991年 ゴジラvsキングギドラ(ドラット、メカキングギドラ)
1998年 モスラ3 キングギドラ襲来(ヤングギドラ、グランドギドラ)
2001年 ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃(魏怒羅/千年竜王)
2018年 GODZILLA -星を喰う者-(ギドラ(アニメ映画))
2019年 GODZILLA: King of the Monsters(KING GHIDORAH)
余談
- キングギドラの三本の首は撮影中、左から順に「一郎・次郎・三郎」と呼ばれていたらしく、撮影中は「一郎もっと首大きく振って!」「次郎の首もっと上!」等、音声だけだと理解不能な光景が繰り広げられていたとか。
- 昭和版独特の鳴き声は『ウルトラQ』のケムール人の発する謎の音声や『ウルトラマン』の科学特捜隊の通信音として流用され、後に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』にも使われた。
- 平成版の基本デザインは初代をそのまま使用している。しかし頭部のみ新規デザインで、昭和版は顔が東洋の「龍」に近いのに対してこの作品では西洋の「ドラゴン」に近いもので、昭和版にあった頭頂部の三日月形の角と頭部の鬣がない。
- 平成版で中央の首が刎ね飛ばされるシーンにおいて血ではなく金粉を噴出させているのは子供層への配慮と海外での規制を考慮しての事であり、川北特技監督らしい工夫といえる。因みに、2021年正月に向けて発売された「ゴジラおせち」のセットには、この「返り金粉」を浴びたゴジラのフィギュアがついていた。
- 前述の色が変更された理由について、当時特技監督の円谷英二の許で働いていた中野昭慶特技監督によると「撮影開始直前に当時スクリプターを務めていた女性スタッフが完成した着ぐるみを見て「金星の怪獣だから金色だと思った」と言う一言を聞いた円谷監督が気に入り、急いで金色に塗り直された」との事。
- 上記の理由で金色になったキングギドラだが、金色の塗装に含まれる真鍮粉が、着ぐるみに使われる合成ゴムを溶かしてしまう致命的な欠陥が有り、昭和ギドラは毎度の修復を余儀なくされた。幸いにもキングギドラはちょこまか動き回るような怪獣ではないため、10年近くもの間同じ着ぐるみを使い回すことができたが、やはり限度はあったのか『対ガイガン』ではその活躍の殆どがライブフィルムであり、『ゾーン』に至っては一歩も動いていない。ちなみに『ゾーン』の撮影後着ぐるみは即破棄された模様。
関連タグ
KGDR:旧グループ名がキングギドラ。
ドゴラ:同じ東宝の宇宙怪獣で、先に登場したのはこちらである。