「さあ、伏して拝むがいい———黄金の終焉を」
概要
CV:櫻井孝宏
異星人種族「エクシフ」の軍属神官(大司教)
年齢は50歳(人間換算で25歳)。階級は中佐。
中央委員会所属のエンダルフ枢機卿に変わり、大神官として教団を組織しその人格と博愛主義から人種を越えて信頼を集めている。
ゴジラへの復讐に燃えるハルオ・サカキのよき理解者でもあり、危険は承知のうえで密かにアラトラム号のデータベースから機密事項となっているゴジラの情報をハルオに託し、彼の「対ゴジラ戦術案」の情報を船のネットワークに流し、中央委員会に地球帰還を促した。
地球降下作戦の隊長であったエリオット・リーランドの戦死後は次に階級が高かったため隊長職を引き継いだものの、その権利をハルオに託し対ゴジラ作戦を実行に移した。
しかし、その後に出現したゴジラ・アースについてまるでその出現を歓迎するかのような台詞を述べたり、ビルサルドのナノメタル技術を用いて何らかのアイテムの修復を依頼する等、不穏な動きも見せており、ハルオとゴジラを利用して何かを企んでいると思われるが、真相は未だ不明。
さらにゴジラ・アースの圧倒的な猛威に対して強い恐怖感を植え付けられてしまったハルオに、「それ以上の脅威を知ればその恐怖も和らぐ」としてエクシフの間では禁忌とされている“かつて自身の母星を滅ぼした存在”の名を告げている。
余談
- 名前の語感が悪いためか、ファンからは「櫻井」で呼ばれることが多く、ほかに「メトフェイス」「メフィラス」など間違った名前で(わざと?)呼ばれてしまっていることが多い。
- 瀬下監督によると、名前の由来は「メフィストフェレス」とラテン語の「7(septem、セプテム)」をアナグラムとしてもじったものとのこと。7なのは、7という数字がエクシフの信仰する神の象徴という設定が作中にあるためである。
- ハルオの(一応の)理解者なのも含め、様々な要因からヒロインと言われることも。
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メフィストフェレス…劇中の活動から何か裏があるように振る舞う所などからオマージュと思われる
メフィラス星人 - 上記のメフィストフェレス由来の宇宙人。上述した理由であまりに胡散臭いことから「メフィラス星人メトフィエス」だの「メフィラス星人櫻井」だの言われることもある。
以下、最終章のネタバレ注意
「来たれ、ギドラよ!我らに栄えある終焉を!」
最終章「星を喰う者」で本格的に動き出し、その真の目的が明らかになる。
表向きこそエクシフ族長はエンダルフで、メトフィエスはその役割を一任された大司教に過ぎなかったが、実際にはメトフィエスこそがエクシフのトップであり、エクシフ教皇の血を継ぐ「皇子」であった。彼らもまたフツアと同様、言葉に発することなく意思疎通ができるテレパス能力を所持した種族であり、それを利用して地球人やビルサルドに秘め隠して自分たちの計画を推し進めていた。
メトフィエスは手始めに、メカゴジラシティ敗北によって絶望した地球人類に自らのカルトを布教し、大幅に信者を増やすことに成功する。この時、ハルオがナノメタルに侵食されなかったことを「奇跡」と称することで信者を湧かせるが、ナノメタルに侵食されなかったのはフツアの鱗粉が抗体になったからだとマーティン博士に聞かされたハルオからは不審を抱かれ問い詰められる。
やがて、「神」を降臨させる儀式についてエンダルフとテレパスで交信しているところをミアナに見つかり、テレパス能力での問答となる。地球人に能力を隠して暗躍するメトフィエスにミアナは「何をもって祝福とするのか、皆をどこに連れていくのか」と聞くが、メトフィエスは「それを聞くからには捧げ者になってもらう」と本性を表し、ミアナを捕らえてしまう。
そして信者を集めて儀式が始まり、遂にエクシフが神と崇める高次元怪獣「ギドラ」を降臨させ、アダムら地上降下部隊の大半とアラトラム号を生け贄として捧げる。
ギドラは地上にも出現しゴジラ・アースと激しい戦いを繰り広げ、メトフィエスはその戦いを眺められる場所に祭壇を作り、捕らえたミアナを張り付けにしていたが、そこにハルオが現れる。
するとメトフィエスはハルオにエクシフの真実を語り出す。
それは、彼らエクシフの文明はギドラに滅ぼされたのではなく、自らを母星ごとギドラに供物として捧げたこと。そしてそれ以降、生き残った神官が数多の惑星を巡って文明の発達を促し、その果てに怪獣が生まれると、その怪獣と文明を惑星ごとギドラに捧げることを繰り返してきたこと。
王たるギドラによる終焉、それこそがエクシフの称える「祝福」であった。ハルオは怒りを爆発させるが、メトフィエスは右目にはめたガルビトリウムでハルオの精神を支配してしまう。
精神世界でメトフィエスはハルオに語り掛け続ける。
この世界に永遠など無く、いずれは滅びが来る。滅びが必然ならば、その滅びを誇り高く受け入れるべきではないかと。「英雄」たるハルオがギドラを望むことで初めてギドラは完全な形でこの宇宙に現れ、終焉をもたらすことができる、と。卵の力を借りたマイナの介入を受けながらも、メトフィエスはハルオに終焉の意義を伝えようとする。その中で、かつてタウe星に着陸しようとしたダイチ・タニらが乗る揚陸艇の爆発事故も、自らの差し金であったことを告白する。
苦しみ抜いての終焉は、彼らに相応しくないと思っての事だった。
しかし、ハルオはメトフィエスを拒絶し、精神世界から脱する。そしてメトフィエスの両目をガルビトリウムごと潰し、「眼」を失ったギドラはゴジラに敗れ去り、その余波はハルオとメトフィエスを飲み込んだ。ギドラが消えた後、メトフィエスはハルオの怒りと憎しみを称えながら静かに息を引き取る。
「その命がある限り、ギドラはお前を見ているぞ」と言い残して。
ネタバレの余談
- メトフィエスがハルオに抱く感情は、担当声優の櫻井をして「愛情」であるとされている。事実、メトフィエスは計画に不必要なほどハルオに固執していたことがエンダルフとの会話で示されており、ハルオが「英雄」として大成しなくてもギドラによる終焉をもたらすことは可能だったとされる。それを、計画を先延ばししてまでハルオに肩入れしたのはメトフィエス個人の意志である。ゴジラに果敢に立ち向かい続ける「英雄」ハルオの姿にメトフィエスは本心から魅せられ、そしてエクシフが考える最高の祝福によって、ハルオの救済を望んでいたのである。
- 一方で、ハルオの持つ「ゴジラへの憎しみ」はメトフィエスが20年かけて育てたものだと明言されている。監督いわく名前は「呪い」であり、名前を呼ぶことが呪文のようにその人物を形作るという。そして劇中でもっとも「ハルオ」という名前を口にしているのはメトフィエスであり、そうやってギドラを招く「英雄ハルオ」を丹念に作り上げていった。もっとも、ハルオ自身に憎しみの始まりがあったこともまた明言されており、最初は小さく燻っていた憎しみを20年かけて激しく燃え盛らせたのがメトフィエスだと言える。
- 『星を喰う者』の序盤でメトフィエスがフツアの神がいる部屋に向かい、ミアナに制止されるというシーンがあるが、監督の発言によるとメトフィエスはテレパス能力で「あそこに何か(強い力が)ある」と感じ取って足を向けただけで、特別何かをしようと思って移動したわけではないらしい。
- 『星を喰う者』について、櫻井のあまりの熱演ぶりから「櫻井ボイスの宗教洗脳映画」という評もある。11月15日には上映後に櫻井や瀬下監督のトークイベントが行われる『メトフィエスナイト』が開催され、メトフィエスっぽい白の服で集った参加者たちが配布特典のゲマトリア演算結晶体を手にギドラ召喚の儀式を執り行った。