ピクシブ百科事典

ベイリン

べいりん

アーサー王伝説に登場する騎士。双剣の騎士ベイリン

概要

アーサー王伝説に登場する騎士
双剣の騎士」「2つの剣を持つ騎士」「野蛮なベイリン」等の異名を持つ。
アーサー王に仕えたが、円卓の騎士が結成されるよりも前に追放されたため、通常円卓の騎士には数えられない。
アーサー王がイングランド統一のために戦っていた時期の登場人物で、伝説の初期に死亡してしまうため、彼の活躍の話はカットされてしまうことが多い。

活躍

アーサー王がイングランド統一のために11人の王たちと戦っていた時代のこと。
ある時、アーサー王の宮殿に剣を持った乙女が現れた。
この剣は「武勇に優れ行いも正しい最も高潔な騎士のみが扱う事のできる剣」だという。
宮廷中の騎士が最優の騎士の栄誉を求め、この剣を鞘から抜こうとするが、剣はびくともしなかった。
ちょうどその頃、アーサー王の従弟を殺した容疑で半年間投獄されていたベイリンが釈放されていた。
現場に通りがかったベイリンが試しに鞘に挑戦すると、剣は容易く鞘から抜けた。
すると、乙女は湖の乙女に殺された恋人の復讐をするため、その剣を抜く必要があったといった。
また、剣を持っていると、最も親しい者をその手で殺す呪いに見舞われるとして、ベイリンに返すように要求したが、彼は「そのような事態に陥ったなら、私は殺すよりも先に自害するだろう」と言いこれを拒否した。
剣を失った乙女は悲嘆に暮れ、宮殿を立ち去った。
直後、怒り狂った湖の乙女が宮殿に現れた。
剣は湖の乙女の元から盗まれた物だった。
湖の乙女は「剣を渡した乙女」か「剣を抜いた騎士」のどちらかの命を要求した。
この時、この湖の乙女が過去に自分の母を殺した相手だと気付いたベイリンは、衝動的に湖の乙女の首を刎ねてしまう。
武器を持たない婦人を手にかけたこと、また宮殿を血で汚したことがアーサー王の怒りに触れ、ベイリンは王宮から追放されてしまった。
こうしてベイリンは、元々持っていた自分の剣と併せて2本の剣を持ち歩くようになり、この時から双剣の騎士と呼ばれるようになった。
魔法使いマーリンは、ベイリンを評して「アーサー王に対しては利益をもたらすが、他の者には悲しみをもたらすだろう」と予言している。
また、『国王牧歌』では実弟のベイラン卿から「私がいない間、くれぐれも気分任せで行動しないように」と忠告されている。

追放後のベイリンは、王宮内での行いを見過ごせず追ってきたアイルランドの騎士、ランサー卿から一騎打ちを挑まれ、これを殺害する。直後、ランサー卿の婚約者が現れてベイリンを罵倒し恋人の剣で自殺した。
これにはベイリンも嘆き悲しんだ。
ベイリンはアーサー王の許しを得るため、当時アーサー王と敵対していたリエンス王を倒すことを決意する。
ベイリンは弟ベイランと共にたった2人で30人の騎士を率いるリエンス王を奇襲し、見事捕縛に成功した。

この働きによってアーサー王から許しを得たが、さらなる勲功を求めて旅を続けるベイリン。
(『国王牧歌』では一度アーサー王の元へ帰り、理想の騎士であるランスロットに師事する。しかしギネヴィアとの不義を知るとランスロットに失望し再び旅に出る)
ある日、姿を消す魔法を使う騎士ガーロン卿の攻撃によって旅の道連れを殺されたベイリンは、これを討つために、ガーロンがいるベラム王(後に漁夫王と呼ばれる)の城を訪れた。
ベラム王の城では武器の携帯は禁じられていたのだが、ベイリンは短剣を隠し持ち、ガーロンの暗殺に成功した。
だが、ガーロンはベラム王の弟であり、怒ったベラム王はベイリンを殺害しようとした。
短剣しか持っていないベイリンは、逃げる中、城の宝物庫でを発見し、これを使ってベラム王を撃退した。
しかし、突如として城が崩壊し、ベイリンも瓦礫の山の下敷きとなった。
ベイリンが入手した槍は、実はイエス・キリストを刺してその血を受けたロンギヌスの槍であり、聖具を武器として使った天罰「嘆きの一撃」が発動したのだ。

ベイリンはマーリンによってベラム王共々城の残骸から助け出された。
ベイリンは罪を犯した己を恥じ、アーサー王の下へ帰還することを諦め、贖罪の旅に出ることにした。

あるとき、そこを通過するには「島を守る騎士」と決闘しなければならないという悪習があるという地方を通りかかった。この決闘を承諾したベイリン卿は、ある騎士の助言に従い、彼に楯を借りていくことにするのだが、これが悲劇を招いた(『国王牧歌』では湖の乙女の策略とされている)。このとき、決闘相手は弟であるベイラン卿であったのだが、ベイリン卿はそれに気がつかなかった。一方、ベイラン卿も相手が二本の剣を携えていたことから、兄ではないかと思ったものの、楯が違うのでそうとは気付かなかったのである。

こうして、兄弟同士は殺し合い、お互いに瀕死の重傷を負わせた時点でようやくお互いの素性に気付くことになった。もう助からないことを覚悟したベイリン卿とベイラン卿は、同じ墓に埋葬されることを言い残し、息絶えるのであった。

ベイリンを死に追いやった呪いの剣は、マーリンによって回収され、柄を変えられ、後にガラハッドの手に渡っている。
また、ロンギヌスの槍によって付けられたベラム王の傷は自然治癒せず、城もなくなってしまい、近所の川で魚を釣って暮らすようになる。
そんなベラム王を助けるためにガラハッドやパーシヴァルらが聖杯探索の旅に出る事になる。
ベイリンの行動の数々は、後の聖杯探索の伏線となっているのである。

pixivに投稿された作品 pixivで「ベイリン」のイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 4465

コメント