「地球人類の諸君、我々はエクシフ。監視者にして預言者である。我々は君たちに運命を告げに来た。滅びの時が近い、献身の道を見出すのだ」
概要
はるか太古の昔に「絶対的な破壊の力」によって、ペルセウス座にある母星「エクシフィカルス」を滅ぼされ、宇宙を放浪していた宇宙人。
外見は長身で金髪の白人という風にしか見えないものの、よく見ると耳の形状と位置が地球人類と異なっており、また見かけは若くても、実際は地球人類の2倍以上の寿命を持っている長命な種族である。
母星を失って以降は「自己犠牲の献身による魂の救済」を教義とする信仰を広めて廻っており、ゴジラの出現で滅亡の危機に追いやられた地球人類を救済しようと、2035年にニューヨークへ飛来した。
計算に長けており、エクシフが使用する水晶状のコンピュータゲマトリア演算結晶や、祭器ガルビトリウムによる計算によって、未来を見通すことさえも可能であるという。
自己犠牲の献身を説くのは伊達や綺麗事ではなく、前日譚の小説でも描かれた通り怪獣対策のための協力は惜しまず、時には自らが乗ってきた宇宙船さえもゴジラとの戦闘で差し出したほどであった。
ゴジラという文字通りの黙示録の獣の出現によって既存の信仰が力を失う中、エクシフの信仰は人々の心の支えとなり、着実に信徒を増やしていった。
ゴジラ出現以前にも地球へ飛来したことが示唆されており、「ゲマトロン演算」など彼らの使う固有名詞にはラテン語に類似したものがいくつも見られる。
地球ではビルサルドとともにゴジラ対策に尽力したものの力及ばず、最終的には人類およびビルサルドとともに宇宙船で脱出。
地球帰還に際しては三種族で協力関係を築きながらゴジラ討伐に挑む
……というのは建前であり、真の狙いは「エクシフが信仰する『黄金の終焉』にゴジラもろとも地球を捧げること」、すなわち「地球の滅亡」である。
かつてのエクシフは極めて優れた文明を誇っていたが、計算による未来予知の結果「どれほど栄えた文明であっても滅亡は回避できない」と悟ってしまった。そこでエクシフたちは、どうせ滅びる定めにあるならばより高次元的存在である神と合一することこそが祝福であり救いであると考えたため、自らの文明を供物として捧げてしまった。
その後、宇宙の各地に散ったエクシフたちは「種」である各地の星々の文明へ干渉し、「花」である人と文明を発展させ、最後に「果実」であるゴジラに相当する怪獣を星が作り出すと、それを惑星文明ごと神へ捧げるという行為を繰り返し続けてきたのである。
地球人もエクシフたちに目をつけられた文明の一つであり、文明の発展からゴジラの出現まで、一連の流れはすべてエクシフの目論見通りであった。
高次元的存在など観測したことがない地球人からすればその真意を知ったなら猛反発しただろうが、エクシフたちはこの一連の行為を「高次元的存在に喰われることによって大いなる存在へ合一し、今の次元を超えた存在に進化するために必要な行為」と捉えており、破滅どころか「神の祝福」「究極の献身による救済」と全員が信じて疑っていなかった。
また、言語を介さない意思疎通や相手の思念を読むことなどを可能にするテレパス能力を所持しており、地球人やビルサルドなどのテレパスを持たない種族にはそれを隠して、密かにエクシフ同士で意思疎通して自分たちの計画を進めていた。
余談
過去作品のX星人はキングギドラなど怪獣を操って地球侵略するというのが常であったが、アニメシリーズのエクシフは逆にキングギドラに相当する怪獣に奉仕しているというユニークな設定になっている。尤も、「エクシフが勝手にそれを神格化して自らの信仰のためにその生態を都合よく利用している」という解釈も可能なので、一概に関係が逆転しているとも言い難い。
計算に長けているという設定は『怪獣大戦争』のX星人、テレパシー能力を持ち、あるものを収穫するために地球に飛来するという設定は『ファイナルウォーズ』のX星人からの引用になっている。また後述の「X星語」ではないが、彼らの神を象徴する祈りのポーズを取るという習慣を持つ。
母星エクシフィカルスについてはその存在座標がBD+48°740系第4惑星という設定になっているが、この「BD+48°740」というのは地球から見てペルセウス座の方向に約2400光年離れた位置に実在する恒星である。現在は赤色巨星となっている。
初期のアイデアではオリジナルのX星人と同様にサングラスをかける案も出たようだが、流石にボツになっている。