概要
マイナーではあるが、輝かしき日本における記念すべき宇宙怪獣の第一号である。ベムスターやアストロモンスでおなじみの宇宙大怪獣の肩書を最初に持った怪獣でもある。ちなみにドゴラに続く宇宙怪獣第二号であるキングギドラはドゴラよりも格上であることを示すためか宇宙超怪獣という肩書となった。
日本上空の宇宙空間で放射能の影響により突然変異した宇宙細胞。
アメーバとクラゲが合体したような奇怪な姿をしており、触手で対象物をもちあげたり、空中に浮かばせたりできる。
不定形生物なので体長も体重もはっきりと設定されていないが、大きい時は空一面覆い尽くすほどになるため、最大サイズは数百メートルから数千メートル以上と思われる。
石炭やダイヤモンドを含む炭素系物質が好物で、小型の時より宝石店の金庫からダイヤモンドを奪うという事件を度々起こしており、成長すると炭鉱から大量の石炭を巻き上げて吸収するようになった。
身体はスライムのような状態であるため通常の火器攻撃は通用せず、例え身体が飛び散ってもその破片がまた新たなドゴラとなって際限なく増殖するという厄介な生態を持っている。
劇中では対空砲は全く効果がなく、対空ミサイルで粉砕したところ破片から再生して無数のドゴラになってしまい、世界中に拡散して大変なことになった。
一方、ジバチの毒が弱点で、この毒に触れると身体が化学変化を起こして結晶化してしまう。この性質を利用されて最期は自衛隊の作戦により戦闘機、落下傘、特殊噴霧車両からジバチの毒を噴霧することで退治された。結晶化すると赤、青、黄等のカラフルな岩石状に変化し、空からバラバラと降ってくるので結構危険だったりする。
デザイナーは小松崎茂。
なのだが、当時の技術力の限界かパッケージに描かれているドゴラと実際に画面に登場したドゴラはあまり似ていない。一部シーンではアニメも使用して描かれている。
撮影に使われたモデルはソフトビニール製で、それをテグスでつなげて水槽の中に沈めて操演したという。
ゴジラアイランド
子供向け番組でまさかの復活&ゴジラシリーズ客演を果たす。声優は山口勝平。
原典では炭素物質を常食とする知性はないに等しい巨大な怪物に対し、この時は人間サイズで人語を話せる事ができる死霊界の営業マン(役職は補佐心得)として登場する。
武器は「名刺手裏剣」だが特に殺傷能力は無く、体が破壊されてもすぐに再生する。
語尾に「ですはい」と付けて喋る。
死霊界のリストラから逃れるため、ザグレスに加担してスペースゴジラの悪霊を蘇らせてはゴジラへと取り憑かせ、ゴジラアイランドの怪獣たちを襲わせたが最終的に失敗に終わり、死霊界をリストラさせられて天国へと連行される。
怪獣黙示録
そして2010年代に入って『GODZILLA 怪獣惑星』にて静止画のワンカットだけながら初めてゴジラ映画に登場(ちなみに形態は小松崎茂の元デザインに近いものとして描かれていた)。
カマキラスに続く2番目に出現した怪獣。
前日譚小説「怪獣黙示録」で2002年9月のロンドン襲撃についての詳細が語られ、原典で若戸大橋を破壊したようにロンドン橋を触手で鷲掴みにし、ビッグ・ベンこと時計塔を破壊するだけでなく、多くの英国市民を生きたまま捕食していった(本作のドゴラの食性は説明されていないが、原典通りだとすれば人体を構成する有機物に含まれる炭素原子を餌にしたと解釈できる)。
ちなみに、ドゴラの犠牲になった勇気あるニュースキャスターの言葉は、ゴジラ第1作のニュースキャスターのシーンを思わせるものであった。
その後、調査に当たっていたイギリス人諜報員(同エピソードの語り部)により、原典と同じようにひょんなことから雀蜂の毒に含まれる成分が弱点と判明してしまい、最後は要請を受けたイギリス軍とアメリカ軍によってその成分と同じ化学物質を浴びせられたことで細胞レベルから結晶化されてようやく倒された。
しかし、それまでにこのドゴラの襲撃によってロンドン、マンチェスターの二大都市が完全に破壊され、390万人以上の尊い命が失われてしまった。
正体は不明な点が多いが、イギリスに出現する前日にロシアの保有する宇宙ステーションが原因不明の墜落事故を起こしたことから、宇宙由来の怪獣若しくは宇宙ステーション内で行われていた何らかの実験により生み出された生命体とも推測されている。