概要
アーサー王伝説にて剣を失ったアーサー王にエクスカリバーを与えたとされる精霊。
一説では精霊王とも言われ、アーサー王を守護し、死後その魂を精霊の国アヴァロンへといざなったとされている。「湖の乙女」とも呼ばれる。マロリーの『アーサー王の死』ではヴィヴィアンという名前が充てられている。
他にもランスロットを拾って育て、アロンダイトを与えてアーサー王の下へ送り出した逸話やアーサー王の相談役でもある大魔法使いマーリンの弟子だったりする逸話も持つ。
アーサー王を守護しているイメージが強いこの貴婦人だが、実はブリテン王国滅亡の黒幕ではないだろうかという逸話もいくつか存在する。
たとえば結果論だが送りだしたランスロットがアーサー王を裏切り、円卓の騎士たちの間に亀裂をいれてしまったり、エクスカリバーが強力すぎるたためアーサー王自ら裏切った部下たちを殺してしまったりと害が多い。
またアーサー王伝説終盤でマーリンが登場しなかったのは、実はマーリンの弟子であるこの貴婦人がマーリンを色仕掛けでたらし込み、マーリンから聞き出した「絶対に脱出できない塔」へとマーリンを封印してしまったためという逸話が存在する。
アーサー王を助けたり滅ぼしたりと、正邪両面を有する謎多き精霊である。