概要
英雄譚の代名詞たる『アーサー王伝説』に登場する魔術師にして、中世伝説においてもっとも高名な魔法使いの一人である。英語では【Merlin】と表記する。
歴史上に対応する人物としては、6世紀に実在した森に棲む隠者メルディンやスコットランドのマーリン・シルベスター(年代不明)があげられている。メルディンは、発狂して森に暮らすうちに予知能力や戦術を身に付けたと言われる人物である。
最もよく知られるマーリン伝承は、伝説のブリテン王「アーサー王」の助言者で、強力な魔法使いとしてのマーリンである。これはジェフリー・オヴ・モンマスの『ブリテン年代記』で最初に言及されるほか、さまざまな物語で異なるマーリン像が描かれる。
アーサー王物語の中ではマーリンの母は身分の高い女性で、父は夢魔であるとされている(物語によっては悪魔とも妖精ともされている)。生後、このままではマーリンは邪悪な存在になってしまうと考えた母がすぐに教会に行って身を清めさせたので、マーリンから邪悪な部分が消え、不思議な力だけが残ったと言われる。
数多の魔術を操るが、その中でも“変化魔術”を得意とし、自身はもとより他者をも完璧に変身させることができたとされている。一方、夢魔の血を引くせいなのか、大変に女好きな人物とされることが多い。トランプのジョーカーの如き万能の男だが、その最期は愛した女に騙され塔の中に幽閉され死ぬ運命となる。
現代ではアレイスター・クロウリーと並ぶ大魔法使いの代名詞となっており、国際マジシャン協会が主催する大会では、世界最高峰のマジシャンまたはイリュージョニストに授与されるマジック界のアカデミー賞称号は彼にあやかって『マーリン・アワード』と名付けられている。
同じ名前の事物
一般
- 猛禽類の一種・コチョウゲンボウの英語名(スペルは1と同じ)。
- クロカジキやマカジキなどの英語名。スペルは【Marlin】。
- 航空機メーカー・アグスタウェストランド社が開発した大型ヘリコプター。⇒AW101
- ロールス・ロイス製航空機用エンジン。
キャラクター(記事あり)
- Fateシリーズに登場するキャラクター。1を元にしている。⇒マーリン(Fate)
- 漫画『七つの大罪』に登場するキャラクター。⇒マーリン(七つの大罪)
- TCG『モンスター烈伝オレカバトル』内、主に新4章に登場するキャラクター。⇒マーリン(オレカバトル)
- ソーシャルゲーム『モンスターストライク』に登場するキャラクター。⇒マーリン(モンスト)
- ゲーム『ラヴヘブン』に登場するキャラクター。⇒マーリン(ラヴヘブン)
- ハリポタをはじめとするウィザーディング・ワールドのキャラクター⇒マーリン(ウィザーディング・ワールド)
キャラクター(記事なし)
- 魔術師マーリン(海外のドラマ)
- ファインディング・ニモ(スピンオフにも登場)
- アルカナハート
- ソウルサクリファイス
- ラグナロクオンライン
- グランブルーファンタジー
- 賢者の孫
その他
写真のレタッチアプリケーションAdobe Photoshopのイースターエッグには、マーリンが隠されている。レイヤーパネルのプルダウンメニューで、option/ Altキーを押しながらパレットオプションを選択すると、小さなダイアログ「マーリンは生きている!(Merlin Lives!)」が表示される。
Adobeのアプリケーションには、このイースターエッグのほか、マーリンが登場するパネルがいくつかある。一例として、Adobe Illustrator CS5.1では、リンクパネルのメニューからパネルオプションを選ぶと、パレットの上に並んだ小さな魔法使いが4人並んだイラストがサムネイル例として表示されている。この魔法使いがマーリンであるとの記載は、パネルオプションにはないが、Photoshopの「マーリンは生きている!」と同じイラストの魔法使いが描かれているのが見て取れる。