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本項は、フッドとつくもののうち、イギリス海軍巡洋戦艦について記述するものである。この艦について作品検索するときは、「フッド 巡洋戦艦」での部分一致検索を推奨する。
関連タグとして漢字表記の胡德がある。

概要


第一次世界大戦中に起工された、イギリス海軍最終最大の巡洋戦艦。長大で優美な艦影と、(当時)世界最大の軍艦ということでイギリスの誇りであったことで知られる。ドイツ海軍のマッケンゼン級巡洋戦艦に対抗して建造された。
イギリスには代々海軍の将校を勤めたフッド一族がおり、そのフッドに因んだ艦艇が複数存在する。この巡洋戦艦フッドはナポレオン戦争で活躍したサミュエル・フッド提督に因んで名づけられた。
前級レナウン級巡洋戦艦が紙装甲であったのに対し、203ミリ厚の垂直装甲を張る設計だった。だが、起工した1916年5月31日のまさに当日に起きたユトランド沖海戦で、イギリス海軍の巡洋戦艦ばかり3隻が撃沈される事態が発生、急遽設計を改め、装甲を増厚、垂直装甲は305ミリになった。その分排水量も大幅に増加し、常備排水量で43,000トン近くにもなった。主砲は38センチ砲連装4基8門、速力は改設計前よりやや低下したとはいえ30ノットの高速で、このため、高速戦艦のうちにも数えられる。

ライバルのドイツ巡洋戦艦が建造中止となったため、計画された姉妹艦3隻は建造されず、フッド1隻のみが建造が続けられ、第一次大戦後の1920年に竣工した。
このころ、日米では、フッドと並ぶような大型軍艦の設計・建造が進んでいたが、ワシントン海軍軍縮条約により軒並み建造取り止めにされ、しかも主力艦(戦艦・巡洋戦艦)の最大排水量が(基準排水量で)35,000トンに制限されたため、既得権による例外としてフッドは、ワシントン条約の続く間世界最大の座を保つことになった。
実際、フッドを凌ぐことになるのは、ワシントン条約を半ば無視したドイツ海軍の戦艦ビスマルクであった。

フッドはイギリス海軍の主力艦の中では、ネルソン級戦艦2隻に次いで新しいものであったので、イギリス自身の経済不調もあって大規模な改装を受けられず、カタログ上は厚い装甲も設計の古さからくる不備を抱えていた。
艦齢を考えれば、開戦前にある程度改装されてしかるべき艦であり、開戦当初は30ノットを出すのも困難になっていたという。
それでもその高速性と戦闘力はドイツ海軍側にはレナウン級巡洋戦艦と共にドイッチュラント級装甲艦シャルンホルスト級巡洋戦艦には脅威と考えられ警戒されていた。
第二次世界大戦開戦当初は本国艦隊の巡洋戦艦戦隊に所属しており、1940年6月には新編成のH部隊旗艦となり、司令長官ジェームズ・フォウンズ・サマーヴィル中将の指揮のもと、カタパルト作戦では降伏したフランス艦隊がドイツ側に拿捕されるのを防ぐための攻撃で戦艦2隻、空母1隻、巡洋艦2隻、駆逐艦11隻を率いて戦艦ブルターニュを轟沈させ、戦艦ダンケルクプロヴァンスも大破着底させている。
1941年5月24日、通商破壊のために大西洋へ進出しようとするビスマルクをデンマーク海峡で迎撃した折には巡洋戦艦戦隊司令官ランスロット・ホランド中将の旗艦であり、自身の甲板装甲の不備や、僚艦の最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズは慣熟訓練も終わっていない状態で、砲塔にも問題を抱えて故障だらけという状況で戦わざるを得ず、ホランド提督はそれらの弱点を補う為に相手に対して直角に近い角度で短時間で接近しての比較的厚い舷側装甲で被弾しやすく、訓練不足のプリンス・オブ・ウェールズでも命中弾を期待できる近距離砲戦を狙うも、それにより前部の砲塔しか使用できなくなるという状況も発生し、プリンツ・オイゲンの第二斉射の命中で副砲、水上機格納庫に被弾して火災が発生し、漸く相手と同航戦の形に持ち込んだ折にビスマルクの第五斉射での命中弾で爆沈を遂げた。これに対してフッドの射撃は一弾も命中することなく、ホランド提督、艦長のラルフ・カー大佐も戦死し、生存者は三名に過ぎなかった。

「デンマーク海峡海戦 」



逸話

●長らく世界最大の戦艦であり、また世界一周の親善航海では、迎えたサンフランシスコ入港時には迎えた市長は其の威厳ある美しい艦容を持つフッドに「私を市をあげて貴艦に降伏致します。もう好きなように」と述べたり、ホノルル寄港の折に遅れたボーイ・スカウトのハワイ代表の少年がコペンハーゲンに向かうのにアメリカ本土への船便に乗り遅れた折にはフッドの遠航司令官が従兵の控室にその少年を便乗させるなどの美談もあり世界的に有名な艦の一隻であった。
そんなフッドの最期にウィンストン・チャーチルは装甲こそ脆弱な面はあったが強力な火器と高速を備え頼りにしていた彼女の喪失にショックを受け、またその有名さから愛されてきた彼女の最期は軍人のみならず一般人を含む多くの人々にも衝撃と悲しみを与え、彼女の撃沈を聞いた多くの英国民はその時に何をしていたか覚えている者が多い程に記憶に残っており、フッド轟沈の報告を受けた軍人達も暗号の誤訳、艦名を間違えた、はたまた悪質な冗談として当初は信じなかった者も多く、それはドイツ側の軍人にすらいた。
それ故にその事実に衝撃を受けた者達は多く、物事に動じないフィリップ・ヴィアン提督でも「大戦を通じてあれ程までに激しく心を揺さぶられた事は無かった」と言う内容を語り、フッドに従兵としてかって勤務していたロフティ・アールという水兵は人目を憚らずに号泣したと言われる。

●世界的に有名な本艦は当然ながらドイツ海軍にとっても仮想敵主力艦の一つであり、ビスマルクの訓練の折もその標的として選ばれていた。
だが、デンマーク海峡で対峙した折にはビスマルクも重巡プリンツ・オイゲンでも相手があのフッドであると気づくものは少なく、ビスマルクのギュンター・リュッチェンス大将もプリンツ・オイゲンの艦長ヘルムート・ブリンクマン大佐も戦艦に白昼では太刀打ち出来ないプリンツ・オイゲンを戦列外に避難させようとせず、また艦内でも新型戦艦の前を手荒に波を立てて走るそれより巨大な戦艦に対してパウル・シュマーレンバッハ少佐は「あれはフッドだと思います」と述べたが、砲術長パウルス・ヤスパー中佐は「馬鹿を言うな。あれは巡洋艦か駆逐艦だって」と笑い、シャンパンを賭けたって良いと言う少佐の言葉に耳を貸さずに榴弾の装填を命じており、フッドの発砲による閃光の巨大さで漸く相手を知る有様であった。そしてこれはビスマルクの砲術長アダルベルト・シュナイダー中佐も同様であったという。
フッドがその巨大な船体を真っ二つに折って沈む光景は、ドイツ側にも衝撃を与えており、ビスマルクのブルカルト・フォンミュレンハイム‐レッヒベルク少佐はその折の爆発はさぞや大きな音がしたはずだが聞いた覚えが無いと述べている。
そんな状態で二つに折れた船体の艦首部を天空に高々とあげたフッドの主砲の一つから砲弾が発射されたのが見受けられた。
そのような状況下で人員が砲弾を発射できる筈は無くシステムの故障によるものと思われるが、それを見たレッヒベルク少佐は、最後の力を振り絞って砲弾を発射したであろうフッド乗組員に対して尊敬の念を覚えたという。

●フッドの生存者はウィリアム・ダンデス少尉候補生、ボブ・ティルバーン熟練水兵、テッド・ブリッグス信号兵の三名のみであった。
生存者の一人であるブリッグス信号兵の証言では、致命的な被弾を受けた折の艦橋では異常な事態は理解されながらも、正確な状況は把握されていなかったらしく当直士官の「羅針盤故障」の報が聞こえ、操舵手の「舵が取れなくなりました」の報告にカー艦長が「応急操舵装置に切り替えろ」と命を下し、ホランド提督は指揮シートで微動だにしていなかったという。

●なお、ドイツ海軍にとって、フッドの撃沈は災厄の始まりであったともいえる。
イギリス海軍本部を本気で怒らせ、ドイツ海軍の撃滅に本腰を入れさせ、「田舎海軍のくせに我が王立海軍にたてつくとは生意気だ。調子に乗るんじゃねぇ!」とばかりにイギリス海軍による本国周辺に所在する全艦隊を動員してのビスマルク討伐から始まり、ビスマルクをなぶり殺しにしてフッドの仇を討っても終わらず、イギリス空軍の協力も得て、ブレストの巡洋戦艦戦隊の爆撃には空軍の空襲の多くが回され、戦艦ティルピッツ撃沈にはX艇による襲撃、更にランカスター爆撃機によるトールボーイの使用での撃滅などの執念を感じる徹底した殲滅ぶりが見られた。
だが、これは裏を返せば、フッドを撃沈したドイツ海軍に対するイギリス側の過大評価ともとられ、本国に脱出するまでのブレストの巡洋戦艦シャルンホルストグナイゼナウを主力とする艦隊、その後のノルウェーでのティルピッツを主力とした艦隊はイギリス側の過大なまでに有力な部隊を吸引させたとも言え、ティルピッツに至っては戦艦の能力を喪失した後でも、それを知らないイギリス側の有力兵力を吸引する事に成功したと言える。

●本艦は四人の提督を出したフッド家のサミュエル・フッド提督に因んで名づけられたが、その子孫であるホーレンス・フッド少将はジュトランド沖海戦で第3巡洋戦艦戦隊司令官を務めていたが、旗艦インヴィンシブルの防御の脆弱さによる爆沈で戦死を遂げていた。フッドの進水は彼の未亡人が行っており、その最後は因縁を感じさせるものとなった。

その他

胡德:上記の軍艦を擬人化した戦艦少女の登場キャラ。愛称は幸运E。こちらの中国語記事も参照(外部リンク

胡德


ごきげんよう、私はロイヤルネイビーの栄光、フッドです。提督、紅茶を一杯いかがですか。

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