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野崎幸助

のざきこうすけ

野崎幸助(1941年 - 2018年5月24日)は、和歌山県出身の実業家・資産家。美女4000人に3億円を貢ぐ等の破天荒な生活や、謎めいた死を遂げたことなどから大きな話題を呼び、一時期日本のマスコミの注目の的となった。通称“紀州のドン・ファン”。
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概要

和歌山県の実業家資産家
の“野崎”は二度目の結婚以降に名乗るようになったもので、旧姓は“樫山”。

1941年、和歌山県田辺市に7人兄弟三男(男兄弟の中では末っ子)として生まれる。

幼少時代は学業も苦手で年上の子どもからいじめられたりと、あまりぱっとしない学校生活を送っていた。勉強が苦手だったため、中学卒業後は進学をあきらめて家業の酒屋を手伝うなどしていた(一応、一時期並行して夜間学校に通っていたが、結局長続きしなかった模様)が、売り物の酒を勝手にスナックに売りに行って小遣いにするなど、この頃から金にがめついところがあったらしい。
両親からは男兄弟の末っ子だったこともあり、それなりに可愛がられていたようだが、上記のような素行の悪さもあり、兄弟の中ではかなり浮いた存在で、他の兄弟との関係も良いとは言えなかったようだ(実際、兄弟とは両親の死後に遺産相続を巡ってトラブルがあった)。

遺産の相続後は、それを元手に金融業(というと聞こえはいいが、実際は高利貸しである)を初め、当時はまだ貸金業の規制が緩かったこともあり、莫大な資産を築くことになる。一方で、その取り立ての悪評さから親族とは次第に疎遠になっていったという。
近年では次第に貸金業に対する規制が厳しくなり、さらに自身も一度脱税で告訴されたことなどもあり、家業である酒類販売や梅干し製造なども並行して行うようになった(なお、本人は自伝『紀州のドン・ファン』において金融業の他にも鉄くず拾いやコンドームの訪問販売、不動産業等かなり幅広い事業を手掛けてきたと証言している)。ただ、金融業程は儲からずに赤字続きだったといい、本人もどうせ貸金業があるからとそこまで本腰を入れていたわけではなかったようだ。

不特定多数の女性と交際しようとするようになったのはある程度資産に余裕が出てきた頃からで、自著では「4000人の女性に3億円を貢いだ」としている。
一方で、交際していた女性から6000万円相当の金品を持ち逃げされるなど、トラブルに見舞われたことも珍しくなかった。野崎氏自身も惚れっぽいのと同時に冷めやすいところがあったらしく、交際を始めた当初は気前よく女性に金を渡していたが、飽きてくると次第に金を渡すことを渋るようになり、最終的に家から追い出してしまうこともあったらしい。

こうした破天荒な人生を歩んできたこともあり、男女を問わず彼に対して少なからず恨みを持っていた人物は決して少なくはなかったと思われる(実際、後述する事件の20年ほど前には従業員の知人に刃物で刺されて金を奪われる被害にも遭っている)。

謎の死

2018年2月に55歳年下の22歳の女性と結婚。
同年に自伝『紀州のドン・ファン』を出版する。

そして、その僅か3か月後の5月末に、夕食後に自室で死亡しているのを妻と家政婦に発見された。享年77歳。
発見されたときには殆ど全裸に近い状態だったという。
金儲けに人生を捧げ、贅沢の限りを尽くしてきた彼の人生を考えると、何とも皮肉で切ない最期と言わざるを得ないだろう。

その後の司法解剖の結果、体内から致死量を上回る覚醒剤が検出されたことから、死因は多量の覚醒剤を一度に摂取したことによる急性覚醒剤中毒であると結論付けられた。

しかし、その後の捜査で、彼の死にはいくつもの不可解な点があることがわかってきた。

まず、体内から大量の覚醒剤が発見されたことに関しては、生前、彼は自伝内で「煙草も覚醒剤もやらない」と書いており、実際、普段から覚せい剤を使用している様子はなかった。
そもそも、野崎氏は以前2度ほど脳梗塞で倒れたことがあり、そのこともあって健康を害するようなものには人一倍気を使っていたのである。
このため、何者かが野崎氏に薬物を飲ませて殺害した可能性が浮上してくることとなった。

もう1つ奇妙だったのは、彼が死亡する1週間ほど前に、彼の愛犬:イブが謎の急死を遂げていたことであった(ちなみに、野崎氏はイブを溺愛しており、遺産はイブにすべて相続させたいとまで話していたほどであった。愛犬の死に野崎氏が大きなショックを受けたことは言うまでもないだろう)。
イブは元々犬としてはかなりの老齢であったのだが、その死に様は「野崎氏の腕の中で激しく暴れ回って息絶える」という、老衰による自然死とはおおよそ考えられないものであったとされる。
前述の覚醒剤と絡めて考えると、何者かが覚醒剤の致死性を確かめるために、前もってイブに覚醒剤を投与した可能性が考えられる。

現在、警察は庭に埋葬されていたイブの死骸を周囲の土ごと掘り起こし、専門機関に回して分析を行っている。
しかし、覚醒剤の成分は体内に入ると変質してしまうことが知られており、仮にイブの死骸から野崎氏の体内で検出された成分と同じものが見つかったとしても、同じ薬物を飲まされたとすぐに結論付けることはできないとのことで、彼と愛犬との死の関係性を証明することはそう簡単ではない。

また、(恐らく大多数の人が気にしているであろう)野崎氏を殺害した犯人や、犯人が野崎氏に覚醒剤を飲ませた方法についても未だにはっきりしたことはわかっていない。
このあたりは今後の警察の捜査の経過を待つしかないだろう。

関連項目

事業家 資産家 ドン・ファン
変死怪死ミステリー

事実は小説よりも奇なり

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