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ゴジラ(アニメ映画)

あにめえいがばんごじら

本稿では2017年公開のアニメ映画三部作『GODZILLA』に登場するゴジラについて解説する。
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絶望は進化する

作品については『GODZILLA(アニメ映画)』を参照。

概要

  • 身長:50m
  • 体重:1万トン


西暦1999年以降、地球に出現するようになった全ての怪獣達の頂点に君臨する超進化生命体
その名前は戦略生物学教授のキョウヘイ・ヤマネ教授によって大戸島に伝わる龍神呉爾羅」から名付けられた。

過去作のゴジラ同様、一昔前に想像されていた直立体勢の恐竜のようなシルエットだがその起源は「動物」ではなく植物にあるとされ、植物が成長過程で多量の金属元素を取り込み、突然変異したことで生まれた存在だと考えられている。
怪獣黙示録』に登場した植物怪獣ビオランテはこのゴジラの近似種ではないかという説もある。

黒みがかった青緑色の体色をした非常にマッシブな胴体を持っているが、その体内に骨格と呼べる部分は存在せず、金属に極めて酷似した筋繊維の集合体のみで膨大な質量を支えている。
全身の体細胞電磁石コイルとしての機能を持ち、強い電磁気を発生させる特性および逆に電波を吸収する性質、更には電磁パルスを利用して発生させた電磁メタマテリアルによる非対称性透過シールドを表皮直下に展開する能力を有している。
このシールドの存在に加えてその多層泡状表皮は非常に頑強で、それだけでなく優れた再生能力を有しており、数百発~数千発近い規模の核爆発のエネルギーを浴びて表層がプラズマ化しても瞬時に下層が再生するためそこまでの攻撃を受けてもほとんどダメージにならない。

元が植物であるためか体温は無いも同然であり、赤外線で探知することができない。その上身体の外皮はレーダーの電波を完全に吸収し、水中ではソナーでも探知できないという驚異的な隠密性を備えている(一般的な怪獣は遠方からでもレーダーで探知が可能)。

水中での機動性にも優れ、電磁推進機関を備えているとまで言われるほど当時の潜水艦より速くかつ静かに水中を移動できる。

全身を青白い電光で包んだ後に口先から放つ高加速荷電粒子ビームは一撃で山脈を穿ち、なんと大陸プレートすら溶かしてしまうほどの威力を誇る。推定射程距離は30kmにもおよぶ。また荷電粒子ビームは発射の際に強力な放射線と電磁パルスを発生させるため、民生の電子機器は即座に故障してしまい、軍用のEMP防御が施されたものでも近距離では防ぎきれずに機能停止に陥る。しかも発射時に至近距離にいた場合、深刻な放射能被曝にも見舞われる。

あげく移動経路に深刻な放射能汚染を残す性質があり、ゴジラが出現した場所は丸ごと居住不可能になってしまう(これは後にビルサルドのANB散布によって除染ができるようになった)。

人間の考えの裏を掻けるような高い知能を持っていると推測されるが、同時に他の怪獣と同等かそれ以上に凶暴かつ獰猛であり、メトフィエス曰く「ゴジラは絶対に人類を見逃さない」と評するほど人間に対して強い敵意を秘めている。しかもその攻撃性は人類のみならず他の怪獣にも向けられており、例え戦意を失って逃亡している相手であっても確実に息の根を止めるために執拗に追撃にするなど、その存在は他の怪獣にとってもまさに恐怖の対象であるらしく、ゴジラに襲われた怪獣達は人類が見ても必死さが伝わるくらい鬼気迫る様子で逃げていた。

その圧倒的な戦闘能力および生命力で人類の文明に壊滅的な打撃を与え、強いては人類そのものを地球上から完全に駆逐、それから人類がほとんど居なくなった2万年近い年月を経た地球において生態系の頂点に君臨する存在として生き続け、そして移住計画に失敗し地球への帰還を図る人類の前に最大の壁となって立ちはだかる。

地球脱出組の一人であり、本作の主人公であるハルオ・サカキからは自身の両親の命を奪った仇として憎悪されている。

活動来歴

本作のゴジラにおいて特筆すべきはその被害規模で、最初に出現してからほんの十数年の内に世界全体で数億人以上の人間の命を奪い、最終的には人類の文明そのものを完全に崩壊させるというシリーズの中でもとりわけ過激な設定が付けられている(言うなれば以上のことを単体でやってのけているといっても過言ではない)。

この世界の怪獣は基本的にジラのように生物の延長線上であり、光線も吐かなければまだ通常兵器で撃破可能と、人口密集地帯に現れなければ先進国の軍隊なら十分に撃破可能なものであった。
そんな中でゴジラは高い隠密性を持ち、口から荷電粒子ビームを放ち、核攻撃でも撃破できないというSFじみた能力を有するなど従来の怪獣の概念を覆した存在であり、作中では「ゴジラを知らない時代は(怪獣と戦ってたとしても)まだ幸せだった」とまで言われた。

  • 2030年以前
まだ人類の前には現れてはいないものの、太平洋を縄張りとしていた。そのため太平洋は他の怪獣がほとんど出現せず、人類にとっては比較的安全な領域だった。
5月29日に日本近海の大戸島で不審なカメーバの死骸が発見されたことでその存在が予測され、大戸島の伝承に倣って「ゴジラ」と命名される。以降は太平洋上で行方不明になる船舶の増加、海底火山の噴火のような現象の頻発、さらにゴジラに殺害されたと思しき怪獣の死骸らしきものの目撃例も出始めるなど、この頃より活動が本格的に活発になる。
同年アメリカ西海岸線より初めて人類の前にその姿を現す。この時はゴジラに襲われて逃走していたアンギラスバランバラゴンの3体を追いかける形でロサンゼルスに上陸した。
ロサンゼルスにはアメリカ軍によって怪獣撃退用の強固な防衛線が張られていたのだが、バランに対してゴジラが放った荷電粒子ビームによって発生した電磁パルスで軍事兵器および都市の機能が一斉にマヒ。3匹の怪獣に止めを刺したゴジラは返す刀でロサンゼルスを壊滅させ、その後はアメリカ軍のバンカーバスターによる反撃をものともせずにサンフランシスコまで移動。同市をも壊滅に追いやって海へと帰っていった。
この襲撃で推定約870万人もの犠牲者を出し、アメリカ軍は全力を持ってゴジラの捜索を行ったが、ゴジラの高い隠密性の前にまったく成果を上げられなかった。
  • 2031年
それからわずか1年後、ワシントン州沖で米海軍の空母打撃群を奇襲し壊滅させ、北アメリカ大陸に再上陸、対ゴジラ用に徹底的な要塞化がされたシアトルを壊滅させた。その後コロラドスプリングスに米軍の総力をあげて敷いた防衛線を容易く破って見せ、さらに同軍の最終作戦である約150発もの核兵器を使った攻撃を受けるがそれにも耐えきり、大陸をメキシコ湾まで横断、その後大西洋へと姿を消した。
この結果アメリカ西海岸は壊滅、アメリカの東方面は無事なものの分裂状態に陥ってしまい、一部ではゴジラを聖書の黙示録の獣と同一視し、核による浄化を求めるカルト宗教まで出現した。
  • 2034年
西ヨーロッパに出現。この時は最大で推定約600万人もの人間の命を奪ったとされ、それにより人類は欧州からの完全撤退を余儀なくされた。
しかもそれに伴ってヨーロッパ付近に生息していた他の怪獣もゴジラを恐れて東へ移動。同じく東へ向かう難民に多くの被害が出た。
ヨーロッパを壊滅させたゴジラは北極海に姿を消し、それから数年ほどの間は目立った動きを見せることはなかった。
  • 2042~2044年
8年ぶりの再出現。ゴジラの勢いが最も活発化した時期で、この2年間における8度の出現で行った世界規模での破壊活動により推定総数約3億人以上もの死者を出しただけでなく、人類はその生存圏の内アメリカ大陸東海岸全域、アフリカ大陸北部、ユーラシア大陸の半分を喪失してしまった。
この時の人類は2035~36年に地球に来訪していた異星文明「エクシフ」および「ビルサルド」との同盟により対怪獣用技術を飛躍的に進歩させていたが、そのどれもゴジラに対しては有効策にはならなかった。
  • 2045年
「地球連合軍」が2000発近い大量の核兵器を用いてゴジラを地底に生き埋めにする「オペレーション・グレートウォール(GW作戦)」を実施。この作戦によってゴジラはユーラシア大陸ヒマラヤ山脈の地下に封じ込められ、ここで一時的に進行を停止させられる。
  • 2046年
しかし、それからわずか1年後には熱線で岩盤を破壊して活動を再開。復活後はインド防衛線を突破して進行を続け、ユーラシア大陸で2億人、そして日本では1億人近い人的被害を出すほどの大虐殺を行い、最終的には最初の出現から僅か16年で地球の総人口を推定7億にまで減少させた。
ここまでのゴジラ進撃の結果、人類は生存領域的にも人口的にも完全に追い詰められ、種の存続のために地球を放棄して他星に移住し、そこでの再起を図るという地球脱出計画を実行に移さざるを得なくなったという。
  • 2048年
遂に人類最後の領域となっていた南米大陸にまで進撃。地球連合軍の最終防衛ラインを突破し、同大陸のリオデジャネイロにあった連合本部も陥落させた。そして恒星間移動艦アラトラム号への乗船作業が行われていた宇宙港施設にも襲いかかり、港から飛び立とうとしていたトランスポーターの一機を熱線で撃ち落とした(この時墜落したトランスポーターの爆発に施設に向かっていたバス数台が巻き込まれ、その中の一つに乗車していたハルオの両親が死亡している)。
現時点ではこれが西暦2000年代における最後のゴジラの活動記録となっている。
  • 2万年後
そして地球上から人類が姿を消した後も2万年間の歳月を生き続け、さらにその自身の細胞が拡散してそこからセルヴァムをはじめとする新たな動植物達が生まれて地表全体を覆い尽くし、やがてこのゴジラ自体が地球の生態系の頂点に立った。

デザイン

アニゴジ(公開1ヶ月前時点)
REAL GODZILLA 怪獣惑星


本作のゴジラは植物由来ということで、その基本コンセプトは御神木などの巨木を意識しているとされている。

監督の瀬下寛之によるとモチーフは相撲力士であり、そこから“美しい横綱の型”をイメージしているといい、ゴジラとしてはむしろ異色なデザインだった『シン・ゴジラ』の2016年版ゴジラと違って全体的な体付き自体は割と従来の過去作のものにだいぶ近いスタイルを踏襲している。
胴体の方は上半身から下半身にかけて背中が大きく隆起しているかの如く非常に重厚な体格になっており、それに加えて体全体がまるで筋肉の塊といった感じで、どことなくvsシリーズ版ゴジラ”と“ハリウッド版ゴジラ(2014年版)を足して割りつつさらに大量の筋肉を盛ってボリュームアップさせたようなボディなのが特徴。それに比べて四肢は二の腕や太腿こそ太めだが手足の先は至って細めであり、正面から見るとかなり独特なプロポーションをしていることがわかる。

ゴジラ
アニゴジおGちゃん


一方の頭部は肉食獣というイメージから脱却するためとして身体とは対照的に敢えて小顔にしてあり、頭頂から鼻先にかけてなだらかになっている細めの上顎が特徴で、牙も捕食者ではないということから顎と一体化しているのか生えていない。両眼は顔に埋もれていて分かり辛いが瞳の色は黒がかったブルーあるいはグリーンであり、その顔付きも見る角度にもよるがあまり迫力は感じられずむしろ“大人しくて穏やかそうな表情”という印象を与えている。

体表には苔類が群生しているというイメージを踏まえて全体的に濃いグリーンの色合いの体色しており、そして背中の背鰭のデザイン上のモデルになったのはの葉とされ、よく見ると葉脈のような筋が走っている。

余談

  • “植物ベースのゴジラ”という設定は『ゴジラvsビオランテ』に登場したゴジラの細胞にバラの遺伝子を組み合わせて誕生したビオランテがそうだったが、ビオランテはあくまで“動物と植物のハイブリッド”なのに対し、本作のゴジラは根本からして純粋に植物を起源にしているという、ある意味で前作のそれを超える今まで以上に斬新なコンセプトで作られている。
  • 過去作のゴジラは基本的に“火力”を武器にしていたものが多かったが、本作のゴジラは“電力”を主な攻撃エネルギーとしているのが特徴である。それまでに電力を武器とした例はせいぜい『対メカゴジラ』における雷を吸収して得た体内磁力発生、『vsメカゴジラ』のショックアンカー電撃逆流、そして『GMK』でのキングギドラの引力光線吸収からの増幅放射といった受動的なものしか描かれておらず、自ら電気エネルギーを生成して行使するゴジラはこの個体が初と言えるかも知れない。
アニゴジ妄想まとめ


  • ちなみにゴジラのデザインが公開されるまではこちらのイラストがネット上に拡散し、国内外で公式のものであるというデマが出回っていた。

関連タグ

GODZILLA(アニメ映画) ゴジラ セルヴァム

デスザウラー キングゴジュラス(発売当初よりゴジュラスともどもティラノサウルスがモチーフ、デザイン、能力面で共通点が指摘されていたが、本作のゴジラの来歴設定や能力そして破壊規模は“アニメ版デスザウラー”にも近い。今後の展開次第では下手すればそれ以上かもしれないが)。


















ネタバレ
多大な犠牲を払いながらもハルオ・サカキが立案した作戦によって連続被弾時に僅かに発生する電磁シールドの消失タイミングを突かれてシールド制御器官である背ビレを破壊させられ、その間に背中から多数のEMPプローブを体内に打ち込まれたことで熱線に用いる電磁エネルギーが暴走を起こし、最期には内側から爆発して殲滅された。

これまでのシリーズ中でも人類側の力でゴジラを事実上の敗北まで追い詰めた描写は幾度かあったが、人類の攻撃で明確に「生物としての死」にまで至ったのは54年版ゴジラ以来である。
ちなみに人間の攻撃を原因とする自身の能力の暴発によって倒されるという点はGMKゴジラと同じだったりする。












人類の長い午後


しかし、ハルオ達が撃破したゴジラはゴジラ・フィリウスというオリジナルのゴジラから細胞分裂する形で増殖した別個体(言い換えればゴジラの子供のようなもの)であり、かつて地球人類の文明を壊滅させたゴジラは2万年の時間を掛けて推定“身長300m・体重10万t”を上回る超巨大な生命体に進化を遂げていた。

戦闘能力はさらに向上しており、超大音量の咆哮は指向性の超振動波となって対象を共振現象で粉砕する他、尻尾の先端を帯電させ、それによりプラズマ化した尻尾を高速で振り抜き、強力な衝撃波とプラズマの刃を発生させることで広範囲を攻撃することが可能となった。

人間側がフィリウスとの戦闘後で消耗した状態だったため退避するのが精一杯とは言え、これらの能力を駆使して対ゴジラ作戦の部隊を一瞬で壊滅させた。

あれこれ

  • 新世代の方に付けられている「フィリウス」とはラテン語で「神の子」や「継承者」などを意味する言葉である(参照)。
  • なお、食玩シリーズ『ゴジラ真撃大全』のPB商品として発売されるゴジラ2018のデザインを見る限り、フィリウスとオリジナルの見分け方は下顎と頭頂部で、オリジナルの方は頭頂部に細かい突起があり、さらに下顎の先が微妙に垂れているのが特徴らしい。

みんな大きいな〜!


  • この身長約300m超というのはこれまで映像作品に登場したゴジラの中ではシリーズ最大級と謳われていた2014年の108mおよび2016年の118mを倍以上凌ぐスケールであり、映画公開前の宣伝通り本作のオリジナルゴジラは確かに歴代最大のサイズを誇ることになる。しかしその体重の方は約10万tと、体躯こそ初代ゴジラの5倍とは言えその比重はこれまでのゴジラに対して遥かに軽い
    • 映像以外の媒体も含めるのならマーベル・コミックスに登場した個体は身長/全高184mであったが、やはり今作のゴジラはそれをも遥かに上回っている。
    • 体重に関してはこのシリーズでのゴジラは植物を起源とする生命体という設定からゴジラの筋繊維は炭素繊維(カーボンファイバー)を参考にしてると推測され、実際、鉄と比べると比重で1/4、比強度で10倍、比弾性率が7倍あり、耐摩耗性や耐熱性に電気伝導性などに優れている炭素繊維の特徴はこのシリーズのゴジラの特徴に合っていると思われる。

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