――ああ。辛い道を選んだんだね。
プロフィール
ごく個人的な時のみ一人称が「ボク(僕)」となる。
概要
『Fate/Grand Order Arcade』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
現来の『TYPE–MOON』世界本編とは異なる世界での、騎士王の師であり臣下であった伝説の魔術師。初登場は『Fate/Prototype』の前日譚である小説作品『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』において、アーサーの回想シーンで台詞のみではあるが登場し、この際に女性であることが判明。
そして『Arcade』3騎目のオリジナルサーヴァントとして5章『北米神話侵食イ・プルーリバス・ウナム』にて実装された事で遂に正式登場を果たし、主人公達の味方として協力することになる。
アプリ版『Fate/Grand Order』ではアーサーが旅立つきっかけとなる出来事が描かれた際には、グラフィックがなく「女魔術師」としか表記されない会話の登場のみであった。そして2022年水着イベント『アークティック・サマーワールド!』に水着版からアプリ版に本格参戦を果たした。
真名
アーサー王伝説に登場する、アーサー王を導く花の魔術師、『マーリン』。
アーサー王が女性のアルトリア・ペンドラゴンではなく、原典通り男性のアーサー・ペンドラゴンだった世界線『Fate/Prototype』におけるその人。性別は女性で、人と夢魔との混血。
『TYPE−MOON』世界本編においては、ブリテンの伝説的な王であるアーサー王は女性だったとされ、アルトリアが存在する世界線では、魔術師マーリンは原典通り男性である。しかし、原典通りの男性のアーサー王が存在する世界線では、マーリンは女性であり、それが彼女である。
何の因果か、この2人は性別だけでなく声優も対になっており、声優が男性だと櫻井孝宏、女性だと川澄綾子となっている。なお『Grand Order』においてはアーサーがマイルームでアルトリアの声をマーリンだと間違える一幕がある事から、設定上においても似た声色をしているようだ。
また、プロトマーリンとされてはいるが『旧Fate』から一部リメイクされた『Prototype』を作成するに当たって、アーサーとの兼ね合いによって、女性になっている為、アプリ版のマーリンがプロトマーリンの男体化というわけではないので注意すること(『旧Fate』時点ではマーリンが女だったかについては不明となっている。※ 正式作品化の際性別が変更されたキャラクターもいる為)。
また『Grand Order』の『アーサー体験クエスト』にも声のみで登場しており『Prototype』での戦いが終わった後、アヴァロンへ辿り着いたアーサーに討伐したはずの獣の兆しが残っていることを告げると共に、彼を『Grand Order』の世界へ送り出した。彼女曰く「向こうのボクに会ったらよろしく」とのことであり、剪定事象を理解しているとも解釈出来る意味深なやり取りであった。
また、アーサーの宝具開放時に円卓の議決を告げる声は彼女のものだとされる。
人物
一人称は基本的には「私(わたし)」、ごく個人的な時は「ボク」。
人間世界は醜いものと読み解きながらも「すべてがキレイな必要はないさ。どんなに汚いものでも、ただ一点、輝ける星があればいい」と希望を語る弁士でもある。自身のことを人類が産み出したナビゲーターと称しており、人類の物語が永遠に終わらなければいいと思っている。
基本的には人間の世界好き、悪戯好き、男の子好きを公言する。
たいていの事は「どれどれ」と穏やかな笑顔で受け流す花の魔術師。男性のマーリンとは違い、何の悩みもない、満ち足りた精神構造を維持している。彼女は自分が人間社会において異物であると自覚しており、それを別に嘆いていないので「人は人、私は私」と完全に割り切っている。
この様に「人心を解さぬトラブルメーカーなロクでなし」である点はアプリ版のマーリンと同じだが、アルトリアの件から罪悪感を覚えアヴァロンへ自身を幽閉した彼と違い、彼女はアーサーに対して罪悪感を覚えず、自身をアヴァロンへ幽閉してないため、よりロクでなし感が強い。
そうした相違点の証左として、彼が属性が秩序・善だったのに対して彼女は混沌・善となっており、彼が人類のハッピーエンドを見届けたいと思っているのに対して、彼女は人類の物語が永遠に続いて欲しいと思っている。そのため、お互いに相容れず出会っても不干渉を貫いている。
能力
スキル内容こそほぼ同じだが、各種ランクやステータスには変動が見られる。
ステータスは筋力がBからEランクに大幅にダウン。代わりに耐久以外のランクがそれぞれ上がり、特に魔力はA++と全サーヴァント中でもトップクラス。そのため戦闘においても魔術が多め。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | E | E | C+ | A++ | A | A |
保有スキル
陣地作成(D) | キャスターのクラススキル。魔術師として、自身に有利な陣地を作り上げる事が可能。完全な根無し草にして、一個所に留まらない自由奔放な活動方針の所為か『陣地作成』はそう経験を積んでおらず、ランクは低めである。 |
---|---|
道具作成(A+) | キャスターのクラススキル。魔力を帯びた器具を作成できる。その手に持つ杖が工房となっており、瞬時に様々な道具を作成する事が可能である。 |
英雄作成(B) | 王を人為的に誕生させ、育てる技術。世界有数のキングメイカーであるマーリンだが、『大局は勿論大事だけど、面白さの方がもっと大事』という性格の為、ランクは下がっている(男性の方は規格外のEXランクとなっている)。 |
夢幻のカリスマ(D) | 人を引きつける能力。王や指導者に必須とも言えるスキルだが、なぜかマーリンは天然で持っている……しかし、マーリンはたまに「面白さ優先」で王の人生を狂わせてしまう為、人に対する『カリスマ』は低下している。 |
夢魔の畔(EX) | 地球における最後のサキュバスとしての力がスキル化。本性とも。『幻術』と『魔眼』が合わさったもの。敵味方合わせて、戦場を一眸するだけで敵の精神に介入し、その魔力を吸い上げる。男性の方は『幻術』を保有する。 |
高速詠唱(EX) | 魔術の詠唱を早める能力。神言では無いが、その呪文の美しさは最早妖精語の域に達している。マーリンの呪文は速く、短く、そしてどこか悲しい響きを持つという。うっかり噛んだりはしない為、男性の方よりランクが高い。 |
混血(EX) | 人間以外のヒトの血が混ざっている。マーリンは夢魔との混血とされ、夢魔としての特性を完全に受け継いでいる。これで他者の夢に介入出来る。 |
単独顕現(A) | 単独で現世に現れるスキル。『単独行動』のウルトラ上位版。本来、マーリンは英霊として召喚されない。どのような未来においても死亡していないからだ。彼女がサーヴァントとしてマスターに仕えるのは個人的な欲望の発散、有り体に言えば趣味である。彼女はその趣味を実現させる為、ある特殊クラスしか持ち得ないこのスキルを自力で獲得し、サーヴァントとして召喚されるフリをしている。なお、タイムパラドックスへの耐性があるかは不明。 |
宝具
久遠に開かれた理想郷(ホープ・オブ・アヴァロン)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~100
- 最大捕捉:−
「世界の果て、永遠の輝き。地平の彼方で私は告げる。理想は君達の歩みの先にある――“さあ、諦める事なく進みなさい”……『久遠に開かれた理想郷(ホープ・オブ・アヴァロン)』!!」
どのような遍歴からか、このマーリンは男の方とは違ってアヴァロンの塔には幽閉されていない。アヴァロンは人類が終わる時まで有り続ける。アヴァロンとは『人類が目指す理想とする未来』の姿だと、このマーリンは認識している。そのため、彼女が棲むアヴァロンは閉ざされたものではなく、人類に対して開かれたゴールという位置づけになっている。マーリンの杖が指し示す地平線の彼方は、久遠の先で光り続け、今も人々を走らせ続ける「希望」そのものなのである。
閉ざされた理想郷を展開するのではなく、彼女が己の杖で指し示すのは地平線の彼方。
久遠の先で光り続け、いまも人々を走らせ続ける『希望』そのものである。
詳細は該当記事を参照。
人間関係
生前
アプリ版のマーリンのアルトリアと同じく、始まりに立ち会い魔術師として支え続けた主君。
『FGO』の体験クエストで我が愛しき赤き竜と呼ぶあたり男の方同様、思い入れはある模様。
ビーストⅥ討伐の際についに並び立つが、アーサーを使命の旅に出しておいて自分も気まぐれにカルデアへ協力していた為、流石のアーサーも「話が違う!」と堪忍袋の緒が緊急パージすることに。ちなみにこの時のやりとりは完全にコレである。長年の付き合いから「我が愛しのアーサーじゃないか!」など息の合った掛け合いをしており、この近すぎる距離感を幾度も見せつけられたであろうギネヴィアの心境を想像して同情するファンが多発した。まずは土下座だマーリン……
別世界におけるマーリンの使い魔で、この世界でも使い魔ではあったらしい。
男のマーリンとのような関係かは不明だが、当然ながら無茶苦茶嫌われている。
Fate/Grand Order Arcade
アーケード版の終章にて、彼女と共に力を貸してくれた冠位英霊。
彼女からは『グラ友』と呼ばれ、一応はお互いに面識があるようである。
なお当人曰く「冠位を捨て置いて気ままに振るう妖精もどき」との事で態度は辛辣。
アーケード版全体における黒幕にしてビースト(ネタバレ注意)。
その出自上、彼女の事を「星の獣」と呼んでおり、相容れないとしている。
性別や細かな能力などを除けば、同じ役割を持ってアーサーの側近を務めた並行世界の同位体。
物語(世界)に対する考えはまるで違うため、衝突を避けるべく徹底した不干渉を貫いている。
契約したマスターとその後輩。彼らの旅路に興味を持って参戦を決めた。
しかし「大変だけど楽しそうだったから」という表現をしたことで余計アーサーに怒られた。
余談
- 髪の毛から出ている突起物が耳なのか飾りなのかファンの間でも意見が分かれていたが、耳ではなく飾りであることがタイキ氏によって明かされた。
- ロマニ・アーキマンが心酔していたバーチャルアイドル「マギ☆マリ」の正体があっちの世界のマーリンだった事もあって、そのビジュアルはこのプロトマーリンそっくりだったのではないかとか、ロマニがハマるわけだとか早速ネタにされている。ただし、実際のビジュアルについて公式でお出しされてない事には注意が必要である。
- マスターからはプロトマーリンを縮めてプーリンという愛称がSNS界隈を中心に拡がっている。他にも彼にあやかった「グランドクソ女」や「グランドろくでなしお姉さん」なる通称もあったりする。イマイチ可哀想だと思えないのはご愛嬌か……
関連動画
関連イラスト
『FGOAC』にて実装されるまでは公式ビジュアルが存在しなかったため、それ以前に当タグで登録されたイラストは、全て男性のマーリンをベースに想像で描かれた作品のみであったことに注意。
関連タグ
Fateシリーズ Fate/Prototype Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツ Fate/GrandOrder Fate/GrandOrderArcade