概要
別称 | 超電子ロボット | ||
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全高 | 1.8m | 戦闘時 | 50m |
重量 | 150kg | 戦闘時 | 2万5千t |
飛行速度 | マッハ3.5 |
『ゴジラ対メガロ』に登場した人型ロボット。
銀色のボディにトリコロールカラーという、ヒロイックな風貌をしているが、特徴的な厳めしい顔立ちである。
『ゴジラ対メガロ』でのジェットジャガー
超電子の研究者である青年科学者・伊吹吾朗によって生み出された人工知能を持ったロボットとして登場した。
性能としては、「人に会ったらお辞儀をする」「人の言葉に妥当な反応を示す」といった簡単な命令を処理できる程度のものであった。
また良心回路と呼ばれる正しい心を認識する装置も搭載されている。元々は人間サイズで、日常生活をサポートするために開発されていたため、武装といえるものは一切搭載されていない。
一応、飛行能力を持たせられており、空中を高速で飛行できる。
基本的な行動の指示は伊吹の邸宅にある制御用コンピュータへのデータ入力によって行われるが、伊吹本人が持つペンダント型のデバイスからでも超音波信号を利用した音声での指示が可能。
この場合、伊吹邸からのコントロールは打ち切られる。
物語では完成直後に王国の復活を目論むシートピア人によって強奪され、メガロを地上で誘導する水先案内人にされてしまうが、最終的に伊吹たちの元に奪還され、怪獣島からゴジラを呼んでくるように指示を受けて今度はゴジラを誘導、そして帰還後に迫りくるメガロとガイガンを前に良心回路による奇跡なのか、自我に目覚めて自身の意思での行動を始め、突如として巨大化し、メガロとガイガンを相手に勇敢な戦いぶりを見せる。
最初こそ2対1で押されていたものの、ゴジラが救援に来たことで形勢が逆転し、見事メガロとガイガンの撃退を果たした。
戦いが終わると元の大きさに戻り、それどころか自らの意思も巨大化能力もデリートし、誕生当初のような普通のロボットに戻った。強い力は失ったが、優しい心は以前よりも大きくなったのかもしれない。
戦闘能力
武装がないため、もっぱら肉弾戦で立ち向かう。
公式ファンブックなどによると、その武器は「目から発光する強力な目潰しとチョップ」らしい。
また飛行能力も強化され、ゴジラを担いで飛べるほどの推進力を誇る。
設定上では液体窒素を口から噴霧したり妨害電波を発射できるらしいが、使われることはなかった。
もし使用されていたならば、どこぞのくろがねの城がちらつくのは火を見るより明らかであろう。
巨大化の理由
巨大化の原因については不明。
伊吹本人は「ゴジラが来るまで自分がメガロと戦うという正義の心が自身を巨大化させた」と身も蓋もない解釈をしている。
それ以上は公式でもまったく説明がなく、さらに怪獣図鑑などにも細かい記述は一切なされておらず、本当に『奇跡が起こった』という取って付けたような解釈しかしようがない
余談
基になったのは一般公募により選ばれた「レッド・アローン」という怪獣。胴体部分等のデザインにその名残がある。『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するジェットアローンはこれが元ネタである。
顔のモチーフは般若。脚本には「仮面ライダーのようなロボット」と記されていた。
アニメ『クレヨンしんちゃん』のゴジラとの共演回「しんのすけ対シン・ゴジラだゾ」ではボー博士が開発した巨大化アイテムオヤジジェンオオキクナルヤーで巨大化した際このジェットジャガーがゴジラを呼びに行ったときと同じポーズで巨大化した。
そして2023年にクラウドファンディングでジェットジャガースーツ再現プロジェクトが開始される事が決定した。
後発作品のジェットジャガー
ゴジラアイランド
本作ではメカゴジラ、モゲラと共にGガードの主力兵器として登場したが、第2話でX星人の母艦に3体纏めて一瞬で撃墜された。
量産化されており、白いメディカルジェットジャガーや赤い消防ジェットジャガーと言うバリエーションが登場している。
こちらでは設定上の機能が反映され、口から液体を噴射でき、防火タイプは液体窒素を、医療用タイプは薬品を発射できる。
ゴジラ/ゴジラVS
人類側の防衛機として登場する。ゴジラをやっつけるために出撃するが、返り討ちにされると爆発・撃墜されることはなく、ゴジラと握手をする。
怪獣黙示録/プロジェクト・メカゴジラ
アニメ映画版ゴジラの前日譚となる小説『怪獣黙示録』で、異星人ビルサルドの技術を応用して作られた軍用パワードスーツがこのジェットジャガーから取られたと思しき“38式起動戦闘服ジャガーJ”という名称で呼ばれている。
人間とさして大きさも変わらないが、小回りが利くため地底戦車モゲラの操縦(脱出時の安全カプセルを兼ねる)などして大量生産された。怪獣相手にはそれなりの戦績を見せたが、ゴジラには何の相手にもならず、続編『プロジェクト・メカゴジラ』では損傷したジャガーJを修復するために半壊した機体から使えそうな部位をツギハギするという共食いに陥り、しまいには使える機体が無くなって全て廃棄されてしまった。
怪獣人形劇 ゴジばん
ロボロボ博士が開発したロボットとして登場。
製造番号『JJ-23』をもじって『ジェイジェイ兄さん』と名乗り、困っている者を助けるべく奔走する。
巨大化・縮小化は風船の要領で行うという解釈で描かれる。
ゴジラS.P
本作では町工場の「オオタキファクトリー」で造られた用途不明のロボットとして登場。
特徴的な顔立ちはそのままながら、ボディは作中世界観に合わせてアレンジされている。
詳しい解説はジェットジャガー(ゴジラS.P)を参照。
フェス・ゴジラシリーズ
本作におけるジェットジャガーは、日本政府によって最初から対ゴジラ用の巨大ロボとして作られた設定。そのため実写作品で明確にゴジラと対決する様子が描かれるのはこれが初となる。
起動時は両目が青く発光している。
使用されているスーツは、上記のクラウドファンディングによって新造されたもの。
スーツの再現にあたり当時と同じ素材を取り寄せたり、スーツアクターも身長を当時のスーツアクターと同じするなど随所に拘りを入れつつ、よりアクションが出来る様に作られた。
だが撮影が相当過酷だったらしく、『4』撮影1日目で破損してしまい修理が必要になってしまった。
『フェス・ゴジラ 4 オペレーション ジェットジャガー』
ヘドラ、ガイガンといった強敵を葬り、再び東京に襲来したゴジラを阻止するため出動。
俊敏な動きと格闘戦で一度はゴジラを圧倒するも、怒りに燃えたゴジラの猛攻により追い詰められてしまう。
放射熱線でトドメを刺されそうになった瞬間、突如宇宙から飛来したキングギドラの攻撃によってゴジラが倒される。
更なる敵の出現にジェットジャガーは、なんと苦しげに手を天に伸ばすゴジラの腕を取った。
逆光の中、ゴジラを立たせたジェットジャガーはサムズアップを見せた。
宇宙怪獣の脅威に対し、ゴジラとの共闘を選んだのであった…
『フェス・ゴジラ 5 怪獣大決戦』
タッグを組んだゴジラとジェットジャガーであったが、キングギドラの力になす術がなかった。
見兼ねた防衛軍は、新装備「Gクロー」の投入を決定、これを装備したジェットジャガーはゴジラと共に反撃し、キングギドラを一度は倒す。
だが、キングギドラは再び立ち上がり、重力を操る光線「ギドラ・グラビィティ」でゴジラを追い詰める。
しかし片腕のGクローを投擲、キングギドラの腹部に突き刺してゴジラの拘束を解き、そこへゴジラの熱線を纏って切れ味が上がったもう片方のGクローで真ん中の首を斬り飛ばす。
残った左右の首を抑えつけて動きを封じつつ、ゴジラに目線を向けた。
意図を察したのか、ゴジラは放射熱線を放ちジェットジャガー諸共キングギドラを爆散した。
ボロボロになったジェットジャガーは、近寄ってきたゴジラに再びサムズアップをするも直後に機能停止。
動かなくなったジェットジャガーに対し、ゴジラはどこか悲しげな咆哮を響かせるのであった…