我が面は翁の死。我が剣は翁の裁き。
我は山の翁にとっての山の翁。
───すなわち。ハサンを殺すハサンなり。
プロフィール
真名 | “山の翁”(ハサン・サッバーハ) |
---|---|
クラス | アサシン(グランドアサシン) |
性別 | ???(生前は男性) |
身長 | 220cm |
体重 | ??kg |
出典 | 中東(ゲームマテリアル)/ 山の老翁(書籍マテリアル) |
地域 | 中東 |
属性 | 秩序・悪・人 |
好きなもの | 首 |
嫌いなもの | 怠惰、堕落、劣化 |
設定担当 | 奈須きのこ |
ILLUST | Ryota-H |
CV | 中田譲治 |
キングハサンと呼んでもよい……
概説
『Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
第1部6章『神聖円卓領域 キャメロット』にて初登場し、第1部7章『絶対魔獣戦線 バビロニア』にてゲスト参戦を果たす。そして、2017年1月の期間限定ピックアップ召喚で正式実装された。
『山の翁』という呼び名は、歴代ハサン・サッバーハ全員に対する呼称だが、基本的に、初代である本来の異名の持ち主である彼を指しており、ゲーム中の表記においてもこれを真名としている。彼自身は自身の呼び名に関しては頓着しておらず、主人公やマシュからは「キングハサン」と呼ばれており、それが定着している。ただし、作中では一貫して「“山の翁”」表記で統一されている。
真名
暗殺者の語源であるアサシン教団の首領、『ハサン・サッバーハ』。
その中でも彼は『初代』“ハサン・サッバーハ”にして『最後』の“山の翁”。
牛、または鬼のような立派な双角を備えた髑髏面の奥に青白い眼光を滾らせた底知れぬ人物。
この者を目の当たりにした者の悉くが、(敵味方問わず)その瞬間に他界している事から暗殺教団においては歴代のハサンを含め、ただひとりの目撃者もいなかったという(そのため、ハサンに成れなかった狂信者の少女は同じ時代に生きた百貌のハサンを最後のハサンだと思い込んでいた)。
『山の翁』の始まりであった彼は、同時に教団の腐敗を断罪する監視者としての人生を選んだ。
神の教えのもとに照らせば正しい教団ではあるが、その行いは人としての悪である事は免れない。だからこそ、この人物は「神の教えを守る者たちが人の欲に溺れる事こそが、神への最大の冒涜となる」としており、教団の腐敗と、そのトップである『山の翁』の堕落を許さなかった。
精神の堕落であれ技術の堕落であれ、衰退した者に『山の翁』の名は与えられぬと判断し、その首を断つ事で罪の許しとし、次の『山の翁』に託す希望とするのだ。実際、ハサンの中でも自己評価の低い静謐のハサンは、彼に斬られた事そのものが唯一自分の残せた功績だとすら語っている。
アサシンにもかかわらず正面から戦う大剣を用いるのは「暗殺者を暗殺する」という破綻した役割に大義を与えるため。数々のアサシンの生涯にて繰り返された「教団の教義を違える最期」に、人知れず終止符を打ち続けてきた彼は、暗殺教団が滅びるまでその闇に潜んでいたと言われている。
生きた伝説にして、誰一人として目撃者のいない暗殺者の深淵。それがこの髑髏の剣士である。
人物
一人称は「我」、または「山の翁」と単語として語る。
口を開くことが少なく恐ろしい風貌に見えるが、堕落を嫌う高潔な人物。
人の法と神の法の双方に通じており「生命活動の停止」と「命の終わり」を別に捉えている。
対象を殺害することに対しても、あくまで『天命が下る』か否かで判断しており『天命』が下らないのであれば危険な存在であってもそれがまだ死ぬ時ではないと判断すれば手を引く。
また彼自身は狂信者ではあるが、他宗教への理解もあるなど寛容な一面も見せる。
ただし、自分の後代であるハサン・サッバーハ達には厳しく、度々脅しをかけている。
活躍
第1部6章『神聖円卓領域 キャメロット』において、獅子王軍との戦力不足を痛感したカルデア陣営が歴代ハサン達の案内で「アズライールの聖廟」を訪れたことで、彼らと初対面を果たす。当初は姿を見せず、操った静謐のハサンを用いた試練を主人公に課す。この試練を主人公が誰も殺さない形でクリアするとようやく姿を現し、自分の言いつけを守ることを条件に助力を確約した。
そして同章後半にて、円卓軍に攻め込む主人公側の援軍として再登場する。
聖都攻略に向けて主人公率いる連合軍が出陣すると、砂嵐を巻き起こすことでこれを支援した(ちなみに、この砂嵐を起こすにあたって魔力は一切用いていないそうだが、その原理は不明)。そして、聖都正門を守護するガウェインの前に姿を現し、激しい鍔迫り合いを演じてみせた。この鍔迫り合いでは、キングハサンの見せた剣技は彼の実力のほんの一部であることが示唆されている。
第1部7章『絶対魔獣戦線 バビロニア』では、ウルク市民の中にひっそりと紛れこんでおり、メソポタミアの洪水神話の登場人物「ジウスドゥラ」を名乗る老人の姿で主人公の前に現れて助言を行った。こうした縁から、最終決戦ではその正体を現し、冠位を捨ててまで主人公らに協力し、人類悪の翼を斬り落とすことでその討伐に多大な貢献を行った。この時のベル・ラフムとの戦いが、彼をサポート鯖として使用することができる唯一の機会である……と思われていたのだが……?
能力
実力は彼以降のハサン達とは一線を画している。
暗殺者ではあるが、身の丈ほどの大剣をほぼ片手で振るう剣士である。
その詳しい能力は現状不明だが、肉体を改造して暗殺兵器となった彼以降のハサン達とは違い、運命によって殺すというものらしい。『直死の魔眼』とも関係ない全く別の技術であるという。
その能力は直接見せてはいないが、ギフトで強化されて常時無敵状態であったガウェインを難なく足止めしており、魔力を一切使わず砂嵐を引き起こしたりと、作中で確認できる描写は完全に暗殺者の枠組みを超えている。本気になれば獅子王の軍勢を止めることができたのではとガウェインに疑われている。加えて、メソポタミアの冥界に姿を見せた際には、死の概念が無い存在にすら死を与えるという技すら見せた(これがグランドアサシンとしての能力であると推測されている)。
当然暗殺者としても圧倒的で、あのオジマンディアスすら、本拠地である宝具『光輝の大複合神殿』の最奥に居るにもかかわらず首を斬られてから初めて存在に気づいた程であった。太陽王は神殿の再生能力のおかげで死にはしなかったものの、首が繋がるまでにかなりの時間を要した。本来であれば、大複合神殿内でのオジマンディアスは、たとえアーラシュの対軍宝具級の狙撃によって霊核を破壊されたとしても瞬時に再生するほどの不死性を誇り、そして神殿内部の状況をつぶさに把握できる。その彼でさえ無自覚のまま完全修復に長時間を要する状態に陥ったという点で「冠位」の霊基を持っている山の翁がどれだけ規格外の暗殺能力を持っていたかが窺えるであろう。
Dr.ロマンは彼のクラスがただのアサシンではないことに気づき、その事を指摘しかけたが、ロマニを完全に信用していなかった彼によって(別次元からの通信を「斬る」ことで)黙らされた。ロマンが言いかけた言葉を推測するならば、ソロモンに続く2人目の冠位(グランド)を冠するサーヴァント「グランドアサシン」と思われる。そのことは第1部7章にて正式に明言されている。
他のグランドクラスはグランドキャスターの該当者達のように複数の候補が存在するが、グランドアサシンのみ、彼しか存在していない。英霊召喚を下地にした冬木の聖杯戦争においては、アサシンがハサン・サッバーハしか召喚できない理由はそこに関係しているものかと思われる。
人類悪討伐にあたって、人類最後のマスターと言う『個人』への助力という行為で『全体』を救う為の冠位という格を失ったことに加えて『死の概念』を付与するという離れ業の代償として冠位級の霊基をも失ってしまったが、それでもなおアサシンとしての卓越した技術は健在である。
……とはいえ別の世界の最終決戦では冠位は失われていないようであり、この世界の人類悪の討伐のため現界しているので冠位ってなんだという話ではあるが(もしかすると皆一様に別の世界線では冠位を失わないのかもしれない)。本当にこの人は元々は純粋な人間であったのだろうか……
モーション中では、蒼い炎を纏わせた剣術によって戦っており、ダメージヒットまで時間差のある影の斬撃を繰り出す、影に潜って相手の背後を取ってから奇襲する、目を光らせて敵を包み込む火柱を発生させる、剣を相手の体に突き刺して内部から炎を炸裂させるなどの攻撃を披露している。
アニメ版バビロニアにおいては、ラフムの攻撃で身体を貫かれても鎧に空いた穴から蒼白い炎が漏れ出るのみで意に介さず戦闘を続け、終盤に剣を失い素手になった際にはまさかまさかの噛み付き攻撃も披露しており、獣の如く地に這いつくばりながらラフムを噛み砕く姿は元来の山の翁の出で立ちも相まって、まさにクリーチャーか妖怪じみたものであり、もはやどっちが敵なのだか分からないような様相を呈していた。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B | A | B | E | E | A |
アサシンの定義上、魔力は低いが幸運以外は規格外の高さを誇る。
しかも、魔力に関しても必要が無いので実質隙は存在しない。
保有スキル
気配遮断(A) | アサシンのクラススキル。自身の気配を消す能力。嘗て修得していたものの残滓。強力な呪いを帯びたこの剣士は、例え隠密行動判定を完全に成功させたとしても『これから殺す相手』に自分の存在を感知されてしまう。要は相手が運命として「ぞわり」と死の予感を感じ取ってしまうのである。 |
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対魔力(B) | 本来はセイバーなどのクラススキル。魔術に対する抵抗力。Bランクでは、三節以下の詠唱による魔術を無効化する事が可能となるレベル。大魔術・儀礼呪法など大掛かりな魔術を以ってしても山の翁を傷付けるのは難しい。 |
単独行動(B) | 本来はアーチャーのクラススキル。マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。自分自身で肉を削ぎ、内臓をかきだす程まで純粋な信仰に到達したこの剣士は、自らの意思だけで自由行動を可能とする。 |
戦闘続行(EX) | 「往生際の悪さ」を表す能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負っても戦闘が可能となる。最早自身ですら生きているのか死んでいるのか定かでは無いこの剣士は、例え致命傷を受けようが肉体が半分無くなろうが、五体満足の状態での性能を維持したまま敵に食らいつく。 |
死の淵(EX) | 「戦闘続行(EX)」が変化したスキル。本来生死が定かでは無い筈の彼が命の危機に瀕した(文字通り『死の淵』に晒された)時、更なる力を発揮する。 |
天性の肉体(A→C) | 生まれながらに、生物として完全な肉体を持っている。一時的に筋力のパラメーターをランクアップさせる事が可能。更に、鍛えなくても筋肉ムキムキな上、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない……筈だが、この剣士は自らの信仰の元、肉体を改造してしまった為、ランクが大幅に低下。 |
信仰の加護(A+++) | 一つの宗教に殉じた者のみが持つスキル。加護とはいっても最高存在からの恩恵では無く、自己の信心から生まれる精神・肉体の絶対性。高すぎると、人格に異変をきたす。彼の場合は狂信者ではあるが、ある程度融通は利く。 |
無冠の武芸(−) | 様々な理由から認められる事の無かった武具の技量。剣、槍、弓、騎乗、神性をそれぞれのスキルランクをマイナス1し、属性を真逆のものとして表示する。真名が明かされた場合、このスキルは消滅する。カルナと同スキル。 |
晩鐘(EX) | 葬礼を人々に知らせ、死の訪れを響かせる晩鐘。その儀礼と一体化した結果発生した特殊スキル。この剣士は自分の意思で殺す相手を選ばない。その相手が「死ぬべき時を見失った」亡者と化した時、天主に成り代わり救済を与える。全ては天の意思であり、天の意思であるが故、この剣士と対面してしまった者は運命の終わりを知る。「――聞こえるか、この鐘の音が。それこそ汝の天運の果て。受け入れ、魂を解くが良い。それが、人として安らかに眠る最後の機会である。」宝具の際に聞こえる鐘の音とも関係しているか。 |
晩鐘、帰路(EX) | 「晩鐘(EX)」が変化したスキル。詳細不明。 |
境界にて(A) | 幽谷の境界を歩み続けた事で得た能力。彼の振るう剣には全て即死効果が備わっており、どのような強敵相手であれ、宝具の真名解放をしていない状態ですら稀にその効果が発揮される。また幽谷にあるものとして死に慣れ同化している為、即死耐性に加えて恐怖耐性も持つ。サーヴァント化する際、自ら境界から出てきているのでAランクに下がっている。即死無効、魅了無効、通常攻撃に即死付加。宝具『死告天使』の要となるスキルと思われる。 |
宝具
死告天使(アズライール)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大捕捉:1人
「信託は下った。」
「聞くが良い。晩鐘(ばんしょう)は汝の名を指し示した。告死(こくし)の羽――首を断つか!『死告天使(アズライール)』……!!」
何の変哲もない大剣。彼が生涯振るい続け、捧げ続けた信仰が染み付いている。この剣の前に落命する者に、恐怖はあるが痛みはなく、畏れはあるが苦しみはなく、懺悔はあるが後悔はない。
幽谷の境界を歩み続けるこの人物の剣は、すべての攻撃に即死効果を付加するという。
その確率は低いものだが、どのような強敵であれ即死の危険性を与える。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
HP:13,338にATK:11,848と、両ステータスが実装時点2位という、ハイスペックなバランス型。
冠位指定の実力は伊達ではない。しかし《Quick:1/Arts:1/Buster:3》、Buster宝具と、アサシンにあるまじきゴリゴリのBuster偏重という、これまた異彩を放つカード配分をしている。
そのためアサシンクラスとしては貴重なBuster&Braveチェインで、ライダーの敵を一瞬にして打ち砕くことができる。そうでありながらQuick・Arts共に非常に高水準な性能を有しており、特にArtsを3枚目に仕込んでOver Killを狙うだけで60%ものNPを獲得することが可能となり得る。
保有スキルは、5ターンの間死亡すると段違いな回復量で復活する「戦闘続行(EX)」、自身のHP回復に加えて攻撃UP・弱体耐性強化(3ターン)と防御UP(1ターン)を追加で付与する「信仰の加護(A+++)」、自身のBuster性能UP(1ターン)&敵全体の即死耐性DOWN(3ターン)の「晩鐘(EX)」と高性能を誇っており、耐久と火力補助を併せ持っているバランス型アタッカーの構成である。
特に「戦闘続行(EX)」は他の同名スキル持ちのサーヴァントが最大2500前後の中、彼は最大5000という非常に高い数値であり、復活後に「信仰の加護(A+++)」で回復すれば十分に立て直しが利く。
更に固有のパッシブスキルであるクラススキル「境界にて(A)」がかなり特徴的なものであり、その効果は【即死攻撃無効化&強力な魅了耐性&通常攻撃に極低確率で即死効果を付加】という仕様。同じくパッシブスキルの「対魔力(B)」と前述した「信仰の加護(A+++)」での弱体耐性強化のおかげで、敵の魅了はほとんど通じず、その他のデバフ・バステも大抵のものは弾いてくれる。
更に、宝具には呪腕のハサン以来となる「高確率で即死」が付随し、加えて「晩鐘」のデバフで即死率がさらに上がる。ただし、通常攻撃での即死可能性は「当たればラッキー」程度のもの。また、即死は高難易度の敵やサーヴァントなどにはほとんど効かず、宝具の素の威力も低め。
そのため、このキャラの要点は目を引くであろう即死ではなく、むしろBusterそのものをいかに生かすかという扱いが必要になる。ここでもう一つの長所として、ArtsとQuickの1枚が凄まじい性能をしているため、B3枚型の使い方さえ慣れてしまえば即死や礼装に頼らない戦いは十分に可能である。高い攻撃性、耐久のしぶとさの両面を持つため、実は単騎無双でも強い。彼に殿(しんがり)として控えていてもらうと、いざというときに場に居座って粘り勝ちしてくれることも多い。
そして、2020年3月のアニメ版『絶対魔獣戦線 バビロニア』における登場に合わせてピックアップ召喚の開催と強化クエストの実装が行われた。「戦闘続行(EX)」が「死の淵(EX)」へランクアップし、【死の淵状態(ガッツが付いている間Buster性能UP)とガッツ発動時に死の淵状態を解除&自身のNP増加(+20%)&Buster性能UP(1ターン)を付与(5ターン)】の効果が追加。長期的な攻撃バフが伴うようになった事で気軽に使えるようになり、さらに復活時にNP増加が加わった事で宝具によるカウンターが狙いやすくなった。狙って発動させるには工夫が必要になるものの、上述の殿適性の高さをより高めることが可能になったのだった……そこ、自爆軍師で楽に発動するとか言うなし。
さらに2023年4月19日にはティアマト実装に伴い、強化クエスト第2段が実施。S3の「晩鐘(EX)」が「晩鐘、帰路(EX)」へと昇華。その効果は、敵全体の即死耐性ダウン(3T)+自身のバスター性能アップ(3T/30〜50%)&NPチャージ(20〜30%)というとんでもないものである。
Buster性能50%アップ3Tは強化された旧セイバー以来の実装であり、更にあちらと違って翁は宝具+Bコマンドカード3枚の合計4枚であるため、その能力を十全に発揮することができる。
最大30%のNPチャージも付いているので、「死の淵」も発動すればNP50%獲得、(1Tのみだが)Buster性能100%アップというグランドクラスの名に恥じないトンデモサーヴァントが完成する。
即死耐性ダウンが延びたのも追い風となり、自身だけでなく他の即死宝具持ちのサーヴァントも生かしやすくなる利点がある。短いスパンでスターを生産できる呪腕のハサンや回復で生存力を上げてくれるだけでなく宝具で複数の敵を露払いしてくれる「両儀式」などと相性が向上した。
幽谷にて
『ネロ祭再び』の「【超高難易度】第六演技:幽谷にて」の相手として登場。今までの超高難易度と比べ、手持ちや戦術以上に運が絡んでくる異常なまでの難易度として語り草となった。
パーティは最後尾にキングハサン、取り巻きに「脱落者たち」と言う名の百貌の分身が登場するというアサシンオンリーの編成。クリア条件は「"山の翁"の討伐」だが、問題はスキルとバフ。
- 全ての攻撃への耐性を持たせる「幽魂の護り」が19個、即死発生率の超絶UP、当然解除不可
- ターン開始時にスキルとしてこちらの先頭に居るサーヴァントへのターゲット集中(1回)と自陣のハサンを即死させる事で自身にその種類に応じた効果を付与(宝具発動ターンには使用しない)。
- 前述の行動は攻撃に含まれていないので、しっかり3回行動してくる(要は疑似的な5回行動)。
- ブレイクゲージ後、毎ターンB,A,Qいずれか一つにのみ作用する回避状態となる【去なしの外套】が"戦闘行動前"に追加。もはや掟破りの6回行動な上に、こちらも解除不可能である。
などなど、とんでもスキルのオンパレードとなっている。
攻略法としては、味方殺しの際に「幽魂の護り」を一つ解除していくため、ひたすら耐えて耐性が減るのを待ってから攻勢に移る事になる。しかし、長期戦と即死要素の多さが悪い意味で噛み合っており、耐久の最中に即死が発生し、パーティが崩壊してしまい失敗するというケースが続出。
特に当時は、即死の対策が取ること自体が極めて難しかったため、多くの人が対策を取ることができない状態で挑まざるを得なかった。その対策も「BBの極めて高い即死耐性で粘る」か「概念礼装『死霊魔術』の無制限確率ガッツの発動を信じて博打に出る」か、等々非常に厳しいものだった。
ブレイク後のスキル【去なしの外套】も地味に厄介で「宝具を撃とうにも運悪く該当カードばかりが対象になり、攻めあぐねている間にアタッカーが即死した」という人も少なくない。
このクエストは2021年の復刻版でも再登場したが、さらに即死耐性が高い人類悪、宝具で味方全体に即死無効を付与できるスカサハ=スカディ、宝具に必中が付いている護法少女などといった当時は存在しなかった様々なサーヴァントによって、間接的に難易度が緩和されている。しかしよりによって人類悪を狩るグランドクラス相手の解答に人類悪がいるのは皮肉としか言えない……
関連人物
他のハサン&教団関係者
自身が引退した後の後輩達。マイルームボイスにおける下記の歴代ハサンへの評価はやたら厳しく、最後に必ず「首を出せ」と言う。少しぐらい褒めてやってはどうでしょうか初代様。
後輩のハサンの1人であり、命を奪った相手。第1部6章にて彼と再会を果たす。彼の救援要請に応える代わりに「全てが終わったらその首を貰う」との約束をした。そして、同章ラストでは……
後輩のハサンの1人であり、命を奪った相手。そして最後のハサンである。
翁の存在に触れた初の存在であり『Zero』コラボイベントにて言及した。
後輩のハサンの1人であり、命を奪った相手。第1部6章では、彼女の精神を支配した上で戦闘能力を大幅に強化し、カルデアのマスター一行を試す為の試練の道具として使役していた。
後輩のハサンの1人であり、歴史に残らなかった影武者のような存在。
他のハサン達とは成立経緯こそ違うものの、翁を尊敬していることは同じ。
後輩のハサンの1人であり、命を奪った相手。静謐の先代。
対応は不明だが、彼からも他のハサン同様に畏怖されている。
百貌の同期で、ハサンとして教団から認められなかった少女。
現状では、翁自身が彼女の事をどう思っていたかは不明である。
Fate/Grand Order
契約したマスター。マシュと共に「キングハサン」と言う通称の名付け親でもある。
マイルームでの会話を聞く限り、他のハサンへの態度と比較すると、彼のマスターに対する姿勢はかなり寛容である。また狂信者でありながらも意外にも他宗教への理解もあり、バレンタインイベントのように宗教が違えど祝い事の和を乱す事はせず、贈り物などもきちんと受け取っている。
彼の神殿内部へ一切気取られることなく潜入し、その首を刎ねた。
神殿の付加効果のおかげでオジマンディアスは死なずに済んだが、傷の修復には時間を要した。
オジマンディアスが最初から手を貸さなかったのも、端的に言えばキングハサンを敵に回したくなかったから。キングハサンの助力を得られるとわかっていたなら、無条件で手を貸したという。
劇中では彼女の正体や目的を見抜いていたが、直接的に手出しをすることは無かった。
もし本格的に敵対していたら、聖槍の化身VSグランドアサシンの大決戦になったであろう。
第1部6章終盤で対峙した相手であり、卓越した剣士サーヴァント繋がり。
主人公を先へ進ませるべく一騎打ちを挑んだ。終始自らが起こした砂嵐で彼の力を削いで蹂躙しており、役が済んだということで砂嵐が晴らしたのを「油断」とみてそれを咎めながら常時の3倍の力で強襲をかけた時ですら、「こんな頼りない太陽相手なら油断もしよう(意訳)」と一蹴、圧倒的な実力で翻弄してみせた。実装されたキングハサンのステータスを見たプレイヤーからは、この時の対決はカード的な意味でゴリラVSゴリラの戦いだったと一部でささやかれたのであった。
第1部7章で対峙したビースト。剣の一閃によって翼を切り落とし「死」の概念を付与した。
実装後の彼女はそのトラウマで怖がっているものの、それでもお弁当やプレゼントを用意したりと人類の母として翁を気遣ってくれる事には、自身も思うところがある模様で敬意を見せている。
翁が返上した役割に急遽あてがわれた新たなグランドアサシンで、ある程度敬意を払いつつも「面倒くさい役職を押し付けられた」と愚痴を溢している。絆1のマイルームボイスでもそのことに言及しており、本来のクラスはルーラーもしくはバーサーカーである。マテリアルと追加セリフでは彼の異名である「煙る鏡」と呼称しており、彼のスタンスとグランドアサシンになったことに対しては言うことは無いと見ている。それはそれとして彼のある問題点については指摘してるが……
生前面識があったのか、彼女から「翁殿は変わらぬな」と言葉をかけられる。
こちらの側も、彼女が試練を乗り越え信頼できる契約者を得たことを讃えている。
冠位の資格を持つ者同士。メインストーリーでは第1部7章で共演している。
人類が滅ぶまで消え去れないマーリンと、生と死の境界を歩み続ける山の翁は共に永劫を旅する者であり、多少の関連性がある。共演以前から、グラ友繋がりで面識がある模様である。
同じく別の世界において、バビロニアに召喚された英霊でグラ友仲間。
実はとあるサーヴァントが正体を隠す為に変化していたものであり、その正体は山の翁がかつて名乗った偽名『ジウスドゥラ』に大きく関係のある人物である。収束特異点でも共演した。
収束特異点にて共演した別世界のマーリン。顔見知りの様な会話をしており、彼女に対しては『己が冠位を捨て置いて気ままに振るう妖精もどき』と珍しくやや辛辣とも取れる発言をしている。
なお彼女からは「私たちはグラ友の仲じゃないか」という反応であり、慣れ慣れしい態度。
直接共演した場面は無いが、アーケード版の収束特異点にて彼の代わりに「ローマ!」と叫び、彼がこの場にいれば何を考えるのか理解している事が窺える。グラ友仲間だからだろうか。
アーケード版にて、収束特異点にて魔獣赫との戦いで共闘したギリシャの大英雄。
同じくその場で共闘していたアタランテからも「比肩する大剣使い」と評されている。
余談
奈須きのこ氏公式ブログ「竹箒日記」2016年12月14日(水)更新分によると、『FGO』制作において一番初めに戦闘ボイスを作ったキャラであり、奈須氏の思い入れもかなり強いキャラクター。
劇中で終始規格外の実力を見せつけた彼は、すっかり定着してしまった「『Fateシリーズ』のハサンは登場する度に不憫な扱いを受ける」というジンクスをある意味吹き飛ばした存在と言える。
※ 英雄王が月の裏側でハサンについて何と言っていたのかを思い返してみよう。
規格外な存在である彼が歴代19人のハサンに含まれたことで、『Fate/Apocrypha』の「歴代19人のハサン全員に対抗策が構築された」という設定や『Fate/strange Fake』の「百の貌のハサン以外の歴代ハサンの奥義が使える」という設定のアサシンがどのように取り扱われるかが注目される。
ちなみに、顔全体が鎧で覆われているように見えるが、最終再臨のイラストでは髑髏面から布が垂れ落ち棚引いているのが確認できるため、実際には口元は布で隠されているというのがわかる。
マイルームのボイスに「働け」とあるが、モデルのハサン・サッバーフは暗殺者になる前は王に仕える御用学者として働いており「1年掛かる王命の調査報告書作成を僅か40日で終わらせた」という逸話を持つ。ただ、バレンタインイベントにおいて「過度の労働は褒められたものではない。休息もまた、成すべき試練である」とも述べているため「働け」という言葉には、彼が嫌う「怠惰」に溺れないようプレイヤーの背中を押す、というニュアンスが秘められていることが推測できる。
個別のバレンタインイベントではチョコレートを渡すとお返しとして「アル・ブクール」というお香をくれる。どうやら物を贈られることには慣れていないらしく、「不意を突かれた」と驚いている。バレンタインデー自体は異教の催事(特に日本は更に異端)なのだが、それでも主人公の顔を立てた上で気遣いの品まで贈るあたり、彼の人となりが窺い知れるだろう。アル・ブクール(Al-Bukhur、البخور)というお香は実在し、その煙には魔を払う効果があると言う。主にアラブ圏で嗜まれており、どの家庭にも置いてあるほど一般的なものである。ハシシではないのでご安心を。
上記の通り、彼の「気配遮断」スキルはマテリアルにおいて「これから殺す相手には存在を気づかれる」と書かれているが、第1部6章で実際に斬られたオジマンディアスは首を斬られて(つまり実質殺されて)からキングハサンの存在に気付いたと発言しており、劇中との描写に僅かに矛盾が生じている。尤も、この時点ではまだ冠位は捨てておらず、グランド級の規格でAランク判定と考えた場合、そもそも気づくこと自体が無理ゲーという考え方もある。あるいは「あくまで牽制目的であり殺す気では無かった為、死の予感を感じ取れなかったのでは?」とする意見も存在する。
加えて、人理焼却の真相にすら勘付いていた節のある彼ならば、オジマンディアスの性格や宝具の特性に気付いていてもおかしくなく、純粋に警告目的であったと考えれば納得もいく……首を刎ねなければ牽制にすらならないと判断するあたり双方共にぶっ飛んでいると言うべきか。
演じた中田譲治氏は「Mr.型月」の異名を持つほどの型月作品常連。『Fateシリーズ』においては言峰綺礼の役でお馴染みだが、何の因果かある世界線での彼はハサンのマスターであった。