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概要

※以下、『GODZILLA』のネタバレを含みます。


メカゴジラ

体高50m
体長100m
重量30000t

正式名称は「対ゴジラ超重質量ナノメタル製決戦兵器:メカゴジラ」。

人類が異星種族ビルサルドの主導の元で開発を進めていた「地球連合」の対ゴジラ用最終決戦兵器ともいうべきゴジラを模したロボット怪獣。


身体はビルサルドの技術によって生み出された自立思考金属体「ナノメタル」で構成されており、さらに高度な量子コンピューターとAIを搭載している。

建造計画に関してはビルサルドのムルエル・ガルグが立案したものとなっている。

開発には100ギガワット級ビルサルディア型(ΩIII型磁場閉込式)熱核融合炉4基からの大電力を受け、地下のナノメタル生成棟・メカゴジラ組立棟・AI製造棟を稼働させて計736名の人員によって進められた。


ゴジラを確実に倒せる兵器を開発する「プロジェクト・メカゴジラ」に基づき日本の富士山麓宝永第一火口縁南方2km地点地下約200mの地点に設置された大規模な建造プラント「地球連合軍・戦略技術研究所・ナノメタル研究センター併設メカゴジラ開発プラント」、通称「メカゴジラ建造工場」にてそのナノメタルの精製も含めて約4年の歳月をかけて建造されたもので、その時間稼ぎのために行われた「オペレーション・ロングマーチ」および「オペレーション・グレートウォール」と呼ばれる大規模な作戦を経て完成した。

そして2046年3月のゴジラ日本襲来における「富士裾野決戦」に際して初起動が試みられるが、なんらかのトラブルにより起動に失敗、しかも直後にプラントがゴジラの直接攻撃を受けたため出撃することすら叶わずにそのまま施設ごと放棄されてしまった。


このメカゴジラの喪失が「地球連合」が人類(とエクシフおよびビルサルド)の一部を地球から脱出させるという最終計画を発動する決定的な要因になったと言われている。


ちなみにエクシフのメトフィエスは、ビルサルドのメカゴジラ開発がゴジラ打倒のみならず“その後の地球侵略”を想定してのものだった可能性について言及していたが、真偽のほどは不明。


武装

ビルサルドが開発した量子コンピューター「ザル・ジⅠ型」とエクシフのゲマトロン演算アルゴリズムを応用したAI「デインデ」での対ゴジラ戦シミュレーション結果を基にした武装が施されている。

攻撃手段としてナノメタルの自在変形機能を最大限活用した以下各種兵器による連続飽和攻撃が想定されていた。


収束中性子砲

頭部ナノメタルプレート変形で生成した特殊砲身及び発生装置による荷電粒子砲の一種。中性子透過力を利用し、対象の外殻を貫通、体内組織を融解させる。


ブレードランチャー

鋭角部位である背部ブレードを電磁カタパルトで射出し、誘導操縦飛行させて対象を切り裂く質量弾体攻撃。


ハイパーランス

前方両腕部高速伸張及び急速粒子圧縮で硬質化させた槍状変形体による対象打突・貫通攻撃。500m程度を最大伸張として射程とする。最大硬質化先端による対象貫通後は、対象体内へとナノメタル粒子充填・侵食を行う。ナノメタル最大硬質化時のモース高度及びビッカース硬度についてはともにダイヤモンドの約10倍に到達するとされる。


テイルブロー

尾部全体をムチ状運動させた対象への切断攻撃。上体捻り運動による尾部先端速度の超音速化、プラズマブースターによる運動方向への追加加速、尾部形状の刃形状変化、ヒレ状ブレードの高速往復運動等の複合効果で、対象の切断、衝撃波粉砕を行う。


そして防衛手段として、ナノメタル粒子散布型熱エネルギー緩衝層を周囲空間へ形成、エネルギー兵器の拡散防御を行う(上記の通り、この能力は後にメカゴジラシティ機動時に実際に披露されている)。実体質量弾に対する防御も可能。また、メカゴジラ外殻部位各部の瞬時変形による積層耐熱装甲板も装備している。


『決戦機動増殖都市』でのメカゴジラ(ネタバレ注意)

そんなメカゴジラであったが、シリーズ第2弾の「決戦機動増殖都市」のイメージビジュアルにはこの時喪失したはずのメカゴジラと思われる巨大な機械兵器が描かれていた。

「機動」という意味深なタイトル名であることもあり、さらに正式版ビジュアルには「人類最後の希望〈メカゴジラ〉が、起動する」というキャッチコピーと共に目を光らせながら立ち上がるメカゴジラが写されていたことから、2作目で満を持して登場してくれるのではないかという期待の声が高まっていた。

決戦開戦〇五一八決戦!メカゴジラ





そして何と、映像中に登場したのは我々の知る「メカゴジラ」ではなく、頭部ユニットのみ残存していたメカゴジラが「ゴジラを倒せ」というコマンドに従って2万年かけてプラント跡地を中心にひたすらナノメタルを増殖させて築き上げた巨大都市“メカゴジラシティ”だった。ゴジラが2万年を経て山のように巨大な存在に進化していたのに対抗して、メカゴジラもまたゴジラ以上に大規模な都市に増殖進化を遂げていたのだ。


コマンド一つで(時間はかかるものの)どんな武器や装甲でも生成し、ナノメタルを空中に散布すればゴジラの熱線すら偏向・拡散させるというもはやチート。ビルサルドの母星はすべてをナノメタルで管理していたというが、いったいどのような世界だったのだろうか…


その大きさはかつて打ち捨てられた富士山麓のシャーレ状に山体崩落した盆地(かつてゴジラがメカゴジラの開発プラントを熱線で破壊した際に作られたもの)にある兵器廠の跡地を起点に北西14kmの範囲にまで広がっているという非常に広大なもの。


自身の周辺に特殊な熱光学遮断フィールドを形成して2万年もの間ゴジラの目から逃れており、施設に近づいてきたセルヴァム等のG細胞由来の敵生体はナノメタルを使ったトラップで排除していた。


またナノメタルの特性上、必要な設備や装備が発生した場合は自己生成能力によって内部と外部の好きな場所に製造・設置する事が可能。これによって改良型レールガン砲台やパワードスーツをベースとした新兵器「ヴァルチャー」が開発された。さらにナノメタルの粒子をシティ周辺に散布すればゴジラの熱線を反射する特殊な力場を発生させ、シティを守ることができる。


ただしナノメタルは基本的に特殊な指示さえなければ生きた人型生物を襲う事は無いが、死体となった時点で浸食が開始され、さらには生きた有機生命体の肉体にも同化作用を及ぼすため、排除したセルヴァムを都市及びフィールド形成の材料として吸収するばかりか、2万年前のゴジラ襲撃の際に逃げ遅れた犠牲者達の遺体もナノメタルで覆われた状態で当時の姿のまま放置されていた。さらに施設内にいる人間を生きたまま取り込むことでシティと一体化させるといった機能も備わっており、劇中では志願してのものであったとは言え、ビルサルドの兵士の何人かをナノメタルを介して同化させてはシティの一部として取り込んでいた

フツアはナノメタルの特性を生かして武器や刃物を製作しているがその危険性も理解しており、ミアナマイナはそれを「毒」と表現し、後にハルオ・サカキとメトフィエスも地下で無限増殖を続けていたナノメタルを目の当たりにして地球環境を完全に作り換えたゴジラと同質の存在のように捉え、前者は次第に「恐ろしい物」と認識するようになり、後者も「禍々しい物」と形容している。

さらにナノメタルが生体をも取り込むという事実が明らかになると地球人とビルサルドの間に不和が生じるなどの問題が起こり始める事になる。

フツアはナノメタルと相性が悪いためシティ内部には入ろうとせず、彼らの持つ鱗粉で治療を施された者も長時間シティに滞在すると次第に体調を崩していく。


尚、ゴジラと対峙したのはメカゴジラシティであり、ロボット怪獣としてのメカゴジラ本体の活躍は一切無い前日談の小説も含め)。そのため上記の武装も映像化はされていない(ただし改良型レールガン砲台は収束中性子砲のデータを応用していると思われる)。

もっともビルサルドからすればメカゴジラは単に地球人を納得させるための方便で、重要なのはナノメタルの方であったと思われる。


劇中での活躍

フツアのミアナとマイナの案内によってハルオ達に発見され、ムルエル・ガルグがコントロールを管轄する事で、対ゴジラ用要塞として改造された。


以前ゴジラ・フィリウスを撃退したハルオ考案の「対ゴジラ戦術案」をさらに発展させ、まずシティ内部に巨大なトラップフィールドを設置し、次に複数のヴァルチャーを使ってトラップフィールドに誘導、液状化させたナノメタルをゴジラの足元に流し込んで動きを止め、そして最後にはEMPプロープハープーンを弱点である背鰭に撃ちこんで内側から破裂させる作戦が立てられた。


シティへのゴジラ接近が予期されるとハルオ、ユウコ、ベルベがヴァルチャーでの誘導役として出撃、作戦通りまんまとトラップにゴジラを誘導し、プローブの打ち込み自体には成功したが、ゴジラが全身を赤熱化させてプローブを焼き切ってしまうという不測の事態が発生(本作の予告編で登場する、全身が真っ赤に染まったゴジラはこの時の姿である)。これによって発生した高熱波でシティは焼き尽くされようとしたが、ナノメタルの特性を利用してガルグがメカゴジラシティと、ベルべがヴァルチャーと一体化し、機体ごと特攻させることで攻撃を続行しようとする。

しかしそれによってハルオとユウコも無理やりナノメタルで機体と一体化させようというビルサルドたちの思惑を拒絶したハルオがコントロールセンターを破壊したことでシティの全てが機能を停止、直後にゴジラの熱線を受けてシティは大爆発を起こし、完全に失われてしまった。


なお、ガルグは「我々人型種族こそがゴジラと呼ばれるに至らなければならない」と述べ、人間であることを捨ててでも自らがゴジラを超える存在になるとの考えからこれを実行したが、ハルオは「人間としてゴジラに打ち勝つ」と考えており、また他の地球人も人間性を失うことを受け入れることができなかったことが対立の原因であり、ビルサルドに悪意はなかったどころかそれが普通のことだと思っていた(逆に彼らからすれば個人や肉体に固執する地球人の方が理解できなかったと思われる。2万年前にもヒマラヤ山脈を破壊する是非に関して似たようなことが起きていた)。


なお、ハルオはナノメタルの浸食を受けた際に作戦前にナノメタルと親和性が悪いというフツアの鱗粉による治療を受けていたおかげなのか拒絶反応が起きたために辛くも取り込まれずに済んだ(一方のユウコはそのままナノメタルの浸食を受け、肉体がそれに耐えきれずに結果的に脳死状態に陥ってしまった)。


また、最終章『星を喰う者』では志願していないにもかかわらず侵食されたのはハルオとユウコだけでなく、シティから脱出しようとした降下部隊の生き残りも暴走したナノメタルに襲われ、シティに取りこまれた者がいたことが判明している。そちらでもフツアの治療を受けていた者は接触しても取りこまれずに助かっており、その事をある人物に利用される。



デザイン/コンセプト

アニゴジメカゴジラ

メカゴジラ本体の全体的なシルエットは確かにゴジラのそれに近い感じだが、まるでフレームだけで構成されているような骨格風のボディに、その各部からは無数のブレードやエッジが突き出しているという極めて刺々しいデザインが特徴で、何より頭部はある程度はゴジラに似せていた従来のメカゴジラと違い、『スターウォーズ』のミレニアム・ファルコンをデフォルメして取り付けたような昆虫の頭にも見えるなんとも形容しがたい独特な形状をしている。

これは“人間とのコミュニケーションは出来そうにない”という雰囲気を出すためウニなどをモチーフとしてデザインされたからとされる(参照)。


シティの方は多くのドーム状の建造物が連なる旧メカゴジラ建造プラントを模した外観で、富士裾野の中心部で増殖するカビ粘菌のような存在をモチーフにしている。

メカゴジラシティの建物群はメモリの中に残っていた本来の姿と開発プラントのパーツをコピー&ペーストする形で建造されているため、メカゴジラの腕部パーツが廊下の壁面を形成していたりなど、シティ内は奇妙な連続性のある風景となっており、また内部へ入る際にユウコが「まるで怪獣の体内に入るみたい」と言い、施設内の大型のドアを開ける時にまるで怪獣の咆哮のような音を発していた。


プラントのデザインは「公害が多発し、技術とか経済発展が最優先だった時代の工場」


ちなみに、頭部から特にその雰囲気は魚のキホウボウにも似ていなくもない(頭部の突起や体の棘などから)。


余談

  • 歴代で唯一ミサイルを装備していないメカゴジラとなる。なお「流体金属を操る」という性質はゴジラvsメカゴジラの初期案に存在していた金属生命体『ベルサーク』、要塞を思わせるシティは『ゴジラ伝説 アスカの要塞』という没企画に登場する『アスカ要塞』と、2つの怪獣(?)との類似点がある。
  • 本編以前の世界状況について説明していた歴史年表資料の中でもメカゴジラが作られていたことが示唆されており(資料の公開当初はこのメカゴジラの部分を記載していた箇所は黒塗りという形で隠されていたが、後に黒塗りは消されてその存在が明らかにされた)、さらに第一章本編にも序盤の記録映像シーンにおいて僅かではあるが登場している。
    • 一般人にもメカゴジラの存在は公にされていたようで、これまでにエガートン・オーバリーという映画監督によってなんと5作ものこのメカゴジラを主役にした映画が作られていたという。しかもその宣伝文句には「宇宙を飛び、ミサイルをぶっ放す!」「新世紀覇王誕生」などどこかで聞いたものを捩ったようなコピーが使われていたとか。
  • 本作のメカゴジラは上記のように今までのメカゴジラ達と比べても非常に前衛的で複雑なデザインをしていることから発表当初は「こんなの立体商品化できるのか?」と言われていたが、それから間もなくプレミアムバンダイでのフィギュアが発売された。幻のゴジラVSメカゴジラ(怪獣体)を見たかった人は、これでゴジラと共にブンドドしよう。
    • その後、ゴジラオーナメント特撮大百科Miniシリーズにおいてなんとメカゴジラシティが立体フィギュア化を果たした。本編で活躍したのはこちらだったとはいえ、立体化に向いた造形とは言い辛い存在だっただけに多くのファンが初の立体化に驚愕した。Miniシリーズの常として4cm足らずのミニサイズだが、ドーム状の構造物からゴジラを足止めしたトラップポイントまで細かく再現されている。
  • もしハルオがナノメタルを受け入れ、ビルサルドの自爆攻撃作戦を実行していたならゴジラ・アースに勝利していただろうと監督から明かされている。しかしその場合はメカゴジラシティが新たなゴジラとして地球に君臨していただけでなく、後に到来する存在に対してメカゴジラシティでは為す術がなく地球ごと喰らい尽くされていただろうとも述べられている。
  • メカゴジラが起動に失敗した原因は映画では明かされず、設定資料でメカゴジラのAIにゲマトリア演算が用いられていることからファンの間ではエクシフの関与を疑う声が上がっていた。そしてノベライズ版『星を喰う者』で、かつてメカゴジラが起動に失敗したのも、メカゴジラシティのハープーンが幾度のエラーに見舞われたのもメトフィエスらエクシフの差し金だったことがハルオから確信的に語られた。
  • これまでとは一線を画すデザインや設定を提げ活躍したメカゴジラであったが、その結果「CGでしか表現できない新しいメカゴジラが見れた」と評価する声もあれば、「ロボット怪獣のメカゴジラとゴジラの対決が見たかったのに期待していたものと違った」との批判もあり、賛否が分かれる存在となってしまった(後者は『決戦機動増殖都市』に登場するメカゴジラがメカゴジラシティである点を触れている予告は少なかった、いわゆる「宣伝との相違」があったことも一因とされている)。
    • またメカゴジラシティの「ゴジラを倒しうる力を持っているが、それ自体が新たな禍根を産む」という構図は、ゴジラシリーズにおいて禁忌の発明ともされているオキシジェンデストロイヤーに非常に酷似している。それを躊躇するどころか素晴らしき叡智と繁栄だと称して使用するガルグらビルサルドは初代芹沢博士のIFの姿とも言えなくもない。
  • なお瀬下監督はインタビューにて、当初の構想では「メカゴジラシティが飛び立って巨大メカゴジラになる」「メカゴジラシティが最後に合体して、全高1kmのメカゴジラになってますよ」というものもあったと発言しているため、少なくとも最初はロボット怪獣としてのメカゴジラが登場するシーンの構想もあった模様。

関連動画

MMDによって制作された二次創作動画。

設定として存在した武装を(想像し得る描写により)徹底して使用し、ゴジラとほぼ互角の戦いを繰り広げる様を描いている(オリジナルビデオなので中性子砲やテールブローなどの描写が公式と異なり、公式にはない装備もあるので注意)。


こちらの二次創作動画にも、10:30から登場。

ナノメタル自在変形でレールガンやEMPハープーンを出現させたり、カメラワークが本編を彷彿とさせるなど、『決戦機動増殖都市』本編に寄せている。


関連タグ

GODZILLA(アニメ映画) ゴジラ メカゴジラ プロジェクト・メカゴジラ


リバースギロン瀬下寛之がメカゴジラの「ブレードランチャー」のアイディアをギロンの「鱗弾」に再利用した可能性が指摘されている。

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