概要
戦艦少女R(中国語表記战舰少女R、英語表記Warship girls:Project R、韓国語表記전함소녀)は中国・上海の幻萌网络(MoeFantasy tech)が開発したスマートフォンアプリ(ネット上などで見かけられる台湾製という情報は誤り。サーバーが台湾に置かれていたため発生した誤解と思われる)。
日本のみで配信されている『艦隊これくしょん』(艦これ)に触発されて中国語圏で登場した艦船擬人化ゲームの一つで、オリジナル版は『战舰少女』として2014年9月に配信開始された。リリース当初のゲームシステムは『艦これ』とよく似ており、当時中国語圏で乱発されていた「艦これパクリゲーの中のひとつ」と見られていた。
しかし、よくある「パクリゲー」にありがちな、例えばキャラクターの無断トレス使用やデータ盗用(同時期に出現した艦これクローンである『炮妹』や『艦娘国服』はまさにそれにあたる)が無く、度重なるアップデートによるシステムの改善、そしてなにより運営(当時)の圧力を跳ね除ける開発陣の努力と行動力により一定の地位を確立した。
何より、開発者(プロデューサー)の鈴蘭喵氏(あだ名は「大王」)自身が『艦これ』の熱心なユーザーであり(日本でしか配信されていない『艦これ』を上海でどうやってプレイしているのか突っ込んではいけない)、今までのイベントは全て難易度「甲」でクリアしているというほどののめり込みっぷり。鈴蘭氏自身が『艦これ』からの影響を多分に受けていることを公言している。
2015年11月12日に大規模なアップデートが行われ、『战舰少女R』にタイトルが変化した。『艦これ』のそれに独自のアレンジを加えたゲームシステムは評価が高く、後続の兵器擬人化ゲームである『鋼鉄少女(ゲーム版)』『ソラヒメ』などの戦闘システムに影響を与えた。
演出面では、ちびキャラが艦隊戦を行う戦闘シーン、衣装の着替えシステムなどが特徴。
キャラクターのボイスは長らく存在しなかったが、2017年4月28日の大型アップデートにより一部の艦船にボイスが実装された。ボイスは日本語と中国語のいずれかを任意でDLする形式となっている。
2018年の後半には再びUIの変更を伴うVer4系列の大型アップデートが行われ、Android版ではいつの間にかプッシュ通知が廃止された(遠征からの帰還などが端末に知らされなくなった)。
なお2018年6月に本作のキャラクターを利用した『蒼青のミラージュ』というゲームが発表されたが、日本法人の独自開発であり、本作の続編ではない。
キャラクター
第二次世界大戦期の世界中の艦船が、文字通り“ワールドワイド”に登場するのが最大の特徴なのだが、その種類とチョイスたるや尋常ではない(≒正気の沙汰とは思えない)。
連合国・枢軸国の主要な艦艇はもちろん、ソビエツキー・ソユーズやグラーフ・ツェッペリンといった未成艦、チリ海軍の巡洋艦オヒギンズ(元・アメリカ海軍巡洋艦ブルックリン)やロバーツ級モニター艦、潜水砲艦スルクフなどかなりニッチな、というより日本どころか世界でもマイナーな艦船が登場する。
果ては空前絶後の円盤形砲艦ノヴゴロドや、モンゴル海軍(=そもそも海がない。総兵力7名)の補給艦スフバートルなど、ネタとしか思えないような艦まで実装されている。誰がここまでやれと言った(褒め言葉)
日本海軍の艦船も多く実装されているので、『艦これ』の艦娘と比べるのもまた面白い。信濃のように『艦これ』に先行して実装された日本艦船もある。
艦船の実装ペースはかなり早く、毎月のように数隻ずつ新キャラクターが追加されている。ほとんどは第二次世界大戦に参加した経歴をもつ艦船であるが、アイスランド沿岸警備隊のオーディンのような戦後就役の艦船や、ロシア海軍のノヴゴロドのような第二次世界大戦より遥かに前の時代の艦船も一部実装されている。
キャラクターデザインでは『艦これ』や『鋼鉄少女』など先行の艦艇擬人化作品の文法を踏まえているが、その中でも「弓矢で戦う日本空母」や「水着姿の潜水艦」など、やはり『艦これ』の影響が特に色濃い。大半の艦船は『艦これ』の艦娘とは全く違った見た目にデザインされているが、天龍や赤城など、あからさまにそっくりなキャラクターもちらほらいる。ただ、『艦これ』も『鋼鉄少女』も「制服兵器兵站局」などネット上の兵器擬人化の流れの中で出てきた作品であり、両作とも先行作品の影響を受けているということは付け加えておきたい。例えば台湾の絵師のacea4氏が2010年に弓道着姿の赤城を発表しており、艦これの赤城はこれに酷似している。なお『艦これ』の場合、改造前も改造後も当初の絵師がずっとそのキャラを描くが、戦艦少女の場合は改装の前後などで絵師が変わることが多い。絵師が変わるのは、デザイナーに学生が多く、環境の変化によりイラストの供給が望めなくなる場合もあるからだという。また、絵師が不祥事を起こした場合、それが幻萌と関係ないところで起こった場合でも容赦なく更迭される。そのような場合も何らかの形で過去のイメージを残した絵柄に描き直されることが多いが、カッシン・ヤングなどは元々のデザインと全然共通点が無い絵に差し替えられたため、中国版の提督に混乱を与えた。
他に『艦これ』との方針の違いとして、製作者には「艦船たちの物語はプレイヤーそれぞれが自由に想像して欲しい」という考えがあり、キャラクターデザインや台詞など、ゲームに出てくる表面的な情報以上の裏設定を用意していない、ということがある。つまり「なぜ戦うのか」といった世界観が一切設定されていないのである。
公式のストーリーが無いため、参加絵師にも自分の担当艦船のオリジナルイラストや独自設定の同人誌(18禁を含む)を描くことを許可している。ただし、たとえ公式絵師が描いた作品でもゲームに出てこない設定は公式設定ではないので注意。
ゲームシステムは、『艦これ』にあった様々な不満や問題点をうまく解消しているとして概ね評判が良いが、少人数での運営体制のためサーバ落ちなどのシステムトラブルが比較的多い。微博(中国のSNS)やtwitterの絵師の間には、戦艦少女にバグや不具合が発生した場合、あるいはイベント海域などで高難易度すぎるゲームバランスに不満を抱いた場合、プロデューサーの鈴蘭喵氏を女体化して陵辱する絵を上げる鈴蘭無惨というネタがある。
日本において
中国語のスマホゲームとしては珍しく早い時期から日本でも注目を集め、有志の手により作成された非公式日本語化パッチもあった(非公式ではあるが、幻萌から作成の許可はもらっている)。開発元も日本での配信が発表される前からTwitterに日本語の公式アカウントを持っており、日本の同人誌即売会にも、[[日本専用のオリジナルグッズや公式設定本を委託販売するなどしていた。
公式な海外展開としてはタイ語版が2016年に配信されたのを皮切りに、日本語版と英語版の配信予定が発表された。2016年9月、東京都内に幻萌の日本営業所が設立され同月には日本語版ツイッターが開設、日本語版の配信が16年10月24日に開始された。ほぼ中国語版と同様のゲームではあるが、中国語版のデータを引き継ぐことはできないほか、細部の仕様が微妙に異なっており、中国語版の情報を参考に攻略する際は注意。未実装な艦、改造が実装されていない艦、泊地台詞がない艦なども少なからずあるが、順次実装されていく予定。また翻訳ミスなどは少しずつ修正されているがまだ訳が拙いところもあるので、気づいた点があったら、サポート窓口にメールで報告しよう。
日本でも爆発的なブームこそないものの着実に定着しており、2017年9月には日本独自イベントとしてDMMで『空戦乙女ヴァージンストライク』としてリリースされ、後ににじよめ(現にじGAME)からタイトルとシステムをリニューアルし再リリースされた『空戦乙女スカイヴァルキリーズ』とのコラボを発表した。
このコラボを除いては日本版独自の要素は少なく、大陸版のアップデートおよびイベントを後から日本語訳してから実装するパターンが大半。大陸版で猛威を振るったイベントは難易度が低下している事がある。
システム
キャラロストの有無と好感度
『艦これ』との大きなルール上の差は、轟沈は無く撤退となる点。つまりキャラロストは存在しない。ただし後述の要素からやはり大破進軍は危険な行為として認識されている。下手すれば実質的なペナルティは『艦これ』を上回るかもしれない。
好感度というパラメータが設定されており、100まで上げることで『艦これ』のケッコンカッコカリに相当する「誓約」が可能。好感度は誓約した後なら200まで上げられる。さらにこのパラメータは戦闘での能力発揮にも関わる。初期値は50で補正値プラマイゼロ。上がるごとに命中/回避/クリティカル発動率が少しずつ上昇、被クリティカル率が減少する。逆に50を下回れば上述とは逆のことが発生する。そして戦闘においてHP0となり強制撤退した場合、撤退艦の好感度が―50(誓約済み艦なら―100)され、さらにLV10以上の所有艦すべて(艦隊に編成されていない艦船も含む)からも好感度が―5されてしまう。
撃破され強制撤退となることは所有艦すべての戦力低下に直結するため、「低レベル艦を犠牲に強行突破」(捨て艦戦法)や「低レベル艦を回復せずに周回」といった行為は、戦艦少女においてはとても不利な状況を招くことでしかない。繰り返せば繰り返すほど。
なお、『艦これ』と同じくキャラクターが戦闘中に大破し耐久(HP)の残りが1になった場合、敵の攻撃が全てMissする仕様になっており、大破進軍さえしなければ撤退(轟沈)に追い込まれることはない。昼戦と夜戦はひとつの戦闘としてカウントされるため、昼戦で大破した艦船があっても、夜戦に突入しても大丈夫。ちなみに『艦これ』と同様に課金アイテムとしてダメコンもあり、こちらは装備しなくても発動する。
分岐条件の提示と「迂回」
『艦これ』ではルートの分岐条件は明示されないが、『戦艦少女』では一部ルートに強制分岐条件があり、それが随時表示される。「旗艦が駆逐」「索敵値合計○○以上」「合計LV○○以上」など分岐条件も様々。強制分岐条件を満たせなくても確率で行けるルートもあるなど親切。とはいえ、高難度海域になってくると特定の編成でハズレルートへの強制分岐をかわし、かつランダム分岐でボスへ向かわなければならない難儀な要素も存在する。
特定マスでは戦闘前に索敵に成功し、かつ敵との速度差があれば戦闘を迂回(回避)することも可能な「戦術迂回」機能が実装されている。
戦闘前の敵編成の確認画面で母港に帰還することも可能。
艦隊の編成と戦闘
・艦隊は『艦これ』と同じく6隻構成が基本。最大で4つ(序盤は2つ)の艦隊を編成できる。
・アップデートにより1~4艦隊は出撃専用となり、遠征用の5~8艦隊が新たに追加された。
・疲労の概念は無く、資源がある限り同じ艦をいくらでも連続出撃させられる。したがってキラ付けも不要である。
・戦闘に入る前に陣形を選択する。敵艦や自艦の編成に応じた適切な陣形の選択は砲撃・雷撃の命中率、敵攻撃の回避に大いに影響するため重要である。陣形効果はその都度画面で説明される。
・砲撃戦では射程が長い順から攻撃。射程が全員同じ場合なら隊列の5番目にいるキャラから砲撃を行う。
・雷撃戦時は中破していても雷撃ができる。大破するとできない。
・夜戦でも対潜装備を整えていれば潜水艦は倒せる。
・戦闘中に弾薬の残りがゼロになると攻撃力が大幅に減少する。
・航空攻撃の回避判定には「回避」ではなく「対空」が影響する。空母の攻撃を回避するには改修で「対空」ステータスを強化するとともに対空装備をガン積みするのが定石。
・原則として、中破した艦船は攻撃力が40%、大破すると70%減少する。
・道中の戦闘でS勝利以上すると艦船をドロップする。A勝利やB勝利でもドロップする場合がある。
艦船の種類とステータス
・昼戦の2回目の砲撃ができるか否かは艦種ではなく、その艦もしくは艦が装備している砲の射程の長さが長か超長の時となっている。つまり条件によっては巡洋艦が昼戦で2回の砲撃を行い、さらに雷撃能力もある場合は計3回の攻撃を行う事も可能。2回目の砲撃では射程が短い艦は攻撃できない。元々大口径の主砲を装備できる艦種は、2回目の攻撃の常連になれる。
・潜水艦が先制雷撃できるようになるのはレベル11から、また潜水艦が先制雷撃で敵雷巡を攻撃対象にして大破及び撃沈することが確定した場合、敵雷巡の先制雷撃を無効にする。
・駆逐艦、潜水艦系列は夜戦時は魚雷による攻撃のため陸上系の敵には攻撃できないが、陸上系と水上系混合の場合は陸上系の敵にのみ攻撃する。
・駆逐艦と潜水艦系列は夜戦時に火力に上方補正がかかるほか、魚雷値に大幅に上方補正がかかり、戦艦や空母を大破・撃沈に追い込むことも可能。潜水艦系列は夜戦時に防御面にも上方補正がかかるが、こちらが強力な対潜装備をしていれば夜戦でもダメージを与えられる。
・航空戦艦は1回目の砲撃戦は水上の敵に攻撃する。2回目の砲撃戦時に、自身が中破しておらず、なおかつ対潜が上昇する偵察機、および瑞雲、または晴嵐を装備時は、潜水艦を優先して攻撃する。
・一部の巡洋艦(主にアメリカ艦)は魚雷値が0で魚雷を装備できない代わりに、耐久、火力、対空、装甲が高めで(軽巡洋艦は顕著)、夜戦時に火力に上方補正がかかる。
・空母(軽空母を含む)の装備枠から出撃できる機数は3+火力/5である(火力が20の場合、各装備枠から7機ずつの出撃となる)。残りは損耗時の予備戦力となる。したがって空母のスロットあたりの搭載数は攻撃力ではなく継戦能力と関係する。空母の攻撃力を強化するには火力を強化するのが最も重要である。
コアと改造
このゲームの改造では、レベルの他に「コア(核心)」という各艦種(駆逐コア・巡洋コア・戦艦コア・空母コア・潜水コア)ごとの改造用アイテムの必要数が設定され、改造時に複数要求される。コアは基本的には史実上の海戦が再現された「戦役」という編成が制限された特殊な戦闘で集めなければならない。『艦これ』で言う改装設計図に近いが、一日で1個以上は手に入るため、毎日やれば確実に集まるようになっている。
『艦これ』と同じく、改造により艦種が変化する艦船もある。例えば戦艦である伊勢・日向は、空母コアで改造すると、航空戦艦に変化する。
またコアは分解して資源に変えられる(駆逐コア→弾薬、巡洋コア→燃料など)ため、緊急的な補給手段として使うこともできる。
一部の海域で任意で行える支援攻撃(『艦これ』でいう道中/決戦支援のようなもの)でも使われる。
スキル制
『艦これ』のように装備の組み合わせによるカットイン攻撃は無い。
かわりに、改造を受けた艦船は様々な特殊効果を持つ「スキル」を持つことができる。改造した艦船に他の艦を素材に使った「強化」(『艦これ』における近代化改修)を施し、全てのステータス(火力・雷撃・装甲・対空)を最大値まで上げる事により、スキルの覚醒とレベルアップ(上限はレベル3)が可能となる。スキル覚醒およびスキルレベルアップ時にステータスは初期値に戻るため、最強状態にするには結構な時間がかかる。
例外的に、雪風など一部の艦は未改造状態からスキルレベル1を持っている。
改1になった時に2つのうち1つのスキルを選択することができる艦もいる。選ばなかったほうのスキルは後で強化値を最大にすることで変更可能になる、その際強化値は0になるが変更前のスキルレベルを引き継ぐ。
基本的には、スキルを覚醒させた方が戦闘で有利になるが、スキル覚醒により強化がいったんリセットされてしまう上、種類によっては条件によりかえって不利になる場合もあるため、あえて覚醒させないこともできる。
建造と装備開発
艦船の建造と装備の開発に使う設計図が別々で、装備の開発にも時間がかかる。装備設計図は比較的簡単に手に入るが、艦船設計図の入手はやや難しい。すぐに開発・建造を終了させたい場合は高速建造アイテムを使う必要がある。
建造日誌という機能があり自身を含む全プレイヤーの過去100件の建造の記録を見ることができる。記録の左側にある☆マークをタッチすれば「お気に入り登録」され、登録した記録は登録されている限り以降履歴から消えない。
装備の開発には開発日誌があり、こちらの使い方や詳細は上記の建造日誌と同じ。
艦載機のボーキサイト消費
装備変更時、装備している艦載機を外すと、艦載機を装備しなおしても搭載数は0のままでボーキサイトを無駄に消費する仕様がある。そのため艦載機はなるべく外さず、直接付け替えたほうが良い。
艦載機はコスト制が導入されており、基本1機補充する時のボーキサイトの消費は5だが、震電以外の日本の多くの機体は4で(震電は6)一部の強力な機体は1機につき6~15となっている。
演習
演習は日本時間の01:00、13:00、19:00の計3回入れ替わり、1度に5名のプレイヤーの第1艦隊が選出され、1日に最大で15の艦隊と対戦でき経験値が稼げる。また、通常の演習に加えフレンドがあらかじめ登録した艦隊と演習することもできる。得られる経験値は相手艦のレベルと艦数によって変動する。演習では燃料、弾薬、艦載機を消費しない。
日本語版のリリース当初は、強すぎる艦隊とばかりマッチングされ「どの艦隊と対戦しても勝てない」という事態が多発したが、その後、なるべく近いレベルのプレイヤー同士がマッチングされるよう改良された模様。なお、対戦相手の艦隊の編成はあらかじめ確認可能であり、勝てそうな艦隊を選んで対戦することができる。
遠征
遠征は燃料と弾薬は消費しないが、経験値は得られない。つまり遠征で育成することは不可能で、資源とアイテムの入手専用のシステムとなっている。
各遠征には出撃条件が定められており、この条件を満たしていない艦隊はその遠征に出撃させることができないので失敗することはない。遠征を途中で中止することも可能で中止にした場合のペナルティは一切ない。
大成功が発生する確率は、龍田改1のスキルレベル及び遠征に出した艦隊の艦船のレベルが高ければ高いほど上昇する。大成功が発生すると通常よりも1.5倍の資源を獲得できる他、アイテムを入手できる遠征の場合はアイテムが最大数で100%手に入る。
衣装
季節限定グラフィックに相当する「換装」機能があり、衣装を変更すると戦闘時のちびキャラも変化する。ログインボーナスや任務達成などで無料で入手できるものもあるが、基本的には課金要素。
その代わり、いつでも変更できる(元の衣装に戻すことも可能)。
宿舎
いわゆる「マイルーム」。手に入れた家具で模様替えを楽しむことができる。部屋の中では指定したちびキャラ(1つの部屋に6隻まで)が歩き回り、イスに座るなど配置した家具に応じたアクションもしてくれる。1日5隻の制限はあるが好感度60以上のキャラを一定回数撫でると好感度を上げることもできる。家具は課金かログインボーナス、戦利品交換で手に入る「インテリア箱」(通称 家具箱)にガチャ形式で1つ入っている。
食堂
指定した艦船が「シェフ」となって料理を作り、各料理の条件にあった艦船全てに一定時間Buff効果がつく。シェフが所属する国によって作れる料理は異なる。料理のレシピは家具と同様、アイテムを使って手に入れなければならないが、フレンドの食堂に行けばフレンドが持っているレシピを使うこともできる。
通常マップと「戦役」
これも艦これとは如実に差の出ている部分。
ゲームのメインストリームとなる通常マップは、中国沿岸部から朝鮮半島周辺、日本近海、東南アジア近海、インド洋と展開していく。つまり太平洋戦争の再現ではなく、あくまで「現在起こっていること」としてゲームが構成されているわけである。
史実に関しては「海戦黒歴史」として、「戦役」モードで実装されている。「戦役」モードは限られた海戦を再現したもので、これを攻略すると固定の報酬が得られるが、1日あたりの出撃回数が限られる。
ゲーム名について注記
中国語の「戦艦」(战舰)はWarship、つまり「軍艦」のこと。
日本語の「戦艦」(Battleship)に相当する中国語は「戦列艦」(战列舰)であり、このゲームの中国語版でもそのように表記されている。このゲームには戦艦以外の艦種が多く登場するが、「戦艦少女」のタイトルは中国語に由来するものであり、戦艦と軍艦を混同した(日本でもよくある)誤用ではない。このゲームは日本で配信される以前から「戦艦少女」として日本でも知れ渡っていたため、幻萌が日本語としては不自然となることを承知のうえで中国語タイトルをそのまま使った可能性がある。
旧運営VS開発の歴史
このゲームの歴史に触れるなら知っておくべき戦いがある。
それは運営と開発の対立である。
もともとは開発会社の「幻萌网络」と運営会社の「派趣科技」(通称:P7)の共同でサービスを行っていたが、派趣側の度重なる悪行が続いていた。
ざっと確認できるだけでも……
・プレイヤーをニラ呼ばわり(「プレイヤーはニラだ。刈ってもまた生える」と発言)
・ナショナリズムを煽ろうとする(「反ファシズム戦争に捧ぐ」といった感じの政治的文言追加。しかも幻萌に無許可)
・日本のアニメキャラをパクリまくった『300heroes』というゲームと開発側に無断でコラボしようと試みる
・日本艦の呼び方を強制変更する(実際の名称からちょっと変える)
・上記行為を快く思わない開発陣のアカウントを凍結する
などなど……これはひどい。
これに対して以前から中国人提督たちによる反発が続いていたが、遂に幻萌側が決起。運営との契約を破棄すると台湾で新たにサーバーを立ち上げ独自に稼働させ、現在に至る。この際データ盗用を防ぐため開発側が一からソースコードを打ち直した。これが現在の『戦艦少女R』のひな型である。
その後も派趣側は残ったデータで運営を続けたが、幻萌の訴えによって2015年8月末にAppStoreから派趣のiOS版の配信が停止された。
その後も幻萌と派趣の間では本作の権利を巡って裁判が行われていたが、16年2月16日に派趣側が(恐らくは裁判を有利に進める一策として)「旧日本軍の軍艦の名称を使用しているファシズム・軍国主義的な作品」として政府当局に訴える事件が起きた。
これに対し幻萌側は、一時的な処置として日本艦の名称を動物や植物の名前に変更するアップデートパッチを配布(最初から植物の名前を艦名としている松型駆逐艦「竹」すら「竺」と名前を変える徹底ぶり)。そのため、このパッチは「動物園パッチ」と呼ばれている。
――が、導入するとエラーやバグが起きるという報告もある。
プレイヤー間では動物や植物の格好をした日本艦のネタ絵がtwitterなどに投稿されたり、この事件が公になった直後に中国の全国ネット放送のテレビ番組で中国のオタク文化を紹介する一環で『戦艦少女』が取り上げられたため、国内外からネタにされた。
挙句の果てには公式Twitterですら、このアップデートパッチを適用しないように呼びかけている始末。
長かった論争は16年6月に表面上は「和解」という形で終わり、『戦艦少女』が「軍国主義的な作品」と当局から目を付けられることもなかった。訴えが棄却された派趣科技版の『戦艦少女』はサービス終了(16年7月に終了)となった。
なお、この和解条件の一つとして日本での「戦艦少女R」サービス開始が求められる事になり、前述の通り16年10月から履行されている。
対立煽りの問題
戦艦少女(艦N)は『艦これ』に触発されて生まれたゲームであり、キャラクターやシステムが比較されやすいのは必然と言える。本記事でも両ゲームを比較しながら解説している。
しかし、中国製であるという嫌悪感、もしくは艦これが兵器擬人化系コンテンツの元祖という誤解(オンラインゲームとしては『ブラウザMC☆あくしず -鋼鉄の戦姫-』が艦これより1年早い)から、調べもせず頭ごなしに戦艦少女を「パクリゲー」等と罵ったり、近年の艦これの高難度化・複雑化したシステムに嫌気が差した人によって、戦艦少女をプレイもせずに話の引き合いに出すアンチも少なからず存在している。
中国本国でも、後発のアズールレーン(艦B)という艦船擬人化ゲームが生まれた際、艦Nプレイヤーが鳴り物入りで登場した同作への反感から艦B運営への誹謗中傷を書き込み、微博(中国のSNS)は大荒れとなった。実際、艦B運営に落ち度があった(バランス調整の失敗など)のも事実であるが、同作はネット上の風評被害で大きな打撃を受け中国本国で伸び悩む一因となった。現在は日本での人気の高さに後押しされる形で、勢力を少しずつ回復してきている。
日本においてはこの手に関わる活動はもっと激しく、匿名掲示板や知恵袋などでも同じような書き込みが本当に後を絶たず、艦船擬人化ジャンルにおける艦これより後に出た作品のほぼ全てが些細な理由を掲げて対象にされている。
また、二次創作でクロスオーバーを題材にする際も注意が必要である。そもそも、戦史ネタは「やったやられた」の関係もあって荒れやすい。注意書きやタグで間を置くことで問題を回避しよう。
登場艦船
こちらを参照→戦艦少女の登場艦船
関連イラスト
艦これ版とのツーショット
参考動画
別名・表記ゆれ
これらによって検索できるイラストが分かれてしまう場合があるため、可能ならばそれぞれの名称で検索を推奨。
warshipgirls・WarshipGirls:英語表記
전함소녀:韓国語表記
派生作品
- 蒼青のミラージュ - 2018年6月に(日本の)moeFantasyから発表されたシミュレーションRPG。戦艦少女の擬人化キャラクターを流用しつつ、一から作り上げたゲームとなる。2018年8月末に日本でリリース、他国版はない。2020年の3月15日をもってサービス終了している。
本作に触発されて登場した中華ゲームたち
- BattleshipGirl_鋼鉄少女 - 2015年に中国製のスマホゲーム版がリリースされたが、2018年1月に配信を終了。システムは『戦艦少女』のそれをほぼ踏襲していた。原作は本作の元ネタである『艦これ』のさらに元ネタとなる台湾の漫画作品。
- ソラヒメ ACE VIRGIN -銀翼の戦闘姫- - 『戦艦少女』のゲームシステムの影響を感じられる軍用機擬人化ゲーム。こちらも中国製で、日本語版もリリースされた。2020年12月22日にサービス終了。
- 最終戦艦withラブリーガールズ - 韓国メーカーとの共同開発で、中国大陸では「舰姬」、台湾・香港では「請命令!提督SAMA」、東南アジアでは「少女航线」のタイトルで配信された。登場する艦船の数は少なめだが、恋愛シミュレーションの要素を強化しているのが特徴だった。日本版を含めすでにサービスを終了している。
- アズールレーン - 艦船擬人化を題材にしたシューティングゲーム。中国では当初大々的な宣伝が打たれた割にあまりパッとしなかったが、日本では爆発的にヒットし、韓国や米国にも進出。後に本国でも日本の後を追う形でプレーヤー数を伸ばした。日本でも本国でもコラボイベントに非常に積極的で、公式の商業作品も多く展開している。
- アビス・ホライズン - 2018年6月下旬にリリースされた3DアクションRPG。上記の「アズールレーン」と同様に最初から日本市場でのリリースを前提に開発され、日本からも設定・シナリオ協力のスタッフが参加している。大和型戦艦が最初から3隻とも揃っているのが売り。艦これアーケードとの酷似性により裁判沙汰にまで発展したが、一応の和議がついた。こちらも米国など、複数の国で配信・運営された。2021年7月15日にサービス終了。
- ガーディアン・プロジェクト - 中国では『超次元海戦D』のタイトルがついており、日本では2019年の10連休に開始予定であったが延期が発表され、正式サービスは2019年6月から2020年4月まで。『最終戦艦withラブリーガールズ』の日本サービス終了後に日本でのリリースが決まり、実質作品の入れ替えである。最後はまさかの無告知でのサービス終了となった。
同時期に出てきた(怪しげな)中華ゲームたち
これらとの違いが示せたから戦艦少女は地位を築けたとも言えるし、これらがあるので未だに誤解されてるとも言える。
- 炮妹:トレスされた金髪金剛で一時はよくネタにされた。
- 舰姬GO→艦娘出撃→萌娘爆破
- 艦娘收藏:台湾製 トレスこそしてないが絵は艦これそのままだった。当然台湾人提督からの大バッシングであった。
- 艦娘国服→艦娘世界→艦装美娘団:最も悪評が高いもの。艦これ中華サーバーといった意味で、艦これのデータを盗用して作られた真っ黒海賊版。DMMが対処するといったのはこれのこと。中華提督の逆鱗に触れ、凄まじい攻撃を浴びた。タイトルがころころ変わっているのは、期間を置いて復活とサーバー陥落を繰り返しているため。
関連タグ
艦船擬人化 兵器擬人化 艦隊これくしょん BattleshipGirl_鋼鉄少女 艦これ×戦艦少女
巴啦啦小魔仙・大民国・少女前線・鋼鉄のワルツ:(良い意味で)よく似たなにか達。
users入り
外部リンク
日本語
その他言語
(中国語版・タイ語版の仕様は日本語版と異なるので攻略の参考にする場合は注意)