蟷螂の万分の一に届かぬ惰弱
憐憫すら起こらぬほどの愚鈍
放屁ほどの研鑽も見えぬ怠慢
恥晒しどもめ
その薄っぺらい顔に開いた間抜けな尻穴で二度と斗流を名乗るでない
寂滅せよ無能ども
※弟子達のピンチに駆けつけた際の温かいお声掛けです。
CV:柴田秀勝
概要
漫画『血界戦線』の登場人物。ザップとツェッドの師匠にして、斗流血法創始者。
伝説の火と風の2重属性使いであり、その異名は「血闘神」。
牙狩りと呼ばれる対吸血鬼用秘密結社が足跡を追っており10年単位でフラっと姿を消したと思えば、世界各地で吸血鬼こと「血界の眷属(ブラッド・ブリード、BB)」を幾人も始末した痕跡を残している。師匠自身は牙狩りに属しているわけではない。
その強さは作中で人類最強クラスであり、主人公たちが束になっても敵わない血界の眷属と互角以上に渡り合った挙句に滅殺さえしてしまう。
素手でのBBとのただのじゃれあいでも、衝撃で数トン級のポリスーツ、車両が数えきれないほど空を舞い、ビルが粉々に崩壊し瞬時に都市がガレキの山に変わる程。
更には戦闘中に弟子へのお仕置きをする余裕を見せながら片手間にBB(の下半身)に一撃を加えて自閉形態に追い込み、一切の本気を出さないながらもその桁違いの実力を見せつけ、事件終息の後に一瞬にしてHL外に移動した(ナノ秒下での攻防さえ可能なライブラの面々出さえ一切反応出来ない速さだった)。
長大な杖を握るしわがれた左手以外、仮面のように被った巨大な猪の頭蓋骨や全身を覆うボロ布でその全貌は杳として知れない。作中でザップが研鑽のためなら肉体の欠損すらも気にしない思考の持ち主と明言していることから、あるいは常軌を逸した鍛錬で下半身と右腕は失われていると思われ、後何割生身が残っているかも不明(一応、両目と口は健在しているようである)。
生命に関わる部位は血法で操った血で代用しており、物を掴むときなどは触手のようにして対象を掴む。普段は持っている杖で一本だたらのように直立している。
正確な年齢は不明だが、周囲からご老体と呼ばれたり、ザップの子供の頃からの付き合いを考えるとかなりの高年齢だと予測される。
性格はかなりの毒舌家で暴力的。主人公たち超々人であるライブラメンバーさえ「未熟者」と呼び、一番弟子のザップを「糞袋」とこき下ろし、他にも相手を罵倒したり小馬鹿にするような辛辣な言動で話す。それでいて対人話術に長けるライブラの参謀でもあるスターフェイズですら把握できない老獪な人柄の持ち主。
ただし、声帯が潰れているのかその声は獣の鳴き声のようであり、ザップとツェッド以外には何を言っているのか聞き取れない。そのため主にザップが通訳としてこき使われる。
(一応自分の声で喋っている場面も原作9巻の[鰓呼吸ブルース]でツェッドの回想シーンに存在しているがボロボロに擦れた声である)
また、自身が血法によって生命維持している事からダメージに対する感覚が完全に狂っており、五体不満足くらい血法でなんとかなる程度にしか考えていない。そのためにザップにはトラウマになるほどの過酷な修行を課していた。
一方で深慮深く慈悲深いところもあり、自身の斗流血法が自分以外の存在では完全に体得できないことを理解し、弟子にそれぞれ片属性づつ授けることで二人して斗流血法の完全伝承を成そうとしたり、愛玩実験動物でしかなかったツェッドに対して生死の選択を与えるなど、その苛烈な言動に反して相手を思いやる心を持っている。
なお形成されて間もないHLにザップをクラウス達の元に送り込んだのも彼。
何故か仮拠点として住所の登録をして間もないクラウスの拠点を把握していた。
斗流血法(カグツチ・シナトべ)
読みはひきつぼしりゅうけっぽう
創始者であり、火と風2つの属性を扱う。スカーフェイス曰く「伝説の2重属性使い」。
2属性の血液を体内で混ざらないように循環させ、用途に応じて使い分けたり組みあわせたりしており、弟子のザップ曰く「人間様のやっていい領域を超えてる」との事。作中で2重属性を扱うことができるのは賤厳のみである。
上記の理由から弟子への継承が困難であったため、斗流血法を片属性づつ分派し、火属性の「斗流血法カグツチ」をザップに、風属性の「斗流血法シナトベ」をツェッドに継承した。
『禁戒奥義・刃身ノ獣(きんかいおうぎじんしんのじゅう)』
賤厳がザップとツェッドの延髄に施した拘束術式を『解錠』することで発動する二人の超強化形態。血液の刃「刃身」が強化外骨格と呼べるほどにまで膨大に増量され、ザップは背中からもう一対の腕が生えた『焔丸』四刀流による超高速連続斬撃、ツェッドは巨大な両手甲に一本ずつ『突龍槍』が植わったダブルパイルバンカーによる超高圧気流砲とジェット機動を可能とする。
しかし発動中は両者とも、精密な血法制御や阿吽の連携はそのままながら、昂り任せに吠えたてるまさに『獣』のような狂戦士状態となり、そもそも常日頃から賤厳本人が自身の監督下でなければ解放できないよう直々に『禁戎』しているだけあって、長時間そのままでいると何かしらのリスクが発生するらしい。ザップ曰く、「外法中の外法」「ジジイという安全弁無しでブン回すのは自殺行為」とのこと。賤厳・ザップ・ツェッドの天才三人がかりでようやっと実現できる、斗流極大の機能拡張陣形と言ったところか。
事実、この奥義を見様見真似で模倣して長時間使い続けた上級BB・タイクーンブラザーズは、突如身体がボコボコと膨れ上がった後に上半身が血の詰まった風船のように破裂してしまった。並大抵の損傷ならば瞬く間に完治してしまうはずの再生能力が機能していなかったこと、破裂した上半身が一片の肉片も残さず血液だけになっていたことから、『刃身ノ獣』は暴走すると使用者の身体が細胞レベルで崩壊してしまうのだと思われる。