概要
アメリカ合衆国の資産家であり、実業家。マイクロソフト社の共同創業者である。6つの財団を傘下に率いる慈善団体ポール・G・アレン財団を運営していた他、晩年は資産運用や投資を業務とするバルカン社を経営していた。大資産家としてスケールの大きなな趣味人としても知られる。
兵器遺産収集について
アレン氏は二次大戦の兵器に造詣が深く多くの軍用機を持っているほか、私設航空機博物館を経営している。中には「エンジン・機体共オリジナル、かつ動態保存されている一式戦闘機 隼」といった現存数の少ないオリジナル機も多数収蔵している。
また父親が太平洋戦争に従事していたことから軍艦にも興味を持っており、海底調査のため
個人所有としては世界最大級となる全長126mのギガヨット兼海洋調査船「オクトパス号」を始めとした海底調査チームを組んで大戦時の軍艦を探索している。
戦艦「武蔵」探査
フィリピンレイテ島のシブヤン海で、太平洋戦争時に沈没した旧日本海軍の戦艦「武蔵」を発見したと、2015年3月3日、自身のTwitterアカウントで報告、翌4日には新たに自身のホームページに「旧日本海軍の『武蔵』」というタイトルの動画を公開した。なお「武蔵」は8年前から捜索を続けていたという。
長らく沈没した姿が発見されなかったこともあり、このニュースと共に日本国内における同氏の知名度が上昇した出来事でもあった。
巡洋戦艦「フッド」探査
ポールは1941年にデンマーク海峡海戦で沈没したイギリスの巡洋戦艦「フッド」にも関心を持ち、イギリス当局の許可を得て2012年に最初の海底調査を行う。その際、フッドの生存者が回収を望んでいたフッドの号鐘を回収しようとしたが、気象条件などにより、あと一歩のところで失敗に終わった。
2015年、ポールは再度調査を行い、8月7日についに号鐘の回収に成功した。号鐘は一年かけて修復される予定である。
駆逐艦「アルティリエーレ」の発見
2017年六月にシチリア島沖の水深3600メートル以上の海底で発見。
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重巡洋艦「インディアナポリス」探査
2017年8月18日、ポールが率いる民間のチームが太平洋の水面下18000フィートの海底で、重巡洋艦インディアナポリスを発見した。
西村艦隊の発見
2017年12月スリガオ海峡探査中に戦艦山城を発見した。さらに数日かけて調査したところ、時雨を除く西村艦隊全艦を発見したとのこと。時雨はスリガオ海峡に沈んでいないので、当該海域で戦没した艦艇のうち5隻(山城、扶桑、朝雲、山雲、満潮)を発見したとのこと(12/8現在)。
その後米海軍の駆逐艦ワードとクーパーの2隻を発見し、島風らしき船体も発見。
さらに近くで沈没していると思われる最上も調査が継続され、(2017年の調査では発見できなかったものの)2019年5月の調査で発見されている。
その後浜波も発見した。
空母「レキシントン」の発見
2018年3月オーストラリア珊瑚海で発見。
軽巡洋艦「ジュノー(CL-52)」の発見
2018年3月ソロモン諸島にあるガダルカナル島の北岸沖、正確にはインディスペンスセイブル海峡の深さ約4200メートルにて発見
軽巡洋艦「ヘレナ」の発見
2018年3月末にソロモン諸島北部にあるニュージョージア島沖の水深860メートルの海底で発見
戦艦「比叡」の発見
ポール・アレン没後の2019年1月末、ガダルカナル島のサボ島付近で第三次ソロモン海戦の第一夜戦で放棄・沈没した戦艦比叡を、氏の調査チームが発見した。
戦後長らく「機関室全滅の誤報により自沈処分」が沈没原因とされていたが、発見された船体は全長の1/3に当たる艦首から約70mが切断されており、その破損状態から専門家によって「大きな爆発によって沈没した可能性が高い」ことが判り、原因究明の大きな手がかりとなっている。
航空母艦「ホーネット」の発見
2019年1月20日ガダルカナル島とサボ島に挟まれた海域から東に約300海里(約555キロ)離れたサンタクルーズ諸島北北東沖の水深5000メートルで発見
軽巡洋艦「神通」の発見
2019年4月26日に、コロンバンガラ島沖海戦で米艦隊と戦闘し、ソロモン諸島西部州のクラ湾で沈没したとされていた神通を発見。14センチ砲やカタパルトなどが分かる状態で残っていた。
重巡洋艦「古鷹」の発見
2019年2月25日にソロモン諸島のサボ島北西沖水深1400メートルの海底で発見
重巡洋艦「摩耶」の発見
2019年7月1日にパラワン島沖にて沈没していた摩耶を発見、12.7cm高角砲が空を睨んでいるように残っていた。
航空母艦「加賀」「赤城」の発見
2019年10月18日に加賀が、21日に赤城がミッドウェー沖で発見された。
重巡洋艦「鳥海」の発見
2019年10月25日に鳥海がミッドウェー沖で発見されたという内容の動画が投稿された。
この日は鳥海の戦没日であった。
同年5月5日に発見し、5月30日に探査を行った。投稿された映像は探査時のものである。
民間宇宙開発への参入
その一方でポールは初の純民間宇宙船「スペースシップワン」を開発した航空機設計の鬼才バート・ルータンと組んで空中衛星打ち上げ企業ストラトローンチ・システムズを設立。目玉は成層圏打上プラットホームにして最大幅117mの巨人機「モデル351 ロック」。既に完成してタキシング試験を終了しており、オービタルATK社開発のロケットが完成次第、2020年には試験打上を実行したいとしている。