曖昧さ回避
- イギリス王室の王太子(皇太子)に与えられる称号。
- プリンス・オブ・ウェールズ島。カナダ、アメリカ(アラスカ州)、オーストラリアに同名の島がある。
- トワイニング社の紅茶の銘柄。祁門紅茶やアッサム紅茶をベースにブレンドされ、カシスの香りが加えられている。
- イギリス海軍の艦艇。戦列艦、輸送船、スループ、戦艦、空母など。
- ゲーム「戦艦少女」のキャラクター。下記の戦艦由来。→プリンス・オブ・ウェールズ(戦艦少女) / 威尔士亲王
- ゲーム「アズールレーン」のキャラクター。下記の戦艦由来。→プリンス・オブ・ウェールズ(アズールレーン)
- ゲーム「アビス・ホライズン」のキャラクター。下記の空母由来。→プリンス・オブ・ウェールズ(アビス・ホライズン)
- ゲーム「ヴェルヴェット・コード」のキャラクター。下記の戦艦由来。→プリンス・オブ・ウェールズ(ヴェルヴェット・コード)
イギリス王太子の称号
2022(令和4)年9月9日以降は、現王チャールズ3世の長男ウィリアム王子。
イギリスには国王の太子を表す言葉はあっても、称号としてはないため、ウェールズの大公(公爵)が「イギリス王太子」の代名詞となっている。
1282年、イングランド国王エドワード1世はウェールズ大公ルウェリン・アプ・グリフィズを敗死させ、ウェールズを併合した。反乱を抑えるため、ウェールズで王妃に子を産ませ(後のエドワード2世)、この称号を与えた。
これにより、イングランド国王の男子の長子(不在の場合は男子の第一継承者)がこの名称を継ぐことが慣例となった。該当者がない場合は空位となる。
結婚していた場合、妻にはプリンセス・オブ・ウェールズ(ウェールズ公妃)の称号が与えられるが、チャールズ3世の王妃カミラは、前妻ダイアナ妃に配慮して名乗らなかった。
語源に関する伝説
上記のエドワード1世がウェールズを征服した際、ウェールズの人々はエドワード1世を自分達の王と認めなかったので、エドワード1世は「ウェールズのプリンス(当時は「大公」などの王に準ずる君主の意味)として『ウェールズで生まれ』『由緒正しい血筋で』『イングランドの言葉を話せない』という3つの条件を満たす者を推薦する」と約束した。
その後、王子である後のエドワード2世がウェールズで生まれた際、上記の3つの条件を満たす者としてウェールズ大公(プリンス・オブ・ウェールズ)に任じた。
この後、プリンス・オブ・ウェールズはイングランドの第一王位継承者の別名となり、更には「プリンス」という言葉が「王子」の意味でも使われるようになった。
キング・ジョージ5世級戦艦2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」
イギリス海軍の建造した2代目キング・ジョージ5世級戦艦の2番艦。
艦名は建造当時の国王ジョージ6世の兄王エドワード8世の即位前の称号に由来する。
性能諸元(竣工時)
全長 | 227.1m |
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全幅 | 31.4m |
基準排水量 | 36,727t |
満載排水量 | 43,786t |
機関 |
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最大出力 | 110,000馬力 |
最大速力 | 28ノット |
航続距離 | 5,700浬/20ノット |
武装 | |
航空兵装 | |
装甲 |
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乗員 | 1,521名 |
艦歴
1937年1月1日起工、1939年5月3日進水、1941年1月19日就役。
5月21日、巡洋戦艦「フッド」と共にドイツ海軍戦艦「ビスマルク」の追撃のために出撃。乗組員は慣熟訓練を終えておらず、まだ造船所の工員を乗せたままの出動だった。
5月24日、デンマーク海峡で「ビスマルク」、重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」と交戦。「プリンス・オブ・ウェールズ」は先手を取って「ビスマルク」に命中弾を与えたが、「ビスマルク」の砲撃で「フッド」が轟沈し、その残骸を避けるため進路変更を行った結果、ドイツ側から狙いやすい位置になり集中砲火を浴びた。レーダー室や羅針甲板への被弾で乗員が多数死傷し、艦砲の不具合も酷くなってきたため離脱。
5月25日、燃料不足のため「ビスマルク」追跡から外され、ロサイス(スコットランド)で修理を行った。
8月、イギリス首相ウィンストン・チャーチルらを乗せ、ニューファンドランド(カナダ)へ向かう。
9月25日、ジブラルタルのH部隊と合流し、マルタへ島の補給作戦「ハルバード作戦」を行う。
9月27日、イタリア軍機の空襲を受ける。この際イギリス海軍の戦闘機を2機撃墜してしまった。
9月28日、マルタ島へ到着。
10月25日、チャーチル首相の強い要請で、東洋艦隊への派遣が決定。
12月2日、巡洋戦艦「レパルス」と共にシンガポールへ到着。長門型戦艦以外で対抗できる艦は無かったため、日本海軍にとって脅威となった。
12月10日、マレー植民地への日本軍上陸を阻止するため出撃。マレー沖で日本海軍基地航空隊の九六式陸上攻撃機、一式陸上攻撃機に空襲を受け、レパルスと共にマレー沖で沈没(「マレー沖海戦」)。
余談
- 艦形の美しさから人気のある船のひとつである。
- チャーチル首相のお気に入りであり、その沈没について「第二次世界大戦の中で最も衝撃的な事実」と『第二次世界大戦回顧録』に記述している。
- 大西洋憲章が調印の舞台となった栄誉を担った艦であるが、その一方でフッドを見殺しにして逃げたという事実無根の噂を立てられ白眼視されたり、ハルバード作戦で味方機を誤認撃墜したり、最後のマレー沖海戦でも左舷艦尾に命中したたった一本の魚雷により生じた破孔の浸水が、爆発の衝撃で湾曲した推進軸が艦尾艦底を叩き続けた為に水防隔壁扉をはねあけた事による相乗効果で大量の浸水と為り発電室に浸水して電力の大半を喪失して半身不随となるなど運の悪い艦でもあった。
- 彼女とペアを組んだ巡洋戦艦は必ず沈むというジンクスがあり、英国の三隻しか残っていない巡洋戦艦のうちフッドとレパルスの二隻を沈めた(味方)巡洋戦艦キラーに見ようによっては見えてしまう(マレー沖海戦で生き残っていたらレナウンも危なかった?)。因みにハルバード作戦では戦艦ネルソン、ロドネーと組んだが、戦艦だからかネルソンは被雷したものの沈んでいない。
- チャーチル首相は最新鋭戦艦という言葉を宣伝効果として重視して完成したばかりのキング・ジョージ5世級戦艦3番艦「デューク・オブ・ヨーク」の東洋艦隊派遣を希望し、シンガポールに回航する間にも訓練など出きるとしたが、流石に錬度などに不備がある為、「プリンス・オブ・ウェールズ」に白羽の矢が立ったと言われる。
クイーン・エリザベス級航空母艦「プリンス・オブ・ウェールズ」
クイーン・エリザベス級航空母艦。
新型空母の二番艦としての名称は決定しており、現在建造中であるが、インドに売却される話があった。現状ではカタパルトがないのでヘリ空母である。