インディアナポリス
いんでぃあなぽりす
インディアナポリス(英語:Indianapolis)は、アメリカ合衆国のインディアナ州に属する都市。同州の州都で最大の都市。88万7642人の人口、都市圏人口約210万人を擁し、この地は州都として計画的に設計・建設された。
1911年5月に初めて開催された「インディ500」は、世界3大自動車レースの1つに数えられる。戦没将兵追悼記念日の前日の日曜日に、マリオン郡西郊のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催される。
かつてはデトロイトに匹敵する自動車産業の中心地であったが、現在ビッグ3の工場は全て閉鎖された。今ではむしろケミカル産業の都市として知られ、全米有数の医薬品大手イーライリリーの本社があり、また医療の街、学術都市としても知られる。
そのため、他の都市のように人口減が起こらず、ラストベルトに位置し、歴史のある都市にしては治安も悪くなく、人口は増加を続けている。
1820年1月にインディアナ州議会は、新たな州都として中部の場所を選択する委員会を設置した。その後州議会は、1821年1月にこの地をインディアナポリスと命名して承認した。1847年3月に市として成立し、1970年1月に市郡となった。
NBAのインディアナ・ペイサーズとNFLのインディアナポリス・コルツが本拠地としている(名前がコルツなのは競馬が盛んだったボルチモアにフランチャイズを置いていたため)。また、MLBのマイナーチームにインディアナ・インディアンズというチームがあるが、こっちはインディアンのままの上にピッツバーグ・パイレーツ傘下である。
重巡洋艦「インディアナポリス」
ポートランド級重巡洋艦の2番艦。艦名はインディアナポリス市に因む。
ポートランド級は艦隊旗艦として設計され、旗将と幕僚のための設備を有していた。第5艦隊司令官レイモンド・スプルーアンスはインディアナポリス市で育った思い入れから、「インディアナポリス」を旗艦とする事が多かった。
1930年3月31日起工、1931年11月7日進水、1932年11月15日就役。
1933年7月1日、カンポベッロ島(カナダ)からフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領を乗せ、アナポリスに向かった。
9月6日、パナマ運河、ハワイ、サンディエゴを視察するため、クロード・アウグストゥス・スワンソン海軍長官が乗艦した。
11月1日、偵察部隊旗艦となった。
1934年5月31日、ニューヨーク港での観艦式のため、ルーズベルト大統領を乗せた。
1936年11月18日、チャールストン(サウスカロライナ州)でルーズベルト大統領を乗せ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイを親善訪問。
1941年12月7日、日本海軍が真珠湾攻撃。太平洋戦争が勃発。「インディアナポリス」はジョンストン島で模擬砲撃訓練を行っていた。
12月13日、真珠湾に到着し、第11任務部隊(空母「レキシントン」基幹)に加わった。
1942年2月20日、第11任務部隊はラバウル基地攻撃に向かう途中、ブーゲンビル島近海で日本海軍基地航空隊に空襲を受ける。損害はなかったが、空襲回避のため燃料を消費したためラバウル攻撃は断念された。
3月10日、第11任務部隊は第17任務部隊(空母「ヨークタウン」基幹)と合同でラエ、サラモア(ニューギニア島)の日本軍を攻撃。
8月7日、キスカ島(アリューシャン列島)の日本軍を艦砲射撃。
1943年1月12日、アムチトカ島上陸作戦を支援。
11月5日、中部太平洋艦隊(のちの第5艦隊)司令官レイモンド・スプルーアンス海軍中将の旗艦となる。スプルーアンスは旗艦設備が戦艦のものよりも狭いのを理由に不要な幕僚をリストラした。
1944年1月31日、クェゼリン環礁を艦砲射撃。
3月30日、パラオ大空襲を支援。
6月14日、サイパンの日本軍を艦砲射撃。
6月19日、マリアナ沖海戦に参加。
8月10日、アメリカ軍のグアム島奪還後、最初にアプラ港に入港した。
8月26日、スプルーアンス海軍大将と幕僚が帰国し、第3艦隊(司令官:ウィリアム・フレデリック・ハルゼーJr.海軍大将)の指揮下に入る。
9月12日、ペリリュー島への上陸作戦を支援(ステルメイトII作戦)。
1945年1月、スプルーアンス海軍大将の将旗を掲げ、第5艦隊旗艦となる。
2月19日、硫黄島上陸作戦を支援。
3月14日、ウルシー環礁から第58任務部隊と共に日本本土空襲に向かう。
3月24日、沖縄上陸作戦(アイスバーグ作戦)に先駆け、艦砲射撃を行う。
3月31日、日本陸軍の特攻機が突入。慶良間列島の洋上で修理救難艦「クランプ」により修理を受けるが損傷は大きいと判定され、第5艦隊旗艦を戦艦「ニューメキシコ」と交代し、本格修理のためメア・アイランド海軍造船所に向かう。
7月16日、テニアン島へ運ぶ最高機密の荷物(中身は原子爆弾の部品と濃縮ウラン)を積み、サンフランシスコを出港。
7月26日、テニアン島に最高機密の荷物を降ろす。
7月28日、グアム島からレイテ島へ向け出港。
7月30日、フィリピン海で日本海軍潜水艦「伊58」の雷撃により沈没。第二次世界大戦で撃沈された最後のアメリカ海軍水上艦艇となった。
8月2日、生存者が哨戒機に発見され、8月7日まで救助が続けられる。
「インディアナポリス」の沈没時、乗員1,199名のうち約900名は生存していたが、アメリカ海軍が4日間沈没に気付かなかったため、脱水症や低体温で次々と死亡し、鮫の襲撃も精神状態を追い詰めた。救助されたのは316名だけであった。
この事件は映画『パシフィックウォー』で描かれたが、映画『ジョーズ』の作中エピソードの方が有名である。
2017年8月18日、マイクロソフト社共同創業者ポール・アレンのチームが、沈没した「インディアナポリス」を水中ロボットで撮影する事に成功した。
原子力潜水艦「インディアナポリス」
1974年10月19日起工、1977年7月30日進水、1980年1月5日就役。
1998年12月22日、退役。
現在、原子力艦再利用プログラムによる解体の順番待ちの状態である。
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